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第三章 見えなくても確かにある絆

久しぶりに兄妹でお料理をしましょう

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 兄に連れられてやってきた我が家のキッチンに、なんとも言えない懐かしさを感じました。
 いつもなら、父も入れて3人で作戦会議をしながら材料を取り出し、それをダイニングテーブルから楽しげに眺める母がいる。
 日曜のよくある風景を思い出し、胸がぐっと詰まって涙がにじみます。
 懐かしい……帰りたい……だけど、もう無理であることなんてわかっているし、リュート様を独りにしたくない。
 あの方のそばにいたいですから、ごめんね。
 ここにはいない両親に、心の中で謝罪した。
 死んでしまったことも、帰れないことも、致し方がないことだとわかっているけれども───

 キッチンを眺めて唇を噛みしめた私を横目で見た兄は、肩をぽんっと叩いてから横を通り過ぎ、キッチンの作業台に沢山の材料を並べていきます。
 心の内を見透かされたような気恥ずかしさを覚えながらも、意識を切り替えて並べられている材料に視線を移しました。
 タマネギ、ニンジン、セロリ、ニンニク、ショウガ、トマトの水煮缶、昆布、水、唐辛子、シナモン、ナツメグ、クローブ、黒こしょう、カルダモン、クミン、セージ、タイム、ローリエ、砂糖、塩……あれ?ケチャップってこんなに材料が必要でしたっけ?

「醤油は無いんだよね?」
「う、うん……」
「残念だな。少し奥深さが出ないかも……お酢は?」
「主流はワインビネガーみたい」
「なるほどなるほど、食文化が進んでいないと、材料を手に入れるだけでも大変だね」

 兄は私の世界にもある材料だけで何とか作ろうとしてくれているようですが、こんなに必要だったなんて知りませんでした。
 2人してエプロンを身につけ、まずは果物や野菜を包丁で刻んでいく作業からはじめます。
 なるべく小さく切っていったほうがいいようで、野菜と果物を一つ一つ手に取って同じくらいの大きさになるよう、さいの目切りにしました。

「まあ、面倒だったらざっくり切って煮込んでもいいよ。あとでミキサーにかけるから……って、ミキサーはあったっけ?」
「リュート様が作ってくださいましたから、聖都にもありますね」
「うへぇ、そのリュートって人、本気ですごいな。チート能力なの?どうやって作ってるのか聞いてみたいわ」
「なんでも、魔法を魔石というものに刻んで制御しているみたいです。複雑な術式を勉強して理解し、よく使う術式を図形登録しているって言ってました」
「お手軽チートじゃなかった……才能しか感じない」

 リュート様を褒められて、我がごとのように嬉しくなってしまいます。
 ふふ、すごいでしょう?
 能力だけ聞けば、よくあるチートかしらって思うのですが、リュート様は努力してそこまで行き着いているのですよ。
 随分苦労されたようだということは、会話の端々から感じ取れますもの。
 私のリュート様は、とても素晴らしい方なのです!
 あ……い、いえ、そうではありません!
 『私の主のリュート様』ですねっ!
 主が抜けておりました……ご、誤解されたらリュート様が困りますもの。

 トントンと材料を刻むリズムが乱れたことが気になったのか、兄がこちらを見て訝しげにしておりますが、説明はしませんよ?
 何をいわれるかわかったものではありません。

「能力だけ聞くと2人とも便利そうなのに、現実は難しいんだなぁ……魔法もスゲー!って思うのに、使用条件とか状況とか考えて制御しつつ使用するなんて、面倒なことしなきゃならないみたいだし、ゲームみたいに無条件に魔力消費だけで使えないなんて、すっごく頭使いそう」
「何でも、炎魔法が一番使用方法が困るみたいで、狭い場所や燃え移る可能性が高い物が近くに沢山ある場所では使えないんだそうです。森では火気厳禁だとか……」
「まあ、普通に考えたらそうだけどさ、ファンタジー感がないよね」
「そう言われても困るかも。リュート様はその問題を、反対属性や制御系で補いつつ使用しているみたいだもの」
「絶対に頭の回転が速い人にしか使えないやつ!」

