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第15章 アプロンティア王国編
第207話 王都エルサレーナの情勢
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遥か深淵の彼方で、誰かが私の名を呼んだ。
薄暗い海底をフワフワと漂うような意識の中、一筋の光が射し、その方向から確かに呼んでいる。
「リアンナ姉さま、リアンナ姉さま、お願いよ、目を開けてぇ~!」
遥か彼方から聞こえる声は、確かにそう言っている。
自分のことをリアンナ姉さまと呼ぶのは、ただ1人しかいない。
ゆっくりと目を開けると、ボンヤリとした視界の中に妹の姿があった。
「レイナ?」
妹の名前を呼んだ瞬間、全てがフラッシュバックした。
王宮上空から、自分の父や母、兄たち、祖父母や叔父、叔母までもが首を吊られ、グッタリしているのを見てパニックに陥ったのだ。
更に、囚われの身となった妹のレイナを見つけ、助けて欲しいと伯爵始め皆んなに無理を言って泣いて懇願したこと。
そこまでの記憶しか無い。
今、ここにレイナがいると言うことは、危険を冒して救出してくれたのか。
その隣には、従姉妹のクリスティーナも一緒だ。
ようやく事の次第を悟った瞬間、彼女の眼から止め処無く涙が溢れた。
リアンナは、レイナとクリスティーナと共に抱き合って声を上げて泣いた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
サルーテ将軍は、レイナ王女が忽然と消えたことを不思議に思っていた。
しかも隣の部屋にいた公爵令嬢のクリスティーナまで消えたのだ。
警備も付けていたし、娘二人で逃げられる筈はないから、誰かが逃がしたに違いない。
しかし、どうやって侵入したのだ?
ホイッスルの音を聞き、上階への階段を上った所で、見えない敵から攻撃を受けたと兵たちは言っていた。
6階のレイナの部屋の前には、8体の死体が転がっており、その内6体は見たこともないような焼けただれた傷跡があり、一瞬で絶命したと分かった。
屋上までの階段に残された戦闘の痕跡を見ると、侵入者は少なくとも10名以上、それも良く訓練された精鋭で、屋上から救出に来たと考えるのが妥当だろう。
サルーテ将軍は状況を冷静に分析したが、王女と公爵令嬢、それに10名以上もの侵入者が、どのようにして屋上から忽然と姿を消したのか、想像も付かなかった。
「忌々しい賊どもめ…
オレの夜の楽しみを奪いやがって。
絶対に許さん!」
サルーテの口から独り言が漏れた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
リアンナとレイナ、クリスティーナの3人は、延々と泣き続け、涙も枯れ果てた頃、ようやく泣き止んだ。
「さあ、お茶が入りましたよ、皆さん如何ですか?」
護衛のセレスティーナとリリアーナが、飛行船のギャレーでハーブティーを煎れて、王女たち3人を始め全員に振る舞った。
嬉しい事にクッキー付きである。
王女たちは、それを受け取り、美味しそうにお茶を飲み、バターの効いたクッキーを味わった。
よほど喉が渇いていたのか、2杯もお代わりすると、リアンナたちは少しずつ落ち着きを取り戻した様子だ。
3人は手を握り立ち上がると、みんなにお礼の言葉を述べた。
「レイナとクリスティーナを救出して下さったシュテリオンベルグ伯爵を始め、皆様方、本当にありがとうございました。
私の無茶なお願いに危険も顧みず、妹たちを助けて下さったこと、この御恩一生忘れません」
リアンナとレイナ、クリスティーナは深々と頭を下げ、感謝の意を表した。
「リアンナ王女、どうか頭を上げて下さい。
こうして、2人とも無事救出できたことだし、救出班に1人の怪我人もいないので、良しとしましょう」
「そう言っていただけると、私も少し気が楽になりました」
リアンナは初めて笑顔を見せた。
「でも、最初はずいぶん無茶なお願いだなぁと思ったのは事実ですよ」
オレが冗談ぽく言うと、一同は声を上げて笑った。
「そうですよね、大勢の敵の中に1人で突撃するようなものですからね」
リアンナ王女も笑いながら答えた。
「途中で救出対象が1人増えて焦りましたけどね。
でも、成功したのは救出部隊のメンバーが全員優秀で、それぞれの役割を確実に果たしてくれたお陰です」
オレが救出部隊の労をねぎらうと、全員から拍手が沸き起こった。
「いやいや、あれは用意周到に計画された作戦と適材適所の人員の割り振りがあったからこそ成功したのです。
そういう意味ではシュテリオンベルグ伯爵の功績ですよ」
そう言ったのは、アムラー少佐である。
「それに、あの『姿を消せる魔道具』と『いんかむ』、あれは我国にもぜひ欲しいものです」
「そんな便利なモノがあるのですか?
