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第15章 アプロンティア王国編
第213話 フローラを娶る条件
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オレたちは『ゲート』を使って、アクアスターリゾートの自室に戻った。
1週間も経っていないのに、かなり久しぶりに戻ったような感覚だ。
ここ数日、余りにも色々な出来事が起こり、その内容も濃かったと云うことだろう。
静養のため滞在するリアンナ王女の部屋をオレ自らが案内した。
その部屋は、9階の1フロア全てを占有する720平米もの広さのスーパー・プレミアム・スイートである。
薄いスカイブルーを基調にした内装で、寝室4つそれぞれにクイーンサイズのベッドが2つと専用スカイテラスが完備している。
その他にリビングルームとダイニングルームが各2つ、3つの源泉を引いた温泉ジャグジーバスが2つ、専用インフィニティプール、パウダールームが2つ、トイレが4つと正に反則級の豪華さだ。
国家元首クラスでも十分に対応できるように設計したのだが、こんなに早く使う日が来ようとは思ってもみなかった。
リアンナ王女一行10名を部屋に案内すると、あまりの広さと豪華さに、驚いていた。
「姉さま、見て見てプールがあるわよ、それに景色もすっごくキレイよ」
妹のレイナと従姉妹のクリスティーナは、室内を見て歩きながら燥いでいた。
「えっ!、こんな凄い部屋、私たちが使っても宜しいんですか?」
「どうぞどうぞ、遠慮なくお使い下さい。
この部屋は、リアンナ王女が初めてのゲストですから、後で感想を聞かせて下さいね」
「そうなんですか。
なんか、使わせていただくのが勿体ないくらいにピカピカで豪華ですね」
「そう言っていただけると私も嬉しいです」
「何点か注意事項がありますので、先に申し上げておきます。
下層階は一般客が滞在中ですので、セキュリティの観点から、滞在中は基本この部屋でお過ごしください。
外出をご希望の際は、私もしくはスタッフがご案内致します。
室内の設備は、後ほどメイド長のソニアから説明させていただきます。
お食事は、メイドにお申し付けいただき、お部屋にご用意するか、11階のダイニングラウンジでお摂り下さい」
「分かりました、色々とお気遣いありがとうございます」
「リアンナ王女、細やかながら歓迎の夕食会を催させて頂きたいと思っておりますが、如何でしょう」
「ありがとうございます、お言葉に甘えさせていただきます。
妹たちもご一緒させて頂いて宜しいですか?」
「もちろんです、レイナ王女とクリスティーナ公爵令嬢も一緒にお連れ下さい。
18時少し前に迎えの者を寄越しますので、準備してお待ち下さい。
それまでは、ジャグシーにお湯を溜めて温泉を楽しまれると良いでしょう
何か不明な点がございましたら、部屋付きのメイドにお声掛け下さい」
「何から何まで、お気遣いありがとうございます」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その日の午後、オレは3人の王女姉妹を伴い、遠征の報告にソランスター王宮へ向かった。
もちろん、『ゲート』を使って『秋桜の館』へ移動したのであるが、クラウス国王にはまだ内緒のことだ。
謁見の間の隣りにある応接室へ入ると、クラウス国王と王弟のアルテオン公爵、軍務大臣のリーン伯爵が待っていた。
「おう、カイト殿。
フローラも、アリエスも、ティーナも、遠征からの帰還、ご苦労ご苦労」
国王の機嫌は殊の外、上々のようである。
久しぶりに愛娘3人が顔を揃えたのだから当然のことだ。
「陛下、ご機嫌麗しく祝着至極に存じます」
「カイト殿、堅苦しい挨拶は不要じゃと申しておろうに…」
挨拶は要らないと言われても、結局は何か喋らなければならないのだ。
当たり障りのない挨拶をするのは難しいものだ、とオレは思った。
国王はオレの顔を正面から見るとこう言った。
「カイト殿、目の下に隈ができておるぞ…。
重大事件続きで、さぞや寝不足なのであろう」と心配してくれた。
その原因が王女3姉妹との夜の営みのせいであろうとは、流石の国王も想像できないだろう。
「それで、電話で概略は聞いたが、フォマロートの情勢はどうじゃ」
国王は急に話を変え、シリアスな顔になった。
「はい、改めてご報告申し上げます」