 確かに、ゲームみたいに目標指定すると対象以外傷つけることがないなら、かなり便利でしょうけど……森の中で火を使えば燃える。
 それって、自然なことですし当たり前のことですものね。

「それに、そのリュートって人、戦ったらかなり強いだろうけど、その力を使って守っても感謝されるどころか、変なこと言われて恐れられたり敵になったりって、不憫すぎるよね」
「そうだよね……」
「まあ、お兄ちゃんから見て、その人が本当にすごいって思うのは、そんな状況でも、結月ゆづきが慕うくらい『真っ直ぐな人』だってところかな」

 どういうことかと目を瞬かせて兄を見ると、ニンジンを細かく刻みながら口元に柔らかな笑みを浮かべていた。

「だってさ、そんな風に言われ続けたら、『もういいや、そんなに望むなら俺がこの世界をぶっ潰してやる!』ってなってもおかしくないじゃん」

 そうだ、そういう可能性だってあったはずなのに、リュート様にはそれが全くなかったのは……彼の心が強いからなのでしょうか。
 いえ、多分……周囲の方々が、リュート様の本質を理解してくださっていたことも大きいですよね。

「周囲の親しい人たちのおかげでもあるだろうけど、心が……精神力が強い証拠だろうね。でも、そういう人って疲れちゃってるのも自覚してなくて、ずっと頑張り続けるんだよ。綾音ちゃんもそうだね。結月ゆづきならわかるでしょ?」
「……うん」
「だったら、どうフォローしていけば良いかわかるよね?そんな貴重な人を、つまんない人たちに潰させたりしちゃダメだと思う」

 兄の言いたいことはわかった。
 私がちゃんと支えて、心のケアをしていきなさいって言ってくれている。
 まだ自分のことで精一杯なところもあるけど、リュート様を守りたいという気持ちに嘘はない。
 ううん、一番に望んでいることですもの。

「でも、結月ゆづきが頑張りすぎてもダメだよ?支えすぎると今度は結月ゆづきが疲れて、それを見た彼は、きっとそのあと結月ゆづきを頼らなくなるからね」
「どうして?」
「だって、彼は結月ゆづきを守りたいんでしょ?そんなの話を聞いていたらすぐにわかるよ。だから、お互いに無理をしすぎないこと。これは、綾音ちゃんと付き合ってきて僕が学んだことだから、少しは参考になるはず」

 そっか……確かに、リュート様は綾音ちゃんに似ているところがある。
 二人とも根っこが似ているのだと感じた。
 その綾音ちゃんと付き合っている兄が言うのだから、間違いは無いでしょう。

「さーて、材料はすべて切り終えたから、今度はこれを煮ていこう。ああそうだ、あったらでいいけど、プルーンとか入れるとより美味しくなるよ」
「プルーン……あったかしら」
「まあ、無い確率が高いよね」

 そうですよね……と思いつつため息が出てしまいます。
 日本と比べたら、圧倒的に食材や香辛料などが少ないですもの。

 大きな鍋に刻んだ具材とホールトマト缶の中身と、スパイスを入れてから水を注ぐ。
 ケチャップってこんなに汁気が必要でしたっけ?
 これから、水分を飛ばすように煮ていくのかしら……随分と時間がかかりそうです。
 煮たって出てきたアクを丁寧にとり、二人して鍋をのぞき込んでいるのも久しぶりで、思わず顔を見合わせて笑ってしまいました。
 生まれ変わった私でも、変わらず受け入れてくれる兄に心から感謝です。

 兄や家族や綾音ちゃんの近況を聞きながら、私の死がもたらした影響の大きさを知ることになりました。
 日曜日の恒例イベントである『母のリクエストに応えるお料理会』を、しなくなった時期があったそうです。
 最近になって母に誘われた綾音ちゃんがその中に加わり、作る側ではなく食べる専門で母とともに待っているようで、父と兄で四苦八苦しながらリクエストに応えているのだとか。
 これがこれから日常になるのだろうと、兄がしみじみと語ってくれました。
 私の死を忘れてなんて、悼んでくれる人たちの心を思うと口が裂けても言えませんが、できることなら悲しみにくれるのでは無く、幸せでいてほしいと心から願います。

