ギルガメシュとエンキドゥの関係がBLすぎて困惑中

黒川蓮

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ギルガメシュは暴君確定

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 あれから1ヵ月。
 オレはギルガメシュ王の居室に閉じ込められている。
 ギルのせいで。

「オレ、キイがいてくれたらそれでいいから」
 ギルは、毎日オレにエロいことをしてくる。
 王の特権を乱用して。
 ここにはギルの言うことを聞くやつしかいない。
 逃げ場を失ったオレが何を言ってもムダだった。
 なんたって、ギルは今、都市国家ウルクの一番の権力者である王だから。

 最初はイヤだったけれど、慣れというのは恐ろしい。
 だんだん気持ちよくなってくると、どうでもよくなってくる。
 このままではないけない。
 内側から腐りそうだ。

 ウルクの民はオレが来てからギルガメシュ王が女性にお手付きをすることもなくなり、優しくなったと好意的だ。
 暴君のギルガメシュ王を手なづけるエンキドゥのオレはいつの間にか英雄設定。
 オレからすると今のギルは王の権利を悪用する暴君そのものなんだけど。
 どうやったらこの世界から抜け出せるんだ?

 そんなときだ。
 神官たちがやってきた。
「新しい神殿を築く予定ですが、木材が不足しております」
 神殿建設に良い資材は欠かせないが、古代南部メソポタミアの森は枯渇して深刻な木材不足だったらしい。
 そりゃたいへんだ。
「王とエンキドゥ様のお力を使えば百人力です。どうか森へ」
 神官たちがギルに言う。

 オレはこの生活がずっと続くことに危惧を抱いていたので、ちょうど良かった。
 とりあえず話を前に進めたい。
 もしかしたら、この話を最後まで進めたら、夢から覚めるような気がする。
 そんな淡い期待を抱いた。

「このままずっとキイとここにいたいんだけど。みんなオレの言うことを聞いてくれるし」
 名残惜しそうに言うギル。
 オレはこんなところにずっと閉じ込められるのはゴメンだ!

「てめーはそれでも王かっ!!」
 オレは重い腰をなかなかあげないギルを無理やり引っ張って、レバノンの杉を取りに森へ行くことにした。
『ギルガメシュ叙事詩』だと、行こうと言うギルガメシュに対して、行くのが不安だと言うのがエンキドゥ。
 これじゃ立場が逆じゃんか! 
 
 もうなんでもいーわ。
 とりあえず、前進あるのみ!
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