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彼女が去ったあと
1.いいわけあるか
しおりを挟むルナティエラ嬢が光に包まれた次の日、朝から騎士団長である父は忙しそうに屋敷を出ていってしまった。
あとから私にも来るように言っていたが、セルフィス殿下の聞き取り調査に同伴させられるのだろうと頭痛を覚えてしまう。
昨日セルフィス殿下に軽く事情を聞くことになった父は、私の知っているセルフィス殿下はどこへいってしまったのかと嘆きたくなるほどの情けない姿であったぞ……と、報告してくれたのだが、正直そういう話は聞きたくない。
しかし、調査に加わる手前、詳しく話を知っておかなければならない立場でもある。
卒業したての騎士団長の息子が騎士団に入ったというだけであったら、手伝う程度であるために、伏せられたことも多いだろうが、今の私は父の手伝いという立場ではない。
現在の私は、国王陛下任命の『特別調査官』という肩書きを得てしまったのである。
どうしてそうなってしまったのかというと、父がネックレスの件を、あろうことか国王陛下に報告してしまったのだ。
何を戯言を……と一蹴するような話だが、国王陛下は不可思議な力の存在を否定することなく、ガラスの器に入れられたネックレスを一瞥し、私と同じような様子で眉をひそめたと父から聞いた。
その様子から、陛下は言葉にしていないが、何らかの特殊な力を持つのではないかと考えている。
まあ……確証はないのだが───
そういうこともあり、以前より聞き及んでいた私の特異体質のようなものが今回はとても役に立つだろうと、国王陛下自ら私に今回の調査を依頼してきたのだ。
前代未聞のことである。
しかも、断ることができないよう、王命だと直筆サイン入りの書状をしたためてあるという徹底ぶり……今回の件が異様であり、放置することができない問題であると、国王陛下はお考えのようだ。
私としては、学園を離れていた間、彼女に何が起こっていたのか気になっていたし、他にも気になることが一つある。
昨日からずっと、奇妙な力の働きを感じているのだ。
それは、つかず離れず様子をうかがうかのように、ひっそりとこちらを見ているような不気味さを覚えるものであった。
何かあるのは間違いないだろう。
ミュリア・セルシア男爵令嬢の持っていたネックレスに、目をつけられるとは思っていなかったのかもしれない。
つまり、何かを画策していた者にとって、私の行動は目障りでしかないということだ。
ルナティエラ嬢がいなくなったことも痛手だろうが、私が動くことにより、今まで静観していたソレが確実に動き出すだろうという予感がした。
ならば、的になってでもあぶり出すまでだ。
その手始めとして、父から詳細を記した調査書を手渡されて読んだのだが……衝動的に破りたくなってしまい、慌てて父がとめたのだが、少々破れてしまったのは私の責任ではないだろう。
ルナティエラ嬢という素晴らしい婚約者がいながら、ミュリア・セルシア男爵令嬢と男女の仲であったとは嘆かわしどころか、ぶん殴りたくなったものだ。
いや、2,3発ぶん殴ろう。
王太子殿下の手助けをして国を支えていくという目標を掲げていた、立派な人物であったはずが、1年という歳月でこうも変わってしまうのか……?
だいたい、誘惑されたからと言って、王家の血を引くという自覚も無しに、男爵令嬢に手を出すか?
