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第15章 アプロンティア王国編
第205話 王女レイナ救出作戦(前編)
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リアンナ王女の妹レイナは、フォマロート王国第2王女にして、16歳になったばかりの美少女である。
レイナは王宮内にいたフォマロート王室唯一の生き残りであり、今は囚われの身だ。
リアンナ王女が、アプロンティア王太子の婚礼出席のため、出国していた事で難を逃れたのは不幸中の幸いであった。
肉親を一度に失い、ショックの余り未だに意識が戻らないリアンナ王女であるが、ただ一人の肉親となったレイナ王女を、是が非でも救出してやらねば顔向け出来ない。
救出作戦の成功率を上げるには、王宮内の見取り図が必須アイテムである。
幸いにして、生体探知レーダーで生成されたエルサレーナ王宮の3Dマップがある。
それに城内の構造を熟知している女性文官のエルザが、部屋の配置を詳しく説明してくれた。
オレは、それを聞きながら3Dマップに入力していった。
先ほど、ロックオンしたレイナ王女の居場所は王宮南館6階で、ここは元々彼女の寝室だと判明した。
今は室内に監禁されているらしく、傍に人はいない。
飛行船を王宮南側上空に移動して静止させ、赤い点の動きを分析した。
所々赤い点に青い点が混じるが、味方と考えて良いのだろうか?
「今ここでレイナ王女を助けねば、この後ずっと目覚めが悪そうですからな。
多少の危険は覚悟の上、救出せねばなるますまい」
軍務大臣のシュトラーゼ伯爵は、みんなの思いを代弁するように言った。
「伯爵、何か良い策はございませんか?」
オレに聞いたのは、アムラー少佐であった。
「ん~、無いこともないですが…」
そう言いながら、オレは思い付いたばかりの救出作戦を、頭の中でシミュレーションしていた。
机上で成功しなければ、実際に上手く行くわけがない。
「伯爵、このアムラー少佐は特殊部隊出身で、救出作戦の訓練も受けているのですぞ」
そう言ったのは、彼の上司でもあるシュトラーゼ伯爵であった。
「それに、武術と剣の腕も超一流なのですから、彼をぜひ使って下され」
「大臣、超一流は買い被り過ぎです。
ですが、それなりに訓練は積んでおりますので、私に出来ることでしたらご協力致します」
アムラー少佐は心強いことを言ってくれた。
「アプロンティア王国剣術選手権3連覇の猛者が何を言っておる!」
「いやいや、あれはたまたま運が良かっただけです」
アムラー少佐は謙遜しているが、かなりの腕前のようだ。
「そうですか、それ程の腕をお持ちなら、ぜひ力をお貸りしたい」
「はい、何なりと、お申し付け下さい」
今のやり取りを聞いていたステラたち護衛4人の顔を見ると、何れも剣術選手権3連覇の猛者と手合わせしてみたいと思っているのが、顔に出ていて可笑しかった。
オレは頭の中で纏まった救出プランをみんなに説明した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
王宮南館6階にあるレイナ王女の部屋のドアを開けたのは、サルーテ将軍であった。
彼は、如何にも狡猾そうな顔をした齢45歳の脂ぎった小太りの男だ。
数年前からゴラン帝国と水面下で連絡を取り、準備に準備を重ね、念願だったクーデターが成功したのだ。
一緒に蜂起したロズベルグ公爵を傀儡に据え、自分がこの国の実権を握るという野望が、もう少しで実現するのだ。
邪魔だった王族の処刑が終了し、残すはレイナ王女とリアンナ王女の2人だけ。
リアンナがアプロンティア王太子の婚礼に出かけ、不在時に蜂起しなければならなかったのが、つくづく惜しいと思っていた。