伯爵、その話、後ほど詳しくお聞きしたいですなぁ」
軍務大臣のシュトラーゼ伯爵は、興味津々な様子であった。
「まあ、その話はまた後ほど…」とオレはお茶を濁した。
神テクノロジーの数々を譲渡するのは、現状ではご法度なのだ。
「私たちからも改めてお礼を言わせて下さい。
危険を顧みず私たち2人を助けて下さったこと、この御恩一生忘れません」
そう言ったのは、妹のレイナ王女と公爵令嬢のクリスティーナであった。
レイナとクリスティーナは見目麗しい16歳の同い年の従姉妹なのだ。
普段から実の姉妹のように仲良くしているそうだ。
2人は、自分たちの両親や家族がサルーテ将軍の手により殺されるのを目の当たりにしていた。
そして自分たちが、サルーテ将軍の慰み者となるために生かされたと知ると絶望を感じ、そんな屈辱を味わうなら自ら死を選ぼうと覚悟していたのだ。
そんな矢先にオレたちに救出されたのだと言う。
2人の壮絶な覚悟を知り、オレはその前に救出できたことに改めて安堵した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』は、王都エルサレーナの上空を2往復し、生体探知レーダーで王都全域の勢力マップを作成した。
その後、街道沿いの上空を東進し、ゴラン帝国国境まで飛び、敵兵の位置と総数を探知した。
夥しい赤い点が続き、敵兵の多さが情報よりも多いことが確認した。
分析した結果、ゴラン帝国兵と思われる赤い点の数は、およそ7万でゴラン帝国に潜入している諜報グループの報告より3万人も多かった。
王都エルサレーナの反乱軍1万2千と合わせると、総勢8万2千人もの兵力となる。
これは予想外の多さだ。
時刻は既に夜11時を廻っている。
さて、これからどうすべきか。
オレとリアンナ王女、シュトラーゼ伯爵、ライゼン子爵の4人で今後の対応を話し合った。
その結果、王都内に残るフォマロート王国軍2万余と王都エルサレーナ市民を、王都から早急に退避させるのが先決と言う意見で一致した。
それには、王宮を包囲しているフォマロート王国軍が王都民を警護しながら退避させる必要があり、フォマロート王国軍を率いる3人の将軍に会って敵の情報を伝えねばならない。
現状では、3人の将軍がどこにいるか知る術は無い。
王国軍の宿営地と思われる青い点が密集する地帯に空き地を見つけ、飛行船はステルスモードのまま着地した。
ハッチを開け、タラップが接地するとオレが最初に地上に降り、シュトラーゼ伯爵とライゼン子爵が続いた。
何もない空間から突然現れた男たちを見て、数名の衛兵が駆け寄った。
「怪しい奴、貴様ら、何者だ!」
「オレはソランスター王国の情報大臣、シュテリオンベルグ伯爵だ。
そして、こちらはアプロンティア王国の軍務大臣シュトラーゼ伯爵閣下。
こちらは外務大臣のライゼン子爵閣下だ」
「なにっ、それは本当か?」
「静まりなさい、この方達は私たちの味方です」
それはタラップを下りてきたリアンナ王女の声であった。
「リアンナ王女殿下!」
衛兵たちはリアンナの前に平伏した。
「あなた方は、どの部隊に所属しているのですか?」
「はっ、王女殿下、ベルガー将軍の第1歩兵師団でございます」
「そう、それじゃ、私たちを将軍のところへ案内してちょうだい」
リアンナ王女は、若いながら流石は王族と思わせる威厳を見せた。
「畏まりました」
衛兵はそう言うと、オレたちを先導してベルガー将軍のいる司令部へ向かって歩き始めた。
司令部へ向かうのは、リアンナ王女を先頭に、リアンナの護衛3名、オレ、シュトラーゼ伯爵、ライゼン子爵、護衛の女戦士3人(セレスティーナ、リリアーナ、レイフェリア)の合計10名である。
護衛のステラとアムラー少佐、その部下の2名は飛行船に残し、レイナ王女らの護衛をお願いした。
15分ほど歩くと司令部の建物に到着した。
入口で衛兵がオレたちの来訪を告げると、丁重に中に招き入れられた。
薄暗い海底をフワフワと漂うような意識の中、一筋の光が射し、その方向から確かに呼んでいる。
「リアンナ姉さま、リアンナ姉さま、お願いよ、目を開けてぇ~!」
遥か彼方から聞こえる声は、確かにそう言っている。
自分のことをリアンナ姉さまと呼ぶのは、ただ1人しかいない。
