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第三章
3-2 Story of Forest Witch
しおりを挟む二度寝のおかげか、スッキリと目覚めることができたユスティティアは、体を大きく伸ばしてベッドから降りると窓を開け放つ。
ロワが増えたため、1階の作業場はそのままだが、二階に生活空間を作り、三階を各自の部屋として割り当てられるように家を改築したのだ。
そのため、窓を開くだけで遠くまで見通せるようになり、天気の良い日には海の向こうに大陸を目視できることを、彼女は初めて知った。
一つは、いつも世話になっているイネアライ神国。
もう一つは、あまり思い出したくないノルドール王国であった。
(そういえば、宰相様に渡された手紙……使ってないなぁ)
おそらく、遠くに見える大陸は、この島に一番近いと言われているセドルス・デオダラの領地なのだろうと、ユスティティアは一瞥して考え込む。
ノルドール王国には、積極的に関わりたくない。
それが、彼女の素直な感想だ。
(この段階で接触するのは危険だよね。せめて、オート迎撃システムが完成してからにするべきだと思うし……)
上から見ればわかるのだが、塁壁には一定間隔で外へ縁出すようなデザインになっている。
いずれは、そこへ自動砲台とセンサーを設置する予定なのだ。
それだけで、内部へ侵入することは格段に難しくなる。
キスケのように飛行できる人であれば別だが、そんな能力を持つ者は確認されていない。
とはいえ、ユスティティアのように、己の能力を秘匿している場合もあるので、彼女はその対策も考えていた。
「とりあえず……今は、今後習得するだろう攻城戦用の技術の事を考えるより、新しく授かったゲームシステムの理解度を深めないと……だよねぇ」
元々プレイしていたゲームだから、知らないわけでは無い。
だが、この世界へ実装する際、問題が起こらないように何らかの変更点がある。
その上、ゲームとして処理されていた事と現実の感覚の違いを理解し、慣れる必要があった。
燃え上がる獣の一件で、ユスティティアの持つ【ゲームの加護】の認識が変化したためか。
それとも、騒動を治めて勝ち得た信頼が大きかったのか。
マイナスに振り切っていた『奉献ポイント』が大きく回復し、新しいゲームを選択出来るようになったのだ。
そこで、彼女が選んだのは【Story of Forest Witch】である。
日本語のタイトルでは『森の魔女の物語』というゲームだ。
タイトルからどういうゲームか連想することは難しいが、牧場や農場を運営し、アイテムを作って村人の悩みなどを解決していくゲームだった。
それだけ聞けば良くある牧場運営ゲームだが、魔女だけが出入りすることのできる『四季の森』という異界があるということだろうか。
魔女が管理する『四季の森』は、魔女の家を中心に、春の森・夏の森・秋の森・冬の森・果樹の森・薬草の草原の6エリアに別れている。
それぞれの季節、もしくは対応した作物をエリアごとに管理し、牧場運営系にある季節や時間に追われることの無い、のんびりとしたゲームであった。
このゲームの森は、『魔女だけの世界』であり、何人たりとも許可無く入る事は出来ない。
その反面、魔女は門を作ればどこからでも、その森へ入場可能であった。
ここで誤算だったのは、ユスティティアが既に所持していた【蒼星のレガリア】と【Story of Forest Witch】は、互いの重複部分を無駄な物と判断し、システム統合を図ったのだ。
このせいで、豆太郎は半日ほど動くことができず、みんなで心配した。
だが、その結果、得られた物は多かったのである。
本来なら魔女であるユスティティア以外に入る事が出来ない『四季の森』だが、ギルドという概念を得た【Story of Forest Witch】は、ギルド管理画面へ入場管理システムを追加したのだ。