もしリアンナ王女がいれば、男を魅了するあのエロい体を裸にひん剥いて、全身を舐め回してから犯しまくってやろうと思っていたのに、惜しいことをしたものだ。
でもまあいいさ、まだ少し青臭いが妹のレイナが手に入ったのだ。
今夜一晩掛けて、もう勘弁して下さいと泣いて泣き疲れるまで犯しまくろう。
そう考えるだけで、サルーテは異常な興奮を覚えるだった。
そのレイナは、腹に一撃食らわせたら、気を失いそのままベッドで寝ている。
今の内に、丸裸にして体中を舐め回してやろう。
若い女はサルーテの大好物なのだ。
サルーテは、ベッドに乗るとレイナの服を脱がせ始めた。
その時、タイミング悪くドアがノックされた。
サルーテは、不機嫌そうに言った。
「誰だ、こんな時に…
オレは今忙しいんだ、下らん用なら明日にしろ!」
「サルーテ将軍、正門が敵の破城槌で破壊されそうなのです。
担当司令官が、将軍の指示を求めておるのですが…」
そう言ってきたのは、サルーテの副官であった。
「そんなもん、自分たちで何とかしろ!」
しかし、そうは言ってみたものの、今はまだ敵兵の数が多いのだ。
帝国兵が到着するまで、籠城して持ちこたえねばならない。
副官はしつこく食い下がり、サルーテの指示が必要だと訴えている。
「わ、分かった、今行くから先に行っておれ!」
城壁の上から油を浴びせ掛け、火矢でも打って破城槌を燃やすとか、色々と策はあるではないか。
部下の無能ぶりを罵りながら、サルーテは階段を下りて行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
レイナの傍にあった赤い点が遠ざかったのを見届けると、オレは飛行船を王宮南館の屋上に移動し着地させた。
反重力発生装置をニュートラルの状態にして、屋上に飛行船の荷重が掛からないように気を付けた。
すぐにハッチを開け、タラップが接地すると救出部隊11名が地上に下りた。
ステルスモードのお陰でハッチを開ければ、そこに何かあるのは認識できるが、ハッチを締めれば、そこに飛行船があるとは気づかれないのだ。
メンバーは、オレ、アムラー少佐と部下の精鋭兵士2名、S級冒険者ステラ、女戦士3人(セレスティーナ、リリアーナ、レイフェリア)とフォマート王国のリアンナの護衛3名だ。
6階にあるレイナの部屋の前に衛兵が2名いるのは、レーダーの解析から分かっている。
また屋上と各階には、2名ずつ2組の兵士が等間隔で巡回していた。
4階には食堂があり、約200名の兵士が恐らく食事をとっていると思われる。
圧倒的に多勢に無勢な状況であるが、下からの兵を押さえられれば、何とかなるだろう。
ステラ達護衛4名には、イヤホンマイク型小型無線機を装備させた。
そして護衛たちには、もう一つの秘密兵器『スターライトソード』も渡した。
通常時は『9999℃のプラズマの刃を持つ長剣』であるが、未使用時は柄の部分のみとなり、コンパクトになるのだ。
そして、標準機能であるステルスモードをオンにすれば、半径2m以内にいる者をステルスモードの影響下に置くことが出来るので、不要な戦闘が避けられる。
オレは救出部隊を3つの班に分けた。
A班は、オレとセレスティーナとリアンナの護衛1名の計3名で救出に向かう。
B班は、リリアーナとリアンナの護衛2名の計3名で屋上と7階の警戒に当たる。
C班は、ステラとレイフェリアとアムラー少佐とその部下2名の合計5名で6階より下層の敵に備える。
救出ルートは、王宮の屋上から階段を2階分下り、ステルスモードのまま廊下を伝ってレイナの部屋の前まで行き、衛兵を排除する。
中にいるレイナを救出し、オレが背負って階段を上り屋上へ出たら、レイナを飛行船に収容する。
後はB班、C班が撤収し、全員飛行船に乗り込んだら作戦完了という手筈だ。
王宮南館の3Dマップを、頭に叩き込み準備は万端だ。
リアンナは、未だに気を失ったままだ。
「よし、何が起きるか分からないが、無線で連絡を取り合って臨機応変に行くぞ」
