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人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~
惨劇の森 後編
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私の食事を見ていた兵たちは、蛇に睨まれたカエルのようになっていました。
「今日は……やけにお腹が空きます……」
私がその一言を放つと、兵たちは、這うように逃げていきました。
私は、マップを表示しました。次に、【ヒトバサミ】を選択します。そして、逃げ惑う赤い点を全て選択してみました。
────作動! クワシャッ!
森の全域で【ヒトバサミ】が作動しました。逃げ惑う兵たちは、全員【ヒトバサミ】に挟まれて動きを封じられました。
「嫌だ~! まだ死にたくない~!」
「俺だって! 戦争じゃないのに!」
「訓練じゃなかったのかよー!」
若者たちの悲痛な叫びが私の食欲をそそります。でも、その前に、食べなくてはいけない人間がいました。
そう、一番後ろで真っ先に逃げようとした指揮官です。私は、その彼の所へと、ゆっくり近づきます。
「おい……やめろ! 俺を《大隊長》マクス中佐と知っての暴挙か!」
若い兵たちよりも、おいしそうな臭いを出しています。よほどおいしく育っているのでしょう……今回のメインディッシュです。
「おいしそう……」
私は、後ろから近づきます。そして、《大隊長》の両手両足を蔓で縛り、罠を解除して持ち上げます。
「おい、やめてくれ! もし、やめてくれるのなら、ここは撤退する!」
「ふふふ……あなたは今、そんなことを言える立場じゃないのですよ」
「俺には、妻も子もいるんだ! やっとここまで出世したんだ! なんでもする! だから……命だけは……」
「安心してください。もし妻と子を見つけたら、【複製】して会わせてあげますので」
ゆっくりと、《大隊長》を口元へ運びます。私の頭は棘のある赤い花に変貌し、牙のある大きな口を開けました。
「まだ、死にたくない~!」
────それでは……。
い・た・だ・き・ま・す!
────パクッ。
この方も、かなり贅沢をしていたようですね……塩分多めのフォアグラです。体にあげるご褒美も、こう偏っていてはどうかと思うのですが……すてきな味なので、良しとしましょう。
【エナジークリスタル x 462】
食事を終えると、顔は元に戻りました。食べるときだけ花に変化するようです。人型もなかなか悪くはありませんね……元が人間だっただけに、動きやすいです。
そういえば、エナジークリスタルは、新兵を一人食べて四個分ぐらい増えています。あと51人ほど食べれば、《アズール》さんの言っていた数に達するようです。
もう一仕事です。私は手当たり次第に蔓を振り回し、触った人間の捕食を始めました。
────パクリ……パクリ……。
「マクス中佐が食われたああああ!」
「もう終わりだあ!」
声が大きい人間は、活きが良いので真っ先にいただきます。
「「うああああああ!」」
────パクリ……パクリ……。
【ヒトバサミ】に挟まれたまま、何もできずにただ祈る者もいれば泣きわめく者、必死に脱出しようとする者。様々です。
────ザザーッ……。
──「なぜそんなことをするのですか!」
…………。
「私は……人食い花だからです!」
────ザザッ……。
「くっ……」
…………。
思考のノイズのせいで、軽い頭痛が起きました。ちょっとだけ頭を押さえます。
人間の心が私の思考に攻撃を仕掛けているのでしょうか……この姿を見てもなお、人間であろうとしているのでしょうか……。
しばらく、思考のノイズと頭痛が断続的に続きましたが、我慢できる程度のものなので、仕事を続行しました。そして、必要な量の食事を終えました。
『エナジークリスタル』は、《アズール》さんの要求する666個に到達しています。これ以上食べても、あまり意味はありません。
兵たちを捕えている【ヒトバサミ】を解除します。そして、私は声を張り上げました。
「立ち去りなさい! ここは、お前たち人間の立ち入っていい場所ではありません!」
「「「うわああああぁぁ!」」」
私の声を聞いた兵たちは、悲鳴を上げながら一目散に逃げ出していきました。
私の正体は人間たちに知られてしまったと思って間違いないでしょう。と、いうことは、人間はもうこの森に近づかなくなるかもしれません。食べたくなったら町にでも……「くっ……(頭痛が発生)」
今日は、とても良い食事ができました。
ご・ち・そ・う・さ・ま・で・し・た。
【エナジークリスタル x 666】
『《シュカ》覚醒時のスキルの内容変化』
【食事】即時完食。クールタイムなし。
【甘い香り】誘惑可能。クールタイムなし。
【捕獲】ダメージ増加、クールタイムなし。
【ヒトバサミ】ダメージ増加、クールタイムなし。
【移動】消費なし。
【複製】複製体強化。
【茨の篭】ダメージ増加、クールタイムなし。
【毒の霧】ダメージ増加、クールタイムなし。
【樹液】粘着力増加、クールタイムなし。
【マンドレイク】ダメージ増加、クールタイムなし。
【樹木落とし】3連射可能。
【収縮】通常。
【蔓ネット】効果範囲増加、クールタイムなし。
『特殊スキル』
【月華乱舞】使用制限解除。
【月華防壁】ダメージ系スキルの防御。
【聖属浄化】浄化スキル。指定の属性スキルを無効化。(変更可能ただしクールターム有)
「今日は……やけにお腹が空きます……」
私がその一言を放つと、兵たちは、這うように逃げていきました。
私は、マップを表示しました。次に、【ヒトバサミ】を選択します。そして、逃げ惑う赤い点を全て選択してみました。
────作動! クワシャッ!
