上 下
10 / 10

9.*

しおりを挟む
ギシギシと嫌な音が木霊する薄暗い部屋の中――。
緩く揺さぶられるような違和感から一気に意識が覚醒し、瞠目した。

「っ!?」
「はぁ、……ジュリエッタ。意識が醒めた様だね」
「あっ、なに…………をっ!!」

目が醒めた瞬間、薄暗い中で信じられないものが視界に飛び込んできて、思わず絶句した。
違和感を感じて下にさげた私の視界に映ったのは彼……兄様と自分の結合部分。
そう。私は見知らぬベッドの上で兄様と裸で向かい合った状態、しかも彼にのしかかるような状態で正面から繋がっていたのだ。対面座位と呼ばれる状態だった。

「ごめんね、ジュリエッタ……君の処女、君が眠っている間に奪っちゃっ、た!」

兄様は言葉を発すると同時に下から思い切り私のお腹側を擦り上げるように動かす。それはいきなり私の膣内ナカの敏感な部分を掠めたようで、信じられないくらいの快感が私の体を襲った。いきなりの快感に悶絶し、膣内が激しく痙攣するのが分かる。

私、処女なのに……なんでっ、こんなに――気持ちが良いの?

混乱と快感の狭間で考えがまとまらない。ちゃんと警戒していた筈なのに、何故こんなことになっているのかすら分からないのだ。
怖かった。だから彼から解放されるために、腰に力を入れて剛直を抜こうとするが、それは上手くいかなかった。それどころか奥に押し付けるようにぐっと腰を押し付けられた。その衝撃で、絶頂してしまう。

「っ~~~~」
「っあぁ、ジュリエッタ。イッちゃった?」

一度動きが止まり、兄様は私の頬に手を伸ばしながら、恍惚とした表情で問いかける。
しかし一度絶頂を迎えて若干正気が戻った私は、一瞬の放心の後すぐに正気を取り戻した私は兄様を睨みつけた。

「そんな可愛い顔で睨みつけてもダメだよ。……気持ちよかったんだろう?俺ので突き上げられて……。それに、今日まで散々慣らしてきたんだ――――お前の為に」

その言葉で私は頭の中のバラバラのピースがカチリと繋がるような感覚と共に全てを悟った。
今日までの朝の違和感はこのせいだったのだ。
多分、私が眠っている間にきっと兄様は――――。

それに気づいた時、兄の闇の深さに触れたような気がした。心の底から恐怖を感じ、暴れて彼の腕から抜け出そうとするが、腰を抑える力が強すぎて抜け出せない。

「っ抜い……てぇ」

恐怖心から涙が滲んだ顔でそう懇願した瞬間、兄様が至近距離で喉を鳴らす音が聞こえた。それと同時に不意に再び激しい突き上げが始まる。パチュパチュという水音が辺りに木霊し、耳までも犯されているような感覚に支配され、羞恥に震えた。

「ひっ、ああぁ、………やめっ」
「やめてほしい?でも、こっちはそんなこと言っていない、ぞっ」

あまりの勢いに嫌なのに、やめて欲しいのに思わず兄様に抱き着いてしまう。

「っ、……いい子だ」

胸と胸が重なり合い、完全に密着しているせいかお互いの鼓動がダイレクトに伝わってくる。
それと同時に兄様の動きが、先ほどの激しい突き上げから打って変わり、まるで性器同士をこすり合わせる様な小刻みな動きに変化した。そのせいで花芯がこすれ、更なる快感を呼び起こす。

「ん………んあぁっ……」

膣内も外も同時に刺激され、己の内側が熱でうねり弾けそうな感覚を覚える。
こんなの、知らない。さっきよりももっと強い快感。イキ続けて、腰に快楽が溜まりすぎて苦しい。意味が分からないくらいの気持ちよさに自分の膣内が思い切り収縮するのが分かる。

「……ジュリエッタ、俺もイクから、そのままイって」

そのまま緩く、だが強く子宮を押し上げられ、背筋にゾクゾクとした快感が走り抜けた。

「やああぁぁっ……、だめっ、なん、か……きちゃっ」
「きつッ締め過ぎだ…………出すよ、ジュリエッタ」

一際大きく突き上げられた瞬間、何かがはじけたような感覚と共に強烈な浮遊感に襲われる。少々焦ったような声音の兄様の囁きと共に中に放たれた熱いものが更なる快楽に導く。

「っはぁ、ん――」
「…………愛してる、ジュリエッタ」

私が激しく達した瞬間、兄様が耳元で何かを囁くが、その頃には既には私の意識は闇に溶けていた。


しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

女性の少ない異世界に生まれ変わったら

Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。 目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!? なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!! ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!! そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!? これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?

青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。 そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。 そんなユヅキの逆ハーレムのお話。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~

白金ひよこ
恋愛
 熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!  しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!  物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?

処理中です...