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第三章

3-11 穏やかな村

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 門を潜ったら、そこは見知らぬ場所だった――

 それを、身をもって体験したカルディアたち一行は、門の外で待っていたダレンたちと出会う。
 愛想の良いレインが軽く挨拶をして、全員を家へ招こうとしたのだが、興味津々の村人達も集まることになったので、集会所を使うことにした。

「……これが建物?」

 白くて四角い物体にカルディア一行は一歩退くが、村人は慣れたものだ。
 レインが作ったという料理を運びながらテーブルを埋め尽くしていく。

「怪我をしている方は本当にいないのですか?」
「あ……ボク、葉っぱで足を切っちゃった……」

 よくよく見てみると、カルディアの幼い弟の足からは血が出ている。
 あれだけ急いで獣道を移動してきたのだ。
 全員、何かしらの切り傷や擦り傷ができていた。

「私の力で治しても良いですが、ここは、メル様のハンドクリームの出番でしょうか」

 何故か自らの力では無くハンドクリームを手に取ったウーニオは、嬉々とした様子で皆の切り傷へ塗り込んでいく。
 少しヌルッとしたクリームの感触がしたあと、綺麗に治っているどころか、肌もしっとりとしているという二重の感動を覚え、カルディアの母がクリームを二度見した。

「す……凄い! あんなにガサガサだった肌が……えっ!?」
「いや、そっちじゃないだろ。傷が消えたことに驚けよ。ポーションじゃないんだぞ?」
「で、でも、肌がすべすべなんだもの!」
「これ、顔に塗っても良いんですよ?」

 カルディアの両親が口論を始めそうだったので、レインが仲裁に入る。
 いや、仲裁と言うには斜め上な発言であったため、それも怪しい。
 しかし、そんな夫婦の口論を止めるだけの効果はあったのだろう。
 夫婦揃ってレインの顔や手を凝視する。
 みずみずしく白い肌は、貴族の令嬢でも手にしたことの無い艶を持っていた。

「あ……だから、皆さん……何だかしっとりとして艶のある肌を……」

 どうやら、ユスティティアたちが居ない間にハンドクリームの噂が広まってしまったようで、レインの化粧水とクリームを全員が試したようだ。
 こういうところが、この村の良いところである。
 子供のように好奇心旺盛で、ユスティティアの作った物へ対しての警戒心が無い。
 彼女が作った物は全て良い物だという刷り込みが完璧なのだ。

「お腹も空いていませんか? メルちゃんの畑で採れた作物とソータが獲ってきてくれたお肉を使った料理なので、味は保証しますよ」
「し、しかし……」
燃え上がる獣バーン・アップ・ビーストの被害者だというなら、我々と同じだ。遠慮など必要無い」

 ダレンの言葉に促され、全員が席に着き食事をし始める。
 これまでの状況や、町の惨状などの報告を経て、よく生き残ったと労われた彼らは、本当の意味で助かったのだと理解し涙する。
 親やカルディアたちが涙する姿を心配した幼子三人組がオロオロするのを見ていたソータは、移動しようとしてコロリと転がった豆太郎を抱え上げ、子供達の輪の中へ入れた。

「美味しい……これ……レインさんが作ったのですか? あ、紹介が遅れてすみません。私はソータさんの同級生でカルディアと申します。此方が、父のヴァール、母のエッシェル、弟のアールに妹のフォレレ。そして、木こりのモルトさんに娘さんのコルンちゃんです」
「此方も自己紹介を――」

 と、ここからは挨拶合戦だ。
 皆が名乗りを上げるような自己紹介が一段落つくと、レインは先程のカルディアの質問に笑顔で答えた。

「これはね、メルちゃんのキッチンでしか作れない料理なの。食べると力が湧いてくるのよ。私の料理の腕前では無いの」
「ユスティティア様の……キッチン?」
「そういえば、メルちゃんがいないわね。ウーニオ、メルちゃんは?」
「外でやることがあると言って出て行かれました。村長と話をしていたようですが……」
「ああ、この人達の家を建てるらしい。建築場所の相談をしていたんだろう」

