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Web連載
256話 人間やめますか
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俺だけではなく、牧野とシンクロして声を上げてしまった。二人とルーナが立ち上がってこちらに駆け寄ってくる。
離れた場所で野営の準備をしていた一行が、何事かとこちらを見ている。
「あ、お騒がせしてすみません」
「なんでもないです」
それに気がついた雪音と牧野が、頭を下げて謝罪してことなきを得る。
「えーっと? ナビゲーター?」
「イエス、マスター」
呼びかかけるとナビゲーターの声がいつもと違って目の前から聞こえた。
そう、目の前にはなんだか見覚えのある幼稚園児が立っていた。
俺とは違って驚愕の表情を浮かべた牧野と、懐かしいものを見るような雪音。二人も俺の近くにきて目の前の幼稚園児を注視していた。
「雪音……あなたたち、膝枕しただけでで子供が出来たの?」
「え? え? え??」
「俺、膝枕してもらっていたの?」
「聞いてくるのそこなの?」
「え? え?」
牧野のよくわからないツッコミと俺の返しに戸惑う雪音。俺は雪音の膝枕のことを思い出した。そう言えば目覚めた時目の前に雪音の顔があった。
俺の言葉に呆れる牧野。雪音は視線を忙しなく俺、牧野、幼稚園児に向けているが、俺と牧野は目の前の現象を理解することを放置したかのように別の話題に……
「マスター?」
「なんで幼稚園の時の俺の姿なんだ?」
「お嫌でしたらこちらの姿に似ましょうか」
そういうと一瞬ナビゲーターの輪郭がぼやけたと。そしてまた形をとったと思ったら、今度は幼稚園の時の雪音の姿になった。
「あーもーわけわかんね」
「やっぱり、膝枕で子供を……」
「カ、カナちゃん! しっかりして。膝枕で子供はできないからぁ」
雪音が牧野の腕を掴んで揺さぶっている。
「これはマスターのスキル《人化》を使わせていただいて作ったボディです。幼児形態なのはMP消費を抑えるためです」
ナビゲーターがそんなことを言うが。
「俺、MP関係なかっ────あーそうかそうか」
進化して〝MP無尽蔵なです〟なんて言って二人に変な目で見られたくない。ナビゲーターの〝ごまかし〟に乗っかっておこう。
チャチャが俺が手にしていたカップを、そっと拭き取り冷めたお茶を入れ直したものと交換してくれる。差し出したカップを受け取り、椅子代わりに腰掛けていた丸太から腰を浮かしたが、またそのまま座り直した。
「私って、こんな感じだったんだ」
「自分のことって案外わからないものよねって、そういうことじゃなくって」
牧野が現実逃避をやめて突っ込んできた。どこまで説明しよう?
「ふーん。進化して手に入れたスキルね。ナビゲーターを実体化させるスキルなのね」
「そうそう。実体化することでナビゲーターの言葉が雪音たちにも聞こえるだろう」
そういうことにしておこう。
「風舞輝は進化したんでしょう。どうなっちゃったの?」
心配そうに俺を見る雪音。
「えっと、種族は〝上位人族〟なんだ」
