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第二章 外堀はこうして埋められる
旋律は想いを乗せて
しおりを挟む言いがかりも甚だしいです!
そう言おうとした私の口をリュート様が片手で塞いで「へぇ?」と、好戦的な声を出して相手を見据える。
「俺はアンタの歌はどうでも良かったんだが……そこまで言われたら引き下がることもできねーな」
あ……この顔はやる気です。
リュート様の本気モードですね。
目元がキリッとして格好良いです!……けど、大丈夫なのでしょうか。
リュート様の美声で歌ったりなんかしたら、私の心臓がすごいことになりそうですよ!?
むしろ、心配するのはそちらでした。
私の心臓がピンチです。
「アカペラは照れるからアンタのその楽器、貸してもらえるか?」
「あ……ああ……いいが……え、本当に……やる気なのか」
「言い出したのはアンタだろ」
若干気圧されてしまっている言いがかりをつけてきた男性は、ギターのような弦楽器をリュート様に差し出す。
「ルナ。ちょっとこれ持っていてくれ。こぼすなよ?」
「だ、大丈夫です。しっかり掴んでますね」
意味ありげに笑われるのだけど……な、なんですか?
これくらい、こぼさず持っていられます。
そこまでドジっ子ではないですよ?……多分。
リュート様から椰子の実っぽい器を受け取り、膝の上に乗せながら固定して、事の成り行きを見守る。
リュート様は楽器を受け取ってベンチに座ると、弦に触れて口元を緩めた。
「久しぶりだから、どうだろうな」
久しぶり?
その一言が、妙に引っかかって目をしばたかせて彼を見れば、意味ありげに細められる。
あ……日本でギター演奏していたことがあるということですかっ!?
リュート様の手にある弦楽器をよく見てみれば、アコースティック・ギターに似ている気がしますが……形が似ているなぁと感じるだけで本当にそうなのか疑問が残ります。
だ、だって……それほど、楽器に詳しくないのですもの!
だけど、リュート様は手慣れたように弦を一本ずつ指で弾いて音を確認しているようで、チューニングが甘いなぁと呟き呆れ顔です。
「まあ、こんなもんだろ」
そう言って、何気ないように弦を弾いて音を奏でるのですが、先程までぼやけていたような音が、澄み渡るような音へと変化していますね。
うわ……うわーっ!
周囲の人たちにもそれがわかったのでしょうか、遠くで歩いていた人たちも足を止めて、こちらに視線を向けてきました。
「チューナーナシでも、意外といけたな。しかし、久しぶりだから緊張する」
え?とてもそんな風には見えません……どちらかというと、ウキウキわくわくしているように感じますよ?
「何が良いだろう……そうだな、折角アレを練習してたんだし、この場面にふさわしいだろう」
「ふさわしい?」
「ああ。ちゃーんと聴いてろよ?」
魅惑的な笑みでそう言われて、思わずこくこく頷くと……一呼吸置いて、演奏がはじまった。
知っているそれよりもスローペースで、語りかけるような音色が青い空のもと、優しく心に響いてくる。
君は知っているだろうか
出会ったその時に 世界が色づいたことを
抱えていた孤独を見ないように 目を塞ぎ
何も聞こえないように 耳を塞いでいた
でも そんな俺の弱さでさえも
ソッと包み込んでくれる 君の優しさが愛しい
そばにいて微笑んでくれ
それだけで もっと強くなれるから
ただ 柔らかな声で名を呼んで
心の奥底にある 深い孤独が消えていく
君のぬくもりに包まれ
俺はきっと もっと優しくなれるから
心から想う 共に歩いていきたいと願うから
ずっと この手を離さないで
愛しい君に 少しでもこの想いよ届け───
知ってる……この歌……知ってます!
うわ……改めて聞くとすごい歌詞ですが、確かにこの場面にふさわしい歌でしょう。
でも、私が知っている男性ボーカルより、リュート様が歌う方が破壊力抜群で、甘く高らかに響く歌声に、誰もが魅了されたように聞き入っていた。
透明感があるのに甘く感じられるなんて……魅惑的な歌声とギターが奏でる旋律は、胸を締め付けて離さない。
しかも、時々何かを思い出すように優しいほほ笑みを浮かべる横顔は、とても魅力的で……
誰の為に歌っているのかしらと疑問を浮かべた瞬間、私の方に視線が向けられ、スッと細められた瞳にある熱に……全身の血が逆流するのではないかと思うほどの衝撃を覚え、顔を両手で覆いたいのに、膝の上にあるジュースが邪魔でそれもかなわない。
まさか、この状況になるとわかっていたから、あの含み笑いだったのですかっ!?
流される視線の色に、また体温が上がる。
これは……この歌詞は、胸にすごく響くのに、私に向けて歌ってるというような仕草をしないでください。
本当に、胸のドキドキが止まりません!
この歌をどうして覚えたのですか?
流行りだったから?
誰か、歌いたい人がいらっしゃったのですか?