「だから、こっちのことは気にしなくていいよ。結月ゆづきは今の人生をしっかり生きるんだ。今度は早死にしないように注意ね」
「……うん」
「そんなことになったら、彼を支える人がいなくなっちゃうから。絶対にだよ?」
「は、はいっ!」
「うん、良い返事だ。そうこなくっちゃ」

 兄の優しさが身にしみて、思わず泣きそうになった私は唇をぐっと噛みしめ、じんわりと涙がたまった目を見られたくなくて俯いた。
 こういう時、本当に困ってしまいます。
 普段はおちゃらけたり面白いことばかりいう兄ですが、こういう時は私の心を見透かしているようにすくい上げてくれる。
 やっぱり、変だけど優しい兄なのだと思いました。

「でも、未婚のお付き合いしてもいない男女なんだから、節度を持ってね?付き合ってもいないのに、抱きしめられているとかお兄ちゃん的にはアウトですからねっ!?」
「えー」
「えーじゃありません。良い人だってわかってるけど、ダメったらダメ」

 こういうところは、母よりも口うるさいと思います。
 正直、母はこういうことに関して口を出さないタイプですものね。
 父は……あ、悲しそうにこちらを見て何か言いかけて黙っちゃうかも?
 可哀想なので、父には言いません。

「そろそろいいかなー」

 今度は、くつくつ煮込まれたものの粗熱をとり、ミキサーに入れて滑らかにしていきます。
 結構量があったのですが、夢の中だからなのか、とても手早くできてしまいました。
 そして、その滑らかになった物をザルに入れて濾していきます。

「これは時間をかけてこしたほうがいいから、ザルに入れて一晩放置でもいいかもね。まあ、夢ですから便利に……はい、ここに一晩かけて濾した物を用意しました!」
「お料理番組みたい……」
「夢はなんでもアリなのだ」

 確かにそうかも……濾された液体とザルに残った物にわけた兄は、ザルに残った物を別のボウルに移し、液体の方は鍋に戻します。
 続いて兄はカラメルソースを作り、良い色に仕上がったカラメルソースと塩を鍋に入れて煮込んでいき、最後の仕上げとばかりにワインビネガーを入れておりますが、さすがの私でもここまで来たらわかりますよ?
 これは、ケチャップでは無く……アレですよね?

「あの、お兄ちゃん?私は『ケチャップ』って言ったんだけど?」
「フフフ、聞いて驚け!このレシピで、『ケチャップ』と『ウスターソース』の両方ができてしまうのだ!」

 はい?
 どういうこと?
 驚いて兄を見つめていると、濾した残りカスを指さします。

「この絞りかすも有効活用するんだよ。トマトと煮込んでミキサーにかけ、砂糖と塩と酢……そっちだとワインビネガーで味を調えれば、ケチャップになる」

 本当に?と驚いていると、兄は手際よく、残りカスを集めてトマトの水煮缶とともに煮込みはじめます。
 水分が飛ぶまで煮込みミキサーにかけたあと、再び鍋で煮込みながら砂糖と塩とワインビネガーで味を調えました。
 これは、リクエスト通りのトマトケチャップですが、本当にそれだけで大丈夫なのか不安になります。
 自信満々にスプーンでトマトケチャップをすくって味をみるように促してきたので、パクリと食べてみると……とても美味しいケチャップだったので、驚いてしまいました。

「どうだっ!」
「すごい……二つもできちゃった」
「必要だろ?」
「リュート様がとっても喜んでくださいます!うわーっ、すごい!」

 手放しに兄を褒め称えると、えっへんと胸を張る兄の姿に笑ってしまいます。
 私のこのクセ、兄と同じだったのですね。
 記憶に残っていなくても、確かにつながっていることもあるのだと嬉しくなってしまいます。

「ウスターソースに片栗粉などでとろみをつけると、中濃や濃厚ソースになるから。好きな粘度で使うと良いよ」
「え、そうだったの?」
「基本的には、粘度で分類が変わるだけみたいだよ。あと、最後の仕上げに醤油が手に入るようになったら、入れるといいかな。味に深みが増すからね」
「うん……お兄ちゃん、ありがとう」
「その顔が見たかったんだよなぁ。驚かせてやろうって準備してたんだ。披露できて良かったよ」

