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君は何も知らなくていい
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「ねえ篤志。恋ってどんなもんなんだろうね」
「――いきなりどうしたの」
いつものように誉は、鷲見の髪を手で梳きながらそんな事を呟いた。それは余りにも唐突な事で、普段は余裕綽々としている鷲見だけれども、流石に驚いたのか少し声が上ずってしまった。
「うん。なんていうか。俺って恋をした事がないなって思って」
来る日も来る日も、特定の相手に対し嬉しそうに膝枕をしながら、優しい手付きで髪を梳く行為は恋人にするもの以外に何があるだろうか。まして誉と鷲見は親子でも兄弟でもないのだから、それ以外の関係なんて思いつかない。ここまでやっておいて気付かないだなんて、なんと鈍い奴だと鷲見は少しばかり腹を立てたが、まあそれも誉の良い点ではあるかと思いなおした。
「そうだね。まあその内に分かるだろうから。今は知らなくていいんじゃないかな」
「なんだよそれ。またそうやって俺をからかって」
「――いいんだ。君は何も知らなくていい」
拗ねる誉を一瞥すると鷲見は彼の膝に顔を埋め、ゆっくりと瞼を閉じた。もう、いっつもそうやってはぐらかすんだからという誉の呟きを子守歌にして、鷲見は徐々に意識を手放していった。夢の世界に旅立つ直前、でも可愛いんだから仕方がないよなあという誉の言葉に鷲見は、ほら答えは分かっているじゃないかと心中で彼に答え、それから口角を上げた。
鷲見は自分が同性愛者だということに、随分と幼い頃から朧げではあるものの自覚していた。はっきりとそうだと言い切れるようになったのは、小学生の低学年だったと記憶している。そう彼は生れ付きの同性愛者だ。好意を抱くのは決まって男性。女性など見向きもしない。
それ自体は特段に珍しい話ではなく、世間では有り触れたものだろう。それをひたすら隠し続ける者もいれば、世間体の為だけに女性と結婚する者だっている。または大っぴらに真実を明かす者。親がそれを認める幸せ者もいれば、勘当される者だっているだろう。
鷲見も彼らのように自由にそれを選択出来れば良いのだが、どうにも許されない事情が彼にはあった。彼が生まれた家は大層な名家であり、日本はおろか海外にすら知れ渡る旧財閥の企業グループを持つ。子会社、孫会社、関連企業を数え出せばきりがない。
鷲見はその名家の三男坊だ。上の兄二人に比べれば幾らかの自由はあるとはいえ、流石に私は同性愛者ですと大っぴらに出来る様な立場ではない。かといって自由を制限されるのをとことん嫌う彼が我慢できるはずもなく、彼は十六になる年の正月にそれを自身の父に打ち明けた。普段は日に五分も会えるかどうかの父親も、この日ばかりは休みを取る。その機会を鷲見は待っていた。
「今、何と言ったかな。篤志」
名だたる経済紙や新聞では、常に威厳に満ちた姿を見せる経済界の大物。鷲見貴信がこれでもかと目を丸くし、馬鹿みたいに大口を開けた。それもこれも正月早々に彼が一番に可愛がっている三男坊から、衝撃の事実を聞かされたからだ。
「だから俺、同性愛者なんだ」
貴信は瞬きを何度もし、自分の息子を凝視した。ああ、どうか夢であってくれと彼は拳を強く握り、信じてもいない神に祈った。
「自由に生きたいからさ、この家の戸籍から抜いてくれないかな」
「いや待て。それは困る」
誰もが羨む名家に生まれ、莫大な富と名声が約束されているというのに、あろうことか彼の三男はいとも簡単にそれを捨てると言ってのけた。
