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第十二章 ラミア迎撃戦
12-8 選び取った未来
しおりを挟むあの時と同じだ――
頬から首にかけて大きな傷があり、怨念を抱いた暗い真紅の瞳は、真っ直ぐにリュート様へ向けられている。
「首にかけての大きな傷……真紅の瞳に黒い髪の竜人族――」
ぶわっと一瞬だけ、リュート様から言葉にもならない気配があふれ出した。
目の前に立つ男の比では無い。
とんでもない感覚――まるで、命をその手に握られているような冷たい恐怖が全身を支配したのだ。
私に向けられたものではない。
それでも、震えが止まらなかった。
「お前は、そこまでして俺たちを絶滅させたいのか……俺を知っているということは、その鎧の核に使ったのは、スケルスで間違いないようだな!」
互いに抱いているのは、怒り、哀しみ、憎しみという、ありとあらゆる負の感情である。
リュート様が、ここまであからさまに負の感情を露わにするのは珍しく、彼の感情に同調してしまったのか、頭上で大人しくしていたはずのクリスタルスライムが地上へ降りて威嚇とも思える行動を取り始めた。
「リュート様、落ち着いてください」
こんな中でも平然と声をかけたのはダイナスさんだ。
エキドナでさえ言葉を挟めずに様子を窺っていたのだが、彼には影響が無かったようである。
彼の部隊に所属する仲間たちは、既に違う魔物を相手にしており、かなり距離を取って戦っていた。
ダイナスさんだけがこの場へ残り、リュート様のサポートを買って出ていたようである。
「あまり殺気を放ちすぎると、ルナ様に影響が出ます。もし、やり合うつもりなら俺に預けてください」
「……判った。ルナ……すまないが、暫くダイナスのところにいてくれ」
「リュート様……この人は……」
「俺の客だ。積もる話もあるから、すまない」
ポーチを外して私ごとダイナスさんへ預けると、リュート様は無言で男と向き合う。
「確か、ウルトルで良かったっけ?」
「何故、俺の名を……」
「スケルスから聞いた。どうしようもねー兄貴がいるってな……俺の兄とは大違いで、大馬鹿野郎だって言っていたな」
「弟がそんなことを言うはずが無いだろう! 貴様こそ、何故……その鎧から弟の力を……いや、一族の力を感じる! 説明しろ!」
「お前に言ったところで理解できねーよ……お前は、何も知らずに……何も背負わずに、大罪を犯して出て行ったんだからな」
「お前こそ、俺の弟を殺した大罪人だろうが!」
「テメーが……他ならぬ、テメーがソレを言うのかよっ!」
最後は怒りのあまりに叫び、互いに剣を手に取って戦い始めてしまう。
激昂したリュート様ではあるが、その戦闘技術は今までの比では無く、私の目で追うことが出来ないスピードで戦っている。
地を蹴る音や土煙が見えたと思っても、既にそこにはいない。
剣戟の音は聞こえるが、姿は見えず――私を保護しているダイナスさんは見えているのか、立ち位置を何度も変えて距離を取っていた。
「あ、あの……ダイナスさんには見えているのですか?」
「はい。まだまだスピードを上げているので、そろそろマズイから距離を取ります」
え? 何がマズイの?
私の疑問に答えるより早く、彼はその場から後方へ飛んだ。
そして、彼の口から言葉を聞くまでもなく、危険性を知る事となった。
エキドナから小さな悲鳴が漏れ、よくよく見ると、彼女の青白い肌が無数に傷ついている。
「リュート様が本気で戦い始めると、店長くらいしか側にいられないんですよ。他の者は、大抵ああなります」
「そ、そう……なのですね……」
「もしかして、リュート様の凄さは魔法だと思っていましたか? 確かに魔法も凄いのに違いは無いのですが、一番得意としているのは剣術なんです。あのレベルの剣術を操りながら魔法を駆使してくる。しかも、攻撃、防御などの魔法は、何でもござれですからね……誰も真似できない領域なんですよ」
所詮、俺たちは子供のまねごとのようなレベルなんですと笑うけれども、諦めたという感じでは無く、いつまでも目標と出来る人の本気を喜んで観察しているといった様子だ。
つまり、諦めていないし、必ず隣に並んでみせるという意気込みを持っているということで――
なるほど、だからこそ彼はリュート様がいないときに、あの個性的な面々を任せられているのだろうと納得する。
ダイナスさんは「子供のまねごと」というが、とんでもない。
元クラスメイトたちが今回、どれほど活躍しているかなんて聞かなくても知っている。
彼らがいなければ、無事で済まなかった。
私の料理が凄いというけれども、彼らの支援があったからこそ出来ているし、そんな彼らは戦闘でも比類無き力を発揮している。