 何でも無いようにダレンが言うと、村人全員が「ナルホド」と納得したように頷く。
 しかし、カルディアはポカンとしてソータを見つめた。

「ユスティティア様の『加護』って……?」
「噂通りの、【ゲームの加護】だな」
「……え? えっと……はい?」
「先生曰く。ユスティティア様の持つ【ゲームの加護】は、一般認識と違い、複合タイプの極めて珍しい『加護』であった――って感じらしいよ」
「複合タイプ……?」

 言葉の意味が飲み込めないカルディアに代わり、モルトが驚きの声を上げる。

「そ、それは凄い……! 複合タイプの『加護』はそれだけで価値がある物……今までの加護の所持者が乗り越えられなかった試練を乗り越え、辿り着いた境地ということですか。さすがは、竜帝陛下が目をかけられる方なだけはある……」
「まあ、そうなんだけど……色々と面倒だから、この村以外では口外しないで欲しいかな。ユスティティア様の力って、本当に規格外なんだよ。この建物や村の家だって、全部、ユスティティア様が建てたし、この村を襲った燃え上がる獣バーン・アップ・ビーストを倒したのも、先生とユスティティア様だからさ」
「あの数の魔物をものの数分で仕留めた実力は、凄腕ハンター八人分……いや、ヘタをすれば十人分。凄まじい『加護』ですな」
「でも、この料理もそうなんでしょう? え……? ユスティティア様の力って……どこまで……」
「え? そんなの把握できないよ。さっきのハンドクリームだって、ユスティティア様が作ってきた物だし、まだまだ何か考えているみたいだし……まあ、力の一端を見たいのなら外へ出て見た方が早いかも?」

 ソータに促されて外へ出たカルディアたちが目にしたのは、カラフルな屋根の家が建ち並ぶ場所から、少しだけ離れたところに立つユスティティアの姿だった。
 村長と話をして確認を取った場所の塁壁を一旦撤去して、空間を広げて新たに家を建てるようだ。

「……あの、ソータさん。私の見間違いじゃ無い……よね? 今……壁が無くなったような……」
「ああ、ユスティティア様の建築は一般常識で考えたら駄目だ。あの方は『再設置』というものができるらしくて、この家は元々ある建物を使っているから無理だけど、あの方が一から作り上げた物は移動出来るようだよ」

 説明の意味、言葉の意味は理解出来る。
 だが、それを目の当たりにして、その光景を理解出来るかと言われたら別物だ。
 あったはずのものが、いきなり移動させられているのである。
 これが彼女の力によるものだとすれば、それは――

「神様の力みたい!」

 カルディアの心の声を代弁するように、コルンが声を上げて手を叩いた。
 それに気づいたユスティティアは、軽く手を振って彼女たちのところへ駆けてくる。
 彼女の後ろから、戯れ付くようにソータの従魔達も駆けてきた。

「やっぱり、元マスターの事が好きなんだなぁ」
「そ、ソータさん、ま、魔物っ!?」
「あ、違う違う。あの子達は俺の従魔になった、狼の雄がイグニス。狼の雌がルーチェ。馬の雄がボルト。馬の雌がラピスって言うんだ。全部、ユスティティア様命名の、元はユスティティア様がマスターだった従魔だよ。さっき先生が連れていた炎の獅子のロワも一緒」
「え? ユスティティア様は……従魔化も……できるの? 情報って……そんなに凄い力なの?」

 呆然としながら問いかけるカルディアに、ソータは迷うこと無く頷く。
 彼だって、これが『凄い力』でなければ、何が凄いのか問いたいくらいだろう。
 村人達は受け入れるのに時間はかからなかったが、カルディアたちの反応が一般的であることをソータとウーニオは知っている。
 だからこそ、どこか浮世離れしている二人に同行することを願い出るのだ。