つまり、ギルドメンバー等は魔女として処理し、ギルドマスターであるユスティティアの意向に従い、入場制限を解除するようにしたのである。
しかし、素直に喜んでばかりはいられない。
これだけ変更されたのだから、何があるか判らないのだ。
そのため、見知ったエリア内ではあるが、調査を行う必要があると判断したのである。
おそらく、キスケやロワであれば対処出来るだろうと実験的な意味も込めて入場許可を出したが、危険だと判断すれば、いつでもユスティティアは権限を剥奪するつもりでいた。
「問題は沢山あるけど、状況を考えると候補に挙げていたゲームの方がヤバかったよね。まあ、工場も魅力的だったけど……やっぱり、お布団は偉大だわ」
そういって、ユスティティアは自分のベッドに敷かれた布団へダイブする。
ここ数日、外壁工事と同時進行で作っていたのが、この布団だ。
畑仕事はキスケとロワが率先してやってくれていたので任せて、ユスティティアは朝晩の寒さが厳しいため、寝具を整えようと考えたのだ。
布団作りは、材料と専用の道具ができれば簡単である。
イネアライ神国で大量の綿花を購入し、生地は原料となる綿花を『生地メーカー』にセットすれば時間経過で出来上がった。
そう、この『メーカー』なるものが、【Story of Forest Witch】ではメインとなってくるのだ。
高品質の物を作ろうとすれば、高品質な『素材』と『メーカー』が必要になる。
それを熟知していた彼女は、布団作りに必要な『生地メーカー』を作ると同時に、『種メーカー』を作成した。
これで、収穫した作物の品質を上げていくのだ。
何よりも、ゲームシステムを通すことで、彼女がよく知る野菜達へ変化するかもしれないという淡い希望があったからである。
その考えは見事に的中した。
この世界の、見た目が高麗人参のような人参が、彼女のよく知るオレンジ色のふっくらと可食部分の多い立派な人参へ変化したのである。
これだけでも大収穫だ。
だが、彼女は満足しなかった。
更に、高品質な野菜を作ろうと、現在奮闘中である。
つまり、彼女がダイブした布団も、品質を考えるなら綿花から品質を上げていかなければならない。
綿花は野菜と違って少々時間がかかるため、今はこれで十分だと、ふかふかの布団へ頬ずりをして頬を緩ませている姿は、とても他者へ見せられた物では無い。
人数分を作るには時間がかかるため、まだ敷き布団しか無いが、ユスティティアは大満足である。
その姿をジトリと見ていた豆太郎は、わざとらしく「コホン」と咳払いした。
「あ、お豆さん、おはよー」
「マスター……二度寝はダメですよ?」
「朝の騒動を知らないお豆さんは知らないかも知れないけど、既に二度寝した後だったり……」
「え? 何かあったのですか?」
「ロワがねぇ……」
「マスターっ! 朝ご飯ができたよー!」
説明しようとしていたユスティティアの言葉を遮るようなタイミングで、無遠慮にロワが飛び込んでくる。
ドバーンッ! という効果音でも聞こえてきそうな勢いで開け放たれた扉は、さすがユスティティアが作っただけあって丈夫だ。
壊れる気配も無い。
「ロワ、ダメですよ。扉はそんなに力を入れて開けてはいけません」
ベッドの上でお行儀良く座り、先輩風を吹かせてお説教をする豆太郎に、ロワは眉をひそめる。
「えー? お豆は自分で開けることすらできないじゃん」
「できますよ!」
「俺と違って時間がかかるじゃん?」
仲が良いのか、悪いのか、これ以上拗れたら朝ご飯が遅くなると考えたユスティティアが割って入った。
「あーもー、喧嘩しないの! とりあえず着替えるから、二人とも出て行って」
「え? 僕もですか?」
「ロワを先生のところへ連れて行ってくれる?」
「了解です!」
