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終結
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リキュール侯爵の拷問はなおも続く。
私は、目と鼻から大量の体液を出しながら、ただ……もがき続ける。
「うっ……ころへぇ……」
「まだまだこれからじゃあないですか」
リキュール侯爵は、にやついた表情で、私の鼻の穴から毛を抜き続ける。最大の屈辱だ。
だが、その屈辱がだんだん気持ちのいいものへと切り替わっていく。まるで、調教されている気分だ。
「ぶえっくしゅっ!」
さらなる刺激により、大きなくしゃみをする。もう、どうでもよくなってきた。
「じゃあ、今度はまつげも抜きましょうか」
「クッ……ブッコロ……ひゃいっ!」
まるで手慣れているような手つきで私のまつげが抜かれた。チクンと嫌な痛みの刺激が襲う。リキュール侯爵は普段からこういった拷問しているのだろうか。
こうなってはもう逆らえない。完全に主導権をリキュール侯爵に奪われた。これからもっとひどい目に合わされる。鼻毛とまつげがなくなったら、どうするつもりなのだろうか……眉毛……それとも……。
そんなことを考えていた時、突如、私の体を抱えているオークが力を緩めた。体が床へと落下する。
「何! オークが私の支配を……いや、違う……これは……」
リキュール侯爵は目を丸くした。もちろん、私にも何が起こったかはわからない。オークは謎の光に包まれ、その光に吸い込まれ、役目を終えたかのように消えていった。
「ならば、クッコ・ローゼ! 拘束魔法で動けなくしてあげます」
もちろん、反撃のチャンスだ。だが、涙と鼻水が止まらない。むず痒さがその意思を阻む。ただ、剣を取り、相手に突きつけるだけでいいのだ。それなのに、動作が鈍る。
そのせいで、あっさりと詠唱の時間を与えてしまった。私の体はもう指一本動かすことはできない。
「危なかったですねぇ。じゃあ、続きを楽しむとしましょう」と、リキュール侯爵は、にやついた顔を私に近づけ、一言放つ。
「待ちなさい!」
その時、どこか頼もしい声が聞こえてきた。この声は……。
「こ……国王陛下!」
この場に姿を現したのは、国王陛下、そして、エミリア、オーク使いの青年だった。
「召喚されたオークを従えて正解でした。たとえ命令を上書きされても召喚を解除するだけで消えてくれますからね」
「とても良い判断です、オーク使い」
「エミリア……そして、オーク使いの青年!」
どうやら、エミリアも行動していてくれたようだ。エミリアはすぐに私の元へ駆け寄り、心配そうにハンカチを手渡す。
「姉様……無事で何よりです!」
「ありがとう……エミリア」
一言礼をいって、私は涙を拭う。
「な……これはいったい……国王、避難されたのでは……!?」
「話はエミリアから聞いた……それと……お前の不正のことも……兵よ、あやつを取り押さえよ」
「ハッ!」
国王のすぐ後方の通路から、近衛兵が続々と湧いてくる。兵たちは、あっという間にリキュール侯爵を包囲し、剣を突き付けた。
「あああ……国王……申し訳ございません……これには……」
「言い訳は裁判の場で聞くことにする。連れていけ」
「ハッ!」
リキュール侯爵は、近衛兵たちに縄で縛られ、連行された。これでもうエミリアはリキュール侯爵に利用されずに済むだろう。そして、村の人たちも、これからは苦しまずに済むはずだ。
「クッコ様、エミリア様、ありがとうございました。この御恩、一生忘れません!」
青年は深々と頭を下げた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
事件は終結した。
私たちは、平和な日常へと回帰する。
そんな中、私は困った習慣を持ってしまう事となった。
「ハァハァ……い……いくぞ……これをちょっとだけつまんで……」
私は鏡の前で、小さな毛抜きを持って、それを鼻の穴へと近づける。
そして、中の毛を一本つまみ……。
「これを……一気に……」
──ブチッ!──
……引き抜いた。
「はううううっ!」
瞬間、心地よい痛みと涙が零れ落ちた。
