悪役令嬢の次は、召喚獣だなんて聞いていません!

月代 雪花菜

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第十二章 ラミア迎撃戦

12-21 鎮魂歌

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 夕食の時間が終わり、片付けも一段落付いた頃、リュート様を呼ぶ声がした。

「準備が出来ました」
「忙しい中、すまないな」
「いいえ……結構数が多くて大変でしたが、何とか……」

 ヤンさんが少しだけ疲れたように苦笑しながら報告し、彼について行こうとしたリュート様はテーブルの上にチョコンと座っていた私を、オーディナル様特製のポーチに入れてくれた。
 チェリシュを背に、玉座と化していた六花りっかと、そこに座る真白を頭に乗せたグレンタールは、この後に何があるか判っていたのか大人しく彼に続く。
 蛍はグレンタールから離れてポーチへ戻り、私の隣へ落ち着いた。
 リュート様だけではなく、黎明ラスヴェート騎士団や黒の騎士団本隊も、ヤンさんの後に続く。
 どうやら、黒の騎士団全体に関わる用事があるようだ。
 移動した先は、砦のすぐそばの海岸沿い。
 黎明ラスヴェート騎士団が数名いて、その中央には深い穴があった。
 穴の中はよく見えないが、消えなかった魔物の死体や装飾品、武器や防具が納められているようだ。

「素材にはしないのですか?」
「ああ、エキドナに操られた魔物は奇妙な魔力痕が残っていた。素材にして使用した者に変な影響が出たら困るから、浄化することにしたんだ。一応、このことは国王陛下を通して全ギルドに通達されたから安心して良い」
「それでなくても、俺たち黒の騎士団は、魔物の一部をこうやって集めて埋葬するんだよ。火で浄化するか土へ還るのを待つか……それは、その時々で変わるんだけどね」
 
 ロン兄様の言葉に頷いていると、真白がぽよんと跳ねてリュート様のところへやってきた。

「真白ちゃんが燃やすよ?」
「そうか……そうしてくれると有り難い。何せ……ニア・ファクティス先生の一部もあるからな……どうしても汚染が酷くて浄化するしか無かったのが悔やまれる」
「それなら、真白ちゃんが適任だね! 任せてー!」

 ぽよんっと跳ねてリュート様の頭上へ着地すると、真白はいつでもどうぞと言わんばかりの様子で彼の言葉を待つ。
 リュート様はアイテムボックスから酒を取りだして栓を開けると、惜しげも無く注ぎ始めた。
 それを、見守っていた一団は、静かに黙祷もくとうを捧げはじめる。
 魔物であっても死をいたむ。
 それが、黒の騎士団の在り方なのだと知り、私は黙ってその様子を見守ることしか出来なかった。

「真白、頼んだ」
「任せてー! みんな、真白ちゃんの炎で綺麗にしてあげるから、ユグドラシルのところでゆっくり休むんだよー」

 真白らしい言葉と共に、聖炎がほとばしる。
 清浄なる炎が天高く舞い上がり、全てを焼き尽くしていく。
 黒の騎士団の儀式を邪魔しないように様子を窺っていた生徒たちも、共に黙祷もくとうを捧げる。
 敵である魔物に、何故祈りを捧げるのか……そう考える者も多いだろう。
 しかし、それでも同じ命の重みを知る者が持つ最低限の礼儀だと言うように、彼らは黙って見送る。

「あ……」

 炎の中に、ニア・ファクティス先生の姿が見えた。
 その側には、家族もいるようだ。
 ようやく、エキドナの呪縛から解放されたのだろう。
 泣いている妹を支え、なげき悲しむ両親をなだめているようであった。
 一番苦しんだのは、ニア・ファクティス先生だろうに……最期の最期まで――
 そう想うだけで涙が出てくる。
 だから、これ以上苦しんで欲しくなかった。
 何も心配せず、ユグドラシルの元で傷を癒やして新しく生まれ変わり、新たな生を送って欲しい。

 その想いが、旋律となった。
 私の国――グレンドルグ王国で死者を送るときに捧げる鎮魂歌レクイエムだ。
 優しく包み込み、ユグドラシルへの道を指し示し、次の生がより良いものであるように祈り、心を込めて歌う。
 私の歌に合わせるように、低い歌声が聞こえてくる。
 誰であるかなんて、聞かなくてもわかっていた。
 あちらでは、沢山の犠牲者が出たのだ。
 ベオルフ様の心の痛みはいかほどか……考えるだけで胸が痛い。

