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(※冒頭のシーンから少し時間が遡ります)
今日、5年前から魔導大国エルネストに留学していた彼が帰ってくる。私の目標で憧れの……唯一無二のライバルである彼が。
***
「ゼルク!!」
指定の場所である飛空艇の港の三番ポートで腕を組んで佇む彼の名前を呼んで、近づく。
ゼルク=ディートヘルム。ディートヘルム公爵家の嫡男で今年で十八歳になる私と同い年の幼馴染だ。ついでに彼はこちらの国に帰ってきたので、私と同じラウンズベルク国立魔導学院高等部魔導科第一学年になる。
五年も経っていたので、彼の姿が分かるかどうか少し心配ではあったものの、そんな心配は無用の長物だった。
声に反応して顔を見上げた彼は、相変わらず美しい。いやむしろ特徴的な綺麗な白銀の髪の毛、男なのに白すぎる程に透き通った白磁のような肌、私を写す太陽の様な金色の瞳――それらは更に美しくなったように感じる。
何と言うか昔から美形すぎて近寄りがたい雰囲気があったが、今は成長故に美しさに更に磨きがかかり、向き合うだけで雰囲気に圧倒されそうだった。
「魔導院からの迎えというのはお前だったのか……テレスタシア」
「ええ。貴方にある程度なじみがある人間の方が良いだろうってことで、私が選ばれたの」
嘘だ。本当は私がわざわざ志願した。彼は留学先の魔導大国エルネストにて既に魔道具研究でかなりの結果を出している。そのためかなりの有名人だ。だからそんな彼に群がろうとする女はたくさんいる。だから担当の教師を秘密裏に買収……もとい説得してここに来たのだ。
そんなゼルクに興味津々の見知らぬ女を迎えに寄越せば、昔から基本的に女嫌いで人間嫌いの彼が帰って早々機嫌が悪くなることは目に見えている。元々こちらの魔導院に顔を出した後に私の家である伯爵家に立ち寄ることになっていたので、その時に機嫌が悪くなった彼のお守など絶対嫌だ。この男は一度機嫌が悪くなると、機嫌を直してくれるまであれやこれやとかなり色んな手を尽くさなければならない面倒な男なのだ。
でも一番の理由は私が彼にあまり他の女の子を近づけたくないというとても子供っぽい独占欲のような感情だった。私はこれでもゼルクの事が好きなのだ。この心は一生彼に伝えるつもりなどないが、彼には未だ婚約者がいないのだ。私もとある事情から、ずっと婚約者がいなかったのだが、その事情が解消された故に今後はいつ婚約者が出来るのか分からない状態だ。だから今の時期だけだ。今は彼の時間を少しくらい独占しても咎められはしないだろう。
「何をしている?魔導院にむかうのだろう、さっさと案内しろ」
「ええ――っていうかなんかゼルクの隣でずっとニコニコしてこっち見てる人がいるけど……知り合い?」
さっきはゼルクしか目に入っていなかったので気にならなかったが、今更ながら彼の隣にとても目立つ容姿の人がいることに気付く。よくよく見てみると先端が縛られた長めの金髪に碧眼という絵にかいたような王子様的容姿で、ゼルクに劣らないくらいの美形だ……。ゼルクはどちらかというと神秘的な――神話にでも出てきそうな美しさだが、ゼルクの隣にいる彼は童話に出てきそうなタイプだ。全く違うタイプの美形である。
「知り合いなんかじゃな――」
「やあやあ、僕はフェリクス。フェリクス=アルタイルだよ。エルネスト国立魔導院から僕の親友ゼルについてきちゃったんだ~。よろしくね!テレスタシアちゃん」
「親友……こちらこそよろしくお願いします。フェリクスさん」
「さん付けなんて……そんな固い呼び名やめてよ~。ゼルの恋人なんだろう!こいつの恋人ってことは僕の恋人も同然さ!」
「は?」
フェリクスという男は語尾に星でも付きそうな勢いでゼルクの言葉を遮って話す。『ゼルクの恋人?』,『恋人なら僕の恋人も同然?』彼のぶっ飛んだ思考に思わず素で疑問符を浮かべた。
「私は別にゼルクの――っその恋人ではないし、なにより友人の恋人が自分の恋人同然っていう思考にドン引きです」
「え――君、ゼルの恋人じゃないの!?」
「なんでそう思ったのか分かりませんが、恋人ではありません」
「ええええええ!!?」
何故勘違いされたのかは分からないが、私とゼルクは恋人などという関係性ではない。確かにゼルクの事は好きだが、残念ながらそういう関係ではないし、そういう間柄になる予定もない。
「五月蠅い。さっさと案内しろと言っているだろう!時間が惜しい」