「それだったら……ユスティティア様は何で……婚約破棄なんてする必要があったの? 国のためって……これじゃあ、その真逆……」

 呆然と呟くカルディアの言葉に、ソータは首を振る。

「アイツの元じゃ、この力は開花しなかったと思う。きっと、そういうことだ」
「……そうね。そうなのね……我が国はとうとう、見捨てられてしまったのね……」
「まあ、本当に見捨てられたのなら、カルディアがここにいるのもおかしな話だと思わないか? きっと、見捨てられたのは国じゃなく……王族だよ」

 力強く言い放つソータに、カルディアは視線を向けた。
 あの頃には無かった強さが、今の彼にはある。
 冷静に判断を下し、動くことが出来るようになっているのだ。
 印象がガラリと変わり、大人の男の雰囲気を漂わせる。
 人は短期間でこんなに変わるものなのだろうかと疑問を抱くが、その最たるものがユスティティアであった。
 儚く、風が吹けば散ってしまう花のような彼女はいない。
 広い世界へ目を向け、好奇心で心を躍らせ、力でねじ伏せてくる魔物を反対に狩る。
 あの頃よりも美しく、あの頃よりも強い。
 そんな彼女が駆けてきて告げた言葉は……

「屋根の色は何が良い?」

 ――であった。
 呆気に取られるカルディアの足元に居た幼子三人はヒソヒソ相談してから、ハイハイ! と元気よく手を挙げる。

「はい! 右から一人ずつどうぞ!」
「コルンはぴんくー!」
「ボクは水色ー!」
「フォレレもねー、ぴんくがいいけどー……今回はコルンちゃんにゆずってあげるー!」
「うんうん、賢くて良い子たちだねぇ。ほら、みんな、この子達にご挨拶ね!」

 そう言うとユスティティアの後ろで「なになに?」「この子だぁれ?」と様子を窺っていた紅焔狼こうえんろう蒼炎馬そうえんばに声をかけた。
 元マスターであるユスティティアの許しを得たからか、興味津々で見ていた従魔達は、ペコリとお行儀良く頭を下げる。
 その従順な様子から、最初は真っ青な顔をして固まっていた子供達の保護者も、安堵の吐息をつく。

「ユスティティア様の従魔は……というか、今は俺の従魔ですが、大人しくて賢い子ばかりですよ。狩りの手伝いもしてくれますし、荷物の運搬もしてくれます」
「狩りって……ソータさんの『加護』って【幻術】……でしたよね?」
「ああ、ユスティティア様からいただいた装備のおかげで、想定外の強さを手に入れたんだ。おかげで、近隣の魔物くらいなら倒せるようになったんだ」
「それは頼もしいですな。幻術士は数が少ない。しかも、強力な幻惑の技を使える術士であれば、魔物の同士討ちも誘発できると聞きますが……」

 コレに興味を示したのはモルトだ。
 話に聞くところによれば、元は亡国の騎士だったようで、村の戦力になると密かに期待していたソータは笑って答える。

「まだ、三体くらいしか操れませんが、何とか……」
「いやいや、三体で十分どころか、とても凄い!」
「あ……いや……倒すのに時間がかかるし、術がかかるまでの時間が……先生やユスティティア様のように強くなれたら良いのですが」

 自分の名前が出たことと、話の内容が気になったのだろう。
 ユスティティアは小首を傾げて会話に入る。

「え? ソータさんは頑張ってるよ。短期間であれだけ成長すれば凄いものだって先生も褒めてたもの」
「そ、そうですかっ!? ユスティティア様と先生のお墨付きをいただけるなんて、嬉しい限りです!」
「だから……その敬語を……」
「いえいえ、貴族では無くとも個人的に尊敬できる方と目上の方には、やはり敬語ですよ」
「目上だと?」
「いいえ! 尊敬できる方だからこそです!」