リュート様の凄さが際立っているから霞んで見えるのかもしれないが、彼らの凄さを私は身をもって知った。
彼らがいるからこそ、リュート様は戦える。
レオ様とシモン様が毎朝訓練だと押しかけてくるが、こんな彼らの実力を見ていたら、ああなっても仕方が無い。
彼らもまた、リュート様と肩を並べて戦いたいと願っているのだから……
「しかし、リュート様があそこまで怒りを露わにするなんて珍しい……リュート様の本気の怒りなんて、暫く見ていなかったですね」
「それほど、二人の間には何かがあるということですよね」
「アイギスの核ということは魔物のはずですが……弟って……」
そう言って考え込んでいたように見えたダイナスさんが、いきなりその場から飛び退く。
そして、手にしていた私が入っているポーチを首から提げて固定し、油断なく剣を構える。
「おしゃべりをしている暇があるのかしら? 私はオーディナルの人形が邪魔だから、渡してくれるだけで見逃してあげても良いのだけど?」
「エキドナと言ったか? お前……何度も何度も、俺たちの女神であるルナ様に向かって人形とか言うのやめてくれないか? 気分が悪い」
「あら……神に愛でられているだけで良かった人形が、意志を持って動き出すと面倒だって思わない? オーディナルのところへ逃げ戻るなら見逃してやっても良いけど……生意気にも睨んでくるから、切り刻みたくなるでしょう?」
「はぁ……お前、俺をナメ過ぎだ」
普段のダイナスさんからは考えられないほど低く冷たい声が響いたと同時に、凄まじいスピードで氷のつぶてがエキドナ目がけて飛んでいく。
どうやら、前もって術式を仕込んでいたようである。
いつの間に?
予測していたのですかっ!?
私が驚いている中、エキドナは余裕の笑みを浮かべていた。
ダイナスさんの魔法は、彼女を守るように現れた魔物達が、当たり前のように全て受けとめる。
命をなげうってでも助けるという姿に異様なものを感じて言葉を失うが、頭上のダイナスさんは想定内だったのか、軽い溜め息をつくだけであった。
「彼以外も……なかなか凄いわね。特に貴方……普段はそこまで魔力が強いとは感じなかったのだけど?」
「何で俺の手の内を、お前に明かす必要がある」
「貴方の魔法……属性魔法かしら……でも、少し違う感じもするわ。面白いわね……彼の部隊は!」
「俺は全然面白くねーよ……この人喰い蛇女が」
丁寧な話し方を心がけているはずの彼から、聞き違いかと思える言葉が放たれた。
え? だ、ダイナスさん?
今の、本当にダイナスさんが言ったのですか?
ポーチから見上げる彼は、剣呑な色を宿した瞳をエキドナへ向けており、手首にある何かをパチリと音を立てて外した。
「俺はな……人喰いの魔物が一番嫌いなんだ。俺の生みの親を殺した魔物と同じだからな……」
「あら、心地良い憎悪を向けるわね」
「憎悪? 違うな。俺はリュート様と約束を交わした時から、長年にわたり抱き続けていた憎しみを捨てた。これは、黒の騎士団である者が持つ使命感と……純粋な怒りだ。ニア・ファクティス先生の哀しみを……ご家族の無念を――ここで晴らす!」
その言葉を待っていたようにリュート様とダイナスさんのクリスタルスライムが動き、物陰に潜んでいた魔物達をあぶり出す。
それを、ダイナスさんが目にもとまらぬ速さで切り裂いた。
エキドナの魔法攻撃もするりとかわし、彼女の命令で前へ出た屈強そうな二体のラミアを相手にする。
長槍を使う相手に怯まないどころか、全く危うげも無く戦っている。
その余裕のおかげで、私も周囲を見る余裕が出てきた。
リュート様のクリスタルスライムが【混沌結晶】を確実に集め、ダイナスさんのクリスタルスライムは彼の死角にいる魔物へ襲いかかる。
一瞬、ぶわっと薄膜のように広がったかと思ったら、容赦なく相手を取り込んで溶かしていくという、何とも凄まじい戦い方だ。
しかも、熱した湯の中に氷を投げ入れたのかと思うほどのスピードで溶けていく。
「うわぁ……あの子もチートじみてる……」
自分の従魔の動きもシッカリと把握しているダイナスさんは、確実にエキドナを追い詰めていた。
どこが子供だましなのか聞きたいほどに強い。
いや……元クラスメイトたちは、全員、このレベルで強いのだ。
「なるほど……貴方、普段は魔力の大半を封じているのね? その封印を解いて戦って貰えているだけ光栄なことなのかしら」
劣勢に見えるエキドナではあるが、その軽口や分析は止まらない。
しかし、ダイナスさんも冷静だ。
盾役にされている魔物を避け、攻撃主体の魔物を更に避けて、強化や回復をしている魔物を確実に狙っていく。
「狙うならジーニアス!」