一段階上の〝上位人族〟ということにして説明する。二段階上の《魔人族》も考えたんだけど、今の魔国の王、スーレリアが討伐対象にしている魔王が《魔人族》なんだよ。その魔王と同じ種族なんて俺も魔王扱いで討伐対象にされそうだから《上位人族》の方にした。しっかり《偽装》を使ってステータスも変えておこう。
俺の向かい側に牧野が座り、雪音もその隣に座る。
そして俺の膝の上には幼稚園児の雪音。やばい。ロリコン疑惑再び……
「じゃあナビ音ちゃんはこれからその姿なの?」
「か、カナちゃん。そのナビ音ちゃんって」
「え、雪音姿のナビゲーターだから〝ナビ音ちゃん〟よ。風舞輝の姿だとナビ輝くんだったんだけど」
そう言いながらナビ音を俺の膝から抱き上げ、自分の膝の上に座らせる。
「再現性はいかほど?」
「百パーセント」
「ああ、やっぱり子供の雪音も可愛かったのね。もっと早く会いたかったわ」
ナビ音の頭を撫でながらそんなことを言う牧野。いまいち情緒的なものに欠けるナビゲーターはされるがままになっている。
「これでマスターたちだけでなく、雪音嬢と奏多嬢にも情報伝達可能です」
「それはありがたいのだけど、この姿で風舞輝をマスター呼びされるのはちょっと」
「ではやはりこちらで」
ナビゲーターはそういうと、また幼稚園児の俺の姿になった。
「はい、ユッキー」
すると牧野はナビゲーターを隣の雪音の方に渡した。
「え、あ、うん」
最初は驚く雪音だが、ナビゲーターを膝の上でしっかり抱き抱える。
「ナビ輝くんは遠慮しておくわ」
俺じゃあなく牧野の方がロリコンじゃないのか。こうして客観的に見ると幼稚園児の俺も十分可愛いぞ。まあ牧野がショタコンでなくて良かったけど。
「風舞輝、あなた身体の方はどんな感じなの」
すっかり話題を変えてきた牧野。
「まあ特に何って自覚するところはないな」
自覚症状は全くなし。今までと違う感じはない。
まあスキルや能力はかなり上がっているみたいだから、使ってみないとどこまで威力が上がっているかわからないけど。
ナビゲーターを撫でている雪音をチラッとみながら、牧野が提案する。
「じゃあ明日はどこかでスキルを試してみる? どれくらい威力が上がっているか確かめないと連携も取りにくいでしょう」
うーん、本当は誰もみていないところで試したい気もする。
「とりあえず、今日は食事をとって休みましょう」
すっかり夜も深まってきた。他の野営をしている正体も、煮炊きをしているようで微かに匂いが漂ってくる。
「チャチャちゃんが用意してくれてるよ」
いやこの美味そうな匂いはチャチャだった。
「そうだな」
「では私は一旦失礼します」
そう言ってナビゲーターが姿を消す。
「あ……」
雪音が少し名残惜しそうに、霧散する魔素の光に手を伸ばす。そんな雪音をからかう機会を逃さない牧野。
「こっちじゃあ私たち成人扱いだけど、日本じゃあ未成年だから子供は数年は我慢しなさいね」
俺にまで飛んできた!
「ま、牧野!」
「か、カナちゃん!」
「チッチッチ。フェブと呼んでちょうだい」
今まで自分もユッキー呼びしてたじゃねーかよ!
牧野のムードメーカーぶりは心臓に悪すぎる。
その夜、みんなが寝静まったのを見計らって俺は一人……で行こうとしたが、俺の気配に敏感なジライヤが目を覚ます。
仕方ないから、人差し指で口を抑え、静かにするよう合図を送る。あれ、この仕草って通じるのか?