呆れて物が言えないとはこのことだろう。
食後の紅茶を飲みながら再度調査書に目を通していた私は、父が危惧していたとおり第三王子のオブセシオン殿下が兄を非難し、城内で騒ぎを起こしたという文面にも頭痛を覚えた。
オブセシオン殿下が城内の人目のつくところで騒ぎ出したせいで、セルフィス殿下の婚約破棄騒動からの男爵令嬢への心変わりはすぐに皆の知るところとなり、ミュリア・セルシア男爵令嬢の誘拐事件は婚約破棄を狙ったセルフィス殿下のねつ造ではないかという噂すら流れている始末だ。
セルフィス殿下の信用は地に落ち、取って代わるかのように今までおとなしかったオブセシオン殿下の評価が上がった。
婚約者となるはずだったルナティエラ嬢を、いまでもずっと想っているという激白は、若い貴族たちの心をわしづかみにしたようである。
片や浮気をして婚約破棄、片や婚約者となるはずだった人を奪われたがずっと想い続けていた純愛。
比べるまでもないというところだろう。
しかし、私から見たら……どっちもどっちだ。
想っているといいながら、彼女が本当につらいときに何もしなかったではないか───
鼻で笑ってしまった私の様子を紅茶を飲みながら眺めていた母は、小首をかしげたあと何かを考えているように視線をあちらこちらへとやってから口を開く。
「ベオルフ。何か変な物がうろうろしているようだけど、大丈夫なの?」
「問題ありません」
「ならいいのだけど、変だと思ったらいつでも相談に乗るわ」
「ありがとうございます」
まじないの類いは、母上に任せるのが一番かもしれないが……あまり接触させたくないというのが本音であった。
母の出身は、この国ではない。
海に囲まれた国で、まじないが生活の一部となっている不思議な場所だと聞いたことがある。
その国に生まれた者は、外の世界に出ることが少ないのだが、母は持ち前の旺盛な好奇心に導かれて国の外へ飛び出し、父と出会い恋に落ちたのだと、酒に酔うたびに絡まれて聞かされたものだ。
しかし、まじないの類いが生活の一部だった母にも見える奇妙なモノは、やはりつかず離れずの位置で伺っている。
陰湿極まりない性質が出ているな……
奇妙な気配を無視して調書を再読し、気になったところをチェックしていたら、どうやら父の使いの者が来たらしく、至急来てほしいようだと母から告げられ、急ぎ支度をして、昨日ひどく取り乱していたクロイツェル夫妻が宿泊する城の一角にある客間へと足を運ぶ。
現在は、面会も決められた者たちだけしか許されず、ほぼ軟禁状態にある。
ルナティエラ嬢が主神オーディナルの花嫁になったという噂だけでも大ごとである上に、彼らの取り乱しようが異様すぎたため、様々な憶測を呼び、彼らの戸惑いを無視した思惑を持った者たちが接触してくる可能性があったための措置であった。
大きな白い扉の前には、騎士団の者と思わしき人物が二人配置されており、廊下にも騎士たちが警戒に当たっている姿が見て取れたが……考えていた以上に警戒態勢になっているのはなぜだろうか。
「ベオルフ・アルベニーリだが……」
「お待ちしておりました。騎士団長は中です。早く行ってあげてください」
祈るように半泣きの顔で言われて、背中をぐいぐい押されながら部屋の中へと通されると、そこには、父とクロイツェル侯爵夫妻と……何故か、セルフィス殿下とミュリア・セルシア男爵令嬢がいた。
何故貴方たちがいる───
お前は何をしていた?という問いかけをこめて、父の後ろに控えていたスレイブに視線を向けると、彼は嬉しそうに表情を輝かせた。
……見なかったことにしよう。
引きつりそうな口元を手で押さえ、深くため息をついてから、どうしてこうなったのか説明してくれと念を込めて父を見た。
「いや、そうだな……どこから説明しようか」
何から言っていいのかわからん!とでも言いたげな父の様子に業を煮やしたのか、セルフィス殿下が私の方に体を向ける。
殴るなら今か?