ゆっくりと目を開けると、ボンヤリとした視界の中に妹の姿があった。
「レイナ?」
妹の名前を呼んだ瞬間、全てがフラッシュバックした。
王宮上空から、自分の父や母、兄たち、祖父母や叔父、叔母までもが首を吊られ、グッタリしているのを見てパニックに陥ったのだ。
更に、囚われの身となった妹のレイナを見つけ、助けて欲しいと伯爵始め皆んなに無理を言って泣いて懇願したこと。
そこまでの記憶しか無い。
今、ここにレイナがいると言うことは、危険を冒して救出してくれたのか。
その隣には、従姉妹のクリスティーナも一緒だ。
ようやく事の次第を悟った瞬間、彼女の眼から止め処無く涙が溢れた。
リアンナは、レイナとクリスティーナと共に抱き合って声を上げて泣いた。
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サルーテ将軍は、レイナ王女が忽然と消えたことを不思議に思っていた。
しかも隣の部屋にいた公爵令嬢のクリスティーナまで消えたのだ。
警備も付けていたし、娘二人で逃げられる筈はないから、誰かが逃がしたに違いない。
しかし、どうやって侵入したのだ?
ホイッスルの音を聞き、上階への階段を上った所で、見えない敵から攻撃を受けたと兵たちは言っていた。
6階のレイナの部屋の前には、8体の死体が転がっており、その内6体は見たこともないような焼けただれた傷跡があり、一瞬で絶命したと分かった。
屋上までの階段に残された戦闘の痕跡を見ると、侵入者は少なくとも10名以上、それも良く訓練された精鋭で、屋上から救出に来たと考えるのが妥当だろう。
サルーテ将軍は状況を冷静に分析したが、王女と公爵令嬢、それに10名以上もの侵入者が、どのようにして屋上から忽然と姿を消したのか、想像も付かなかった。
「忌々しい賊どもめ…
オレの夜の楽しみを奪いやがって。
絶対に許さん!」
サルーテの口から独り言が漏れた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
リアンナとレイナ、クリスティーナの3人は、延々と泣き続け、涙も枯れ果てた頃、ようやく泣き止んだ。
「さあ、お茶が入りましたよ、皆さん如何ですか?」
護衛のセレスティーナとリリアーナが、飛行船のギャレーでハーブティーを煎れて、王女たち3人を始め全員に振る舞った。
嬉しい事にクッキー付きである。
王女たちは、それを受け取り、美味しそうにお茶を飲み、バターの効いたクッキーを味わった。
よほど喉が渇いていたのか、2杯もお代わりすると、リアンナたちは少しずつ落ち着きを取り戻した様子だ。
3人は手を握り立ち上がると、みんなにお礼の言葉を述べた。
「レイナとクリスティーナを救出して下さったシュテリオンベルグ伯爵を始め、皆様方、本当にありがとうございました。
私の無茶なお願いに危険も顧みず、妹たちを助けて下さったこと、この御恩一生忘れません」
リアンナとレイナ、クリスティーナは深々と頭を下げ、感謝の意を表した。
「リアンナ王女、どうか頭を上げて下さい。
こうして、2人とも無事救出できたことだし、救出班に1人の怪我人もいないので、良しとしましょう」
「そう言っていただけると、私も少し気が楽になりました」
リアンナは初めて笑顔を見せた。
「でも、最初はずいぶん無茶なお願いだなぁと思ったのは事実ですよ」
オレが冗談ぽく言うと、一同は声を上げて笑った。
「そうですよね、大勢の敵の中に1人で突撃するようなものですからね」
リアンナ王女も笑いながら答えた。
「途中で救出対象が1人増えて焦りましたけどね。
でも、成功したのは救出部隊のメンバーが全員優秀で、それぞれの役割を確実に果たしてくれたお陰です」
オレが救出部隊の労をねぎらうと、全員から拍手が沸き起こった。
「いやいや、あれは用意周到に計画された作戦と適材適所の人員の割り振りがあったからこそ成功したのです。
そういう意味ではシュテリオンベルグ伯爵の功績ですよ」
そう言ったのは、アムラー少佐である。
「それに、あの『姿を消せる魔道具』と『いんかむ』、あれは我国にもぜひ欲しいものです」
「そんな便利なモノがあるのですか?