そう考えるのに、先程見てしまった瞳の色がそんな疑問を全て否定していく。
私に向けられた言葉だなんて思ってしまったら、考えてしまったら、どうなってしまうのでしょう。
他ごとに気をそらさなければ、私のライフポイントは0どころかマイナス……オーバーキル状態ですよっ!?
だ、だめ……こ、これはいけません。
リュート様の演奏と歌……それでなくても大好きな声で、耳元で囁かれただけで破壊力抜群なのに、歌声になったら……真っ赤なんて生易しい、涙目です、もうぷるぷる震えるくらいダメだって全身全霊で感じてます!
こ、これは……そう、ラブソング……綾音ちゃんと歌って欲しいナンバーワンソングだと言っていた曲。
あの頃に流行っていた曲ですから、知っていても不思議ではありませんが……で、でも……でもですねっ!
タイムリー過ぎて心臓に悪いのです。
曲が終盤に入り、最後のフレーズを口にする、その時……
私の方を見て、彼は優しく微笑んでこう言った。
「愛しい君に この想いが届くように願い 歌い続ける 君のための愛の歌を───」
それは、とろけるほど甘い歌声と共に、旋律に乗せて愛を囁くように届けられる。
……そろそろ気を失ってもいい頃合いでしょうか。
完全にオーバーキルです……私のライフはもう0どころかマイナスです。
クラクラする意識の中、演奏が終わり、ふぅ……と息をつくリュート様は、どこか晴れ晴れとしていて……
そ、そのお顔も素敵です!
一瞬の静けさのあと、割れんばかりの拍手が起こり、リュート様はビックリした顔をしていらっしゃったけど、そうなりますよ。
だって、すごく素敵でしたもの!
で、ですが……皆様、勘違いしないでくださいね?
先程の歌詞は、私に向けられて歌われたものではありませんからねっ!?
そ、そこは、勘違いしてはいけません。
そうじゃないと、私のライフが……も、もう……本当に……倒れたいです。
膝の上のジュースの器を落とさないようにしているのが精一杯……こ、こぼしてないです、大丈夫ですよ?
た……多分。
周囲の人達が今の歌について語り合っているのか、ざわついている中、リュート様は声を潜めて小さく呟く。
「指が覚えているもんだな。それに久しぶりに大きな声で歌った気がする」
「よく覚えていらっしゃいましたよね」
「あー、妹がな。この曲を絶対にマスターしてくれって、楽譜を持ってきて頼み込むから、しょうがないなって練習して覚えたんだよ」
「妹さんのお願いでしたか……てっきり……」
「ん?てっきり?」
「い、いえ……なんでも……ありません……」
元カノさんでもいたのかなぁって思ったなんて言いません。
そんなこと聞ける立場でもありませんし……
「まあ、仕事人間だったから女っ気がなくて歌う機会なんて無かったのになぁ、おかしなことを頼むもんだと思ったよ」
「……そ、そうなの……ですか?」
「ああ。朝から晩まで働きっぱなしだったからな」
それは今も変わりませんね……と、苦笑を返したのですが、心はなぜだか安堵に包まれていて、ちょっぴり嬉しくなりました。
前世のリュート様に、お付き合いされている方はいらっしゃらなかったのですね。
うん、私と同じです!
きっと、それが嬉しいのですね。
同士ですもの!
「ルナもどうだ?なんか知ってる曲歌わねーか」
「え、えっと……知ってる曲?」
「んー、そうだな。コレとかどうだ」
あ、これって大人から子供まで人気の有名なアニメ映画ですよね。
ほのぼの系で、癒やされる感じの……優しいメロディーが大好きで、よく歌ってました!
ついつい、一緒になって歌っていたら楽しくなってしまって、これは?と問うように、すぐに始まる次の曲に引きずられて歌い出す。
周囲の人たちも楽しくなってきたのか、曲のテンポに合わせて体をゆらしはじめていますね。
楽しい音楽って、どうしてもそうなっちゃいます!
私もリズムを取るように体を揺らして歌っていたら、どんどんアップテンポになっていって、あ、アレンジですかっ!?
「もうっ!そんなテンポじゃ歌えません!」
もーっ!とぽかぽかリュート様の腕を軽く叩きますが、体を揺らして笑われただけで、反応を楽しまれたのだと知る。
「いや、すげーきれいな歌声だったからさ、なんか他のやつに聞かせるのが勿体なくなって……つい」
「それは、リュート様の方なのですよ?」
「ん?俺の?気に入った?」
「はいっ!とっても!すごく綺麗な歌声と演奏で、ドキドキしましたもの」
「そっか」
それは良かったと笑うリュート様に笑い返すと、喉が渇きましたねと先程のジュースをひと口飲む。
甘さとジューシーさが染み渡ります。
「ほら」
立ち上がりギターのような楽器を彼に返すために近づいたリュート様は、口元に笑みを浮かべていた。
「アンタより上手かったかどうかなんてわかんねーけど……俺はアンタの歌を批判したりしてねーよ。ただ、勿体無いとは思ったがな」
「勿体無い?」
「声がいいのに、ボソボソ歌ってんじゃねーよ。腹から声出せ!」
ぼすっと軽い音を立てて、リュート様の拳が言いがかりをつけてきた男性の腹部を殴りつけたようです。
衝撃でビックリした顔をしていた男性は、マジマジとリュート様を見て首を傾げ、斜め後ろにいた男性に視線を向ける。
「アンタが教えてくれた話と違うようだが?話してみても感じが良いし、あんな演奏が出来る男が、俺の演奏や歌の批判はまだしも、彼女をブサイクだのなんだのという男には思えない」
は?なんですかそれは!