オレは国王に、フォマロート王国で起きたクーデター発生から、アプロンティア王国王太子襲撃事件までの出来事を、時系列を追って事細かに説明した。
「う~む、なるほどのう。
フォマロートの反乱軍とゴラン帝国軍を合わせた敵勢力が8万2千人。
対するフォマロート王国軍とアプロンティア王国軍を合わせた同盟軍は、現状6万4千人。
そこに我がソランスター王国軍3万2千人が加わると9万6千となり、勢力的には逆転するという訳か。
しかし、フォマロート王国の3分の2を勢力下に置く敵から、国土を奪い返すのは並大抵のことではないぞ」
クラウス国王と軍務大臣リーン伯爵の現状分析は、的確であった。
さすがは、長年にわたって国の軍務に携わって来ただけのことはある。
恐らくは敵勢力も同盟国も更に援軍が入るであろうから、最終的にどちらの勢力が数的に優勢になるのか、もう暫く見守る必要があるという結論となった。
その後、肉親を悉く殺されたリアンナとレイナの王女姉妹の話になった。
「本当に気の毒じゃのう、だが今すぐしてやれる事はないからのう」
「陛下、その件でございますが…
リアンナ王女を、我が領地『アクアスターリゾート』にお招きし、2週間ほど温泉で静養していただくこととなり、現在当家の客間に滞在中でございます」
「ふ~む、なるほどのう。
流石はカイト殿、心遣い、恐れ入った」と国王は妙に感心していた。
最後にライアス王太子の話となった。
フローラとの婚礼の儀当日に、アプロンティア王国の総司令官として同盟国であるフォマロートに派遣され、予期せぬ奇襲にあって非業の死を遂げたのだ。
その話となると国王の顔は途端に曇った。
「う~む、フローラには実に気の毒なことをしてしまったのう」
そう言って第1王女フローラの顔を見た。
「まあしかし、王太子には申し訳ないが、婚礼前だったのは不幸中の幸いと言うことになるか…
アプロンティアには、もう2人の王子がおるが、王太子の弟の嫁にフローラをと言うのは流石に難しいのう…
そうなると、どこか有力な同盟国でフローラの嫁入り先を探さねばならんかのう」
そう言って国王はフローラの顔を見た。
フローラは国王の話を聞き、戸惑いながら助けを求めるようにオレの顔を見た。
その様子を見ていた国王が言った。
「ん?、フローラ、何故カイト殿の顔を見るのじゃ?」
そう言って国王は、じっとオレの顔を見た。
そして何かピンと来た様子でこう言った。
「ま、まさか…、カイト殿…
儂との約束を、破ったわけではあるまいのう…」
その言葉には、国王の怒気が籠もっていた。
「へ、陛下、それは……」
オレが言い淀んだのを見て、国王の疑念は確信に変わったようだ。
「カイト殿…、どういうことか説明してもらえんかのう…」
「違うんです、カイトさまは悪くないんです。
悪いのは私なんです…」
フローラはそう言って国王に説明しようとしたが火に油である。
「お前は黙っておれ、儂はカイト殿に聞いておるのだ!」
国王の怒りの矛先は、オレに向けられた。
「陛下、私たちの話を聞いて!」
ジェスティーナとアリエスは、オレと国王の間に割って入り、有無を言わせぬ勢いで状況を説明した。
「カイトは悪くないの!
カイトは、フローラの想いを叶えて上げただけなの…」
そう言って、それに至るまでの経緯を詳しく説明した。
娘たち2人の必死の説得に国王もようやく納得し、怒りのボルテージは下がったようだ。
「ふ~む、フローラはそれほどまでにカイト殿に惚れていたと言うのか」
そう言うと国王はマジマジとオレの顔を見た。
「う~む、そこまで女子を虜にするとはのう…
カイト殿は、それほどまでに魅力的な男と言うことか」
国王は腕組みすると黙り込んでしまった。
渋い顔をして唸りながら、何事か考え込んでいた。
そして3分ほど経った頃、やおら国王が口を開いた。
「こうなれば仕方ない…
カイト殿、フローラを嫁にやっても良い。
ただし、条件がある」
国王が言った条件とは、今回のフォマロート王国の軍事侵攻を食い止め、国を取り戻せという事であった。
「この問題を処理できる位の力があれば、フローラをやってもよいぞ」と言って国王はようやく笑みを見せた。
「儂の娘を3人とも攫っていくのだから、これくらいの問題を解決する力が無ければならん」
国王から出された具体的な条件は次の2つだ。
◎ゴラン帝国軍を駆逐し、フォマロート王国に平和を取り戻すこと。
◎リアンナ王女をフォマロート王室の正当な後継者として王位に就かせること。