「ルナ……」

 リュート様に呼びかけられ、目を閉じて歌っていた私は瞼を開く。
 その先で、ニア・ファクティス先生が微笑みながらお辞儀をしてくれた。
 彼女の顔に、痛みや苦しみを感じている様子は無い。
 家族と共に消えていく彼女を見つめ、私の瞳から涙がこぼれ落ちる。

「どうやら……無事に逝けたようだな」
「ルナとベオルフの鎮魂歌レクイエムのおかげだねー。この場にたちこめていた不吉な物が全て洗い流された感じー!」
「さすがは、ルーとベオにーになの!」

 聖炎が消え、そこには何も残っていなかった。
 ただ、白い灰がわずかに残っているばかりだ。

「エアちゃん、出番なの!」

 その灰すら、チェリシュの言葉を待っていた女神によって攫われてしまう。
 風に舞った灰は、世界の一部となって消えていく。
 どうやら、これで全てにカタがついたようだ。

「ラミアとの戦いはコレにて終了だな。みんな、ご苦労だった。知能のある魔物との戦いだというのに、恐れること無く、よくここまで耐え忍んでくれた。みんなの協力がなかったら、もっと沢山の犠牲が出ていたと思う。今後はこんなことが無い事を願うが……もし、魔物と遭遇した際は、今日のことを思い出して欲しい。みんななら出来るから……きっと、誰よりも正しい判断をして、一人でも多くの命を救うことが出来るはずだからな」

 リュート様の静かな声が響き、黎明ラスヴェート騎士団の面々は深々と騎士流の礼の姿勢を取る。
 しかし、それだけでは終わらなかった。
 砦の方からは歓声が上がり、みんなの喜びの声や感謝の声が聞こえてくる。
 それ全てが、リュート様を称える声になるのに、そう時間はかからなかった。
 もう、みんなが理解していたのだ。
 この戦いで、誰が一番の功労者であるのか。
 大した被害を出すことも無く、この局面を乗り切ったのは誰のおかげであったのかを――
 
「大人気っすね、リュート様」
「それだけ、リュート様は寝る間も惜しんで働いていたからな」
「本当に、お疲れ様でした。リュート様」
「は? 何言ってやがる。王都に帰るまでが……いや、学園へ帰るまでが遠征訓練だ。まだまだ気は抜けないんだから、お前ら……わかってんだろうな」
「あはは、それでこそだんさんやわ」

 リュート様の鋭い視線に黎明ラスヴェート騎士団全員が「勘弁してくださいよー!」と言う中、キュステさんだけは楽しそうに笑っている。

「お前もだ、キュステ。ここへ来たからには、やることはやってもらうぞ」
「はいはい、いわれんでもわかってるって。爺様やモアちゃんもそのつもりやし」
「いや、母さんは静かにしていてくれ。頼むから魔法厳禁でお願い」
「え? ど、どうしてっ!?」
「母さんの魔法は反制御系がグズグズなんだよ! 何度言わせりゃ気が済むんだっ!? 制御系じゃ無く、反制御系を構築する気あんのかっ?!」
「あ、あるわよ? い……一応……」

 お母様の果てしなく小さな「一応」の声に、全員が深い溜め息をつく。
 いつもは朗らかなお母様だけれども、こういう時は凄まじいのだと知り、何故『惨禍さんかの魔術師』と呼ばれていたのか理解した。

「あ、あの……リュート様。制御系と反制御系って……?」
「ああ、制御系は放出する力を制御するための術式で、反制御系は放出する力の反対属性を使った制御系の術式なんだ。つまり……火属性の力を放出する際に必要な制御系術式を、同じ火属性で構築するのが『制御系』で、火の反対属性にあたる水属性で構築するのが『反制御系』というわけ」
「だんさんは、さらに、その反制御系を強化させる属性の術式も構築するから、誰よりも正確な魔法が撃てるんよ。まあ……術式の構築が膨大になる原因は、そこやね」
「な……なるほど? つまり、お母様は水属性が苦手ということですか?」
「奥様、大正解や」
「キュステ!」
「隠しても無駄やん。モアちゃんの水属性は水芸止まりやろ? 僕が毎回補助しとったんやから……」
「う……ううぅぅぅ」

 お母様が悔しそうに呻き、お父様がヨシヨシと宥めているが、それをリュート様とキュステさんが冷ややかに見つめている。
 おそらく、こういうやり取りは何度もあったのだろう。
 完全にキュステさんは呆れ顔だ。