『どこか行くのか』
念話を使って聞いてきた。
『ちょっと〝お試し〟な』
ジライヤも進化した後、夜に出かけたことがあるのでわかってくれた。
『あんまりなごうはあかんで』
寝台車の中で雪音たちと一緒にいたはずのツナデが、目の前に現れる。
『気いつけてな』
『ここは任せろ』
見送られて俺は断絶の山脈の北、ワイバーンの巣があった場所に《ゲート》でやってきた。
「空間記憶じゃなくて地点登録に変わったけど、二カ所を繋いでゲートを作るのは同じか」
《ゲート》を使った感じは〈地点登録〉をしてから繋ぐので、今までとそんなに変わらないようだ。〈地点登録〉に制限がないからやり放題だな。ただ〈空間記憶〉じゃあダメなので〈地点登録〉をやり直す必要があった。
《マップ》はスクロールできる距離に制限があったけど、《世界地図》に変わったことでどれも解消された。行ったことのない、《サーチ》したことのない場所も見れるようになったのだ。俯瞰で大地を見るというまるっきりどこかのアプリのようだ。
すり鉢状になったワイバーンの巣の跡は人がやって来るには難しい土地だ。
「他のモンスターもおりませんね。ワイバーンの匂いが染み付いているからでしょうか」
ナビ輝姿で現れるナビゲーター。
「そのスモック姿じゃあなくって、この世界の服装の方が良くないか」
「そうですね」
そういうと昔ルーナが来ていたようなズボンとチュニック姿になった。
「いやそこは女物ではなく男物でお願いします」
「子供服はルーナのもののイメージが強いせいですね」
「俺の服をそのまま縮めればいいだろう?」
提案すると、今度は俺の初期のベスト姿に変わる。でも幼稚園児のままだ。
「それより、アビリティを試すのでしょう」
「ああ、そうだな」
なんだか懐かしいな。川に向かって魔法の練習をしたのがずいぶん昔のような気がする。
「じゃあ〈ファイヤーボル〉っと」
「あ、マスター。ちゃんとイメージしないと」
あの時と同じ感じで打ち出したファイヤーボール。
ボールというには巨大な炎の塊が、頭上に現れ飛んでいった。
ドゴーーーーン、バリバリバリ、ズゴゴゴゴーン……
すり鉢の底に着弾した直径五メートルはありそうな火の玉は、巨大な火柱を挙げたのち、地面に無数のひび割れを起こさせた。
その後周辺の森から、多数のモンスターの気配が離れていくのを感じた。
「慣れるまでに使用前に威力と効果をイメージしないと、先ほどのようになりますよ」
「うん、気をつけるよ」
ツナデに『なごうはあかんで』と言われたが、以前のレベルの魔法を放つのに、少し練習が必要だった。ここでちゃんと調節しておかないと、後々困ることになるから。
俺、マジで人間やめたっぽい。
┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼
というわけで、ここまでが9巻の範囲となります。
この続き、まだ手付かずでして、しばらくお待ちください。m(_ _)m
離れた場所で野営の準備をしていた一行が、何事かとこちらを見ている。
「あ、お騒がせしてすみません」
「なんでもないです」
それに気がついた雪音と牧野が、頭を下げて謝罪してことなきを得る。
「えーっと? ナビゲーター?」
「イエス、マスター」
呼びかかけるとナビゲーターの声がいつもと違って目の前から聞こえた。
そう、目の前にはなんだか見覚えのある幼稚園児が立っていた。
俺とは違って驚愕の表情を浮かべた牧野と、懐かしいものを見るような雪音。二人も俺の近くにきて目の前の幼稚園児を注視していた。
「雪音……あなたたち、膝枕しただけでで子供が出来たの?」
「え? え? え??」
「俺、膝枕してもらっていたの?」
「聞いてくるのそこなの?」
「え? え?」
牧野のよくわからないツッコミと俺の返しに戸惑う雪音。俺は雪音の膝枕のことを思い出した。そう言えば目覚めた時目の前に雪音の顔があった。
俺の言葉に呆れる牧野。雪音は視線を忙しなく俺、牧野、幼稚園児に向けているが、俺と牧野は目の前の現象を理解することを放置したかのように別の話題に……
「マスター?」
「なんで幼稚園の時の俺の姿なんだ?」
「お嫌でしたらこちらの姿に似ましょうか」
そういうと一瞬ナビゲーターの輪郭がぼやけたと。そしてまた形をとったと思ったら、今度は幼稚園の時の雪音の姿になった。
「あーもーわけわかんね」
「やっぱり、膝枕で子供を……」
「カ、カナちゃん! しっかりして。膝枕で子供はできないからぁ」
雪音が牧野の腕を掴んで揺さぶっている。
「これはマスターのスキル《人化》を使わせていただいて作ったボディです。幼児形態なのはMP消費を抑えるためです」
ナビゲーターがそんなことを言うが。
「俺、MP関係なかっ────あーそうかそうか」
進化して〝MP無尽蔵なです〟なんて言って二人に変な目で見られたくない。ナビゲーターの〝ごまかし〟に乗っかっておこう。
チャチャが俺が手にしていたカップを、そっと拭き取り冷めたお茶を入れ直したものと交換してくれる。差し出したカップを受け取り、椅子代わりに腰掛けていた丸太から腰を浮かしたが、またそのまま座り直した。
「私って、こんな感じだったんだ」
「自分のことって案外わからないものよねって、そういうことじゃなくって」
牧野が現実逃避をやめて突っ込んできた。どこまで説明しよう?