言うなれば無理難題である。
それが実現する日まで、フローラ王女は今まで通り王宮で暮らすこととなった。
1週間も経っていないのに、かなり久しぶりに戻ったような感覚だ。
ここ数日、余りにも色々な出来事が起こり、その内容も濃かったと云うことだろう。
静養のため滞在するリアンナ王女の部屋をオレ自らが案内した。
その部屋は、9階の1フロア全てを占有する720平米もの広さのスーパー・プレミアム・スイートである。
薄いスカイブルーを基調にした内装で、寝室4つそれぞれにクイーンサイズのベッドが2つと専用スカイテラスが完備している。
その他にリビングルームとダイニングルームが各2つ、3つの源泉を引いた温泉ジャグジーバスが2つ、専用インフィニティプール、パウダールームが2つ、トイレが4つと正に反則級の豪華さだ。
国家元首クラスでも十分に対応できるように設計したのだが、こんなに早く使う日が来ようとは思ってもみなかった。
リアンナ王女一行10名を部屋に案内すると、あまりの広さと豪華さに、驚いていた。
「姉さま、見て見てプールがあるわよ、それに景色もすっごくキレイよ」
妹のレイナと従姉妹のクリスティーナは、室内を見て歩きながら燥いでいた。
「えっ!、こんな凄い部屋、私たちが使っても宜しいんですか?」
「どうぞどうぞ、遠慮なくお使い下さい。
この部屋は、リアンナ王女が初めてのゲストですから、後で感想を聞かせて下さいね」
「そうなんですか。
なんか、使わせていただくのが勿体ないくらいにピカピカで豪華ですね」
「そう言っていただけると私も嬉しいです」
「何点か注意事項がありますので、先に申し上げておきます。
下層階は一般客が滞在中ですので、セキュリティの観点から、滞在中は基本この部屋でお過ごしください。
外出をご希望の際は、私もしくはスタッフがご案内致します。
室内の設備は、後ほどメイド長のソニアから説明させていただきます。
お食事は、メイドにお申し付けいただき、お部屋にご用意するか、11階のダイニングラウンジでお摂り下さい」
「分かりました、色々とお気遣いありがとうございます」
「リアンナ王女、細やかながら歓迎の夕食会を催させて頂きたいと思っておりますが、如何でしょう」
「ありがとうございます、お言葉に甘えさせていただきます。
妹たちもご一緒させて頂いて宜しいですか?」
「もちろんです、レイナ王女とクリスティーナ公爵令嬢も一緒にお連れ下さい。
18時少し前に迎えの者を寄越しますので、準備してお待ち下さい。
それまでは、ジャグシーにお湯を溜めて温泉を楽しまれると良いでしょう
何か不明な点がございましたら、部屋付きのメイドにお声掛け下さい」
「何から何まで、お気遣いありがとうございます」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その日の午後、オレは3人の王女姉妹を伴い、遠征の報告にソランスター王宮へ向かった。
もちろん、『ゲート』を使って『秋桜の館』へ移動したのであるが、クラウス国王にはまだ内緒のことだ。
謁見の間の隣りにある応接室へ入ると、クラウス国王と王弟のアルテオン公爵、軍務大臣のリーン伯爵が待っていた。
「おう、カイト殿。
フローラも、アリエスも、ティーナも、遠征からの帰還、ご苦労ご苦労」
国王の機嫌は殊の外、上々のようである。
久しぶりに愛娘3人が顔を揃えたのだから当然のことだ。
「陛下、ご機嫌麗しく祝着至極に存じます」
「カイト殿、堅苦しい挨拶は不要じゃと申しておろうに…」
挨拶は要らないと言われても、結局は何か喋らなければならないのだ。
当たり障りのない挨拶をするのは難しいものだ、とオレは思った。
国王はオレの顔を正面から見るとこう言った。
「カイト殿、目の下に隈ができておるぞ…。
重大事件続きで、さぞや寝不足なのであろう」と心配してくれた。
その原因が王女3姉妹との夜の営みのせいであろうとは、流石の国王も想像できないだろう。
「それで、電話で概略は聞いたが、フォマロートの情勢はどうじゃ」
国王は急に話を変え、シリアスな顔になった。
「はい、改めてご報告申し上げます」
オレは国王に、フォマロート王国で起きたクーデター発生から、アプロンティア王国王太子襲撃事件までの出来事を、時系列を追って事細かに説明した。
「う~む、なるほどのう。
フォマロートの反乱軍とゴラン帝国軍を合わせた敵勢力が8万2千人。
