夢では夢と気づかないんだよね

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12お買い物できるかな

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 市場のような露店が多い通りを抜けると、商店街の通りに移る。市場の方は見たことのない食材?だと思うものが多すぎて、買い物をするところまでいかなかった。今度は料理にも取り組んでみようかな。そんな思いを抱きつつ、商店街では魔道具店の前で目が離せなくなった。

「おお。すげえな」

 足を止めてもらってありがとうございます。もう、少しこのままで。いや、まだ店の中にさえ入っていないのですが、店先に飾ってある商品に釘付けです。きらきらの雨粒と、虹がとっても綺麗。スノウドームのような中で、雨が降って虹が出てという繰り返しでとても素敵です。

「買ってやろうか?」
「是非!後でお金はお返しします」
「いや。誕生日の先払いだ」
「いいんですか!?」
「俺はそこそこ稼いでいるからな。心配するな。それに相場としては、こういう魔道具はそこまで高いものじゃない」
「へー」

 買って貰っちゃった。

「今日の街歩きはこれで終了だな」

 凄い。ずっと動いてる。

「はい。そのようです」

 はわー。いつまで見ていても飽きないな。

 気がついたら、朝でした。おや?

「おはようございます。スウ様」
「あれ?ケリー、私?」
「買って頂いた魔道具に目を奪われ続けていたようですよ」
「私、何か失礼しなかった?」
「大丈夫です。ずっと心ここにあらずな感じでしたが、シウキアード様もモーリカハイ様も、よほど魔道具を気に入ったのだろうとおっしゃっていらっしゃいました」
「朝食にまたお礼を言っておきます」
「はい」

 今日も美味しそうな、食欲をそそる香り。

「おはようございます。昨日はありがとうございました。また、失礼しました。あまりの喜びと嬉しさに・・・」
「ふふ。喜んで頂けて良かったですわ」
「ああ。贈ったかいがあるぜ」
「今日は、我が家で扱っている商品を御覧にいれる予定ですわ」
「よろしくおねがいします」

 お二人の扱っている商品を見せてもらいつつ、昨日の行動の種明かしというか、ソタンさんとキイトさんの家での考察を踏まえた更なる発展形の推察を教えてもらいました。

「スウは家という単語で自分の特性の範囲を決めているらしいっていうのは、中央の二人から聞いていたんだ。屋敷を案内する前は端の方では魔法が使えたらしいしな。あと、調理場に行って料理長と話をしただろう?」

 シウキアードさんが、モーリカハイさんが商品を並べている間にと、説明し始めてくれました。

「はい。自分の自慢の城だと話して下さいました」
「そうしたら、調理場がお前さんの特性範囲からはずれたんだと。で、簡単な実験として車を最小の家という範囲として認識してもらったら、車の外では魔法が使えた」
「無意識でした」
「だろうな。特に魔法の放出の差は感知できなかったらしい。中央の二人が言うなら、間違いないだろう。それと、特性は視線と触れていても発動するようだ」
「そうなんですか、皆さんに研究して頂いてばかりで・・・」
「気にすんな、皆、好きでやってるんだ」
「さあ、こちらの方も見て下さい」

 モーリカハイさんが気を取り直してとでも言うように、次々と取り扱っている商品を見せてくれました。とっても、楽しかったです。
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