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第二章 外堀はこうして埋められる

休憩が必要なのです

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 先程の名残なのか、コレは知ってるか?とリュート様の唇から紡がれる歌はどれも懐かしく、ついつい一緒に歌ってしまいます。
 先程みたいに大きな声で歌うのではなく、口ずさむように……言葉遊びのような歌遊びですね。

 そういえば先程、喉が乾いただろうと気を遣ってくださったキジトラさんがジュースを追加してくれたのですが、その時に「ラブラブの歌詞とほんわか歌詞だったにゃ」と言われて気づきました。

 ───私は、どうしてこの世界の言葉を理解出来ているのでしょう。

「リュート様……す、すごく今更なのですが……」
「ん?」
「どうして私は、この世界の言語が理解出来ているのでしょうか」
「あー、それは悪先も授業で説明してなかったな」

 確かに、召喚獣が何であるかという説明は、アクセン先生にも授業でしていただきましたが、言語などに関してのお話はありませんでした。
 他の召喚獣も理解しているような雰囲気でしたから、ごく自然なことだったので説明するのを忘れてしまったのでしょうか。

 そんなことを考えていると、リュート様がわかりやすく丁寧に説明をしてくださいました。
 召喚獣がこの世界に召喚される際に与えられる魔力により、一時的に召喚主とだけ会話が可能な状態になるのは、どの召喚獣も同じなのですが、契約した瞬間から、契約主の習得している言語を共有することが可能になるのだということです。
 こちらの文字が読み書きできるのも、発音できるのも、無意識にこちらの言葉で話しているのも、全てはリュート様のおかげということですね。

 この世界は、5つの大陸に別れ、それぞれの種族が暮らしていて、中央大陸の竜族を中心に、北大陸のドワーフ族、西大陸のエルフ族、南大陸の獣人族、東大陸の人間族にわかれており、各大陸言語も存在している。
 どの種族でも発音しやすいように考えられた中央大陸言語が共有語とされており、フォルディア王国でも中央大陸言語を普段から使っているらしい。

 ちなみに、リュート様は古の竜人族が使う古代語以外の言語を、ほぼマスターしていらっしゃるとのこと。
 恐ろしいくらいに勉強家でした。

「なんせ、ジュストの件で他の国の連中にも文句言われるから、その度に、通訳雇って会話しているのも面倒だし、その通訳が悪意を持って別の言葉に言い換えられ、変に誤解されて広がっても困るからな。古代語は、竜人族の皇帝や、一部の神族以外に使う者がいないし、必要ないと思って覚えていない」

 どうやら、色々あった結果、どうしても覚えなくてはならなかったということみたいです。
 そういう事情があると知ると、ほんとうに大変で苦労が絶えなかったのだと心が苦しくなる。
 リュート様の心休まる時は、今まであったのでしょうか……不安になりますね。

 椰子の実のような器の中にあった、最後の果物をリュート様のお口に運んだ私は、からっぽになったそれを見て、新たな疑問に首を傾げた。

 ロン兄様と春の女神様にお弁当をわけたので、分量的に少々物足りなかったのでしょうか。
 リュート様は、器にたっぷり入っていた果物を、私が勧めるままにぺろりと食べてしまいました。
 やっぱり、よく食べますよね。
 魔法消費量に合わせてご飯を食べるみたいですし……
 考えてみれば、認識阻害系の魔法を使ったり、先程は周囲の方々も含め魔法で水を弾いていらっしゃいましたし、高度な魔法を広範囲に展開していたようですから、思いの外消費しているのかも?

「リュート様、もしかしてお昼ごはんが足りませんでした?」
「んー、6分目?」
「……お店についたら何か作りましょう」
「頼んだ」

 やっぱり、お腹ペコリさんでしたよ!
 本当に嬉しそうに笑うところを見ると、大きく見積もって6分目というところなのでしょう。
 お店に到着したら、すぐに何か作れる物を海辺の市場で探さなければなりませんね。

「俺からも1つ質問だけど……楽器があったら、また一緒に歌ってくれるか?」

 思いがけない言葉に目をしばたかせていると、リュート様はちょっぴり照れたように笑って、遠慮がちに「無理にとは言わないんだが……」と前置きをする。

「さっきみたいに一緒に歌うと、すごく楽しいからさ。あと、ルナの歌声がとても綺麗で……また聞きたい」

 ふわりと向けられた笑顔が眩しいです!
 リュート様、先程の歌の影響で私のライフは、ほぼ0なんですから、下手なことをしたらすぐに倒れますよ?
 いいですか?
 倒れちゃいますからねっ!?