「ふーん。進化して手に入れたスキルね。ナビゲーターを実体化させるスキルなのね」
「そうそう。実体化することでナビゲーターの言葉が雪音たちにも聞こえるだろう」
そういうことにしておこう。
「風舞輝は進化したんでしょう。どうなっちゃったの?」
心配そうに俺を見る雪音。
「えっと、種族は〝上位人族〟なんだ」
一段階上の〝上位人族〟ということにして説明する。二段階上の《魔人族》も考えたんだけど、今の魔国の王、スーレリアが討伐対象にしている魔王が《魔人族》なんだよ。その魔王と同じ種族なんて俺も魔王扱いで討伐対象にされそうだから《上位人族》の方にした。しっかり《偽装》を使ってステータスも変えておこう。
俺の向かい側に牧野が座り、雪音もその隣に座る。
そして俺の膝の上には幼稚園児の雪音。やばい。ロリコン疑惑再び……
「じゃあナビ音ちゃんはこれからその姿なの?」
「か、カナちゃん。そのナビ音ちゃんって」
「え、雪音姿のナビゲーターだから〝ナビ音ちゃん〟よ。風舞輝の姿だとナビ輝くんだったんだけど」
そう言いながらナビ音を俺の膝から抱き上げ、自分の膝の上に座らせる。
「再現性はいかほど?」
「百パーセント」
「ああ、やっぱり子供の雪音も可愛かったのね。もっと早く会いたかったわ」
ナビ音の頭を撫でながらそんなことを言う牧野。いまいち情緒的なものに欠けるナビゲーターはされるがままになっている。
「これでマスターたちだけでなく、雪音嬢と奏多嬢にも情報伝達可能です」
「それはありがたいのだけど、この姿で風舞輝をマスター呼びされるのはちょっと」
「ではやはりこちらで」
ナビゲーターはそういうと、また幼稚園児の俺の姿になった。
「はい、ユッキー」
すると牧野はナビゲーターを隣の雪音の方に渡した。
「え、あ、うん」
最初は驚く雪音だが、ナビゲーターを膝の上でしっかり抱き抱える。
「ナビ輝くんは遠慮しておくわ」
俺じゃあなく牧野の方がロリコンじゃないのか。こうして客観的に見ると幼稚園児の俺も十分可愛いぞ。まあ牧野がショタコンでなくて良かったけど。
「風舞輝、あなた身体の方はどんな感じなの」
すっかり話題を変えてきた牧野。
「まあ特に何って自覚するところはないな」
自覚症状は全くなし。今までと違う感じはない。
まあスキルや能力はかなり上がっているみたいだから、使ってみないとどこまで威力が上がっているかわからないけど。
ナビゲーターを撫でている雪音をチラッとみながら、牧野が提案する。
「じゃあ明日はどこかでスキルを試してみる? どれくらい威力が上がっているか確かめないと連携も取りにくいでしょう」
うーん、本当は誰もみていないところで試したい気もする。
「とりあえず、今日は食事をとって休みましょう」
すっかり夜も深まってきた。他の野営をしている正体も、煮炊きをしているようで微かに匂いが漂ってくる。
「チャチャちゃんが用意してくれてるよ」
いやこの美味そうな匂いはチャチャだった。
「そうだな」
「では私は一旦失礼します」
そう言ってナビゲーターが姿を消す。
「あ……」
雪音が少し名残惜しそうに、霧散する魔素の光に手を伸ばす。そんな雪音をからかう機会を逃さない牧野。
「こっちじゃあ私たち成人扱いだけど、日本じゃあ未成年だから子供は数年は我慢しなさいね」
俺にまで飛んできた!