 ユスティティアとソータのやり取りに、周囲が笑い出す。
 こういう軽い感じのノリで交わす会話が多いのか、村人達は気にした様子も無くユスティティアに「ありゃ頑固だから無理だぞ」と、説得しているくらいだ。
 全体的に仲が良い。
 それに、フレンドリーで辺境の地にありがちな閉鎖的な雰囲気が皆無である。
 そのことに早くから気づいていたのだろう。
 カルディアの父、ヴァールは周囲を見渡して呟く。

「良い村だな……」
「え、ええ……でも、なんだか……いいのかしら。このまま受け入れてくれるような雰囲気なんだけれども……」
「おそらく、竜帝陛下と彼女が口利きをしてくれたのかと……」

 大人組がそんな話をしている中、カルディアはソータとユスティティアに連れられて、建築予定の土地へ足を運ぶ。
 そこは、ソータの管理する家から少し村の中央寄り。
 子供が居ることを考えて、あまり森や村の出入り口に近くない方が良いだろうという事と、相談がしやすいソータやダレン達親子から遠くない場所を選んだようだ。

「しかし、その場所だと……ダレン。お前さんの畑が……」
「あ、いや……それなんですがね。メルの土地の一角を借りて畑仕事をすることになりまして……村の野菜はそこでまかなうことにしました。外の畑は、村の外へ売りに行く用になりますから、縮小しようと考えていたんですよ」

 ダレンが村長に説明しているのを聞き、村人の目が光る。
 何か新しいオモチャでも見つけたような反応だ。

「それは、どういう意味だい」
「あの、【呪われた島イル・カタラ】へ行くと言う事か? 毎日?」
「いや、きっと畑のわきにある、あの石門が関係しているんだろう」

 次々に村人から言葉が投げかけられ、ダレンは苦笑を浮かべる。
 それを聞いていたユスティティアは、石門について知らない人たちへ簡単に説明をした。
 しかし、石門を潜ったら彼女が管理する別の土地があるなど、容易に信じられる話では無い。
 聞いていたカルディアたちも、実際に通ってきたが、意味が判らないのだ。

 だがそこは、これまで様々な体験をして耐性がついた村人達である。
 内容に納得がいったというように、深く何度も頷いた。

「ほれみたことか、儂の考察が的中したじゃろ」
「ぬぅ……萌黄屋根の一人勝ちか!」
「この人たちも移動してきたしなぁ……」
「なるほど、別の場所へ繋げられる門か。さすがはメルちゃんじゃな」
「皆……飲み込みが早すぎだって……しかも、いつの間にか屋根の色が家名みたいになってるし……」

 さすがのソータがツッコミを入れるほどの対応力だ。
 これには、ウーニオも苦笑いである。

「さて、場所も確保できたし、あとは家ですよねぇ……うーん、夫婦と子供が三人――5LDK? あ、そうだ。カルディアさんのお父さんやお母さんがしているお仕事ってありますか?」
「あ、私が一応……漁師です」
「おおっ! 漁師さん! ということは、お魚ゲットですね! よし、5LDK+作業場……いや、海の近くに作業場を造った方が良いかな。モルトさんの方は、念の為に3LDK。まあ、何かあればいつでも拡張できますし。気軽に声をかけてください。では、建築開始っと!」

 彼女はあらかじめ用意しておいた建材を駆使して、村の建築様式にあわせた三角形の家を建てていく。
 屋根はリクエスト通り水色とピンク色だ。
 瞬く間に一件――いや、二軒の家を建ててしまったユスティティアにかける言葉も見つからないのか、カルディアたちは呆然としている。
 しかし、詳しい事など判らない子供達は無邪気なものだ。
 手放しで喜び、可愛らしい歓声の声を上げる。

「すごーい! もとのお家より大きいー!」
「水色ー!」
「ぴんくー!」
「うんうん。やっぱり、熟練度が上がっているし、慣れたものだから早いわぁ。あと、内装の家具も出来上がっているはずだから、設置していかないと。あ、あと、ソータさん、幻術を施しておいてね」
「わかりました」

