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第8章 南国リゾートへの旅
第80話 ステーキ&ワイン黒ひげ亭
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『旅亭アルカディア』のスイートルームは、バルコニー付きの広いリビングルームとクイーンサイズのベッドが2つある寝室が2部屋、その他にバスルーム、パウダールーム、トイレが2つある。
リビングルームに隣接するバルコニーからは市街が一望でき、各部屋は落ち着いた内装で滞在中は快適に過ごせそうだ。
そして、このスイートルームには、何と専属客室係が付いているのだ。
しかも脚が細くてスタイルが良く、背中までの黒髪ポニーテール、小顔で目がキレイな極上の美女だ。
「専属客室係のエミリアと申します、当館滞在中は何なりとお申し付け下さい」
そう言って魅力的な美女が、室内の設備を丁寧に案内してくれた。
エミリアは一通り説明を終えると「後ほど、お茶をお持ちします」と恭しくお辞儀して退室した。
「カイトさまぁ、鼻の下伸びてますよ~」とクラリスがオレを揶揄った。
「な、何を言ってる、揶揄《からか》なよ!
そんなことより部屋割りを決めたぞ。
ステラとクラリスで1部屋、オレが1人で1部屋だ、いいな!」
心を見透かされた動揺を隠し、オレは語気を強めた。
「え~、カイト様と一緒の部屋がいいです~」
クラリスは、幼子のように駄々を捏ねた。
「おい、ビジネスモードはどうした?」
咎めるとクラリスはペロリと舌を出した。
このような小悪魔的な反応が『うざい』と思う反面、何故か憎めない変な奴なのだ。
その横でステラが頬を染めモジモジしているが、オレにはその意味が分からなかった。
「いいかい、今回の旅で君らは、オレの従者なんだから、立場を弁えてくれよ」
オレが2人を嗜めた。
「はぁ~い」と生返事をするクラリスには、オレの戒めは、効かないようだ。
片やステラは「畏まりました」と生真面目に返事した。
リビングルームのソファに座り、旅の疲れを癒やしていると、専属客室係のエミリアが、お茶を持ってきた。
「この地方特産のハーブティーをお淹れ致します。
カモミール、ミント、レモングラス、ローズヒップ、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、リンデンなど13種類のハーブがございます。
2~3種類ブレンドも出来ますが、どれが宜しいですか?」
「良く分からないから、お任せでお願いします」
オレが言うとエミリアは考えながら、それぞれ違うブレンドの3種類のハーブティーを淹れてくれた。
「こちらはハイビスカスとローズヒップのハーブティーです。
このブレンドは美肌効果があるとされています」
それを聞いたクラリスが手を上げて、自分はそれが良いと主張した。
オレはペパーミントとレモングラスのブレンド、ステラはカモミールとリンデンをブレンドしたハーブティーを淹れてもらった。
清涼感のあるペパーミントとレモングラスのハーブティーは、疲れた体を癒やしてくれるように感じた。
「ところで、この宿の食事はどうなってるの?」
「はい、朝食付きのプランでございますので、1階のレストランでお取り下さいませ。
夕食にもレストランをご利用いただけますが、ルームサービスもございますので、お部屋でお食事も可能です。
もし外食されるのでしたら、近隣に飲食店が多数ございます。