これで上の二人が優秀であれば、彼は三人も息子がいるのだから、一人くらい居なくなってもいいではないかと思っただろう。しかし長男は頭はすこぶる優秀ではあるものの、性格が優しすぎて経営者にはとてもじゃないが向いていない。かといって次男は頭はそこそこで優秀であるとは言い難いものの、冷酷な決断を出来るという点においては経営者向きだ。ただ女癖が悪すぎて結婚もしていないのに、すでに子供が三人もいることを考えれば、彼を後継ぎにだなんてとてもじゃないが言えない。
貴信は上の二人の良いとこどりをした性質を持つ三男をいずれは後継ぎにと考えていた。三男の篤志は頭はすこぶる優秀であり、かつ冷酷な判断も躊躇うことなく出来る度量を持っている。貴信にとっては正に完璧な後継ぎなのだ。それを失ってしまっては、血族以外の者に事業を任せなくてはならない。それだけはなんとしてでも阻止せねばならない。
「待て。分かった。お前が男とそういう仲になるのは認めよう。ただ条件がいくつかある」
貴信は息子を失わなくて済むのならばと、三男の性癖を幾つかの条件と引き換えにして受け入れた。
ひとつ、恋仲になるには、当家に見合う相応の家柄の相手であること。
ふたつ、鷲見の籍からは抜けないこと。
みっつ、将来はこの企業グループのトップに立つこと。
条件は以上の三つである。鷲見は些か三つ目に抵抗があったようだが、それを承諾し今に至る。貴信にとって鷲見が一つ目で躓くのではないかという目論見で出した条件――鷲見の家に見合う家柄で、尚且つ同性愛者だなんてそうそういないはず――だったが、すこぶる優秀な三男は進学した先の高校であっさりと明桐誉という大物を釣り上げてしまった。
明桐誉は戸籍上では明桐総一の養子となっているが、実は彼は明桐の実子である。明桐が高校二年の時に誉の母を孕ませ出来たのが彼だ。誉の祖父が彼らの結婚に反対し続け、つい二年前に彼が他界した事により、ようやく家族となれたという経緯がある。けれど世間体というものがあるからか、明桐は表向きは誉を妻の連れ子として扱っている。そしてその事実をまだ誉は知らない。
明桐といえば鷲見に並ぶ企業グループを持ち、そのトップともなれば日本の経済界で三本の指に入る大物だ。名家中の名家であるから、貴信は反対しようがなかった。むしろここで強い繋がりを作っておけば、将来の糧になる事は間違いない。どうあっても三男はすこぶる優秀だった。これでは祝福するしかない。
「しかしお前。よく明桐氏から承諾を得たな。彼はそう簡単にいく相手ではなかったと記憶しているが」
「ああ。誉に俺から全てばらしてもいいんですかって一言。そう呟いたら早々に白旗を上げたけど。誉は実父をこれでもかというくらい憎んでいるからね」
誉はまだ見た事もない――実際には毎日のようにテレビ電話で見ているけれど――実の父親が大嫌いだ。いくら養育費を毎月きちんと払っていたって、一度も誉に会ってくれなかった彼を憎んでいる。彼は父が自分を愛してくれていないと思い込んでいるのだ。
「――篤志。篤志。もう下校の時間になっちゃったよ。寮に帰ろうよ」
おや、いつの間にそんな時間になっていたのか。気持ちよく誉の膝で寝ていた鷲見は、ゆっくりと上体を起こすと気持ち良さそうに背筋を伸ばした。
「ねえ誉。実のお父さんの事、今も大嫌いなの」
誉は何を今更と思い眉を顰めて鷲見を睨んだが、すぐにこいつに腹を立てても仕方のない事だと思い直すと、当たり前だろうと彼の問いに答えた。その答えを聞いた鷲見は満足そうに息を吐き、それから甘えるように誉の肩に顔を埋め、何も知らない誉は鷲見の体を抱いて頭を優しく撫で始めた。
ああ、滑稽にも程がある。
鷲見は誉に見えないように口の端を上げた。本当は大声で笑いだしたいほど彼は上機嫌だったが、ここでバレては元も子もないと思い何とかその衝動を抑えた。
さあ外堀は埋まった。あとは誉が気付くだけだ。男同士だというのに好きでもない相手に膝枕なんてするか。好きでもない相手の髪を優しく梳くか。好きでもない相手の顔を肩にのせて抱き締めるか。違うだろう。お前はもう恋を知っているはずだ。
