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第17章 フォマロート王国救国編
第250話 フォマロート王室の王配
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エルサレーナ王宮の貴賓室は、ロマネスク様式にも似た格調高い建築様式のお洒落な部屋であった。
広さは100平米ほどもあり、リビングには立派な8人掛けの応接セットが1つ、2つあるベッドルームにはクイーンサイズのベッドがそれぞれ2つあり、一人で寝るには広すぎる。
あろう事か、その貴賓室にリアンナ王女が1人で訪ねて来たのだ。
「リアンナ王女!
こんな遅くに、どうされました?」
「夜分、遅くに申し訳ありません。
どうしても、お話ししたい大事な話がありまして…
あの…、中に入れていただいてもいいですか?」
「あ、これは失礼」
オレはリアンナ王女を部屋へ招き入れ、応接セットの対面の席を進めた。
リアンナ王女は、ナイトウエアにガウンを羽織っただけの普段は見せないようなラフな格好であった。
ガウンの隙間から胸の谷間が少し見えるのが、何とも艶めかしい。
「夜遅くに殿方の部屋を訪問するなど初めての事でドキドキしました。
私、今日が最初で最後のチャンスだと思って一大決心して、ここへ来たのです」
「なるほど、一大決心ですか…
ところで、その重要な話って、何ですか?」
「はい、実は…
伯爵に2つほど、大事なお願いがありまして…」
リアンナ王女は、とても言い難そうにしていたが、意を決してこう言った
「わ、私と結婚して欲しいのです」
「えっ、け、結婚ですか?」
リアンナ王女の予想もしない言葉にオレは、卒倒しそうなくらい驚いた。
「それは、私とリアンナ王女と言う事ですか?」
「はい、シュテリオンベルグ伯爵と結婚したいのです」
リアンナ王女の突然の話に、オレは理解が追い付かなかった。
「ちょっ、ちょっと待って下さい…
何故、私と結婚したいのですか?」
「それは……、話せば長くなるのですが……」
リアンナ王女が、オレと結婚したいと思うようになるまでの話を始めた。
それは、このような内容であった。
サルーテ将軍が起こしたクーデターにより、王族が悉く殺され、暗い話題ばかりの王国内であるが、人心を安定させ国民を導く光となるべく、次期国王を早急に決める必要がある。
前王の正当な後継者は、王位継承権第1位のリアンナ王女と第2位のレイナ王女の2名のみ。
レイナ王女は、まだ年若く経験が不足しており、必然的にリアンナ王女が次期国王に就かねばならない状況だ。
一国の元首たるもの王家の血筋を絶やさぬよう、早急に王配(王の配偶者)を決めて結婚し、次代の王となる子を成すべきだと言う意見が王宮で大勢を占めていた。
それに呼応するように有力貴族が、息子や身内を王配候補にと、あの手この手の攻勢を仕掛けてきたのである。
暫くすると、それぞれの派閥で候補が一本化し、残ったのは次の3公爵家であった。
①ブランシェール公爵家
②レイモンド公爵家
③クルーシャル公爵家
何れも有力貴族であり、このまま行けば家臣団が分裂しそうな状況にあるのだ。
恐らく3公爵家とも、王配さえ押し込めば、年若いリアンナ王女など、何とでも御せると、甘く見ているのだろう。
リアンナは、数日前この件をベルガー将軍に相談したところ、このような助言を受けたそうだ。
「姫君、今の状況では、どの公爵家から王配を選んだところで、禍根が残るは必定…
であれば、いっそのこと3公爵家から選ばねば良いのです」
「え、それでは誰を王配にするのです?」
「それは、姫が今お心に秘めて居られる方です。
その方であれば、王国が抱える数々の難題を見事に解決してくれるでしょう」
ベルガー将軍は、リアンナが想いを寄せている人物をお見通しであった。
「心に秘めた方…?」
「そうです、姫のお心の中には、誰がいらっしゃいますか?」
リアンナには、ベルガー将軍が誰のことを言っているのか、すぐに気付いた。
それは『シュテリオンベルグ伯爵』である。
シュテリオンベルグ伯爵であれば、外国籍であり、国内の権力争いには、全く関係ない。
既に婚約者が居て重婚となるが、貴族であり法的には何ら問題もない。