ご希望でしたら、ご予約をお取り致しますのでお申し付け下さい」
エミリアは淀みなく説明してくれた。
「どこか夕食でオススメの店あるかな」
「はい、セントレーニア郊外は牛の一大生産地となっておりますので、牛ステーキなどは如何でしょう?」
エミリアが教えてくれたのは『ステーキ&ワイン黒ひげ亭』と言うだ。
黒ひげ亭には、ステーキに合う赤ワインの品揃えが充実しているそうだ。
地元産の牛ステーキと赤ワインがベストマッチなのだと教えてくれた。
「黒ひげ亭のお勧めは『シャトーブリアン』と言う希少な部位のお肉です」
「その肉食べてみたいです…」
ステラが珍しく自己主張している。
「私もステーキ食べたいで~す」とクラリスも賛成した。
「それじゃ、その店予約してもらえますか?」
「はい、畏まりました」
しばらくリビングで休んでいると、辺りはいつの間にか薄暗くなり、オレたちは夕食をとりに夜の街に出かけた。
セントレーニアは人口25万人余りの大都市で、繁華街にはたくさんの飲食店があり、人通りも多く賑わいをみせていた。
目的地の『ステーキ&ワイン黒ひげ亭』には歩いて5分ほどで到着した。
牛と髭をデフォルメした看板が印象的だ。
まだ夕暮れ間際だと言うのに、店内は賑わっており、オレたちが予約したテーブル以外は満席だった。
店の前には既に行列ができていたほどだ。
並んでも食べたいと思うのだから、きっと美味しいに違いない。
席に着きメニューを見るとサーロインステーキを始め、リブロース、ヒレ、テンダーロインの他、チキンやポークのステーキもある。
100gから50g単位で500gまで注文できるそうで、焼き方も指定できる。
「さて何を注文しよう」
「カイトさま、ステーキ4種類の食べ比べセットがありますよ」とクラリスが教えてくれた。
サーロイン、リブロース、ヒレ、テンダーロインの4種類を食べ比べできるセットだそうだ。
「美人客室係オススメのシャトーブリアンも食べてみたいな。
ステーキを全種類注文してシェアしながら食べよう」
肉には当然赤ワインだろうと、ワインリストの中から店員オススメの『シャトー・ド・バレ・ルージュ』と『ソルメルタ・デ・ソレス』言う2種類の赤ワインをボトルで注文した。
どちらも結構いい値段だが、旅費はたっぷりあるので問題ない。
赤ワインを楽しんでいると、50センチはある大きな極厚鉄板に乗ったステーキがジュージューと旨そうな音を立て、テーブルの真ん中に置かれた。
それを見てステラとクラリスは歓声を上げてた。
これはシャッターチャンスとばかり、オレはスマホを構え、映える構図を見つけて何枚も写真を撮った。
この写真をジェスティーナに送ったら『ズル~い』と言われそうだ。
5種類のステーキは一口サイズにカットされており、フォークでそのまま食べられた。
ステラとクラリスは、熱々のステーキに手を伸ばし、口に放り込むと赤ワインで流し込んでいた。
「カイトさま、美味しいですよ、食べないと無くなっちゃいますよぉ」とクラリスが肉を頬張りながら言っている。
ステラも真剣な顔でステーキを頬張っていた。
オレも負けじとステーキを口の中に入れると、柔らかく豊かな肉汁が広がり、やや甘めのステーキソースが良く合っていた。
赤ワインはフルボディとミディアムボディの2種類を違うグラスに注ぎ、飲み比べながらステーキを頬張る。
ステーキと赤ワイン、確かに最高の組み合わせかも知れない。
別注文したライスを食べると更に食が捗った。
