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タライ 十個目
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────7月29日(土曜日) 午前2時3分
僕は、部屋のベッドであおむけになって寝ていた。
…………。
────────────────ゴンッ……。
──────────────ゴンッ……。
────────────ゴンッ……ガランガラン……。
…………。
何か、音が聞こえた。
周囲は真っ暗だ。
…………。
──────────ゴンッ……。
────────ゴンッ……。
──────ゴンッ……ガランガラン……。
…………。
音が近づいてくる……。
僕は、ベッドから出ようとした。だが…………。
──体が動かない!?
──まさか……金縛り……!?
…………。
────ゴンッ……。
────ゴンッ……。
……これは……タライの音だ……。もう、すぐ側まで……。
音はどんどん激しくなった。
ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!………………。
叫び声を上げたくなった。だが、声が出ない……。
ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン………………。
「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!」
やっと、声が出た。
金縛りも解けた。
僕はゆっくりと体を起こした。
服と布団は汗で濡れていた。
「ハァ……ハァ……」
僕は呼吸を整えた……。
…………。
聞き覚えのある音……タライの落ちる音だった。
…………。
突然、左肩のあたりに何かの感触があった。
僕は、それに触れた。
それは…………。
────手だった。
「アァアァアアアアアアアアアア」
僕は、恐怖した。
──逃げなきゃ!
僕は、部屋の灯りをつけた。
するとそこには……。
…………。
「お兄ちゃん、うるさい。それに汗びっしょり……どうしたの?」
「え、あ……正美?」
パジャマ姿でマクラを抱えた妹がいた。
「音、しなかったか?」
「音? してないよー」
「そ、そうか……」
あれ、じゃあ、俺だけに聞こえたのか……。
「ちゃんと服着替えないと、風邪ひくよ~」
妹は、眠そうな目を擦りながら部屋を出て行った。
なんだ……妹だったのか……じゃあ、あの音はいったい……夢だったのか……。
僕は、起きたついでに服を脱ぎ、タオルで汗を拭いた。新しい下着に着替え、もう一度床に着く。小さな電気をつけたまま、僕は寝ることにした。
僕は天井を見ながらぼーっとタライのことを考えた。
──なぜ、タライが落ちてくるのか……どうしてタライに当たると気を失うのか……。
天井がぼやけてくる。そしで、小さな電球をつけたランプが何かの顔に見えてきた。
「やばい、寝なきゃ……」
僕は、布団をかぶってそのまま寝入った。
僕は、部屋のベッドであおむけになって寝ていた。
…………。
────────────────ゴンッ……。
──────────────ゴンッ……。
────────────ゴンッ……ガランガラン……。
…………。
何か、音が聞こえた。
周囲は真っ暗だ。
…………。
──────────ゴンッ……。
────────ゴンッ……。
──────ゴンッ……ガランガラン……。
…………。
音が近づいてくる……。
僕は、ベッドから出ようとした。だが…………。
──体が動かない!?
──まさか……金縛り……!?
…………。
────ゴンッ……。
────ゴンッ……。
……これは……タライの音だ……。もう、すぐ側まで……。
音はどんどん激しくなった。
ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!………………。
叫び声を上げたくなった。だが、声が出ない……。
ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン………………。
「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!」
やっと、声が出た。
金縛りも解けた。
僕はゆっくりと体を起こした。
服と布団は汗で濡れていた。
「ハァ……ハァ……」
僕は呼吸を整えた……。
…………。
聞き覚えのある音……タライの落ちる音だった。
…………。
突然、左肩のあたりに何かの感触があった。
僕は、それに触れた。
それは…………。
────手だった。
「アァアァアアアアアアアアアア」
僕は、恐怖した。
──逃げなきゃ!
僕は、部屋の灯りをつけた。
するとそこには……。
…………。
「お兄ちゃん、うるさい。それに汗びっしょり……どうしたの?」
「え、あ……正美?」
パジャマ姿でマクラを抱えた妹がいた。
「音、しなかったか?」
「音? してないよー」
「そ、そうか……」
あれ、じゃあ、俺だけに聞こえたのか……。
「ちゃんと服着替えないと、風邪ひくよ~」
妹は、眠そうな目を擦りながら部屋を出て行った。
なんだ……妹だったのか……じゃあ、あの音はいったい……夢だったのか……。
僕は、起きたついでに服を脱ぎ、タオルで汗を拭いた。新しい下着に着替え、もう一度床に着く。小さな電気をつけたまま、僕は寝ることにした。
僕は天井を見ながらぼーっとタライのことを考えた。
──なぜ、タライが落ちてくるのか……どうしてタライに当たると気を失うのか……。
天井がぼやけてくる。そしで、小さな電球をつけたランプが何かの顔に見えてきた。
「やばい、寝なきゃ……」
僕は、布団をかぶってそのまま寝入った。
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