「えー? 俺、ここにいるー! マスターとおしゃべりするんだー!」
ユスティティアと豆太郎の会話を不服そうに見つめていたロワが声を上げるが、冷たい視線で一瞥された瞬間に黙り込む。
「女性の着替えを見ようなんて……先生が聞いたらお仕置きものだよ?」
「え……お、お仕置きは嫌だっ! お豆、一緒に主のところへ行こう!」
「はいはい。では、先に行ってますね」
ロワがいるだけで賑やかだと、ユスティティアは大きく伸びをして、クローゼットを選択する。
実際の装備と見た目装備という二つの効果が得られるのは嬉しいのだが、瞬間的にパッと変わるだけなので、どうも着替えた気にならず、彼女は自分の姿を鏡に映して確認した。
「洗濯いらずで、いつも綺麗な服を着られるのは良いんだけど……慣れないなぁ」
勿論、今着ている服の上に、装備を反映させることもできる。
だがそうすれば、かさばって体が動かしづらくなるため使いたくない。
それが、ユスティティアの素直な感想だった。
着替えを終えて下の階へ移動すると、とても美味しそうな匂いが辺りへ漂っている。
最近では、元々料理が得意である早起きのキスケが、朝食を担当していた。
昼食は手が空いている方、夜はユスティティア。
そんな生活が当たり前になってきていることが少しだけ嬉しくて、自然と彼女の足取りは軽くなる。
システムキッチンさながらの厨房に、エプロンをつけたキスケが立っていた。
鉄製のフライパンを軽々扱い、焼きたてのベーコンエッグを皿へ盛り付けている。
「先生、おはようございます!」
「おはよう。朝から元気で宜しい」
振り返り爽やかな笑顔を見せる彼に口元を緩めたユスティティアは、準備されている皿を持ってダイニングへ移動した。
すぐにキスケもやってきて、カトラリーを並べているロワを褒めている。
(先生って褒めて育てるタイプよね……まあ、それが合わない人には厳しめだけど……)
ロワは褒められれば褒められるほど伸びるタイプだ。
戦っていたときの性格の悪さはどこへやら、今では残念な面も目立つが素直で良い子である。
「さあ、遠慮せずに沢山食べてね」
学生時代から『食事は生活の基本!』と言っていたキスケだ。
朝からとんでもない量の食事がテーブルに並んでいる。
ロワがよく食べるというのもあるが、最近は、ユスティティアもよく食べるようになった。
それもそのはず。
彼女は物作りを常にしているので、消費する魔力量が多いのだ。
その失われた力を補うのに、どうしても食事が必要になる。
それを熟知したキスケの気遣いであった。
野菜たっぷりのスープ、大きなパン、自家製のバター、自家製ベーコンで作った厚切りベーコンエッグ。
この島で採れる木の実のジャムもある。
「先生って……本当に料理上手ですよね。塩加減が絶妙です」
「そうかい? 自分だけならベーコンエッグとパンだけで済ませちゃっていたから、ユティのおかげで健康になっちゃうかも?」
「お互いに良い効果ですね」
「俺は肉だけでもいいかなぁ……野菜は甘いけど肉の方が好き」
「ユティが手間暇かけて改良し続けている野菜なんだから、残さないの」
「先生がさらに美味しく調理してくれてるんだから、勿体ないでしょ?」
「食べないと大きくなれませんよ?」
「お豆が言っても説得力無い……けど、主とマスターの言う事はもっともだから食べる!」
他愛ない会話をしながら賑やかな朝食の時間は瞬く間に終わり、食後の紅茶を飲む。
このまったり時間を楽しみつつ、本日の予定などを話し合うのが二人の日課になっていた。
「今日は昼過ぎからダレンさんのところだね」
「はい。できれば、午前中に『四季の森』を探索して危険が無い事を確認しておきたいです。森への入場制限をかけて、ダレンさんにもあの森の畑を一部貸し出そうかと。あの騒動で畑の一部をダメにしちゃいましたから……」
「ああ……緊急事態だったから、防壁を厚くしたせいで畑の一区画が使えなくなったんだよね」