それぞれ2人前ずつ注文したが、足りなさそうなので、慌ててもう1人前ずつ追加注文した。
流石は、現役冒険者と元冒険者、気持ち良い食べっぷりだ。
「ステラもクラリスもよく食べるねぇ」とオレが感心する。
「冒険者は体が資本ですから」とステラが言う。
「ところで2人は何歳から冒険者やってたの?」とオレが聞く。
「私は13歳から、ステラは確か12歳からだった筈です」とクラリスが答える。
ステラは肉を頬張りながら頷いている。
2人とも、若くして冒険者デビューを果たしたわけだが、それには訳があったそうだ。
小さい頃から男勝りだったステラは、女の子のする遊びには一切興味を示さず、魔法剣の達人であった父の影響で幼い頃から魔法剣に興味を示し、その当時王国親衛隊長であった父ジョエル・リーン伯爵に5歳から毎日厳しく鍛えられたそうだ。
伯爵もステラが並外れた才能の持ち主であることを見抜き、自分の持てる技を惜しげもなく娘に伝授した。
12歳になる頃には王国の正騎士でも敵わないくらいの腕前になっていたそうだ。
この世界では、貴族の娘は13歳になると社交界にデビューするのだが、ステラはドレスで着飾った同年代の女子達と話が合う訳もなく、社交界にデビューする代わりに冒険者デビューを果たしたのだ。
クラリスは元々捨て子で、物心つく前から孤児院で育てられていたが、バルター・ファンジェと言う騎士爵夫妻がクラリスを養女として貰い受け、育てられたそうだ。
養父バルターは弓の名手で、クラリスに幼い頃から弓の英才教育を施し、10歳の頃には義父に従って野山に入り、猪や鳥を狩っていた。
13歳のある日、不慮の事故で義父を亡くし、騎士爵家は元々世襲が許されておらず、養母と二人になったクラリスは家計を支えるべく冒険者となったのだ。
冒険者として実績を積み重ねていく内に、ステラとクラリスは、もう1人の少女と出会って冒険者パーティ「白銀の月」を結成、王国全土を股にかけ、数々の魔獣や盗賊を討伐して名声を恣にしたのだ。
「なるほど、2人とも最初から冒険者になる運命だったのかもな。
ところでクラリスって何歳なの?」
「わたしは20歳ですよぉ、カイトさま」
「え、オレより2つ歳上なんだ」
しかし、実際のオレの中身は30歳なので、精神年齢的には2人とは一回り近く離れていることになる。
「クラリスは確か17歳だったね」
「でも来週で18になります」とステラが言う。
「そうか、年齢的にはオレと同じなんだ。
なんか二人とも修羅場を潜って来ているせいか、年より落ち着いて見えるな」
「そうなんですよ、私たち苦労したんですからぁ」
クラリスは酔いが廻ってきたのか、呂律が怪しくなってきた。
ステラも目が座ってきているので、面倒なことにならない内に退散した方が良さそうだ。
リビングルームに隣接するバルコニーからは市街が一望でき、各部屋は落ち着いた内装で滞在中は快適に過ごせそうだ。
そして、このスイートルームには、何と専属客室係が付いているのだ。
しかも脚が細くてスタイルが良く、背中までの黒髪ポニーテール、小顔で目がキレイな極上の美女だ。
「専属客室係のエミリアと申します、当館滞在中は何なりとお申し付け下さい」
そう言って魅力的な美女が、室内の設備を丁寧に案内してくれた。
エミリアは一通り説明を終えると「後ほど、お茶をお持ちします」と恭しくお辞儀して退室した。
「カイトさまぁ、鼻の下伸びてますよ~」とクラリスがオレを揶揄った。
「な、何を言ってる、揶揄《からか》なよ!