「救出が目的だから、戦闘は最低限で、極力目立たないように!」
オレがそう説明すると全員が無言で頷いた。
レイナは王宮内にいたフォマロート王室唯一の生き残りであり、今は囚われの身だ。
リアンナ王女が、アプロンティア王太子の婚礼出席のため、出国していた事で難を逃れたのは不幸中の幸いであった。
肉親を一度に失い、ショックの余り未だに意識が戻らないリアンナ王女であるが、ただ一人の肉親となったレイナ王女を、是が非でも救出してやらねば顔向け出来ない。
救出作戦の成功率を上げるには、王宮内の見取り図が必須アイテムである。
幸いにして、生体探知レーダーで生成されたエルサレーナ王宮の3Dマップがある。
それに城内の構造を熟知している女性文官のエルザが、部屋の配置を詳しく説明してくれた。
オレは、それを聞きながら3Dマップに入力していった。
先ほど、ロックオンしたレイナ王女の居場所は王宮南館6階で、ここは元々彼女の寝室だと判明した。
今は室内に監禁されているらしく、傍に人はいない。
飛行船を王宮南側上空に移動して静止させ、赤い点の動きを分析した。
所々赤い点に青い点が混じるが、味方と考えて良いのだろうか?
「今ここでレイナ王女を助けねば、この後ずっと目覚めが悪そうですからな。
多少の危険は覚悟の上、救出せねばなるますまい」
軍務大臣のシュトラーゼ伯爵は、みんなの思いを代弁するように言った。
「伯爵、何か良い策はございませんか?」
オレに聞いたのは、アムラー少佐であった。
「ん~、無いこともないですが…」
そう言いながら、オレは思い付いたばかりの救出作戦を、頭の中でシミュレーションしていた。
机上で成功しなければ、実際に上手く行くわけがない。
「伯爵、このアムラー少佐は特殊部隊出身で、救出作戦の訓練も受けているのですぞ」
そう言ったのは、彼の上司でもあるシュトラーゼ伯爵であった。
「それに、武術と剣の腕も超一流なのですから、彼をぜひ使って下され」
「大臣、超一流は買い被り過ぎです。
ですが、それなりに訓練は積んでおりますので、私に出来ることでしたらご協力致します」
アムラー少佐は心強いことを言ってくれた。
「アプロンティア王国剣術選手権3連覇の猛者が何を言っておる!」
「いやいや、あれはたまたま運が良かっただけです」
アムラー少佐は謙遜しているが、かなりの腕前のようだ。
「そうですか、それ程の腕をお持ちなら、ぜひ力をお貸りしたい」
「はい、何なりと、お申し付け下さい」
今のやり取りを聞いていたステラたち護衛4人の顔を見ると、何れも剣術選手権3連覇の猛者と手合わせしてみたいと思っているのが、顔に出ていて可笑しかった。
オレは頭の中で纏まった救出プランをみんなに説明した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
王宮南館6階にあるレイナ王女の部屋のドアを開けたのは、サルーテ将軍であった。
彼は、如何にも狡猾そうな顔をした齢45歳の脂ぎった小太りの男だ。
数年前からゴラン帝国と水面下で連絡を取り、準備に準備を重ね、念願だったクーデターが成功したのだ。
一緒に蜂起したロズベルグ公爵を傀儡に据え、自分がこの国の実権を握るという野望が、もう少しで実現するのだ。
邪魔だった王族の処刑が終了し、残すはレイナ王女とリアンナ王女の2人だけ。
リアンナがアプロンティア王太子の婚礼に出かけ、不在時に蜂起しなければならなかったのが、つくづく惜しいと思っていた。
もしリアンナ王女がいれば、男を魅了するあのエロい体を裸にひん剥いて、全身を舐め回してから犯しまくってやろうと思っていたのに、惜しいことをしたものだ。
でもまあいいさ、まだ少し青臭いが妹のレイナが手に入ったのだ。
今夜一晩掛けて、もう勘弁して下さいと泣いて泣き疲れるまで犯しまくろう。
