悪役令嬢の次は、召喚獣だなんて聞いていません!

月代 雪花菜

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第十四章 大地母神マーテル

14-20 密談

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 とりあえず、何とか公衆の面前で半裸になる事態を回避したリュート様は、アレン様と時空神様に止められているお父様達ではなく、キュステさんに首根っこを掴まれているお母様へ鋭い視線を向ける。

「あのさ……こんなところで息子の服を脱がす母親がいるかっ!?」
「男なんだから、そんな小さなこと気にしなくても……」
「お母様、小さな事ではありません。リュート様の鍛え上げられた肉体美は、私たち女性にとって凶器です」

 私は至極真面目に意見を述べたのだが、リュート様は真っ赤になって狼狽え、お母様は冷静さを取り戻したのか、我が子をマジマジと見つめて頷く。

「確かに……?」
 
 わかっていただければ良いのです……と頷いていた私へ視線を移したキュステさんは、何故か戸惑った表情を浮かべた。

「まあ、奥様の言う事にも一理あるんやけど……。その言い方は……見た事あるみたいな感じに……」
「え? アンダーシャツの上からでもわかるくらい、リュート様はシッカリ鍛えられておりますから当然です」
「ナルホド」

 お母様達の手でアンダーシャツ状態になっていたリュート様は周囲の視線に晒され、何とも言えない表情をしている。
 そんな彼の頭上へ、いつも通り真白が舞い戻った。
 ぽふんっと着地した真白は心配そうにリュート様へ声をかける。

「ねーねー、本当に傷は大丈夫なのー?」
「大丈夫だ。まあ……傷跡は残っているが、それも数ヶ月で消えるだろ。ルナが俺の体内に入った【魔素】を浄化してくれたから事なきを得たし、本当に感謝しかねーよな」
「いえいえ、それはユグドラシルに言ってください。彼女が導いてくれたおかげで浄化することができたのですから」

 私がそう言った途端、アーゼンラーナ様が目に見えて固まった。
 そして、さび付いたロボットのような動きで此方へ向き直る。

「る……ルナ? ゆ、ユグドラシル様の……介入が……あった……と?」
「はい。私を呼び出し、時間を遡って干渉しました」

 私の言葉を聞いていたアーゼンラーナ様の顔色が一気に白くなる。
 そして、助けを求めるように夫である時空神様を見た。

「だから言ったデショ? ルナちゃんだけは本気でヤバイって……。ルナちゃんとベオルフの扱いは、くれぐれも間違えないでネ? 俺の可愛い奥さんでも擁護できないカラ」

 ニッコリと微笑む時空神様に、アーゼンラーナ様は涙目で何度も頷く。
 ユグドラシルが介入しただけなのだが、それほど騒ぐことだろうか。
 彼女は気まぐれだし、これまでに幾度となく手を貸してくれているのだ。
 彼女の動揺を不思議に思い首を傾げていたら、オーディナル様は真白を指さして更に言葉を続ける。

「真白もそうだ。鳳凰の子供なのだから、丁重にな。何かあれば、ユグドラシルが黙ってはいないだろう」
「ほらー! 丁重にだってー! だから、リュートも真白ちゃんをシッカリもてなして、すごーく丁重に……ぴゅにゃああぁぁっ!」
「うるせぇ」

 頭上の真白を引っつかんで『モニュモニュの刑』を容赦なく執行するリュート様に、オーディナル様は笑い声を上げた。

「良かったな真白。リュートが相手をしてくれて寂しくなかろう」
「にょおおぉああぁっ! 確かに……そうなんだけどおおぉぉ! 中身がでちゃうううぅぅ!」
「出ない力加減を心がけているから安心しろ」
「それなら安心……じゃなああぁいぃぃっ! 真白ちゃんがパン生地になっちゃううぅぅっ!」

 悲鳴を上げながら返事をする真白と、呆れ顔で相手をしているリュート様。
 この状況に慣れてしまった私や遠征組の人たちは苦笑を浮かべて見守るだけだ。
 誰も止めようとしていない。
 真白は全く懲りないというか、何と言うか……。

「アレは……良いのか?」
「ああ、イイヨ。だって、リュートくんだし。喜んでいるからネ」
「喜んで……?」

 そこはリュート様と真白にしか判らない信頼関係というか、今までの積み重ねから来る関係性である。
 一見して理解出来るような物では無い。
 とりあえず、私は料理の続きをしようと、下処理をしたカウボアの小腸を取り出して、食べやすい大きさにカットしていく。
 あとは、下ゆでだ。
 本来であれば、ここでアクをシッカリ取る作業に入るのだが、リュート様の洗浄石が優秀だからか少ないように感じる。
 モツの準備ができたら、次は大量のキャベツだ。
 
「チェリシュのキャベツ、いっぱいなの! グーちゃんも食べるなの?」

 グレンタールの背中に乗って上機嫌のチェリシュが私の作業を見守っている。
 私の作業がどういうものか話すチェリシュは、いつの間に覚えたのだろうかと考え込んでしまうほど丁寧な説明をしていた。
 それをグレンタールが嬉しそうに聞いている。
 穏やかで優しい性格の天馬は、子供達の子守りに大忙しだ。