「仲間の名前に例えて戦うのは、ちょっと……」
思わず顔を引きつらせてしまうが、言っていることは判る。
それが確実に相手を弱体化させる戦い方ではあるが……
「呼ばれたのかと思ったら、まさかの……そういう事でしたら強化魔法はいらないですね!」
「ナイスタイミング! 支援を頼む、ルナ様もいるから早急に!」
どうやら駆けつけてくれたらしいジーニアスさんが、タイミング悪く聞いてしまったようだ。
それでも軽口を叩くだけで終わるのは、長年の付き合いが成せる業だろう。
先ほどの言葉も忘れたようにジーニアスさんが反応してくれる。
「えっ? リュート様はっ!?」
周囲の魔物をものともせずに側へやって来た彼に問われたダイナスさんは、クイッと顎でしゃくってリュート様の現状を教えた。
「うわ……アレは近づけない……」
「だが、丁度良い。バリスタもソロソロだな」
ダイナスさんがニヤリと笑う。
それと同時に、轟音を立てて最後のバリスタが崩れ落ちたのだ。
「あーあ……リュート様の剣から放たれる真空の刃で滅多斬りですね。しかも、怖いのは……それが余波だというところでしょうか」
「だから、あの人を怒らせるなと……」
「あー! リュート様! バリスタを破壊するのは俺たちの役目だったんっすよ!?」
「お前……こんな状況でよくそんなことが言えるな」
そうこうしていたら、一気に場が賑やかになった。
ジーニアスさんだけではなく、モンドさんとヤンさんも駆けつけてくれたようである。
クリスタルスライムが一体足りないのは、相変わらずモンドさんの背中に貼り付いているからなのだろう。
「参謀たちも、すぐに駆けつけて来るっすよ。あっちも粗方片付いたっす」
「リュート様の方は……かなりヤバそうなのを相手にしているな。此方はエキドナと配下の魔物だけか」
「あの数を『だけ』と言っていいのでしょうか……」
ヤンさんの言葉にジーニアスさんが呆れるが、確かに……彼の意見に同意だ。
明らかに増えている。
もしかして、あちらが粗方片付いたのでは無く、此方へ駆けつけたのでは無いだろうかと思える数であった。
「さて、リュート様の憂いを断つためにも、エキドナを討伐するぞ」
「うっす」
「支援は任せてください」
「攪乱は俺がやる」
それぞれの役目がシッカリ決まっているのか、彼らの動きはスムーズだった。
崩壊したバリスタが追い風になったのか、負ける気配が無い。
これは良い傾向だと、私はリュート様の方を見て――息を呑む。
燃えるような真紅の瞳が妖しく輝き、真っ直ぐリュート様を見ていた。
そして、指輪をしている手を前へかざす……その動きを、私は知っていたのだ。
「リュート様っ!」
それは危険だと報せるために声の限りに叫ぶが、リュート様には聞こえていない。
その瞬間、私はポーチから飛び出してノエルの姿へ変じる。
エナガでは彼の側へ行けないが、ノエルなら行けるはず!
神速のカーバンクルであるノエルの能力をフル活用して、リュート様を見つめる真紅の視線の間に、自分の体を割って入れた。
襲い来る力に抗うことも出来ず、一気に引き寄せられる。
剣先が私の体を捉えたと思った瞬間、私の胸元からパキンッという甲高い音が聞こえた。
何かが割れ、そこから凄まじい力があふれ出し、血の竜が容赦なく男へ襲いかかったのだ。
「くそっ! 何で、【龍血玉】なんてものを持っていやがる!」
腹立たしげに叫び、力任せに弾き飛ばされた先は崖だった。
体が痺れてうまく動かず、ただ呆然と眼下に迫る海を見つめることしか出来ない。
「ルナあぁぁぁぁっ!」
リュート様の叫び声が聞こえ、そちらを見た。
彼は、迷うこと無く私目がけて崖へ飛び込んでくる。
このままでは彼の迷惑にしかならないと、痺れる体で必死に頭を動かして考え、扱いやすいだろうエナガの姿へ戻ることに成功した。
空気抵抗のためか、はたまた、途中で変化した魔力の流れで一瞬浮き上がったのか、私はリュート様の腕の中へ飛び込む形となってホッと息をつく。
「何を考えているんだ! こんな無茶しやがって!」
コレに関しては申し訳なさしか無い。
しかし、この行動には理由があった。
ウルトルが力を使った、あの時、あの瞬間。確かに『視えた』気がしたのだ。
時空神様が全員無事に帰るため、それだけのために散りばめていたピースの紡ぐ、確かな『未来』が――
「皆で無事に帰りましょうね……リュート様――」
怒りと焦りを滲ませるリュート様に、私は微笑む。
違う未来では彼が失うはずだった片腕に抱かれ、確かに掴み取った未来に『敗北』の二文字は、もう無かった。
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