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本編
第0話 全滅
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俺は、大学のオカ研サークルの活動で、とある孤島の人魚伝説の調査をしていた。
そこで、不幸にも凶悪な鮫人間に遭遇する。
襲い狂う鮫人間……逃げることはできない。抵抗もむなしく、俺は鮫人間にあっけなく食われることとなる。
そう……間違いなく俺はそこで死んだ……はずだったのだ。
けれども俺は生きている。どういうわけか、食われる前の時間に戻っているのだ。
おそらく、現地で会った謎の少女から受け取った不思議な腕輪の効果のおかげだろう。
死ぬと、腕輪にジャラジャラと付いている鱗の一つが黒くなり、死ぬ前の時間に巻き戻ることができる……本当にすごい腕輪だ。
俺は何度も死と巻き戻りを経験しながら、その凶悪な鮫人間を倒すべく、廃工場で武器になりそうなチェーンソーを手に入れた。
そして、そこで遭遇した鮫人間の首と胴体を切り離し、勝利を収めることができた…………はずだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「棗、これでもう大丈……」
──バシッ!──
勝利に酔っていた俺を、幼馴染の棗が殴るような平手で打つ。
「それ、副部長だよ……普通に考えてよ……こんなのいるわけないじゃない……」
棗は、涙目でそう答えた。
「え……そ、そんなわけ……」
その時、俺は間違いに気付いた。
実は、その鮫人間は副部長だったのだ。
俺は、鮫の浮き輪を被った副部長の首を、チェーンソーで切断していたのだ。
────それが、これから起こる惨劇の引き金だった────
その一部始終を見た副部長の恋人(オカ研部長)は怒り狂い、バールのようなもので俺に殴り掛かかる。
だが、俺をかばって棗が間に割って入り、俺の代わりに頭を陥没させて死んでしまった。
さらに、血の臭いを嗅いでやってきた本物の鮫人間が、友人の京谷とその後輩を食べ、工場内へと侵入してきた。
オカ研部長は、本物の鮫人間を副部長だと思って不用意に近づき、食べられてしまう。
一人生き残った俺は、持っていたチェーンソーで鮫人間に立ち向かった。
だが…………
────どうしてこうなったのだろう────
そこで、不幸にも凶悪な鮫人間に遭遇する。
襲い狂う鮫人間……逃げることはできない。抵抗もむなしく、俺は鮫人間にあっけなく食われることとなる。
そう……間違いなく俺はそこで死んだ……はずだったのだ。
けれども俺は生きている。どういうわけか、食われる前の時間に戻っているのだ。
おそらく、現地で会った謎の少女から受け取った不思議な腕輪の効果のおかげだろう。
死ぬと、腕輪にジャラジャラと付いている鱗の一つが黒くなり、死ぬ前の時間に巻き戻ることができる……本当にすごい腕輪だ。
俺は何度も死と巻き戻りを経験しながら、その凶悪な鮫人間を倒すべく、廃工場で武器になりそうなチェーンソーを手に入れた。
そして、そこで遭遇した鮫人間の首と胴体を切り離し、勝利を収めることができた…………はずだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「棗、これでもう大丈……」
──バシッ!──
勝利に酔っていた俺を、幼馴染の棗が殴るような平手で打つ。
「それ、副部長だよ……普通に考えてよ……こんなのいるわけないじゃない……」
棗は、涙目でそう答えた。
「え……そ、そんなわけ……」
その時、俺は間違いに気付いた。
実は、その鮫人間は副部長だったのだ。
俺は、鮫の浮き輪を被った副部長の首を、チェーンソーで切断していたのだ。
────それが、これから起こる惨劇の引き金だった────
その一部始終を見た副部長の恋人(オカ研部長)は怒り狂い、バールのようなもので俺に殴り掛かかる。
だが、俺をかばって棗が間に割って入り、俺の代わりに頭を陥没させて死んでしまった。
さらに、血の臭いを嗅いでやってきた本物の鮫人間が、友人の京谷とその後輩を食べ、工場内へと侵入してきた。
オカ研部長は、本物の鮫人間を副部長だと思って不用意に近づき、食べられてしまう。
一人生き残った俺は、持っていたチェーンソーで鮫人間に立ち向かった。
だが…………
────どうしてこうなったのだろう────
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