さあ、いつ気付くのだろうか。鷲見はその瞬間を考え笑みを深めたのだった。
「――いきなりどうしたの」
いつものように誉は、鷲見の髪を手で梳きながらそんな事を呟いた。それは余りにも唐突な事で、普段は余裕綽々としている鷲見だけれども、流石に驚いたのか少し声が上ずってしまった。
「うん。なんていうか。俺って恋をした事がないなって思って」
来る日も来る日も、特定の相手に対し嬉しそうに膝枕をしながら、優しい手付きで髪を梳く行為は恋人にするもの以外に何があるだろうか。まして誉と鷲見は親子でも兄弟でもないのだから、それ以外の関係なんて思いつかない。ここまでやっておいて気付かないだなんて、なんと鈍い奴だと鷲見は少しばかり腹を立てたが、まあそれも誉の良い点ではあるかと思いなおした。
「そうだね。まあその内に分かるだろうから。今は知らなくていいんじゃないかな」
「なんだよそれ。またそうやって俺をからかって」
「――いいんだ。君は何も知らなくていい」
拗ねる誉を一瞥すると鷲見は彼の膝に顔を埋め、ゆっくりと瞼を閉じた。もう、いっつもそうやってはぐらかすんだからという誉の呟きを子守歌にして、鷲見は徐々に意識を手放していった。夢の世界に旅立つ直前、でも可愛いんだから仕方がないよなあという誉の言葉に鷲見は、ほら答えは分かっているじゃないかと心中で彼に答え、それから口角を上げた。
鷲見は自分が同性愛者だということに、随分と幼い頃から朧げではあるものの自覚していた。はっきりとそうだと言い切れるようになったのは、小学生の低学年だったと記憶している。そう彼は生れ付きの同性愛者だ。好意を抱くのは決まって男性。女性など見向きもしない。
それ自体は特段に珍しい話ではなく、世間では有り触れたものだろう。それをひたすら隠し続ける者もいれば、世間体の為だけに女性と結婚する者だっている。または大っぴらに真実を明かす者。親がそれを認める幸せ者もいれば、勘当される者だっているだろう。
鷲見も彼らのように自由にそれを選択出来れば良いのだが、どうにも許されない事情が彼にはあった。彼が生まれた家は大層な名家であり、日本はおろか海外にすら知れ渡る旧財閥の企業グループを持つ。子会社、孫会社、関連企業を数え出せばきりがない。
鷲見はその名家の三男坊だ。上の兄二人に比べれば幾らかの自由はあるとはいえ、流石に私は同性愛者ですと大っぴらに出来る様な立場ではない。かといって自由を制限されるのをとことん嫌う彼が我慢できるはずもなく、彼は十六になる年の正月にそれを自身の父に打ち明けた。普段は日に五分も会えるかどうかの父親も、この日ばかりは休みを取る。その機会を鷲見は待っていた。
「今、何と言ったかな。篤志」
名だたる経済紙や新聞では、常に威厳に満ちた姿を見せる経済界の大物。鷲見貴信がこれでもかと目を丸くし、馬鹿みたいに大口を開けた。それもこれも正月早々に彼が一番に可愛がっている三男坊から、衝撃の事実を聞かされたからだ。
「だから俺、同性愛者なんだ」
貴信は瞬きを何度もし、自分の息子を凝視した。ああ、どうか夢であってくれと彼は拳を強く握り、信じてもいない神に祈った。
「自由に生きたいからさ、この家の戸籍から抜いてくれないかな」
「いや待て。それは困る」
誰もが羨む名家に生まれ、莫大な富と名声が約束されているというのに、あろうことか彼の三男はいとも簡単にそれを捨てると言ってのけた。
これで上の二人が優秀であれば、彼は三人も息子がいるのだから、一人くらい居なくなってもいいではないかと思っただろう。しかし長男は頭はすこぶる優秀ではあるものの、性格が優しすぎて経営者にはとてもじゃないが向いていない。かといって次男は頭はそこそこで優秀であるとは言い難いものの、冷酷な決断を出来るという点においては経営者向きだ。ただ女癖が悪すぎて結婚もしていないのに、すでに子供が三人もいることを考えれば、彼を後継ぎにだなんてとてもじゃないが言えない。
