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プロローグ どうせ俺はボッチだよ

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 ──人生なんて出来レース。頑張ったところで得られるものは少ない。得られる人間はすでに決まっている。それは、自分ではない──
 将来に対して夢も希望もなく、ただ、理不尽なこの世界を冷めた目で見据える男、こころざし貴士たかし(17歳)は風邪を理由に修学旅行に行くのを拒否した。

 修学旅行の行先は神戸。けれども、神戸はタカシの実家がある場所。東京のアパートで独り暮らしの苦学生タカシは、わざわざ自分のホームに旅行するのに旅費を使うのは馬鹿げていると考える。思い出作りにも興味はないようだ。

 たとえ旅行に行ったとしても、タカシは天然のボッチ体質。別に、いじめられているわけでもないが、皆が楽しいと思うことに興味を示さず、人付き合いも面倒くさがる。話しかけられれば答えるが、理屈っぽいので若年寄扱いされる。なので、クラスでは浮いてしまう、いわゆる空気的存在だ。

「(神戸か……今更……)」

 バイトで疲れたタカシは、黒いジャージを着たまま自室のベッドに大の字で倒れこみ、グッスリと眠った。

 …………

 ──次の日、目を覚ますと──ありえないことが起こっていた。
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