段々と機嫌が悪くなってきたゼルクに急かされ、歩き出す。相変わらず傲慢且つ尊大な態度の彼を案内しながらも何気ないことを話した。
向こうの生活の事だったり、ちゃんと寝ているのかだったり、基本的に彼の生活の心配ばかりだ。だって彼は昔から大好きな研究の事になると、寝食すらも忘れる人だったから。
魔道具の研究で学生ながらにこちらの国に届くほどの成果を出していたのだ。きっと寝食すらも殆ど忘れて毎日のように研究に没頭していたに違いない。彼の健康状態がかなり心配だ。
私は昔から魔法に対する研究ばかりの彼が心配で、家同士が懇意にしていることを良いことに散々生活の管理と言う名の世話をしていた。
私はゼルクが心配だったのだ。私は彼と一緒に行くことは出来なかったから。
細かい部分は省くが5年前、魔導士のエルネスト留学試験でその一枠を争い合って、私はゼルクに負けた。もう今は悔しい気持ちはないが、当時はすごく悔しくて悔しくて……それにもう、一緒に居られなくなるのが寂しくて仕方がなかったのだ。
でも彼は帰ってきてくれた。だから私は今、すごく機嫌が良かったりする。
ゼルクはフェリクスに茶化されて面倒そうにしながらも質問には答えてくれていた。そんな態度も相変わらずで……でも隣に彼がいて、受け答えしてくれているという事実に嬉しくなる。それに本人は認めたくなさそうだが、新しい友人もできた様で、少し安心していた。
きっとゼルクには懲りずにウザイくらいに絡んでくるフェリクスのようなタイプの方が合っているのだろう。いくらウザがられても絡んでいくタイプ。まるで昔の自分を見ているような気分になってなんとなく微笑ましい。
それに突き放していないということは満更でもない筈だ。彼は本当に嫌だったらきちんと遠ざける人だから。
だから友人、それも自称だが親友が出来ていたのは私も本当に嬉しく思う。此方にいた時から、その才能や美貌に嫉妬心や引け目、劣等感から接してくる人は殆ど彼の前から逃げてしまっていて、友人が私以外いなかったから。幼少期は本当にボッチで、笑えるくらいに浮いていた。
「友達出来てよかったね、ゼルク」
こそっと耳打ちする。若干嫌そうな顔をしながらも『まあな』と返してくれた彼に思わぬ成長を感じた。
今日、5年前から魔導大国エルネストに留学していた彼が帰ってくる。私の目標で憧れの……唯一無二のライバルである彼が。
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「ゼルク!!」
指定の場所である飛空艇の港の三番ポートで腕を組んで佇む彼の名前を呼んで、近づく。
ゼルク=ディートヘルム。ディートヘルム公爵家の嫡男で今年で十八歳になる私と同い年の幼馴染だ。ついでに彼はこちらの国に帰ってきたので、私と同じラウンズベルク国立魔導学院高等部魔導科第一学年になる。
五年も経っていたので、彼の姿が分かるかどうか少し心配ではあったものの、そんな心配は無用の長物だった。
声に反応して顔を見上げた彼は、相変わらず美しい。いやむしろ特徴的な綺麗な白銀の髪の毛、男なのに白すぎる程に透き通った白磁のような肌、私を写す太陽の様な金色の瞳――それらは更に美しくなったように感じる。
何と言うか昔から美形すぎて近寄りがたい雰囲気があったが、今は成長故に美しさに更に磨きがかかり、向き合うだけで雰囲気に圧倒されそうだった。
「魔導院からの迎えというのはお前だったのか……テレスタシア」
「ええ。貴方にある程度なじみがある人間の方が良いだろうってことで、私が選ばれたの」
嘘だ。本当は私がわざわざ志願した。彼は留学先の魔導大国エルネストにて既に魔道具研究でかなりの結果を出している。そのためかなりの有名人だ。だからそんな彼に群がろうとする女はたくさんいる。だから担当の教師を秘密裏に買収……もとい説得してここに来たのだ。
そんなゼルクに興味津々の見知らぬ女を迎えに寄越せば、昔から基本的に女嫌いで人間嫌いの彼が帰って早々機嫌が悪くなることは目に見えている。元々こちらの魔導院に顔を出した後に私の家である伯爵家に立ち寄ることになっていたので、その時に機嫌が悪くなった彼のお守など絶対嫌だ。この男は一度機嫌が悪くなると、機嫌を直してくれるまであれやこれやとかなり色んな手を尽くさなければならない面倒な男なのだ。
でも一番の理由は私が彼にあまり他の女の子を近づけたくないというとても子供っぽい独占欲のような感情だった。私はこれでもゼルクの事が好きなのだ。この心は一生彼に伝えるつもりなどないが、彼には未だ婚約者がいないのだ。私もとある事情から、ずっと婚約者がいなかったのだが、その事情が解消された故に今後はいつ婚約者が出来るのか分からない状態だ。だから今の時期だけだ。今は彼の時間を少しくらい独占しても咎められはしないだろう。