貴信は上の二人の良いとこどりをした性質を持つ三男をいずれは後継ぎにと考えていた。三男の篤志は頭はすこぶる優秀であり、かつ冷酷な判断も躊躇うことなく出来る度量を持っている。貴信にとっては正に完璧な後継ぎなのだ。それを失ってしまっては、血族以外の者に事業を任せなくてはならない。それだけはなんとしてでも阻止せねばならない。
「待て。分かった。お前が男とそういう仲になるのは認めよう。ただ条件がいくつかある」
貴信は息子を失わなくて済むのならばと、三男の性癖を幾つかの条件と引き換えにして受け入れた。
ひとつ、恋仲になるには、当家に見合う相応の家柄の相手であること。
ふたつ、鷲見の籍からは抜けないこと。
みっつ、将来はこの企業グループのトップに立つこと。
条件は以上の三つである。鷲見は些か三つ目に抵抗があったようだが、それを承諾し今に至る。貴信にとって鷲見が一つ目で躓くのではないかという目論見で出した条件――鷲見の家に見合う家柄で、尚且つ同性愛者だなんてそうそういないはず――だったが、すこぶる優秀な三男は進学した先の高校であっさりと明桐誉という大物を釣り上げてしまった。
明桐誉は戸籍上では明桐総一の養子となっているが、実は彼は明桐の実子である。明桐が高校二年の時に誉の母を孕ませ出来たのが彼だ。誉の祖父が彼らの結婚に反対し続け、つい二年前に彼が他界した事により、ようやく家族となれたという経緯がある。けれど世間体というものがあるからか、明桐は表向きは誉を妻の連れ子として扱っている。そしてその事実をまだ誉は知らない。
明桐といえば鷲見に並ぶ企業グループを持ち、そのトップともなれば日本の経済界で三本の指に入る大物だ。名家中の名家であるから、貴信は反対しようがなかった。むしろここで強い繋がりを作っておけば、将来の糧になる事は間違いない。どうあっても三男はすこぶる優秀だった。これでは祝福するしかない。
「しかしお前。よく明桐氏から承諾を得たな。彼はそう簡単にいく相手ではなかったと記憶しているが」
「ああ。誉に俺から全てばらしてもいいんですかって一言。そう呟いたら早々に白旗を上げたけど。誉は実父をこれでもかというくらい憎んでいるからね」
誉はまだ見た事もない――実際には毎日のようにテレビ電話で見ているけれど――実の父親が大嫌いだ。いくら養育費を毎月きちんと払っていたって、一度も誉に会ってくれなかった彼を憎んでいる。彼は父が自分を愛してくれていないと思い込んでいるのだ。
「――篤志。篤志。もう下校の時間になっちゃったよ。寮に帰ろうよ」
おや、いつの間にそんな時間になっていたのか。気持ちよく誉の膝で寝ていた鷲見は、ゆっくりと上体を起こすと気持ち良さそうに背筋を伸ばした。
「ねえ誉。実のお父さんの事、今も大嫌いなの」
誉は何を今更と思い眉を顰めて鷲見を睨んだが、すぐにこいつに腹を立てても仕方のない事だと思い直すと、当たり前だろうと彼の問いに答えた。その答えを聞いた鷲見は満足そうに息を吐き、それから甘えるように誉の肩に顔を埋め、何も知らない誉は鷲見の体を抱いて頭を優しく撫で始めた。
ああ、滑稽にも程がある。
鷲見は誉に見えないように口の端を上げた。本当は大声で笑いだしたいほど彼は上機嫌だったが、ここでバレては元も子もないと思い何とかその衝動を抑えた。
さあ外堀は埋まった。あとは誉が気付くだけだ。男同士だというのに好きでもない相手に膝枕なんてするか。好きでもない相手の髪を優しく梳くか。好きでもない相手の顔を肩にのせて抱き締めるか。違うだろう。お前はもう恋を知っているはずだ。
さあ、いつ気付くのだろうか。鷲見はその瞬間を考え笑みを深めたのだった。
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