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第18章 航空産業大臣編
第261話 アクアスター・エアロトラベル
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アクアスター・エアロトラベルは、オレが国王から授与された褒賞金、金貨20万枚の内10万枚を出資し、オレと関係が深い各家から出資を募って設立した民間航空会社である。
アクアスター・エアロトラベル株式会社出資一覧
出資者/出資額(出資比率)
①シュテリオンベルグ公爵家 金貨10万枚( 50%)
②ソランスター王家 金貨 3万枚( 15%)
③バレンシア商会 金貨 3万枚( 15%)
④アルテオン公爵家 金貨 2万枚( 10%)
⑤リーン侯爵家 金貨 2万枚( 10%)
合 計 金貨20万枚(200億円)
今回はステラの実家であるリーン侯爵家にも声を掛け、出資を募った。
何せ、褒賞金が金貨10万枚も入ったのだから、金は余っている筈なのだ。
軍務大臣を務めるジョエル・リーン侯爵に趣旨を説明すると、快く金貨2万枚の出資に応じてくれた。
「この報奨金は、カイト殿のお陰で貰えたようなものだからな。
儂は喜んで出資させて貰うぞ」
「ありがとうございます」
「ところで、他に何か儲け話は無いのか?」
「まあ、無いこともないのですが…
それはまた今度、話が具体化したらご紹介します」
「うん、宜しく頼む。
それからステラのことも…、宜しくな」
ステラは、リーン侯爵家の長女にして元S級冒険者であり、現在はオレの護衛であるのだが、オレと愛妾の関係でもあることを侯爵は知っているのだ。
ソランスター王国には、ソランスター航空公社と言う半官半民の航空会社があるが、こちらは国庫から資金が40%ほど入っており、公共性を優先した路線設定を行う必要があり、自らの利益を優先して飛行船の航路を設定する訳にはいかないのだ。
そこで、一切の柵が無い航空会社『アクアスター・エアロトラベル』が必要となった訳だ。
『アクアスター・エアロトラベル』の社長には第1王女のフローラを抜擢した。
正直なところ、フローラの社長としての資質は未知数であるが、第1王女として元々高い教養や知識を身に付けており、素地はあると思うのだ。
それに何よりもフローラは生まれながらの人徳のようなものが感じられ、その広い人脈にも期待できる。
ただ3人の王女の中ではオレと一番付き合いが浅く、見た目はおっとりした性格で、どんどん前に出て行くタイプでは無さそうなので、要所要所でサポートは必要になりそうだ。
そんなフローラをオレの書斎に呼び、1対1で『アクアスター・エアロトラベル』の経営方針を伝えた。
「いいかいフローラ、これからアクアスター・エアロトラベルの経営方針を説明するから良く聞くんだよ」
「はい、カイトさん」
「この航空会社はオレが設立した民間航空会社だ」
「はい」
「設立した目的は、シュテリオンベルグ公爵領、それにアクアスター・リゾート各社の収益を増加させるための手助けをすることだ」
「はい」
「なので航空路線は、シュテリオンベルグ公爵領、アクアスターリゾート、王都フローリアの何れかが起点となるからね」
「はい」
「基本は旅客輸送で、貨物輸送専用便は当面考えていない。
旅客便の貨物室に空きがある場合のみ貨物を輸送することになる」
「はい」
「フローラ、はいしか言わないけど、ホントに分かってる?」
「はい」
「それじゃ、今言ったことを要約してオレに説明してみて」
「はい。
アクアスター・エアロトラベルは民間航空会社で、シュテリオンベルグ公爵領、アクアスターリゾート各社の収益増加を主な目的として、王都・領都・公爵領内主要都市を起点として発着し、旅客優先で貨物は輸送可能な場合にのみ積載する、ですね」
「うん、完璧だ」
生返事かと思ったが、ちゃんと理解しているようだ。
「それじゃあ、先ず最初にジェスティーナから、アプロンティアとフォマロートの王都と領都エルドラード間の直行便運行について相談がある筈だから、それを二人で打ち合わせして欲しいんだ」
「その件でしたら、エルドラードを基点にクリスタリア→エルサレーナ→アクアスター→セントレーニア→エルドラードの航路を週2便運行する計画で、ティーナと昨日打合せして、後でカイトさんに承認貰おうと思ってました」
「なるほど…」
フローラは、見かけによらず仕事が速いようだ。
「それと、報告が一つあるんですが、いいですか?」
「うん、いいよ」
一体、何の報告だろう。
「秘書を1名採用しました」
確かに、秘書を採用するよう指示したが、まだそんなに経っていない筈だが…
「隣室に控えてますから、今から紹介してもいいですか?」
「もちろん」
オレがそう言うと、フローラはリビングへ戻り、新しい秘書を連れて戻ってきた。
「はぁ~い、カイトさまぁ、おひさしぶりぃ~」
そう言いながら書斎に入ってきたのは、クラリスであった。
「クラリス!、お前、冒険者ギルドはどうした!」
「え~、辞めて来たに決まってるじゃないですかぁ~。
人使い荒いし、給料安いし、それにイイ男居ないんですものぉ~」
「お前、秘書なんて出来るのか?」
「カイト様~、お前呼ばわりは、酷すぎないですか?