「お野菜がたくさん食べられるスープにしますからね」
「あい!」
 
 モツ鍋とは違い具だくさんスープなので、定番のニラとにんにく、唐辛子の他にタマネギやキノコ類も準備する。
 具材を鍋に入れたら、自家製スープを入れて煮込むだけだ。
 自家製スープはお店で出している鶏ガラスープと、蛍のとってきてくれた昆布でとったうま味たっぷりのスープが基本となっている。
 あとは塩で味を調えれば、それだけで美味しい。
 煮込むほど野菜がトロトロになり、モツからうま味も出てくる。
 辺りに漂う良い香りを感じてか、保護者達もソワソワしはじめたようだ。

「美味しそうね」

 メロウヘザー様が目を輝かせて私が作っているモツスープを見つめる。
 スープに溶け出したコラーゲンは、きっとメロウヘザー様を満足させるに違いない。

「あとは煮込むだけですから、楽しみにしていてくださいね」
「ええ、とても楽しみです」

 メロウヘザー様が興味を示す料理ということで興味を引かれたのか、お母様ものぞきに来る。
 そこで肌に良いという話を聞いたお母様は目を見開き、弾かれたようにアーゼンラーナ様のところへ駆けていった。
 美容に人も神も関係無い――ということだろうか。
 
 他の人たちも家族との再会が一段落したのか、昼食作りへ戻り始める。
 キャットシー族がしていた食事の準備を自分たちの子供がしているのに驚いた保護者たちは、何とか止めようとしているが、彼らは聞く耳を持たない。
 それどころか「食ってから言え」と、軽くあしらっている。
 初日からは考えられない変化だが、リュート様の理解者が増えて嬉しい限りだ。

「やっと追いついたああぁぁっ! 師匠! カフェやラテだけなんてズルイだろ!」
「そうですにゃ! 私たちも弟子ですにゃあぁ!」

 駆けつけてきたのはカカオとミルクだった。
 どうやら、お母様の後を追ってきたらしい。
 息を切らせてうにゃうにゃ言っている二人を出迎え、ピザ作りはカフェとラテが頑張ってくれているので、モツスープと焼き肉の方を手伝って貰うことにした。
 私の言葉通りに作業をしていたカカオであったが、見慣れない食材に手を止める。

「師匠、この肉……なに?」
「焼き肉用にカウボアのタン、シマチョウ、サガリとハラミを用意しました。部位としては舌、大腸、横隔膜近辺の肉ですね。詳しく言うなら、サガリは腰椎側、ハラミは肋骨側の肉です。あと、スープは小腸を使っております」
「……へ?」

 呆然としているカカオとミルク。そして、手を止めて固まるカフェとラテ。
 やはり、キャットシー族でも扱わない部位なので驚きを隠せないのだろう。
 一度断られたとリュート様が言っていたので、想定内の反応である。

「一度食べてみてから、意見を言ってくださいね?」

 ニッコリと微笑む私に、何故か四人は慌てて頷く。
 何か怖いものでも見たような反応ですね……。

「今の圧はベオルフ譲りだな」
「オーディナル様? 私、そんな怖い圧を出しておりましたか?」
「間違いなく出していた。まあ、僕の愛し子は料理に対して並々ならぬ想いがあるから、致し方ない」

 自分がそこまでしているという自覚は無かったが、どうやら私にもこだわりの強い部分があるようだと再認識する。
 だからこそ、リュート様とうまくやっていけるのかもしれない。

 リュート様の方を見れば、トリス様やシモン様を中心とした人たちに囲まれ、ノートPCの説明をしているようであった。
 いつの間にやってきたのか、ギムレットさんや奥さんのライムさんも一緒に説明を聞いている。
 その中でも真剣に質問を繰り返して性能を確認しているのは、シモン様によく似た人物だ。
 おそらく、シモン様の身内だろう。

「……大所帯になってきましたね」
「夜は更に増えるぞ」
「え?」
「仕事で抜けられぬ者たちが合流するのだから、増えて当然だ」
「な……なるほど? お料理……足りるでしょうか」
「それこそ、遠征組の全員で取りかかれば良い。それに、僕とゼルも多少力を貸し与えよう」

 それは心強いと微笑み返し、手だけは休まずに動かし続ける。
 オーディナル様と時空神様が手伝ってくれるのも大きいが、最近では料理担当など関係無く手伝ってくれる遠征組が多い事も安心する要因であった。
 現在では、ほぼ全員が何かしらの料理を作ることが出来るようになっている。
 戦闘や見張りを担っていた騎士科、お父様率いる黒の騎士団や白の騎士団。
 ポーション作成を頑張っていたロヴィーサ様たちは例外として……だが。
 特にリュート様は、指揮系統、書類作成、戦闘、他にも頼られて忙しく駆けずり回っていた。
 倒れてしまうのではないかと思えるほど頑張る姿は頼もしいが心配だ。
 リュート様は、ちゃんと睡眠時間を確保しているのだろうか……。