この痛みの快感が忘れられず、毛抜きが習慣化してしまったのだった。
END
私は、目と鼻から大量の体液を出しながら、ただ……もがき続ける。
「うっ……ころへぇ……」
「まだまだこれからじゃあないですか」
リキュール侯爵は、にやついた表情で、私の鼻の穴から毛を抜き続ける。最大の屈辱だ。
だが、その屈辱がだんだん気持ちのいいものへと切り替わっていく。まるで、調教されている気分だ。
「ぶえっくしゅっ!」
さらなる刺激により、大きなくしゃみをする。もう、どうでもよくなってきた。
「じゃあ、今度はまつげも抜きましょうか」
「クッ……ブッコロ……ひゃいっ!」
まるで手慣れているような手つきで私のまつげが抜かれた。チクンと嫌な痛みの刺激が襲う。リキュール侯爵は普段からこういった拷問しているのだろうか。
こうなってはもう逆らえない。完全に主導権をリキュール侯爵に奪われた。これからもっとひどい目に合わされる。鼻毛とまつげがなくなったら、どうするつもりなのだろうか……眉毛……それとも……。
そんなことを考えていた時、突如、私の体を抱えているオークが力を緩めた。体が床へと落下する。
「何! オークが私の支配を……いや、違う……これは……」
リキュール侯爵は目を丸くした。もちろん、私にも何が起こったかはわからない。オークは謎の光に包まれ、その光に吸い込まれ、役目を終えたかのように消えていった。
「ならば、クッコ・ローゼ! 拘束魔法で動けなくしてあげます」
もちろん、反撃のチャンスだ。だが、涙と鼻水が止まらない。むず痒さがその意思を阻む。ただ、剣を取り、相手に突きつけるだけでいいのだ。それなのに、動作が鈍る。
そのせいで、あっさりと詠唱の時間を与えてしまった。私の体はもう指一本動かすことはできない。
「危なかったですねぇ。じゃあ、続きを楽しむとしましょう」と、リキュール侯爵は、にやついた顔を私に近づけ、一言放つ。
「待ちなさい!」
その時、どこか頼もしい声が聞こえてきた。この声は……。
「こ……国王陛下!」
この場に姿を現したのは、国王陛下、そして、エミリア、オーク使いの青年だった。
「召喚されたオークを従えて正解でした。たとえ命令を上書きされても召喚を解除するだけで消えてくれますからね」
「とても良い判断です、オーク使い」
「エミリア……そして、オーク使いの青年!」
どうやら、エミリアも行動していてくれたようだ。エミリアはすぐに私の元へ駆け寄り、心配そうにハンカチを手渡す。
「姉様……無事で何よりです!」
「ありがとう……エミリア」
一言礼をいって、私は涙を拭う。
「な……これはいったい……国王、避難されたのでは……!?」
「話はエミリアから聞いた……それと……お前の不正のことも……兵よ、あやつを取り押さえよ」
「ハッ!」
国王のすぐ後方の通路から、近衛兵が続々と湧いてくる。兵たちは、あっという間にリキュール侯爵を包囲し、剣を突き付けた。
「あああ……国王……申し訳ございません……これには……」
「言い訳は裁判の場で聞くことにする。連れていけ」
「ハッ!」
リキュール侯爵は、近衛兵たちに縄で縛られ、連行された。これでもうエミリアはリキュール侯爵に利用されずに済むだろう。そして、村の人たちも、これからは苦しまずに済むはずだ。
「クッコ様、エミリア様、ありがとうございました。この御恩、一生忘れません!」
青年は深々と頭を下げた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
事件は終結した。
私たちは、平和な日常へと回帰する。
そんな中、私は困った習慣を持ってしまう事となった。
「ハァハァ……い……いくぞ……これをちょっとだけつまんで……」
私は鏡の前で、小さな毛抜きを持って、それを鼻の穴へと近づける。
そして、中の毛を一本つまみ……。
「これを……一気に……」
──ブチッ!──
……引き抜いた。
「はううううっ!」
瞬間、心地よい痛みと涙が零れ落ちた。
この痛みの快感が忘れられず、毛抜きが習慣化してしまったのだった。
END
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