ギルガメシュとエンキドゥの関係がBLすぎて困惑中

黒川蓮

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キス

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「キイ、長いカツラすごく似合ってるよね」
 そうかな。
 あのエンキドゥ役のヅラ、好きじゃない。
 女の子みたいでイヤだ。
 ただでさえ母に似て女顔なのがコンプレックスなのに。

 ギルが嬉しそうに言う。
「女の子みたい」
 ぶちっ。
 今、オレの理性の糸が切れた音がした。

「オレ、女みたいに見えるのがヤなんだけど?」
「えっ、でもすごく可愛いよ」
「男に可愛いとか言うなっ。気色わりー」
「でもオレの目には世界で一番キイが可愛く見えるよ」 
 は?
 何言ってんだ、こいつ。
「キイが女の子だったら良かったのに」
 ギルにおとがいをつかまれる。
 え?
 目の前に、ギルのドアップ。

 えええええええー?
 いきなり、ギルがオレにキスしてきた。
 ウソだろ!?

 オレは強引にギルの顔を引きはがそうとした。
 だけど、ギルはびくともしない。
「んー」
 オレはギルの胸をドンドン叩いた。
 ギル無視。
 
「はあっ」
 ようやくギルの顔が離れると、オレはぜぇぜぇした。
「謝らないから」
 は?
「だってオレ、ずっとキイのことが好きだった」
 ちょっと待って。
 好きって、友達として好きってわけじゃなく?
 オレの脳内、大混乱中。

「今朝はキイ、杉森といちゃついてて、最近不安なことだらけだよ!」
 ギルがオレを抱きしめる。
 なんでそこで杉森が出てくるんだよ。
 オレはなんとかギルを押しのけようとした。

 ここは橋の上。
 あたりは真っ暗。
 小さな外灯が淡くついているだけ。
「だからキイ、」 
 オレはギルから逃げようとして欄干らんかんに手をかけた。

 ずるっ。
「うわっ!」
 欄干が動いた。
 振り返ると、さわるな危険、補修中の文字。
 欄干と一緒にオレの体勢が崩れる。

 ヤバイっ!
 そう思ったときには遅かった。
 体が宙に浮いている。
 オレは真っ逆さまに川に落ちて行った。
 死ぬっ!!!

「キイっ!!!」
 ギルが川に飛び込むのが見えた。  
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