「やはり、ノートPCが気になるか。アレが普及すれば、少しはマシになるだろうな」
「仕事が……ですか?」
「必要の無い仕事や雑務が多すぎる。あちらは仕方ないが、此方はこれほど文明が進んでいるというのに……効率が悪過ぎる」
「それで一肌脱いだのですね」
「それもある。あとは、リュートと開発するのが面白かったから……つい……な」

 オーディナル様は満足げに微笑み、人々に囲まれているリュート様を眺めていた。
 よほど楽しい時間だったのだろう。
 しかし……この二人は放っておいたら、本当にマズイ物を平気で作製してしまうので要注意だ。

「蛍も僕の愛し子の眷属として、よく働いてくれているな」
「はい。お父様と仲が良いようで……とても微笑ましいです」
「うむ、良い傾向だ。ハロルドには癒やしが必要だ。リュートのことで心労がたたっているし……何より、【混沌結晶】の件もある」

 声を潜めたオーディナル様の言葉に、私も無言で頷いた。
 お父様の腕にあった【混沌結晶】は、結局何が原因なのか判明していない。
 今回のリュート様と同じように、知能ある魔物と戦闘した際、傷口から入り混んだ可能性もある。
 現時点では、その可能性が高いと見ているが、オーディナル様は他の可能性も探っているようだ。

「あちらと此方……どちらにも存在する【深紅の茶葉ガーネット・リーフ】も気に掛かるが……マーテルの件も無視することはできない」
「気に掛かる事が多いですね。ベオルフ様の方は大丈夫ですか?」
「あちらは問題無いだろう。それに、半日くらいであれば時をずらして移動するくらい僕にも出来る。まあ、自分が創った世界に限定されるが……」

 それは初耳だ――。
 しかし、『自らが創造した世界』で『半日』という限定がつくのは、具体的で理解しやすい。
 時に干渉するのは創造神でも難しい事なのだと再認識した。
 
「あまりムリをしないでくださいね」
「そこまで心配しなくとも大丈夫だ。ベオルフの方は弟のガイセルクが合流したから、今までよりは負担が減るだろう」
「ガイセルク様ですか……仲の良い兄弟ですから、その点は安心ですね」
「元々戦神の血を引く一族だ。戦闘面でも問題あるまい」

 え……と、私は一瞬手を止める。
 この会話は私とオーディナル様の間だけで聞こえているのだろう。
 近くに居るカフェたちは何事もなく作業をしているし、黎明ラスヴェート騎士団もピザをピザ窯に入れているところだ。

「そうだったのですね……。だから、ベオルフ様をアルベニーリ家に預けたということですか」
「勿論、お前達を預ける家は厳選した。当たり前だろう」

 下手な家に預けられるか……と、どこか不貞腐れたような顔をしている。
 本当は自分の手元に置いて育てたかったと言われたようで、私は苦笑するしかない。

「オーディナル様……ありがとうございます」
「気にしなくて良い。それよりも……マーテルの件。どう思う」
「おそらく幽閉されているのだと思われますが……納得いきません。仮にも十神です。大人しく幽閉されている理由が知りたいです」
「それが判れば良いのだが……。その理由が何にせよ、マーテルは……一時的とはいえ十神の位や権限を剥奪することになるだろう」
「やはり……そうなりますか」

 オーディナル様の立場上、この広場を創った時から予測はしていた。
 だから、あんなに悲しそうな……寂しそうな顔をしていたのだ。
 
「一時的……なんですよね?」
「永久に剥奪することはないし、理解ある者を後任として決めている。まだ本人の承諾は得ていないが……最終的には僕の決定に従うだろう」

 そこでオーディナル様は深い溜め息をつく。
 その溜め息に込められた想いを察し、私はオーディナル様の腕を撫でる。

「おそらく……今、あの子に必要なのは休息だ。そして……」

 オーディナル様はスッと視線を動かしてリュート様を見た。
 その視線にどういう意味があるのか判らなかったが、それは十神全てがリュート様を慕っている理由に繋がるような気がする。
 彼の持つ魔力なのか。
 それとも、彼の魂の輝きなのか。
 彼らにとって好ましい何かが、彼にはあるのだ。

「僕の愛し子」
「はい」
「……マーテルのことを任せた。僕の愛し子であれば、あの子の心を癒やすことが出来るだろうからな」
「私なら……ですか?」
「そなたにしか出来ないことだ」
「癒やしはベオルフ様の専売特許なのですが……」

 そう言いながらも、それは癒やしの力でどうにかなる物では無いのだと察していた。
 だからこそ、私とオーディナル様は静かに微笑み合う。
 言葉にはしない。
 ただ、大地母神マーテル様の心に寄り添うことを、オーディナル様に誓ったのである。

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