せめて名前で呼んで下さいよ」
「あっ、ごめん、つい興奮しちゃって…」
クラリスは、冒険者ギルドの受付嬢で、豊満な胸を強調した露出度の高い制服を来て、オレを誘惑してくる小悪魔キャラの元A級冒険者なのである。
彼女とは、ひょんな事から最初の旅の案内人として、オレと一緒に旅をした仲なのだ。
「フローラ…、クラリスは、秘書として大丈夫なのか?」
「はい、彼女こう見えても中々優秀なんですよ。
事務能力は高いし、公式の場では挨拶もキチンとできるし、教養も有って秘書としての素養を備えていると、サクラさんが太鼓判押してましたから」
「ふ~ん、男の事とエロい事しか考えて無いような感じに見えるけど、人は見かけによらないものだな~」
「カイト様ぁ、あたしだって、やる時はやるんですよぉ~」
「まあ、とにかくそのエロい胸を何とかしろ。
もっと秘書らしい服装にしないと採用を取り消すからな!」
「はいは~い、分かりました~。
これから、お世話になりますが、宜しくお願いしま~す」
クラリスは、一礼するとさっさと出て行った。
どういう因果か知らないが、クラリスがフローラの秘書として採用され、これからたまに顔を合わすと思うと、オレは少し憂鬱だった。
オレとクラリスは相性が悪いらしく、いつもペースが崩されるから苦手なのだ。
しかし、既に採用したからには、しょうがない。
「う~んと、どこまで話したか忘れてしまったじゃないか…」
オレは思い出しながら、話を続けた。
「新設の会社だから、社員はこれから採用することになるから、その採用と社員教育、それから就航路線に合わせた飛行船の機種選定、運行計画の作成など、仕事は山程あるから覚悟しておいてくれよ。
後は、グループ各社の社長と打ち合わせして航空需要を調査し、運行計画の優先順位を付けて欲しいんだ。
それが出来上がったら、また打ち合わせしよう」
「分かりました」
「いつまでに出来そうだい」
フローラは、暫く考えてこう言った。
「1週間もあれば、出来ると思います」
「うん、分かった。
それじゃ、1週間後の同じ時間に打ち合わせしよう」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから一週間後、再びフローラと打合せを行った。
オレがフローラに与えた課題は、ほぼ完璧に回答が用意され、綿密な計画と予算が文書化されて示された。
グループ各社の航空需要の優先度一覧表と路線計画案、その運行に必要な飛行船の機種選定と台数及び予算・収支計画、採用すべきスタッフの人数や必要な適性、社員教育の具体的な計画まで事細かに検討され、オレがゴーサインを出せば良いまでに準備されていた。
真のフローラは、有能で理解力が高く仕事が速いクールビューティなのであった。
アクアスター・エアロトラベル株式会社出資一覧
出資者/出資額(出資比率)
①シュテリオンベルグ公爵家 金貨10万枚( 50%)
②ソランスター王家 金貨 3万枚( 15%)
③バレンシア商会 金貨 3万枚( 15%)
④アルテオン公爵家 金貨 2万枚( 10%)
⑤リーン侯爵家 金貨 2万枚( 10%)
合 計 金貨20万枚(200億円)
今回はステラの実家であるリーン侯爵家にも声を掛け、出資を募った。
何せ、褒賞金が金貨10万枚も入ったのだから、金は余っている筈なのだ。
軍務大臣を務めるジョエル・リーン侯爵に趣旨を説明すると、快く金貨2万枚の出資に応じてくれた。
「この報奨金は、カイト殿のお陰で貰えたようなものだからな。
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「ありがとうございます」
「ところで、他に何か儲け話は無いのか?」
「まあ、無いこともないのですが…
それはまた今度、話が具体化したらご紹介します」
「うん、宜しく頼む。
それからステラのことも…、宜しくな」
ステラは、リーン侯爵家の長女にして元S級冒険者であり、現在はオレの護衛であるのだが、オレと愛妾の関係でもあることを侯爵は知っているのだ。
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そこで、一切の柵が無い航空会社『アクアスター・エアロトラベル』が必要となった訳だ。
『アクアスター・エアロトラベル』の社長には第1王女のフローラを抜擢した。
正直なところ、フローラの社長としての資質は未知数であるが、第1王女として元々高い教養や知識を身に付けており、素地はあると思うのだ。
それに何よりもフローラは生まれながらの人徳のようなものが感じられ、その広い人脈にも期待できる。
ただ3人の王女の中ではオレと一番付き合いが浅く、見た目はおっとりした性格で、どんどん前に出て行くタイプでは無さそうなので、要所要所でサポートは必要になりそうだ。
そんなフローラをオレの書斎に呼び、1対1で『アクアスター・エアロトラベル』の経営方針を伝えた。
「いいかいフローラ、これからアクアスター・エアロトラベルの経営方針を説明するから良く聞くんだよ」
「はい、カイトさん」
「この航空会社はオレが設立した民間航空会社だ」
「はい」