「い、一緒に歌うのでしたら良いかもしれませんね。楽しかったですし、何よりもリュート様の演奏がとてもお上手でしたから」
「そうか。なら、さっきみたいな弦楽器買っておこう」

 嬉しそうに顔を綻ばせて、久しぶりに触れた楽器の感触が忘れられないのか、指が時折弦を弾いていた型を取る。

「今度はなにを弾こう……ルナも知ってそうな、スローテンポな曲がいいかな。一緒に歌えると、やっぱり嬉しいよな」

 一緒に歌えるというだけで、こんなに喜んでくださるなんて……
 リュート様は無欲というかなんというか、私に本当に甘い人です。
 でも、先程の方のフォローをしているところを見ると、基本とても人当たりがよくて面倒見も良い……ロン兄様もそうでしたね。
 もしかしたら、兄弟ソックリなのかも?
 表情も物腰も柔らかい分、ロン兄様のほうが人は集まりそうですが……

 リュート様の方を見て和んでいたら、何やら白い塊がぽよんっと跳ねたのが見えた。
 はて?何でしょう。

「ん?どうした?」
「リュート様、あの白いぽよぽよした物はなんですか?」
「……あー、モルルだな。早朝、朝食後、昼食後、夕食後、夜半時の一日5回、王城から出動するんだ」
「え?王城から出動?」
「見てればわかる。アレは一見の価値アリだ」

 真っ白なポヨポヨした毛玉には、大きな垂れ耳がついていて、その耳で空も飛べそうはほど大きいです。
 小さく短い手足に丸い尻尾……ウサギっぽいですか?
 ただ、ウサギをイメージすると、その体は動物らしからぬ丸みがあって……球体に近いですよね。
 移動は、ぽよんぽよんと跳ねて動いているようで、可愛らしいのです。
 どこへ行くのかと思って眺めていると、モルルはゴミ箱に行き、あろうことか中に飛び込んでしまった。

「え……と、飛び込みましたよっ!?」
「ああ、食ってんだろ」
「……食べてる?」
「アイツラは、この聖都の掃除屋で、王族のみが使役できる召喚獣の一種なんだ」

 モルルを召喚したのは初代国王陛下で、初代のモルルと交わした契約を互いに子々孫々へと継承していっているらしく、真っ白に見える子たちではあるが、よく見るとほんのりと色がついている。
 私の目の前に来た子は黒いつぶらな瞳を持ち、淡い黄色の毛並みが綺麗なもちふわなモルルであった。

「王太子のモルルだな。コイツが一番食い意地はってんだ。アイツそっくり」

 リュート様……王太子殿下に対して「アイツ」って……だ、大丈夫なのですか?

「でも、何故こちらに来たのでしょう」
「ルナの持ってるその器がもういらないんじゃないかって思ったんじゃないか?」
「そういえば、空ですものね」
「渡してやるといい」

 リュート様に促されて器をモルルに差し出すと、くぱあぁっ!と大きな口を開いて、椰子の実ほどの大きさがある器をひとのみです。
 その大きな口にビックリしてリュート様に思わずしがみつきますが、な、なんですか、あの大きさは!
 体と合ってませんよ!?

「すげーだろ?」
「す、凄いなんてものではありません、ビックリしました……た、食べられるんじゃないかと……!」

 笑いながら私の体を抱きしめるリュート様を見上げ、必死に訴える。
 大きすぎる口は、恐怖です!
 しかも、口の中は亜空間みたいに何もなかったですよっ!?