リュート様がそんなこと言うはずありません!
馬鹿げた情報源の人物を睨みつけるように見ると、どこかで見覚えが……あーっ!中央広場の喜劇の人!
ギターを持っていた青年に、嘘の情報を教えたのは貴方でしたか!
でも……あれ?彼女さんはどうしたんでしょう……見当たりませんが……?
リュート様がチラリと近くに居た黒騎士様のほうに視線を向け、それを見て頷いたと同時に動き出し、広場で喜劇を演じていた彼を瞬く間に拘束した。
「ダメですよ。情報操作や他の方々への妨害行為は禁止されているでしょう?」
「俺は何もしてない!それどころか、妨害したのはあっちのほうだ!」
「あー、はいはい、事情はあちらで聞きましょう。……大体、喧嘩を売る相手が悪すぎるんだよ」
後半は、近くにいる人でも辛うじて聞き取れるくらいの声色で呟いた黒騎士様は、確実にリュート様を知っている方ですね。
手慣れたように男性を捕らえて流れるように連行していく黒騎士様の姿に、周囲から思わず拍手がわきおこる。
さすがは騎士様です。
「すまない……誤解して突っかかってしまった」
「いや、気にしちゃいねーよ。ルナに何か言うつもりだったら、徹底的にやったが、そうじゃなかったしな」
「たとえ、君が先程の男がいった通りの酷いことを言っていたとしても、彼女は別だろう」
ムッとした顔をして言う彼の言葉にリュート様は笑みを深め、ちょっと短気なところは直したほうが良さそうだと呟く。
自覚しているのか、彼は苦虫を噛み潰したような顔をして低く唸った。
「1人で歌ってねーで、彼女さんと一緒に歌えばどうだ?きっと楽しいぞ」
リュート様が彼の後方に視線を向け、それにつられて見てみると、随分遠いところで彼女らしい方がジッと青年を睨みつけるように立っている。
あ……これは、かなりご立腹ですね。
それを見て顔を青くし「ひっ」と短い悲鳴をあげた彼が、一番わかっているようです。
ご愁傷様です……人に文句言っている場合ではなかったですね。
「あと、もっと声張り上げて歌えよ、ボソボソ歌ってると楽しくねーだろ」
彼に楽器を返しながら、リュート様はそう言って元気づけるように背中をポンッと叩くと、そのまま彼女さんの方へ向けて押した。
「楽しく……歌う?」
「歌を歌うと楽しいだろ?」
「……楽しいか……そうか。そうだな。さっきは……みんな楽しそうだった」
「下手だと自分で決めつけて萎縮して歌うより、声張り上げて楽しんだ者勝ちだ」
そうだろう?と目を細めて問う彼の、こういう優しさが好きだと改めて思う。
あとは、何やらアドバイスらしきものをして「ほら彼女が待ってるから行け」と送り出す。
本当に、優しすぎますよリュート様。
「アンタは声が良いんだから、声張って歌えば問題ねーよ。それに、恋の女神ザネンダより酷くはねーだろ……どう考えても……」
「あ……アレは……」
ひくっと青年が顔を引きつらせて、「わかった、やってみる!」と元気をもらったように走り去り、呆れ顔で待っていた彼女にペコペコ頭を下げて謝りながら浜辺の方へと歩いていってしまった。
しばらくして遠くから聞こえてきた歌声は、先程よりも楽しげで……うん、いい感じです。
でも、恋の女神様よりはって……どういうことでしょう。
「リュート様、恋の女神様は歌が……」
「アレだ、国民的に有名なアニメでリサイタルしたがる破壊音と同レベル」
「あ、あー……」
そ、それは凄いですね……
「だが、面白い効果もあるんだぞ?アイツが歌うと、こちらもダメージを喰らうが、魔物も寄ってこない」
「それって、いいのか悪いのかわかりませんね」
「高級耳栓必須だな」
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怪音波、バインドボイスなどという呼び名も適用されますか?
どっちにしても怖いですよ!
春の女神様があれだけ愛らしかったのに、恋の女神様のイメージが思い描けませんね。
だけど、イベント主催者ですからお会いすることになるはず。
今から楽しみ?……ですね。
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