そんなことより部屋割りを決めたぞ。
ステラとクラリスで1部屋、オレが1人で1部屋だ、いいな!」
心を見透かされた動揺を隠し、オレは語気を強めた。
「え~、カイト様と一緒の部屋がいいです~」
クラリスは、幼子のように駄々を捏ねた。
「おい、ビジネスモードはどうした?」
咎めるとクラリスはペロリと舌を出した。
このような小悪魔的な反応が『うざい』と思う反面、何故か憎めない変な奴なのだ。
その横でステラが頬を染めモジモジしているが、オレにはその意味が分からなかった。
「いいかい、今回の旅で君らは、オレの従者なんだから、立場を弁えてくれよ」
オレが2人を嗜めた。
「はぁ~い」と生返事をするクラリスには、オレの戒めは、効かないようだ。
片やステラは「畏まりました」と生真面目に返事した。
リビングルームのソファに座り、旅の疲れを癒やしていると、専属客室係のエミリアが、お茶を持ってきた。
「この地方特産のハーブティーをお淹れ致します。
カモミール、ミント、レモングラス、ローズヒップ、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、リンデンなど13種類のハーブがございます。
2~3種類ブレンドも出来ますが、どれが宜しいですか?」
「良く分からないから、お任せでお願いします」
オレが言うとエミリアは考えながら、それぞれ違うブレンドの3種類のハーブティーを淹れてくれた。
「こちらはハイビスカスとローズヒップのハーブティーです。
このブレンドは美肌効果があるとされています」
それを聞いたクラリスが手を上げて、自分はそれが良いと主張した。
オレはペパーミントとレモングラスのブレンド、ステラはカモミールとリンデンをブレンドしたハーブティーを淹れてもらった。
清涼感のあるペパーミントとレモングラスのハーブティーは、疲れた体を癒やしてくれるように感じた。
「ところで、この宿の食事はどうなってるの?」
「はい、朝食付きのプランでございますので、1階のレストランでお取り下さいませ。
夕食にもレストランをご利用いただけますが、ルームサービスもございますので、お部屋でお食事も可能です。
もし外食されるのでしたら、近隣に飲食店が多数ございます。
ご希望でしたら、ご予約をお取り致しますのでお申し付け下さい」
エミリアは淀みなく説明してくれた。
「どこか夕食でオススメの店あるかな」
「はい、セントレーニア郊外は牛の一大生産地となっておりますので、牛ステーキなどは如何でしょう?」
エミリアが教えてくれたのは『ステーキ&ワイン黒ひげ亭』と言うだ。
黒ひげ亭には、ステーキに合う赤ワインの品揃えが充実しているそうだ。
地元産の牛ステーキと赤ワインがベストマッチなのだと教えてくれた。
「黒ひげ亭のお勧めは『シャトーブリアン』と言う希少な部位のお肉です」
「その肉食べてみたいです…」
ステラが珍しく自己主張している。
「私もステーキ食べたいで~す」とクラリスも賛成した。
「それじゃ、その店予約してもらえますか?」
「はい、畏まりました」
しばらくリビングで休んでいると、辺りはいつの間にか薄暗くなり、オレたちは夕食をとりに夜の街に出かけた。
セントレーニアは人口25万人余りの大都市で、繁華街にはたくさんの飲食店があり、人通りも多く賑わいをみせていた。
目的地の『ステーキ&ワイン黒ひげ亭』には歩いて5分ほどで到着した。
牛と髭をデフォルメした看板が印象的だ。
まだ夕暮れ間際だと言うのに、店内は賑わっており、オレたちが予約したテーブル以外は満席だった。
店の前には既に行列ができていたほどだ。
並んでも食べたいと思うのだから、きっと美味しいに違いない。
席に着きメニューを見るとサーロインステーキを始め、リブロース、ヒレ、テンダーロインの他、チキンやポークのステーキもある。
100gから50g単位で500gまで注文できるそうで、焼き方も指定できる。
「さて何を注文しよう」
「カイトさま、ステーキ4種類の食べ比べセットがありますよ」とクラリスが教えてくれた。
サーロイン、リブロース、ヒレ、テンダーロインの4種類を食べ比べできるセットだそうだ。
「美人客室係オススメのシャトーブリアンも食べてみたいな。
ステーキを全種類注文してシェアしながら食べよう」