 幻術を施すという意味が判らず、カルディアがポカンとしていると、ユスティティアは苦笑して中を見ればわかると、彼女を家の中へ案内する。
 そこには、開放的な広い空間と、子供のことを考えてなのか家の柱や階段に至るまで、角という角を排除した滑らかな作りになっていた。

「さすがメルちゃん。気配りが行き届いているわねぇ」
「階段ですが、従来の造りだと柵を乗り越えそうなので、天井と繋げてしまいました。おかげで強度は増しているので、ちょっとした地震が来ても大丈夫かも? まあ、土台がしっかりしているから心配はいりませんが……。部屋はそれぞれ一部屋ずつ持てるようにしました。ご夫婦や家族で、そこは話し合ってください」

 ユスティティアはそう一気に説明すると、問題の水回りについて話し出す。

「えーと……水ですが……井戸水を汲まなくていいように、ポンプをつけていたのですが……。この度……色々とバレちゃったし、ソータさんの幻術で誤魔化せるから良いか! となって、蛇口を取り付けました!」

 村人からは割れんばかりの拍手が巻き起こり、話についていけないカルディア一行は小首を傾げる。
 目の前にあるのは、磨かれた石の滑らかな作業台……そして、大きくくぼんだ場所の奥に設置してある、金属製の何か。
 
「えーと、これが蛇口です。このコックを捻ってくれたら、水が出ます。浄化されていますから、この水は煮沸しなくても飲用可能です。綺麗な水なのでご安心ください。あ、あと、こちらを捻るとお湯が出るので、気をつけてくださいね。お風呂場にも同じものがありますので……」

 実物を見て説明を受けても意味がわからない。
 そんな体験など、そうはないだろう。
 さすがに頭を抱え始めた大人組とは違い、小さなお子様組は実際に水を飲んで大はしゃぎだ。

「あはは、ユティはまた……色々とすっ飛ばしてやっちゃったみたいだね」
「あ、先生、お帰りなさい! 怪我は?」
「無いよ」
あるじ凄かったんだー! どっかーんって吹っ飛ばしてた!」

 戸口から現れたのはキスケだった。
 若干、スッキリとしたような顔つきで現れた彼の肩に乗っていたロワは、興奮冷めやらぬといった感じである。

「おやぁ? 怪我は無いなら、コレはなんでしょうねぇ」

 そう言って、ユスティティアは背伸びをしてキスケの頬の上らへんにある小さな切り傷を指さす。

「あれ?」
「何に気を取られていたか知りませんが、珍しいですね。そうだ、私のハンドクリームで……動かないでくださいね」
「う、うん」

 クリームを指に掬って、優しく塗り込む。
 すると、傷はすぐに消えてしまった。
 ついでとばかりに、彼の顔へクリームをのばした彼女は満足げに微笑む。

「先生ってヒゲのジョリジョリ感がないんですよねぇ」
「竜人族は、老体にならないとヒゲは生えないよ」
「そうなんですか? まあ、こっちのほうが素敵ですけど、ヒゲのある先生もワイルドでカッコイイかも?」
「そう言われると、何だか……残念で複雑だよ」

 クスクス笑うユスティティアに、振り回されている感が否めないキスケは力なく笑う。
 相変わらずの二人に、ダレンたちは呆れ顔だが、それがこの二人だと妻と顔を見合わせて苦笑する。
 とりあえず、家の機能について行けず、フリーズしている彼らにわかりやすい説明が必要だろうと、キスケが説明を請け負い、ユスティティアは家具の設置へ向かった。
 早速、帰ってきたばかりのロワと一緒にお子様三人組のオモチャになっていた豆太郎は、二人の後ろ姿を見ながら思う。
 これほどユスティティアの全てを理解し、この世界の人に判りやすく説明することができる人は、後にも先にもキスケくらいだ。
 そして、この出会いはとても幸運だったのだと、しみじみ感じるのであった。
 
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