しかも『女神の使徒』と呼ばれ、数々の不思議な力を持つその人物が王配となれば、国民の納得性も高いであろう。
更にソランスター王国で成功しつつある観光や関連産業の振興など、率先してその手法を導入し、指導してくれるだろう。
「姫、その方を口説き落とせるかどうかは、姫の手腕に掛かっておりますぞ!」
ベルガー将軍にそう言われ、一世一代の覚悟を決め、リアンナ王女はオレの部屋へ来たそうだ。
リアンナ王女の熱い眼差しから、オレに好意を持っているのは前々から感じていた。
リアンナ王女がオレと結婚したい理由を纏めるとこうなる。
①3大公爵家の権力争いを、全員に有無を言わせず収めたい。
②オレに国内の復興や産業振興を指導支援してもらいたい。
③純粋な気持ちでオレが好きである。
「なるほど、話は良く分かりました」
話の流れで、オレが意中の人であると告白したも同然であるリアンナ王女の頬は真っ赤に染まっていた。
「リアンナ王女、とても光栄なお話ですが、私の一存では決められない。
今は、前向きに検討させていただきますとしか言えません。
国と国の問題も絡むし、クラウス国王と5人の婚約者の承認を得なければなりませんから」
「え…、5人の婚約者ですか?」
「婚約者は、確かこの前までは、4人ではありませんでしたか?」
「はい、つい最近アルテオン公爵家の長女エレナと婚約したのです」
「えっ、そうだったんですか?
それは知りませんでした」
「もし、伯爵が私の伴侶となられても、あなたを束縛するつもりは毛頭ありません。
ご自分の思うように自由に行動なさって下さい」
「それは有り難い。
リアンナ王女、今後私を呼ぶ時はカイトでいいですよ」
「はい、ではそのように呼ばせていただきます。
カイト様は、慰労会の乾杯の挨拶で『フォマロートの友人たちに最大限の支援をお約束します』と仰いました。
私は、あの言葉がとても嬉しかったんです。
この先ずっと、あなたと一緒に歩んで行きたいと、その時心から思いました」
「私は、純粋にカイト様のことが好きです。
だから、私のもう一つの願いを聞いて欲しいのです」
「もう一つの願いとは?」
「今夜一晩、私を貴方のものにして欲しいのです」
「えっ?」
リアンナは、焦れたようにオレに言った。
「カイト様、私を抱いて下さい」
そう囁いたリアンナの頬は紅潮し、目は潤んでいた。
広さは100平米ほどもあり、リビングには立派な8人掛けの応接セットが1つ、2つあるベッドルームにはクイーンサイズのベッドがそれぞれ2つあり、一人で寝るには広すぎる。
あろう事か、その貴賓室にリアンナ王女が1人で訪ねて来たのだ。
「リアンナ王女!
こんな遅くに、どうされました?」
「夜分、遅くに申し訳ありません。
どうしても、お話ししたい大事な話がありまして…
あの…、中に入れていただいてもいいですか?」
「あ、これは失礼」
オレはリアンナ王女を部屋へ招き入れ、応接セットの対面の席を進めた。
リアンナ王女は、ナイトウエアにガウンを羽織っただけの普段は見せないようなラフな格好であった。
ガウンの隙間から胸の谷間が少し見えるのが、何とも艶めかしい。
「夜遅くに殿方の部屋を訪問するなど初めての事でドキドキしました。
私、今日が最初で最後のチャンスだと思って一大決心して、ここへ来たのです」
「なるほど、一大決心ですか…
ところで、その重要な話って、何ですか?」
「はい、実は…
伯爵に2つほど、大事なお願いがありまして…」
リアンナ王女は、とても言い難そうにしていたが、意を決してこう言った
「わ、私と結婚して欲しいのです」
「えっ、け、結婚ですか?」
リアンナ王女の予想もしない言葉にオレは、卒倒しそうなくらい驚いた。
「それは、私とリアンナ王女と言う事ですか?」
「はい、シュテリオンベルグ伯爵と結婚したいのです」
リアンナ王女の突然の話に、オレは理解が追い付かなかった。
「ちょっ、ちょっと待って下さい…
何故、私と結婚したいのですか?」
「それは……、話せば長くなるのですが……」
リアンナ王女が、オレと結婚したいと思うようになるまでの話を始めた。
それは、このような内容であった。
サルーテ将軍が起こしたクーデターにより、王族が悉く殺され、暗い話題ばかりの王国内であるが、人心を安定させ国民を導く光となるべく、次期国王を早急に決める必要がある。