そんな考えが脳裏にチラリと浮かんだが、さすがにここはまずいだろうと自重する。
「ミュリアの誘拐をルナの性格ですることは難しい。ならば、親であるこの二人が指示したのではないかと問いただしているだけだ」
「……昨日も言いましたが、婚約者でもない女性を愛称で呼ばないでください」
「私の意思で婚約破棄をしたのではない!」
「では、貴方が伴っているミュリア・セルシア男爵令嬢とはどういうご関係です?私は国王陛下より、この件に関して調査するよう命じられましたので、調書もすべて目を通しております」
昨日の調書内容を知られているということに驚いた様子のセルフィス殿下は、顔色を変えていいわけをするように言葉を並べるが、今の私にはそれが雑音にしか聞こえない。
ルナティエラ嬢にも、このような雑音をずっと聞かせていたのだろうかと考えるだけで、頭がズキリと痛んだ。
本来であれば、一番の味方にならなければならないはずの人が、何をしているのだろう。
苦しんでいる彼女を守ろうとせず、遠くへ置いて違う女性にうつつを抜かすなど言語道断である。
思い出すのは、覚えのない罪を着せられ、孤立無援の状況でも毅然とした態度をとり続けた彼女の姿。
震えていたな……恐ろしかっただろうに、必死に己を奮い立たせていた。
その彼女と比べ、情けない姿をさらす友人であるはずのセルフィス殿下に憤りを隠せない。
少し離れたとは言え、長年培われたものがあるのか、私の怒りを感じ取ったセルフィス殿下はよく動く口をようやく閉じて一歩下がった。
「友人という立場から言わせていただく。セルフィス殿下、貴方に彼女を愛称で呼ぶ資格はない。ルナティエラ嬢のことを本当に想うのならばできないようなことをしているのだ」
「それはっ」
「まさか、ミュリア・セルシア男爵令嬢との関係も、誰かに操られたものだと言うつもりではないでしょう?」
本人を前に、そんな馬鹿げたことを言えるはずがない。
儚い令嬢の仮面をかぶったミュリア・セルシア男爵令嬢の表情が、誰にも気取られないほど一瞬だけ醜く歪んだ。
周囲に陰謀が渦巻く王家に輿入れするなら、これだけの演技力は必要かもしれないが……致命的な欠陥をいろいろ抱えている時点であり得ない。
昨日、騎士団総出で行った学園の事情聴取の中に、彼女の貞操観念の危うさを訴える者がいたと調書に書き記されていた。
それが1人であったら気にもとめなかったのかもしれないが、大多数となると無視できない。
私だったら御免被りたいな。
生まれてくる子供の父親が自分では無い危険性をはらむ女性との恋愛関係は……
その点、ルナティエラ嬢ならば確実に自分の子だと言えただろうに、ミュリア・セルシア男爵令嬢のどこが良かったのか理解に苦しむ。
「セルフィス様……」
「い、いや、違う……そ、そんなことは言わないから大丈夫だ」
これで浮気は確定であり、セルフィス殿下にルナティエラ嬢を愛称で呼ぶ権利を剥奪できた。
耳障りであったから、僥倖と言えよう。
ルナティエラ嬢とミュリア・セルシア男爵令嬢のどちらも、自分のものだというつもりだったのだろうか。
「では、以後ルナティエラ嬢のことを愛称で呼ばないようにお願いします。それでなくとも、彼女は主神オーディナルの花嫁なのです。誰よりも尊き方になったのですから、言葉には注意してください」
「あ……ああ」
「それに、夫や家族以外の異性が愛称で呼ぶなど、この国ではあり得ません。常識知らずと言われかねませんので、今後は注意していただけると助かります」
「……わ、わかった」
セルフィス殿下からは死角になっている立ち位置にいる父が、何故かガッツポーズをしている……まあ、気にしなくていい、きっと私が来る前になにかあったから憂さが晴らせたというところだろう。
しかし、クロイツェル侯爵夫妻の気持ちを考えれば、婚約者でもない殿下の愛称呼びは困る。
クロイツェル侯爵夫人が、明らかにホッとした表情をしているところを見ると、私が来るまでずっとそう呼んでいたのだろうか……困った方もいたものだ。
「アルベニーリ騎士団長。火急の呼び出しの件はなんだったのでしょうか」
「ああ、クロイツェル侯爵夫妻同伴の元、ルナティエラ嬢の部屋の検分を行ってほしいと、国王陛下から命が下されてな……」
「部屋の検分?」
一体どういうことなのだろうかと父とともに顔を見合わせてしまうが、その話になったとたん、侯爵夫妻の表情が苦渋に満ちたものへと変化した。
何かあるのだと、それだけで理解できてしまう。
本人が不在である部屋に入るのは気が引けるが、王命では致し方ないと諦めていただくしか無い。
「私も行くぞ!」
「私もご一緒してよろしいでしょうか」
いいわけあるか。
口をついて出そうになった言葉を、かろうじて飲み込んだ。
「これは正式な調査ですので、当事者である貴女や糾弾された殿下はご遠慮いただきたい」