「何をしている?魔導院にむかうのだろう、さっさと案内しろ」
「ええ――っていうかなんかゼルクの隣でずっとニコニコしてこっち見てる人がいるけど……知り合い?」
さっきはゼルクしか目に入っていなかったので気にならなかったが、今更ながら彼の隣にとても目立つ容姿の人がいることに気付く。よくよく見てみると先端が縛られた長めの金髪に碧眼という絵にかいたような王子様的容姿で、ゼルクに劣らないくらいの美形だ……。ゼルクはどちらかというと神秘的な――神話にでも出てきそうな美しさだが、ゼルクの隣にいる彼は童話に出てきそうなタイプだ。全く違うタイプの美形である。
「知り合いなんかじゃな――」
「やあやあ、僕はフェリクス。フェリクス=アルタイルだよ。エルネスト国立魔導院から僕の親友ゼルについてきちゃったんだ~。よろしくね!テレスタシアちゃん」
「親友……こちらこそよろしくお願いします。フェリクスさん」
「さん付けなんて……そんな固い呼び名やめてよ~。ゼルの恋人なんだろう!こいつの恋人ってことは僕の恋人も同然さ!」
「は?」
フェリクスという男は語尾に星でも付きそうな勢いでゼルクの言葉を遮って話す。『ゼルクの恋人?』,『恋人なら僕の恋人も同然?』彼のぶっ飛んだ思考に思わず素で疑問符を浮かべた。
「私は別にゼルクの――っその恋人ではないし、なにより友人の恋人が自分の恋人同然っていう思考にドン引きです」
「え――君、ゼルの恋人じゃないの!?」
「なんでそう思ったのか分かりませんが、恋人ではありません」
「ええええええ!!?」
何故勘違いされたのかは分からないが、私とゼルクは恋人などという関係性ではない。確かにゼルクの事は好きだが、残念ながらそういう関係ではないし、そういう間柄になる予定もない。
「五月蠅い。さっさと案内しろと言っているだろう!時間が惜しい」
段々と機嫌が悪くなってきたゼルクに急かされ、歩き出す。相変わらず傲慢且つ尊大な態度の彼を案内しながらも何気ないことを話した。
向こうの生活の事だったり、ちゃんと寝ているのかだったり、基本的に彼の生活の心配ばかりだ。だって彼は昔から大好きな研究の事になると、寝食すらも忘れる人だったから。
魔道具の研究で学生ながらにこちらの国に届くほどの成果を出していたのだ。きっと寝食すらも殆ど忘れて毎日のように研究に没頭していたに違いない。彼の健康状態がかなり心配だ。
私は昔から魔法に対する研究ばかりの彼が心配で、家同士が懇意にしていることを良いことに散々生活の管理と言う名の世話をしていた。
私はゼルクが心配だったのだ。私は彼と一緒に行くことは出来なかったから。
細かい部分は省くが5年前、魔導士のエルネスト留学試験でその一枠を争い合って、私はゼルクに負けた。もう今は悔しい気持ちはないが、当時はすごく悔しくて悔しくて……それにもう、一緒に居られなくなるのが寂しくて仕方がなかったのだ。
でも彼は帰ってきてくれた。だから私は今、すごく機嫌が良かったりする。
ゼルクはフェリクスに茶化されて面倒そうにしながらも質問には答えてくれていた。そんな態度も相変わらずで……でも隣に彼がいて、受け答えしてくれているという事実に嬉しくなる。それに本人は認めたくなさそうだが、新しい友人もできた様で、少し安心していた。
きっとゼルクには懲りずにウザイくらいに絡んでくるフェリクスのようなタイプの方が合っているのだろう。いくらウザがられても絡んでいくタイプ。まるで昔の自分を見ているような気分になってなんとなく微笑ましい。
それに突き放していないということは満更でもない筈だ。彼は本当に嫌だったらきちんと遠ざける人だから。
だから友人、それも自称だが親友が出来ていたのは私も本当に嬉しく思う。此方にいた時から、その才能や美貌に嫉妬心や引け目、劣等感から接してくる人は殆ど彼の前から逃げてしまっていて、友人が私以外いなかったから。幼少期は本当にボッチで、笑えるくらいに浮いていた。
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こそっと耳打ちする。若干嫌そうな顔をしながらも『まあな』と返してくれた彼に思わぬ成長を感じた。
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