 兄はこうやっていつも何かしら面白いネタを仕入れてきて、私を驚かせてくれていた。
 一緒にお料理を作るのが楽しかったのは、こういうところがあったからかもしれない。
 でも、それも無理な話なのでしょうか……今回だって、運良く兄の夢に逃げ込んだだけで、もう二度と来ることができないかもしれない。
 そちらのほうが、可能性としては高いでしょう。

結月ゆづき、またおいで。今度は醤油と味噌や、他の調味料も調べておくから」
「……うん」

 会いたいな、またここに来て兄と一緒にお料理をしたい。
 そんな願いがかなわないなんて、お互いにわかっていた。
 だけど、願わずにはいられなくて───

 そのとき、コロリと何かが転げ落ち、兄が「なんだろう」と首を傾げながらソレを拾ってくれた。
 薄緑色のハート型。
 神石のクローバー?
 慌てて首にかけてあるネックレスを見ると、神石のクローバーの色が薄い方……薄緑の葉の一枚が色を失っていたのである。

「なんで透明に……?」
「外れたってわけでもなさそうだね」

 とりあえず神石のクローバーの一つであることに間違いはないだろうと受け取るのだけど、私の手のひらを貫通して、それは再び落下してしまった。
 コロコロと転がる神石のクローバーの欠片は、兄の手にはとどまるのに、私の手では触れることさえできない。

「もしかして、お兄ちゃんに……ってことなのかしら」
「それって何なの?」
「神石のクローバーといって、春の女神であるチェリシュとご両親である太陽と月の夫婦神が作ってくださったアイテムで、悪夢避け……という話だったの」
「悪夢?」
「私の呪いは夢を媒介にしているようで、それを防ぐために必要なの」

 だけど、クローバーの欠片は兄の手にとどまっている。
 これは、夢をつなぐ鍵になるのでしょうか。

「つまり、神様がまた会えるようにチャンスをくれたってことじゃない?いまの結月ゆづきには、まだお兄ちゃんが必要ってことでしょ?」
「……お兄ちゃん」
「嬉しい限りだね。じゃあ、次のレシピ考えとくよ。調味料がいいよね」
「う、うん。米や大豆がまだないから作れない物が多いけど……」
「わかった。その二つが手に入ったら教える調味料と、無くても作れる物を考えておくね。他にも、何か加工品が必要かもしれないし」

 何がいいかなーと考えを巡らせている兄を眺め、本当にそうなのかしらと疑問に思う。
 だって、そんな……本来なら、いまこうして会えたことだって奇跡なんですよ?
 また、こうして兄と一緒にお料理してもいいの?

『大丈夫、良いのですよ』

 どこからともなく誰かの声が聞こえた。
 春の陽光を思わせる柔らかく朗らかな声は、心にしみこむほどの優しさに満ちていて、自然と周囲を伺うのだけど視野に捉えることができない。

「これを持っていたら、きっとまた来ることができると思う。今度は激突とか無しね。夢でも痛いから」
「うん。そうするね」
「肌身離さず持っておくから、いつでもおいで」
「……ありがとう、お兄ちゃん」

 本当にいいのかなという戸惑いはあるけれども、とても嬉しい。
 兄に、また会える。
 そして、私がまだ持っていなかった知識を得ることができるのですもの。
 それはきっと、リュート様のためにもなる。
 喜んでくださるはず!

 いろんな感情が胸の内に浮かんでは消えていく中、やっぱりリュート様のことが気になるのだなと感じ、私は口元を緩めていると兄に「思い出し笑いなんてえっちー」なんて言われたので、みぞおちに拳をたたき込んでおきました。
 リュート様みたいに重量感ある打撃音ではなく、ぽすんっという軽い音であったのが悔やまれますね。
 ツッコミは物理がいいと綾音ちゃんから教わっていたので、実行したまでです。
 ちなみに、これは兄限定にしておきますね。

「嬉しいけど、嬉しくなーい!」

 抗議は受け付けません。
 あしからず。

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