肉には当然赤ワインだろうと、ワインリストの中から店員オススメの『シャトー・ド・バレ・ルージュ』と『ソルメルタ・デ・ソレス』言う2種類の赤ワインをボトルで注文した。
どちらも結構いい値段だが、旅費はたっぷりあるので問題ない。
赤ワインを楽しんでいると、50センチはある大きな極厚鉄板に乗ったステーキがジュージューと旨そうな音を立て、テーブルの真ん中に置かれた。
それを見てステラとクラリスは歓声を上げてた。
これはシャッターチャンスとばかり、オレはスマホを構え、映える構図を見つけて何枚も写真を撮った。
この写真をジェスティーナに送ったら『ズル~い』と言われそうだ。
5種類のステーキは一口サイズにカットされており、フォークでそのまま食べられた。
ステラとクラリスは、熱々のステーキに手を伸ばし、口に放り込むと赤ワインで流し込んでいた。
「カイトさま、美味しいですよ、食べないと無くなっちゃいますよぉ」とクラリスが肉を頬張りながら言っている。
ステラも真剣な顔でステーキを頬張っていた。
オレも負けじとステーキを口の中に入れると、柔らかく豊かな肉汁が広がり、やや甘めのステーキソースが良く合っていた。
赤ワインはフルボディとミディアムボディの2種類を違うグラスに注ぎ、飲み比べながらステーキを頬張る。
ステーキと赤ワイン、確かに最高の組み合わせかも知れない。
別注文したライスを食べると更に食が捗った。
それぞれ2人前ずつ注文したが、足りなさそうなので、慌ててもう1人前ずつ追加注文した。
流石は、現役冒険者と元冒険者、気持ち良い食べっぷりだ。
「ステラもクラリスもよく食べるねぇ」とオレが感心する。
「冒険者は体が資本ですから」とステラが言う。
「ところで2人は何歳から冒険者やってたの?」とオレが聞く。
「私は13歳から、ステラは確か12歳からだった筈です」とクラリスが答える。
ステラは肉を頬張りながら頷いている。
2人とも、若くして冒険者デビューを果たしたわけだが、それには訳があったそうだ。
小さい頃から男勝りだったステラは、女の子のする遊びには一切興味を示さず、魔法剣の達人であった父の影響で幼い頃から魔法剣に興味を示し、その当時王国親衛隊長であった父ジョエル・リーン伯爵に5歳から毎日厳しく鍛えられたそうだ。
伯爵もステラが並外れた才能の持ち主であることを見抜き、自分の持てる技を惜しげもなく娘に伝授した。
12歳になる頃には王国の正騎士でも敵わないくらいの腕前になっていたそうだ。
この世界では、貴族の娘は13歳になると社交界にデビューするのだが、ステラはドレスで着飾った同年代の女子達と話が合う訳もなく、社交界にデビューする代わりに冒険者デビューを果たしたのだ。
クラリスは元々捨て子で、物心つく前から孤児院で育てられていたが、バルター・ファンジェと言う騎士爵夫妻がクラリスを養女として貰い受け、育てられたそうだ。
養父バルターは弓の名手で、クラリスに幼い頃から弓の英才教育を施し、10歳の頃には義父に従って野山に入り、猪や鳥を狩っていた。
13歳のある日、不慮の事故で義父を亡くし、騎士爵家は元々世襲が許されておらず、養母と二人になったクラリスは家計を支えるべく冒険者となったのだ。
冒険者として実績を積み重ねていく内に、ステラとクラリスは、もう1人の少女と出会って冒険者パーティ「白銀の月」を結成、王国全土を股にかけ、数々の魔獣や盗賊を討伐して名声を恣にしたのだ。
「なるほど、2人とも最初から冒険者になる運命だったのかもな。
ところでクラリスって何歳なの?」
「わたしは20歳ですよぉ、カイトさま」
「え、オレより2つ歳上なんだ」
しかし、実際のオレの中身は30歳なので、精神年齢的には2人とは一回り近く離れていることになる。
「クラリスは確か17歳だったね」
「でも来週で18になります」とステラが言う。
「そうか、年齢的にはオレと同じなんだ。
なんか二人とも修羅場を潜って来ているせいか、年より落ち着いて見えるな」
「そうなんですよ、私たち苦労したんですからぁ」
クラリスは酔いが廻ってきたのか、呂律が怪しくなってきた。
ステラも目が座ってきているので、面倒なことにならない内に退散した方が良さそうだ。
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