「小さな子どもは、まずアレを見て泣く」
「それは仕方ありません。あんな可愛らしいのに、お口が大きすぎますものっ」
「でも、アイツらはああやって、この街を綺麗に保ってくれている」
「決められた場所の物しか食べないのですか?」
「原則はそうだが、今みたいにゴミかな?って思う物は伺いに来ることもある。一応知能があるから、この世界の何を食べて良いか悪いかはわかってるんだ」

 なるほど、見た目よりも頭がいいのですね。
 つぶらな瞳と、ぽよんぽよん跳ねている姿からは想像できませんが……

「で、ある程度魔力が溜まってきたら、アイツらは魔力結晶を生み出すんだ。採掘される魔石とは違い、高度な術式をいくつも重ねがけできるから重宝されている」

 すごい召喚生物もいたものです……しかも、王家で継承しているなんて……意外ですね。
 この街が綺麗だった理由も納得ですが、捕食シーンはあまり見たくないかもしれません。
 普通に愛でるだけなら、可愛らしいのに!

「そういうお掃除系のことは、スライム等がするのかと思っていました」
「あぁ、スライムは車だな」
「はい?」
「スライム車」

 また、わからない言葉がでてきましたよ?
 なんですか?そのスライム車って……スライムが車とかに変形するのでしょうか。

「んー、これは見てもらったほうが早いだろう。説明しても想像が難しい。海岸沿いの市場の大通りにいけば見ることができるだろうから、あとで行ってみよう。乗るには距離が短いしなぁ……しかし、歩くにも少し遠いか」

 乗ってみるのもいいが……と、思案顔のリュート様でしたが、あることを思いついたように私の方を見て微笑む。

「俺の馬で移動するか」
「馬……ですか?」

 スライム車のあとの馬という単語に安堵を覚えます……普通でした!
 でも、あれだけ人が多くて混雑するのに、馬は通れるのでしょうか……専用の道路があるとか?

「多分、ルナの想像している馬とも違うぞ」

 違うんですかっ!?
 どこがどう違うのか教えてください、馬は馬ですよね?

「この世界の馬は、主に天馬を表す。主流はウィンドホースといって、風を操る馬だ」
「て、天馬っ!?」

 す、すごい……ファンタジーですよ!
 こちらに来て、まだお目にかかっておりませんが、それほど多くはないのでしょうか。

「天馬を保有している者は限られる。魔力量が多くないと難しいんだ。だから、天馬の所有者は称号持ちとなってしまう」
「なるほど……じゃあ、今日遠出をしているシモン様たちは……」
「もちろん、天馬だよ」

 天馬でデート……なんだか、すごくロマンチックですね。
 今頃、のんびりと楽しんでいるでしょう。

「では、リュート様にも天馬……その、ウィンドホースというお馬さんがいるのですね?」
「いや、俺は……魔力量が多すぎるから、ウィンドホースに怖がられてダメだったんだ。だから、違う馬に乗ってる」
「違う馬?」
「トワイライトホースといって、竜帝領にいる希少種なんだけど、大人しくて子供好きだから、いつも子供たちが遊ぶ姿を、姿隠しの魔法使って遠くから眺めている」
「……す、姿を隠して?」
「見た目が、黒くて大きくて足元に青紫色の炎を纏っていてコワイから、子供に泣かれるんだよ。でも、子供が好きだから見ていたくて、特性である姿隠しの魔法を使って見守ってる。穏やかで優しい性格なんだが、理解されなくて可哀想なくらいだ」

 なんだか見た目で損しているお馬さんなんですね。
 大きな体の黒い馬と聞くだけで、子どもはやっぱり怖がるかもしれません。

「魔物と戦闘になっても、ウィンドホースは風魔法を使って攻撃するけど、アイツはみんなの姿を消して守ったりしてくれるから、とても助かるんだよ」
「補助系なのですね」
「ああ。きっとルナのことも気に入るだろうな。優しい人間が大好きだから」

 そう言われると嬉しいですね。
 リュート様のお馬さんに気に入られなかったらと思うと不安ですが……だ、大丈夫ですよね?