前王の正当な後継者は、王位継承権第1位のリアンナ王女と第2位のレイナ王女の2名のみ。
レイナ王女は、まだ年若く経験が不足しており、必然的にリアンナ王女が次期国王に就かねばならない状況だ。
一国の元首たるもの王家の血筋を絶やさぬよう、早急に王配(王の配偶者)を決めて結婚し、次代の王となる子を成すべきだと言う意見が王宮で大勢を占めていた。
それに呼応するように有力貴族が、息子や身内を王配候補にと、あの手この手の攻勢を仕掛けてきたのである。
暫くすると、それぞれの派閥で候補が一本化し、残ったのは次の3公爵家であった。
①ブランシェール公爵家
②レイモンド公爵家
③クルーシャル公爵家
何れも有力貴族であり、このまま行けば家臣団が分裂しそうな状況にあるのだ。
恐らく3公爵家とも、王配さえ押し込めば、年若いリアンナ王女など、何とでも御せると、甘く見ているのだろう。
リアンナは、数日前この件をベルガー将軍に相談したところ、このような助言を受けたそうだ。
「姫君、今の状況では、どの公爵家から王配を選んだところで、禍根が残るは必定…
であれば、いっそのこと3公爵家から選ばねば良いのです」
「え、それでは誰を王配にするのです?」
「それは、姫が今お心に秘めて居られる方です。
その方であれば、王国が抱える数々の難題を見事に解決してくれるでしょう」
ベルガー将軍は、リアンナが想いを寄せている人物をお見通しであった。
「心に秘めた方…?」
「そうです、姫のお心の中には、誰がいらっしゃいますか?」
リアンナには、ベルガー将軍が誰のことを言っているのか、すぐに気付いた。
それは『シュテリオンベルグ伯爵』である。
シュテリオンベルグ伯爵であれば、外国籍であり、国内の権力争いには、全く関係ない。
既に婚約者が居て重婚となるが、貴族であり法的には何ら問題もない。
しかも『女神の使徒』と呼ばれ、数々の不思議な力を持つその人物が王配となれば、国民の納得性も高いであろう。
更にソランスター王国で成功しつつある観光や関連産業の振興など、率先してその手法を導入し、指導してくれるだろう。
「姫、その方を口説き落とせるかどうかは、姫の手腕に掛かっておりますぞ!」
ベルガー将軍にそう言われ、一世一代の覚悟を決め、リアンナ王女はオレの部屋へ来たそうだ。
リアンナ王女の熱い眼差しから、オレに好意を持っているのは前々から感じていた。
リアンナ王女がオレと結婚したい理由を纏めるとこうなる。
①3大公爵家の権力争いを、全員に有無を言わせず収めたい。
②オレに国内の復興や産業振興を指導支援してもらいたい。
③純粋な気持ちでオレが好きである。
「なるほど、話は良く分かりました」
話の流れで、オレが意中の人であると告白したも同然であるリアンナ王女の頬は真っ赤に染まっていた。
「リアンナ王女、とても光栄なお話ですが、私の一存では決められない。
今は、前向きに検討させていただきますとしか言えません。
国と国の問題も絡むし、クラウス国王と5人の婚約者の承認を得なければなりませんから」
「え…、5人の婚約者ですか?」
「婚約者は、確かこの前までは、4人ではありませんでしたか?」
「はい、つい最近アルテオン公爵家の長女エレナと婚約したのです」
「えっ、そうだったんですか?
それは知りませんでした」
「もし、伯爵が私の伴侶となられても、あなたを束縛するつもりは毛頭ありません。
ご自分の思うように自由に行動なさって下さい」
「それは有り難い。
リアンナ王女、今後私を呼ぶ時はカイトでいいですよ」
「はい、ではそのように呼ばせていただきます。
カイト様は、慰労会の乾杯の挨拶で『フォマロートの友人たちに最大限の支援をお約束します』と仰いました。
私は、あの言葉がとても嬉しかったんです。
この先ずっと、あなたと一緒に歩んで行きたいと、その時心から思いました」
「私は、純粋にカイト様のことが好きです。
だから、私のもう一つの願いを聞いて欲しいのです」
「もう一つの願いとは?」
「今夜一晩、私を貴方のものにして欲しいのです」
「えっ?」
リアンナは、焦れたようにオレに言った。
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