「ま、牧野!」
「か、カナちゃん!」
「チッチッチ。フェブと呼んでちょうだい」
今まで自分もユッキー呼びしてたじゃねーかよ!
牧野のムードメーカーぶりは心臓に悪すぎる。
その夜、みんなが寝静まったのを見計らって俺は一人……で行こうとしたが、俺の気配に敏感なジライヤが目を覚ます。
仕方ないから、人差し指で口を抑え、静かにするよう合図を送る。あれ、この仕草って通じるのか?
『どこか行くのか』
念話を使って聞いてきた。
『ちょっと〝お試し〟な』
ジライヤも進化した後、夜に出かけたことがあるのでわかってくれた。
『あんまりなごうはあかんで』
寝台車の中で雪音たちと一緒にいたはずのツナデが、目の前に現れる。
『気いつけてな』
『ここは任せろ』
見送られて俺は断絶の山脈の北、ワイバーンの巣があった場所に《ゲート》でやってきた。
「空間記憶じゃなくて地点登録に変わったけど、二カ所を繋いでゲートを作るのは同じか」
《ゲート》を使った感じは〈地点登録〉をしてから繋ぐので、今までとそんなに変わらないようだ。〈地点登録〉に制限がないからやり放題だな。ただ〈空間記憶〉じゃあダメなので〈地点登録〉をやり直す必要があった。
《マップ》はスクロールできる距離に制限があったけど、《世界地図》に変わったことでどれも解消された。行ったことのない、《サーチ》したことのない場所も見れるようになったのだ。俯瞰で大地を見るというまるっきりどこかのアプリのようだ。
すり鉢状になったワイバーンの巣の跡は人がやって来るには難しい土地だ。
「他のモンスターもおりませんね。ワイバーンの匂いが染み付いているからでしょうか」
ナビ輝姿で現れるナビゲーター。
「そのスモック姿じゃあなくって、この世界の服装の方が良くないか」
「そうですね」
そういうと昔ルーナが来ていたようなズボンとチュニック姿になった。
「いやそこは女物ではなく男物でお願いします」
「子供服はルーナのもののイメージが強いせいですね」
「俺の服をそのまま縮めればいいだろう?」
提案すると、今度は俺の初期のベスト姿に変わる。でも幼稚園児のままだ。
「それより、アビリティを試すのでしょう」
「ああ、そうだな」
なんだか懐かしいな。川に向かって魔法の練習をしたのがずいぶん昔のような気がする。
「じゃあ〈ファイヤーボル〉っと」
「あ、マスター。ちゃんとイメージしないと」
あの時と同じ感じで打ち出したファイヤーボール。
ボールというには巨大な炎の塊が、頭上に現れ飛んでいった。
ドゴーーーーン、バリバリバリ、ズゴゴゴゴーン……
すり鉢の底に着弾した直径五メートルはありそうな火の玉は、巨大な火柱を挙げたのち、地面に無数のひび割れを起こさせた。
その後周辺の森から、多数のモンスターの気配が離れていくのを感じた。
「慣れるまでに使用前に威力と効果をイメージしないと、先ほどのようになりますよ」
「うん、気をつけるよ」
ツナデに『なごうはあかんで』と言われたが、以前のレベルの魔法を放つのに、少し練習が必要だった。ここでちゃんと調節しておかないと、後々困ることになるから。
俺、マジで人間やめたっぽい。
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というわけで、ここまでが9巻の範囲となります。
この続き、まだ手付かずでして、しばらくお待ちください。m(_ _)m
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