伯爵、その話、後ほど詳しくお聞きしたいですなぁ」
軍務大臣のシュトラーゼ伯爵は、興味津々な様子であった。
「まあ、その話はまた後ほど…」とオレはお茶を濁した。
神テクノロジーの数々を譲渡するのは、現状ではご法度なのだ。
「私たちからも改めてお礼を言わせて下さい。
危険を顧みず私たち2人を助けて下さったこと、この御恩一生忘れません」
そう言ったのは、妹のレイナ王女と公爵令嬢のクリスティーナであった。
レイナとクリスティーナは見目麗しい16歳の同い年の従姉妹なのだ。
普段から実の姉妹のように仲良くしているそうだ。
2人は、自分たちの両親や家族がサルーテ将軍の手により殺されるのを目の当たりにしていた。
そして自分たちが、サルーテ将軍の慰み者となるために生かされたと知ると絶望を感じ、そんな屈辱を味わうなら自ら死を選ぼうと覚悟していたのだ。
そんな矢先にオレたちに救出されたのだと言う。
2人の壮絶な覚悟を知り、オレはその前に救出できたことに改めて安堵した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
飛行船『空飛ぶイルカ号Ⅱ』は、王都エルサレーナの上空を2往復し、生体探知レーダーで王都全域の勢力マップを作成した。
その後、街道沿いの上空を東進し、ゴラン帝国国境まで飛び、敵兵の位置と総数を探知した。
夥しい赤い点が続き、敵兵の多さが情報よりも多いことが確認した。
分析した結果、ゴラン帝国兵と思われる赤い点の数は、およそ7万でゴラン帝国に潜入している諜報グループの報告より3万人も多かった。
王都エルサレーナの反乱軍1万2千と合わせると、総勢8万2千人もの兵力となる。
これは予想外の多さだ。
時刻は既に夜11時を廻っている。
さて、これからどうすべきか。
オレとリアンナ王女、シュトラーゼ伯爵、ライゼン子爵の4人で今後の対応を話し合った。
その結果、王都内に残るフォマロート王国軍2万余と王都エルサレーナ市民を、王都から早急に退避させるのが先決と言う意見で一致した。
それには、王宮を包囲しているフォマロート王国軍が王都民を警護しながら退避させる必要があり、フォマロート王国軍を率いる3人の将軍に会って敵の情報を伝えねばならない。
現状では、3人の将軍がどこにいるか知る術は無い。
王国軍の宿営地と思われる青い点が密集する地帯に空き地を見つけ、飛行船はステルスモードのまま着地した。
ハッチを開け、タラップが接地するとオレが最初に地上に降り、シュトラーゼ伯爵とライゼン子爵が続いた。
何もない空間から突然現れた男たちを見て、数名の衛兵が駆け寄った。
「怪しい奴、貴様ら、何者だ!」
「オレはソランスター王国の情報大臣、シュテリオンベルグ伯爵だ。
そして、こちらはアプロンティア王国の軍務大臣シュトラーゼ伯爵閣下。
こちらは外務大臣のライゼン子爵閣下だ」
「なにっ、それは本当か?」
「静まりなさい、この方達は私たちの味方です」
それはタラップを下りてきたリアンナ王女の声であった。
「リアンナ王女殿下!」
衛兵たちはリアンナの前に平伏した。
「あなた方は、どの部隊に所属しているのですか?」
「はっ、王女殿下、ベルガー将軍の第1歩兵師団でございます」
「そう、それじゃ、私たちを将軍のところへ案内してちょうだい」
リアンナ王女は、若いながら流石は王族と思わせる威厳を見せた。
「畏まりました」
衛兵はそう言うと、オレたちを先導してベルガー将軍のいる司令部へ向かって歩き始めた。
司令部へ向かうのは、リアンナ王女を先頭に、リアンナの護衛3名、オレ、シュトラーゼ伯爵、ライゼン子爵、護衛の女戦士3人(セレスティーナ、リリアーナ、レイフェリア)の合計10名である。
護衛のステラとアムラー少佐、その部下の2名は飛行船に残し、レイナ王女らの護衛をお願いした。
15分ほど歩くと司令部の建物に到着した。
入口で衛兵がオレたちの来訪を告げると、丁重に中に招き入れられた。
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