「設立した目的は、シュテリオンベルグ公爵領、それにアクアスター・リゾート各社の収益を増加させるための手助けをすることだ」
「はい」
「なので航空路線は、シュテリオンベルグ公爵領、アクアスターリゾート、王都フローリアの何れかが起点となるからね」
「はい」
「基本は旅客輸送で、貨物輸送専用便は当面考えていない。
旅客便の貨物室に空きがある場合のみ貨物を輸送することになる」
「はい」
「フローラ、はいしか言わないけど、ホントに分かってる?」
「はい」
「それじゃ、今言ったことを要約してオレに説明してみて」
「はい。
アクアスター・エアロトラベルは民間航空会社で、シュテリオンベルグ公爵領、アクアスターリゾート各社の収益増加を主な目的として、王都・領都・公爵領内主要都市を起点として発着し、旅客優先で貨物は輸送可能な場合にのみ積載する、ですね」
「うん、完璧だ」
生返事かと思ったが、ちゃんと理解しているようだ。
「それじゃあ、先ず最初にジェスティーナから、アプロンティアとフォマロートの王都と領都エルドラード間の直行便運行について相談がある筈だから、それを二人で打ち合わせして欲しいんだ」
「その件でしたら、エルドラードを基点にクリスタリア→エルサレーナ→アクアスター→セントレーニア→エルドラードの航路を週2便運行する計画で、ティーナと昨日打合せして、後でカイトさんに承認貰おうと思ってました」
「なるほど…」
フローラは、見かけによらず仕事が速いようだ。
「それと、報告が一つあるんですが、いいですか?」
「うん、いいよ」
一体、何の報告だろう。
「秘書を1名採用しました」
確かに、秘書を採用するよう指示したが、まだそんなに経っていない筈だが…
「隣室に控えてますから、今から紹介してもいいですか?」
「もちろん」
オレがそう言うと、フローラはリビングへ戻り、新しい秘書を連れて戻ってきた。
「はぁ~い、カイトさまぁ、おひさしぶりぃ~」
そう言いながら書斎に入ってきたのは、クラリスであった。
「クラリス!、お前、冒険者ギルドはどうした!」
「え~、辞めて来たに決まってるじゃないですかぁ~。
人使い荒いし、給料安いし、それにイイ男居ないんですものぉ~」
「お前、秘書なんて出来るのか?」
「カイト様~、お前呼ばわりは、酷すぎないですか?
せめて名前で呼んで下さいよ」
「あっ、ごめん、つい興奮しちゃって…」
クラリスは、冒険者ギルドの受付嬢で、豊満な胸を強調した露出度の高い制服を来て、オレを誘惑してくる小悪魔キャラの元A級冒険者なのである。
彼女とは、ひょんな事から最初の旅の案内人として、オレと一緒に旅をした仲なのだ。
「フローラ…、クラリスは、秘書として大丈夫なのか?」
「はい、彼女こう見えても中々優秀なんですよ。
事務能力は高いし、公式の場では挨拶もキチンとできるし、教養も有って秘書としての素養を備えていると、サクラさんが太鼓判押してましたから」
「ふ~ん、男の事とエロい事しか考えて無いような感じに見えるけど、人は見かけによらないものだな~」
「カイト様ぁ、あたしだって、やる時はやるんですよぉ~」
「まあ、とにかくそのエロい胸を何とかしろ。
もっと秘書らしい服装にしないと採用を取り消すからな!」
「はいは~い、分かりました~。
これから、お世話になりますが、宜しくお願いしま~す」
クラリスは、一礼するとさっさと出て行った。
どういう因果か知らないが、クラリスがフローラの秘書として採用され、これからたまに顔を合わすと思うと、オレは少し憂鬱だった。
オレとクラリスは相性が悪いらしく、いつもペースが崩されるから苦手なのだ。
しかし、既に採用したからには、しょうがない。
「う~んと、どこまで話したか忘れてしまったじゃないか…」
オレは思い出しながら、話を続けた。
「新設の会社だから、社員はこれから採用することになるから、その採用と社員教育、それから就航路線に合わせた飛行船の機種選定、運行計画の作成など、仕事は山程あるから覚悟しておいてくれよ。
後は、グループ各社の社長と打ち合わせして航空需要を調査し、運行計画の優先順位を付けて欲しいんだ。
それが出来上がったら、また打ち合わせしよう」
「分かりました」
「いつまでに出来そうだい」
フローラは、暫く考えてこう言った。
「1週間もあれば、出来ると思います」
「うん、分かった。
それじゃ、1週間後の同じ時間に打ち合わせしよう」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから一週間後、再びフローラと打合せを行った。
オレがフローラに与えた課題は、ほぼ完璧に回答が用意され、綿密な計画と予算が文書化されて示された。
グループ各社の航空需要の優先度一覧表と路線計画案、その運行に必要な飛行船の機種選定と台数及び予算・収支計画、採用すべきスタッフの人数や必要な適性、社員教育の具体的な計画まで事細かに検討され、オレがゴーサインを出せば良いまでに準備されていた。
真のフローラは、有能で理解力が高く仕事が速いクールビューティなのであった。
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