「だから、それは私の意思では無いと言っている!」
「あれだけの人がいる中で、彼女の罪を問うたのです。無かったことにはできません」
なるべく感情を抑えた声でそう告げれば、気圧されたようにセルフィス殿下は押し黙り、「私はいいでしょうっ!?」というミュリア・セルシア男爵令嬢を軽く睨み付ける。
「当事者である貴女に許可が下りるはずが無い」
「被害者なんですから、それくらいの権利があって当然ではありませんか?ルナティエラ様が、一体何を考えて私を誘拐しようとしたのか、それが知りたいのです」
呆れて物が言えない……人の話は聞いてほしいものだとため息をついてから父を見れば、こくりと頷くので遠慮無く言ってもいいだろう。
「何を勘違いしているのか知りませんが、その誘拐事件に関して疑わしきところがあると国王陛下自らがおっしゃられているのです。それ故の再調査になるのに、どうして貴女が自由に行動できると考えることができるのだ」
「え……?ゆ、誘拐されそうになったのは事実です!」
「それを画策した相手がルナティエラ嬢であると証言した者たちは、揃って姿を消したようだが?」
「そんな!ルナティエラ様でなければ、誰だとおっしゃるのですか!」
「むしろ、どうして彼女だと思ったのかが不思議だ。彼女の性格から、人を疎んじることを得意としない。嫌なことがあっても押し黙って、1人で抱え込むのが常だったはずだ」
そんな彼女の性格もわからなかったのか?という視線を、セルフィス殿下とミュリア・セルシア男爵令嬢に投げかける。
丁寧な説明を心がけたつもりだったが、話のわからない相手に長続きはせず、思わず素が出てしまった。
できれば、これくらい大目に見てもらいたい。
「彼女は人を貶めることはせず、いるのかどうかも怪しく感じるほど目立つことも無く、人を避けてひっそりと学園生活を送っていた。それが、調書からわかる彼女の学園生活だ」
「そ、そんなはず……!」
「これについては、証言が多数あるので、真実だろう。私は昨年より忙しく、学園に通っている時間が少なかったゆえに知らなかったが……学友として、もっとそばにいてやるべきだったと後悔している」
乗馬訓練の時のようにな……と、言葉を付け加えれば、セルフィス殿下は苦虫をかみつぶしたように顔をしかめた。
あの後、何故かセルフィス殿下とミュリア・セルシア男爵令嬢に睨まれたが、意味がわからないと首をかしげたものだ。
学園の乗馬訓練は、男女ペアで行うことが多い。
それ故に、婚約者を優先するのが常識である……が、あのとき、セルフィス殿下はミュリア・セルシア男爵令嬢を連れていた。
新入生であるから気を遣ったのかと考えていたのだが、一向にルナティエラ嬢を迎えに来る気配がなく、このままでは彼女の成績がまずいだろうと連れ出してはみたものの、とても戸惑っているのと同時に感じた、心の奥底にある鬱憤のようなものを晴らしてやろうと馬を思いっきり走らせたのだ。
いつもとは違う彼女の様子を見せて、彼女は家柄関係なく話しやすい相手であると、クラスメイトに教えてやりたかったのかもしれない。
落ちないように固定してから走っているので、絶対に落とさない自信があった。
しかし、それを理解していない彼女は、穏やかな表情に貼り付けていた仮面を取り払い、悲鳴を上げて私にしがみつき、「このままでは落ちます!落ちますからーっ!スピードを落としてくださいいぃぃっ!」と、今まで聞いたことも無いような言葉遣いと悲鳴をあげたのだ。
あれは見物だった。
蜂蜜色の瞳に涙を浮かべ、必死にしがみついてくる様は、めったに感じない庇護欲をかき立てられ、しっかり支えているから落ちないと何度言っても信じてもらえなかったな……と、苦笑が浮かびそうになる。
私にとっても、久しぶりに楽しい時間であった。
珍しく声を出して笑い、思い切り恨みがましそうな瞳で睨まれたが、可愛らしい睨み方で恐ろしさのかけらも無い。
それが余計に楽しくてスピードアップしたのは、彼女のせいでもあると弁明しておこう。
ずっと震えてしがみついていた彼女は、学友たちの目から見ても意外だったらしく、それからしばらくは、声をかけようかどうしようか迷っているクラスメイトを多数見かけることになったが……あのあとは、結局どうなってしまったのだろうか。
あれから卒業式の日まで、忙しさのあまり接触を持つことが無かった。
それが、とても悔やまれる。
ただ、今はあのとき見せた屈託無い表情を浮かべていればいい。
一瞬だけ脳裏に浮かんだ、濡れたような漆黒の美しい髪に不可思議な瞳の色をした青年の隣で、いつもより柔らかく幸せそうな表情で微笑むルナティエラ嬢が、幻では無いと信じたかった。
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