 どうやらお勤めが終わったらしく、モルルたちがぴょこぴょこ跳ねて出入り口がある方向へ移動していきます。
 それを見送ったあと、リュート様はあくびを噛み殺している様子でした。
 少しお疲れのようですし、ちゃんと眠れたのでしょうか。

「リュート様?昨夜……ちゃんと睡眠を取られましたか?何かお仕事されていたのでは……」
「あー、いや……まぁ……そんなとこ?」

 何かやましいことがあるのでしょうか。
 きっと私が眠ったのを確認してから起きて、お仕事をいっぱいしていたんですね?
 ジトーッと見つめていると、リュート様は視線をそらして気まずそうに彷徨わせている。
 これは睡眠時間をあまり取っていないと見ていいですね。
 ということは、少しお休みしていただきましょうか。

「リュート様。後ろの芝生は入っても良いのですよね?」
「ああ。別段問題ないが……どうした?」
「寝不足のリュート様に、いい案があるのですが、乗りませんか?」
「……いい案?」

 なんだろうと首を傾げる彼の手をとり引き連れ、ベンチから少し離れた場所にある、この公園の名所にでもなっていてもおかしくないほど高くそびえ立つ大樹を目指します。
 遠くから見ても存在感があった大樹は、真下に立って見上げると圧巻の一言。
 生い茂った枝葉の隙間から降り注ぐ木漏れ日と、優しい風……休憩するのに、ちょうど良さそうな場所だと思っていたのですよ。
 地面を触ってみると芝生でふかふかしているし、リュート様が寝転がっても痛くないでしょう。
 大樹に背を預けるように座った私は、リュート様に膝をポンポンと叩いてみせる。

「……ん?」
「私が膝枕をしますので、少し休んでください」
「はっ!?」
「眠るのは無理でも、横になれば体は休まるでしょう?」
「ま、まぁ……そうだが……」

 ここで?と周囲を見渡した彼の言いたいことはわかる。
 近づきはしないけど、一定の距離を保っている方々の視線が突き刺さるようですね。
 ですが!
 リュート様には、回復が必要なのです。
 疲れが見え隠れしてますもの……ロン兄様もですが、ご兄弟揃って社畜系ですか?

「別段もう何をする必要もないと思います。今はただ、休んでください」
「……しかし」
「さっきの歌だけで、もう十分だと思いますよ?だって、皆さんこちらを見ていらっしゃるだけですし」
「う、うーん……」
「大丈夫です。私を信じてください」
「ルナがそう言うなら……」

 本当に良いのか?と心配そうにしながらも、私が再度ポンポンっと膝を叩くと、諦めたのか小さくため息をついて、遠慮がちに近くに座りジッと見つめてくる。

「……いいんだな?」
「どうぞ」
「わ、わかった」

 ころりと寝転がったリュート様は、私の足の高さで丁度いいところを探しているのか、頭を動かす。
 くすぐったいけど我慢ですよ。
 ここで、くすぐったいというと、絶対に起きてしまいますからね。

「ん……ここがいい……かな」
「はい。では目を閉じてゆっくりリラックスしていてください」
「足……大丈夫か?」
「ええ、全く問題ありません」

 いつもと違い私が見下ろす形になりますが、それが新鮮で……なんだか嬉しいです。
 緊張していた体から力が抜け、ほぅと吐く息の音が妙に色っぽい。
 この方は、本当に……ど、どうしてこうも色気が出てきてしまうのでしょう。
 どんな表情をしているのかと気になって視線を下にやっても、リュート様の表情は私からとても見づらい。
 いえ、ほぼ見えないのです。
 麗しいリュート様の顔を見たいのに、見れない。
 こんなささやかな願いも叶えられない我が身が恨めしく感じますね。
 もうっ!この胸が邪魔なのです!
 やっぱり、さらしなどで縛り付けるしかありませんか?
 そんなことを考えている間に、リュート様はリラックスしたように柔らかく呼吸を繰り返す。

 さわさわと風が葉音を立てる大樹に見守られ、柔らかな芝生に感謝しながら、リュート様の休憩時間を作れたことに喜びを覚えた。

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