対するフォマロート王国軍とアプロンティア王国軍を合わせた同盟軍は、現状6万4千人。
そこに我がソランスター王国軍3万2千人が加わると9万6千となり、勢力的には逆転するという訳か。
しかし、フォマロート王国の3分の2を勢力下に置く敵から、国土を奪い返すのは並大抵のことではないぞ」
クラウス国王と軍務大臣リーン伯爵の現状分析は、的確であった。
さすがは、長年にわたって国の軍務に携わって来ただけのことはある。
恐らくは敵勢力も同盟国も更に援軍が入るであろうから、最終的にどちらの勢力が数的に優勢になるのか、もう暫く見守る必要があるという結論となった。
その後、肉親を悉く殺されたリアンナとレイナの王女姉妹の話になった。
「本当に気の毒じゃのう、だが今すぐしてやれる事はないからのう」
「陛下、その件でございますが…
リアンナ王女を、我が領地『アクアスターリゾート』にお招きし、2週間ほど温泉で静養していただくこととなり、現在当家の客間に滞在中でございます」
「ふ~む、なるほどのう。
流石はカイト殿、心遣い、恐れ入った」と国王は妙に感心していた。
最後にライアス王太子の話となった。
フローラとの婚礼の儀当日に、アプロンティア王国の総司令官として同盟国であるフォマロートに派遣され、予期せぬ奇襲にあって非業の死を遂げたのだ。
その話となると国王の顔は途端に曇った。
「う~む、フローラには実に気の毒なことをしてしまったのう」
そう言って第1王女フローラの顔を見た。
「まあしかし、王太子には申し訳ないが、婚礼前だったのは不幸中の幸いと言うことになるか…
アプロンティアには、もう2人の王子がおるが、王太子の弟の嫁にフローラをと言うのは流石に難しいのう…
そうなると、どこか有力な同盟国でフローラの嫁入り先を探さねばならんかのう」
そう言って国王はフローラの顔を見た。
フローラは国王の話を聞き、戸惑いながら助けを求めるようにオレの顔を見た。
その様子を見ていた国王が言った。
「ん?、フローラ、何故カイト殿の顔を見るのじゃ?」
そう言って国王は、じっとオレの顔を見た。
そして何かピンと来た様子でこう言った。
「ま、まさか…、カイト殿…
儂との約束を、破ったわけではあるまいのう…」
その言葉には、国王の怒気が籠もっていた。
「へ、陛下、それは……」
オレが言い淀んだのを見て、国王の疑念は確信に変わったようだ。
「カイト殿…、どういうことか説明してもらえんかのう…」
「違うんです、カイトさまは悪くないんです。
悪いのは私なんです…」
フローラはそう言って国王に説明しようとしたが火に油である。
「お前は黙っておれ、儂はカイト殿に聞いておるのだ!」
国王の怒りの矛先は、オレに向けられた。
「陛下、私たちの話を聞いて!」
ジェスティーナとアリエスは、オレと国王の間に割って入り、有無を言わせぬ勢いで状況を説明した。
「カイトは悪くないの!
カイトは、フローラの想いを叶えて上げただけなの…」
そう言って、それに至るまでの経緯を詳しく説明した。
娘たち2人の必死の説得に国王もようやく納得し、怒りのボルテージは下がったようだ。
「ふ~む、フローラはそれほどまでにカイト殿に惚れていたと言うのか」
そう言うと国王はマジマジとオレの顔を見た。
「う~む、そこまで女子を虜にするとはのう…
カイト殿は、それほどまでに魅力的な男と言うことか」
国王は腕組みすると黙り込んでしまった。
渋い顔をして唸りながら、何事か考え込んでいた。
そして3分ほど経った頃、やおら国王が口を開いた。
「こうなれば仕方ない…
カイト殿、フローラを嫁にやっても良い。
ただし、条件がある」
国王が言った条件とは、今回のフォマロート王国の軍事侵攻を食い止め、国を取り戻せという事であった。
「この問題を処理できる位の力があれば、フローラをやってもよいぞ」と言って国王はようやく笑みを見せた。
「儂の娘を3人とも攫っていくのだから、これくらいの問題を解決する力が無ければならん」
国王から出された具体的な条件は次の2つだ。
◎ゴラン帝国軍を駆逐し、フォマロート王国に平和を取り戻すこと。
◎リアンナ王女をフォマロート王室の正当な後継者として王位に就かせること。
言うなれば無理難題である。
それが実現する日まで、フローラ王女は今まで通り王宮で暮らすこととなった。
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