そう考えるだけで、サルーテは異常な興奮を覚えるだった。
そのレイナは、腹に一撃食らわせたら、気を失いそのままベッドで寝ている。
今の内に、丸裸にして体中を舐め回してやろう。
若い女はサルーテの大好物なのだ。
サルーテは、ベッドに乗るとレイナの服を脱がせ始めた。
その時、タイミング悪くドアがノックされた。
サルーテは、不機嫌そうに言った。
「誰だ、こんな時に…
オレは今忙しいんだ、下らん用なら明日にしろ!」
「サルーテ将軍、正門が敵の破城槌で破壊されそうなのです。
担当司令官が、将軍の指示を求めておるのですが…」
そう言ってきたのは、サルーテの副官であった。
「そんなもん、自分たちで何とかしろ!」
しかし、そうは言ってみたものの、今はまだ敵兵の数が多いのだ。
帝国兵が到着するまで、籠城して持ちこたえねばならない。
副官はしつこく食い下がり、サルーテの指示が必要だと訴えている。
「わ、分かった、今行くから先に行っておれ!」
城壁の上から油を浴びせ掛け、火矢でも打って破城槌を燃やすとか、色々と策はあるではないか。
部下の無能ぶりを罵りながら、サルーテは階段を下りて行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
レイナの傍にあった赤い点が遠ざかったのを見届けると、オレは飛行船を王宮南館の屋上に移動し着地させた。
反重力発生装置をニュートラルの状態にして、屋上に飛行船の荷重が掛からないように気を付けた。
すぐにハッチを開け、タラップが接地すると救出部隊11名が地上に下りた。
ステルスモードのお陰でハッチを開ければ、そこに何かあるのは認識できるが、ハッチを締めれば、そこに飛行船があるとは気づかれないのだ。
メンバーは、オレ、アムラー少佐と部下の精鋭兵士2名、S級冒険者ステラ、女戦士3人(セレスティーナ、リリアーナ、レイフェリア)とフォマート王国のリアンナの護衛3名だ。
6階にあるレイナの部屋の前に衛兵が2名いるのは、レーダーの解析から分かっている。
また屋上と各階には、2名ずつ2組の兵士が等間隔で巡回していた。
4階には食堂があり、約200名の兵士が恐らく食事をとっていると思われる。
圧倒的に多勢に無勢な状況であるが、下からの兵を押さえられれば、何とかなるだろう。
ステラ達護衛4名には、イヤホンマイク型小型無線機を装備させた。
そして護衛たちには、もう一つの秘密兵器『スターライトソード』も渡した。
通常時は『9999℃のプラズマの刃を持つ長剣』であるが、未使用時は柄の部分のみとなり、コンパクトになるのだ。
そして、標準機能であるステルスモードをオンにすれば、半径2m以内にいる者をステルスモードの影響下に置くことが出来るので、不要な戦闘が避けられる。
オレは救出部隊を3つの班に分けた。
A班は、オレとセレスティーナとリアンナの護衛1名の計3名で救出に向かう。
B班は、リリアーナとリアンナの護衛2名の計3名で屋上と7階の警戒に当たる。
C班は、ステラとレイフェリアとアムラー少佐とその部下2名の合計5名で6階より下層の敵に備える。
救出ルートは、王宮の屋上から階段を2階分下り、ステルスモードのまま廊下を伝ってレイナの部屋の前まで行き、衛兵を排除する。
中にいるレイナを救出し、オレが背負って階段を上り屋上へ出たら、レイナを飛行船に収容する。
後はB班、C班が撤収し、全員飛行船に乗り込んだら作戦完了という手筈だ。
王宮南館の3Dマップを、頭に叩き込み準備は万端だ。
リアンナは、未だに気を失ったままだ。
「よし、何が起きるか分からないが、無線で連絡を取り合って臨機応変に行くぞ」
「救出が目的だから、戦闘は最低限で、極力目立たないように!」
オレがそう説明すると全員が無言で頷いた。
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