「再設置したんですが、一度土台化したためか土質が変わっていて作物が育たなくなってしまいました。そのため収穫量も減って村に迷惑をかけていますから……」
「ふむ……。あの村の人たちなら大丈夫そうだし、ダレンさんなら問題無いかな。あ……魔女の家にあるメーカー類はどうするんだい?」
「あのままでいいかなって……ダレンさんは口が堅いですし」
「ヘタに隠すより良いか」
「そう判断しました」
「了解。俺の方も異存は無いよ」
ユスティティアとキスケが真面目に話をしている間は邪魔をしないことにしているロワは、ソワソワしながら話が終わるのを待っていた。
そして、今だ! というように口を挟んだ。
「アイツらにも会えるんだよね?」
アイツらというのが誰を指し示すのか考えていたキスケは、ソータの従魔になった四頭のことだと思い至り、コクリと頷く。
「ああ、ソータがいるから会えるよ」
「やった! アイツらにも俺のこの姿を見て貰うんだ!」
この姿――人間の大人バージョンのことなのだろうか、それとも少年バージョンのことなのだろうか……と、キスケは少しだけ悩む。
内面から見て、少年バージョンが一番しっくりとくるのだが……と考えていたキスケの隣で、ユスティティアが苦笑した。
「なに? そんなに、その衣装が気に入ったの?」
「赤と黒でカッコイイ!」
キラーンという効果音でもしそうなほど、見事なドヤ顔である。
元々は、サブキャラが記念品で貰った衣装だったが、ユスティティアの好みでは無かったことが原因でクローゼットの奥底に眠っていた品だ。
遠くから見ても目立つ深い赤の外套に、黒い革のパンツ。
黒の革手袋に重厚なブーツ。
赤と黒の中二病の人たちが喜びそうな眼帯つきの衣装なのだが、ロワの左目が炎の魔眼だということから、隠すのに丁度良かった。
一応、眼帯をつけていても普通に見えるらしい。
(中二病……だけど、ソレよりも派手すぎて私には無理だったなぁ……)
男性のサブキャラで気分を変えてプレイしていても、やはり好みはある。
その点から考えても、キスケは好みのど真ん中だと、優雅に紅茶を飲む彼へ視線を向けた。
(やっぱり、育ちが良いよね……マナーは完璧だし、優雅。前竜帝陛下の身内だったのかな。封じられた犯罪者だって言うけど、先生のことだから、きっと何か深い理由があったんだろうし……)
本人も記憶喪失であるため、真相はわからない。
だが、どう見ても、貴族か王族のような風格が彼にはあった。
(育ちの良さって、いくら隠していても、こうしてにじみ出てくるんだよね……私も貴族だってバレていたし……うーん、変装しても隠し通すのって難しいなぁ)
前世の記憶が色濃く残っていれば、平民の振る舞いもできただろうが、残念ながら彼女の記憶も曖昧だ。
深く溜め息をついたユスティティアは、とりあえず、この島で生活基盤を整えて、余裕を持ってダレン達の村にも援助しようと考えていた。
「そうだ! マスター、俺と主で薬草を収穫してきたよ!」
「ありがとう! あ……これで、良い物が作れるわ。みんなに良いお土産ができたかも」
「お土産ですか?」
ロワと豆太郎が同時に首を傾げる。
「まあ、それは完成してからのお楽しみ」
うふふっと機嫌良く笑うユスティティアを、豆太郎とロワは不思議そうに見つめているが、その中でキスケだけが優しく微笑む。
おそらく、彼女の考えていることが判ったのだろう。
ユスティティアはロワがテーブルに並べてくれた薬草を手に取り、その香りに満足げな笑みを浮かべる。
脳裏に描いているアイテムを作るために必要な物をピックアップし始めた彼女は知らなかった。
これが、後にとんでもない騒動を起こす切っ掛けになることを――
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