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第21章 新リゾート開発編

第325話 南の島の水着美女

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 護衛のステラ、リリアーナ、フェリンと秘書のセレスティーナは、「勤務中ですから」とビールを断り、ミネラルウォーターを飲んでいたが、明らかにビールを飲みたそうだった。

「あ~、自分たちだけ、ズル~イ」
 オレたちが昼食のサンドイッチを食べ、冷たいビールを飲んでいるのを見て、海にまっしぐらに駆けて行った6人組が文句を言った。

「タープの設営を手伝わなかったから、キミらはお昼抜きだ」
 オレがそう言うと、アスナとジェスティーナ、リオナの3人は、オレにブーイングを浴びせたが、セリーナ、セレーナの王女姉妹とヒカリの3人は、ご免なさいと素直に謝った。
 こんな時にも性格の差が出るのかと、見ていて面白かった。
 恨めしげにこちらを睨む6人には、バーベキューの時に必ず手伝うと言う約束で、ランチボックスと冷たい飲み物を解禁した。

 昼食が終わると、女性たちは飛行船の中で水着に着替えて、礁湖ラグーンに水遊びに行った。

 オレは海には入らず、タープの下で日陰から美少女たちの水着姿を鑑賞していた。
 今日のジェスティーナは、チェリーピンクに青いイルカのワンポイントが入った可愛いビキニ姿である。
 一糸まとわぬ姿は何度も見ているが、太陽の下、健康的な水着姿はジェスティーナをより魅力的に見せている。

 一方、セレーナ王女とセリーナ王女はお揃いのスカイブルーの清楚系の水着で、傍目にはどちらがどちらか見分けがつかない。
 アスナは真っ赤な悩殺ビキニで、サクラはボディラインが際立つ花柄のワンピースだ。
 リオナはレモンイエローの爽やか系のビキニ、ヒカリはピュアホワイトの清楚系の水着を着ている。

 因みに護衛たちの水着は、ステラが黒の悩殺ビキニ、セレスティーナはディープブルーの控えめのビキニ、リリアーナはオレンジ色のワンピース、フェリンはライトグリーンのワンピースである。
 護衛が水着を着る必要があるのかと言われるかも知れないが、周りに溶け込んで違和感なく警戒するのが要人警護の鉄則なのだ。
 タイプは違うが何れ劣らぬ11人の水着美女が揃い、さながら水着ファッションショーのような様相であるが、男のオレには目の保養以外の何物でもない。
 この状況こそ、正に南の島の楽園なのである。

 礁湖ラグーンの水温は、30℃を超えており、ぬるく感じられるほどだ。
 クリスタ島の形は、アルファベットのCに似ており、360度のうち30度ほどが外海と接しているだけだ。
 そのため環礁の中はとても穏やかで湖のように、さざ波が立つくらいで水遊びには物足りないくらいである。
 水深は深いところでも5mほどしかないが、透明度も高く、熱帯魚や海中の生物が良く見えた。
 海の中には、ウミヘビや棘の長いウニなどの危険生物が生息しているかも知れないので、護衛の3人がシュノーケリングで海に入って確認してくれた。
 なんせ、ここには王女様が3人もいるのだから、怪我させないように警護するのも仕事の内なのだ。

 片や外海に接する砂浜には、高さ50cmほどの波が押し寄せていた。
 クリスタ島の外側にも幅200mほどの珊瑚礁リーフが広がっており、外海から押し寄せる荒波を消波し、穏やかな波にしてくれるのだ。
 
 クリスタ島の砂浜の幅は、狹いところで30mほど、広いところで100mほどあり、建物を建てるには十分な広さがある。
 また礁湖ラグーンの中央部分には水深が浅い場所があり、干潮時には陸地になるので、ここにレストランを建設するのも良いだろう。
 さて、仕事モードはこの位にして、折角だから南の島を満喫しよう。
 オレは、透明なアクリル硝子で出来たカヌーを出し、礁湖ラグーンに漕ぎ出した。

 水深が浅く、透明度が高い海中には色とりどりの熱帯魚が乱舞し、正に海の楽園パラダイスであった。

「カイト~、私もカヌーに乗せて~」
 声の主は、ジェスティーナである。

「あ~、王女様~、私も乗りたかったのにぃ~」
 リオナが悔しそうな表情で訴えた。

「リオナ、ゴメンね、でも早いもの勝ちなの…」
 ジェスティーナは、言葉とは裏腹に得意げな顔でリオナに言った。

「リオナ、次に乗せるから、乗せる順番を決めておいてくれ」
 オレはトラブルを回避するために順番制にすると宣言した。
 それから一度砂浜に戻り、カヌーの前席に水着姿のジェスティーナを乗せた。

 チェリーピンクに青いイルカのワンポイントが入ったビキニを身に付けた金髪ポニーテールの超絶美少女はオレに微笑んだ。
「カイト、このカヤック、まるで海に浮かんでるみたいよ、スゴイわね~」とまるで少女のように燥いでいた。
 普段はしっかりし過ぎる位にしっかりしているし、王族の一員として凛々しい姿を目にするのが当たり前になっているが、実はまだ17歳なのだ。

 こんな超絶美少女のビキニ姿を目の前で見られるとは、何と恵まれていることかと心の中で呟いた。

「ところでカイト…」

「ん、なんだい?」

「いつになったら、私と結婚してくれるの?…」
 ジェスティーナは前を向いたまま、振り向かずに言った。
 そして、間をおかずこう続けた。
「私ね…、カイトの赤ちゃんが欲しいの…」

 ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、これは対応を間違うと修羅場になるシチュエーションだ。
 オレの前世を通じた経験が『緊急事態』の警報アラートを鳴らしていた。
 オレは、脳をフル稼働させて最良の答えを導き出した。
「そ、そうだな、他国との問題もクリアになったし、大臣としての役目も一段落したし、アクアスター・グループの業績も順調だから、新年早々に結婚式を挙げようかと思ってたんだ…」
 オレは仕事が忙しすぎて、結婚が遅くなってゴメンねの姿勢スタンスを取りつつ、苦しい言い訳をしたが、なんとこの答えがベストアンサーだったようだ。

「えっ、うそ、そうなの、やだ~…
 それじゃ、式場予約しなきゃね」
 そう言ってジェスティーナが振り返ると、満面の笑みで超ご機嫌であった。
 今まで2年近く婚約者フィアンセの状態で過ごし、彼女なりの判断でオレが忙しいからと自分を納得させ、心の中で無理に消化してきたのだろう。

「え~っと、式場は、セント・フィリア大神殿にしようと思ってるから、予約しなくても大丈夫かな…」

「え、女神様の大神殿で挙式するの?」

「うん、恐らくセントフィリア大神殿では初めての挙式だから記念になると思うよ」
 オレは、その際に7人の婚約者と7日間連続で挙式を上げようと思うとジェスティーナに打ち明けた。
 これは、以前から考えていたことだ。

「えっ、そうなの……
 カイトが、そこまで考えてくれてたなんて…
 わたし、嬉しい……」
 そこからジェスティーナは、目を輝かせながら妄想の世界に没入していった。

 夢見心地のジェスティーナを砂浜で下ろし、次にリオナとヒカリをカヌーに乗せた。
 2人の美少女を乗せ15分ほど色々な話をしたが、あまり覚えていない。
 それはジェスティーナが言った、あの一言が頭から離れなかったからだ。
 オレもそろそろ年貢の納め時のようだ。
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