拳銃とヒガンバナ

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　夕陽の差し込む1DKのワンルームに、ぐちゅぐちゅという水音とあられもない喘ぎ声が充満している。白いベッドシーツの上で身体をくねらせる彼女に纏わりつく空気は、発情したメスの甘ったるくじゅんわりと滲むフェロモンを含んでとても重たい。右手をとろとろと蜜を溢れさせる秘部に埋め、左手でたわわに揺れ動く豊満な胸を弄り倒す。頭の中にある情景は、逆光で表情の読めない男に好き放題されている淫乱な自分。誰かも分からない人間に身体をまさぐられレイプされているという妄想が、必死に快感を追いかける彼女の心をより加速させていく。

　少女は自慰が好きだった。それこそ、暇さえあれば一日中おまんこをいじり倒してしまうくらいには。性的快楽で脳をスパークさせている間は、嫌なことを忘れられたのだ。周りの女の子たちに比べて圧倒的に冴えない自分だとか、一文字目が書き出せなくて溜まっていくばかりのレポート課題だとか、バイト先の厳しい上下関係とか……。

　「あっ♡いくっ♡もうイきますっ♡」

　野暮ったい黒髪を振り乱し、膝と腰をガクガクと痙攣させながら、少女は長く痺れるエクスタシーに身を任せる。この部屋で一人暮らしを始めるまで知りもしなかった劇薬の味は、彼女を冴えない女子大生からただの発情期の獣に堕としてしまった。本能のままに絶頂を味わっていた少女はやがて、疲れ切ってそのまま寝息を立て始める。彼女の白い柔肌を舐めるように見つめる視線には、決して気付くことなく。