「モアちゃん。森の中で炎は厳禁や。だんさんくらいの反制御系を構築できるようになってからにしてな」
「リュートみたいな緻密な術式は、うちの父でも無理よっ!? むしろ……聖騎士のリュートが、何故ここまで……未だに、解読ができないんですもの」
「最近は、リュートの術式の解明に忙しそうだったからな……」
「自分の息子の術式が、殆ど判らないなんて……」

 お父様とお母様のやり取りを見つめながら「判らへんのも当然やわ……」とキュステさんが呟く。
 彼は、リュート様の術式が前世の知識を盛り込んだ物であると気づいているのだ。
 それを、リュート様も判っているのか、黙って苦笑を浮かべるだけであった。

「まあ、術式研究にいそしんでる間は大人しゅうしてはるから、好都合なんやけどねぇ」
「いつもすまねーな」
「全然! 気にせんでええよ。大した被害やあらへんし……付き合いも長いしねぇ」
「それなら良いんだが……」
「まあ、研究したくなる気持ちもわからなくは無いヨ。でも、その力はリュートくんの時空間魔法が大きく関わっているカラ、理解するのは難しいと思うんだよネ」

 不意に現れたのは時空神様だった。
 オーディナル様についていったはず……と、見上げていたら、彼は柔らかく微笑む。

「あちらも、無事に逝けたようダヨ。ルナちゃんに感謝だってサ」
「……そうですか。それは良かったです」
「此方も無事に浄化出来たようで何よりダヨ。……あ、あと、リュートくんの時空間魔法は、持っている情報量が違うから解読は難しいと思うんだけど、頑張るのカイ?」
「頑張ります!」
「それはそれは……怖い物知らずダネ。ガンバレ」

 お母様の迷いのない返事を聞いた時空神様はニンマリと笑う。
 そういえば、時空神様は日本の文化や、リュート様の前世に詳しいから無理だと感じているのだろうか……と、ふとした疑問を覚えた。
 だが、それは私の心を読んでいたらしい時空神様に、すぐさま否定される。
 
「時空神だけではなく、時と名の付く神はネ……あまり知られていないけど『情報』も司っている事が多いんダヨ。それこそ、能力の高い時空神は、創造神と同等の働きすら見せるんダ。スゴイことだよネ」

 憧れと尊敬の入り交じる声に、私はハッとした。
 おそらく、彼が語っているのは、長兄の時空神であった神のことだろう。
 オーディナル様に匹敵するような働きをしていたなんて……それこそ、チート級の神様だったのだと知り、その神様がいなくなってしまった事が残念でならない。
 その神がいれば、オーディナル様と時空神様の忙しさは、かなり緩和されただろうに――

「とりあえず、どちらも無事で良かったヨ。ルナちゃんは、少し痛い思いをしばらくしなければならないケド……」
「それで、全員無事に帰還できるのなら平気です」
「あとは、数日間ベオルフとの会話もままならないとは思うケド……ゴメンネ?」
「……はい?」
「夜の集まり……多分、会話が出来ない状態になると思うんだよネ」
「……え? そ、そんなぁ……ベオルフ様に文句と感謝を言って、ナデナデして貰う予定だったのにいいぃ……って、痛ああぁぁいぃぃっ!」
「る、ルナっ!? だ、大丈夫か? 痛むのか? ヨシヨシ……時空神! 興奮させんな!」
「アチャー……本当にゴメンネ?」

 ぴーぴー泣くしかない私を、リュート様が必死に撫でてくれる。
 時空神がペコペコ謝り、リュート様が怒鳴り、真白と六花りっかが駆けつけて蛍と一緒になって私をむぎゅむぎゅしはじめ、更に痛みを感じるというカオスな状態になってしまった。
 体は痛いけれども、何よりも大きなダメージは、夜の集まりが出来ないことだ。
 情報交換と力の交換をしているのに……と、涙目の私に更なる不幸が襲う。

「あれ……? お腹……痛い……かも? 頭痛と吐き気も……あ、あれ?」
「え、ルナっ!? え? ちょ……だ、誰かマリアベルを呼んできてくれ! 大至急だっ!」

 下腹部の鈍い痛みと腰のだるさに付け加え、頭痛による吐き気――これはどこかで体験したことがあるような……?
 そんなことを考えながら、私は駆けつけたマリアベルの手に預けられ、痛みをこらえるしか無い。
 お母様が魔術師の顔から母の顔に戻り、私の心配をしてくれているのが嬉しく、テオ兄様やロン兄様も、心配性な兄の顔になっている。
 リュート様とお父様が似たような表情で涙目なのは、やはり親子だな……なんて思いながら、私はくたりとマリアベルの手の上で体を横たえるのだった。

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