森の全域で【ヒトバサミ】が作動しました。逃げ惑う兵たちは、全員【ヒトバサミ】に挟まれて動きを封じられました。
「嫌だ~! まだ死にたくない~!」
「俺だって! 戦争じゃないのに!」
「訓練じゃなかったのかよー!」
若者たちの悲痛な叫びが私の食欲をそそります。でも、その前に、食べなくてはいけない人間がいました。
そう、一番後ろで真っ先に逃げようとした指揮官です。私は、その彼の所へと、ゆっくり近づきます。
「おい……やめろ! 俺を《大隊長》マクス中佐と知っての暴挙か!」
若い兵たちよりも、おいしそうな臭いを出しています。よほどおいしく育っているのでしょう……今回のメインディッシュです。
「おいしそう……」
私は、後ろから近づきます。そして、《大隊長》の両手両足を蔓で縛り、罠を解除して持ち上げます。
「おい、やめてくれ! もし、やめてくれるのなら、ここは撤退する!」
「ふふふ……あなたは今、そんなことを言える立場じゃないのですよ」
「俺には、妻も子もいるんだ! やっとここまで出世したんだ! なんでもする! だから……命だけは……」
「安心してください。もし妻と子を見つけたら、【複製】して会わせてあげますので」
ゆっくりと、《大隊長》を口元へ運びます。私の頭は棘のある赤い花に変貌し、牙のある大きな口を開けました。
「まだ、死にたくない~!」
────それでは……。
い・た・だ・き・ま・す!
────パクッ。
この方も、かなり贅沢をしていたようですね……塩分多めのフォアグラです。体にあげるご褒美も、こう偏っていてはどうかと思うのですが……すてきな味なので、良しとしましょう。
【エナジークリスタル x 462】
食事を終えると、顔は元に戻りました。食べるときだけ花に変化するようです。人型もなかなか悪くはありませんね……元が人間だっただけに、動きやすいです。
そういえば、エナジークリスタルは、新兵を一人食べて四個分ぐらい増えています。あと51人ほど食べれば、《アズール》さんの言っていた数に達するようです。
もう一仕事です。私は手当たり次第に蔓を振り回し、触った人間の捕食を始めました。
────パクリ……パクリ……。
「マクス中佐が食われたああああ!」
「もう終わりだあ!」
声が大きい人間は、活きが良いので真っ先にいただきます。
「「うああああああ!」」
────パクリ……パクリ……。
【ヒトバサミ】に挟まれたまま、何もできずにただ祈る者もいれば泣きわめく者、必死に脱出しようとする者。様々です。
────ザザーッ……。
──「なぜそんなことをするのですか!」
…………。
「私は……人食い花だからです!」
────ザザッ……。
「くっ……」
…………。
思考のノイズのせいで、軽い頭痛が起きました。ちょっとだけ頭を押さえます。
人間の心が私の思考に攻撃を仕掛けているのでしょうか……この姿を見てもなお、人間であろうとしているのでしょうか……。
しばらく、思考のノイズと頭痛が断続的に続きましたが、我慢できる程度のものなので、仕事を続行しました。そして、必要な量の食事を終えました。
『エナジークリスタル』は、《アズール》さんの要求する666個に到達しています。これ以上食べても、あまり意味はありません。
兵たちを捕えている【ヒトバサミ】を解除します。そして、私は声を張り上げました。
「立ち去りなさい! ここは、お前たち人間の立ち入っていい場所ではありません!」
「「「うわああああぁぁ!」」」
私の声を聞いた兵たちは、悲鳴を上げながら一目散に逃げ出していきました。
私の正体は人間たちに知られてしまったと思って間違いないでしょう。と、いうことは、人間はもうこの森に近づかなくなるかもしれません。食べたくなったら町にでも……「くっ……(頭痛が発生)」
今日は、とても良い食事ができました。
ご・ち・そ・う・さ・ま・で・し・た。
【エナジークリスタル x 666】
『《シュカ》覚醒時のスキルの内容変化』
【食事】即時完食。クールタイムなし。
【甘い香り】誘惑可能。クールタイムなし。
【捕獲】ダメージ増加、クールタイムなし。
【ヒトバサミ】ダメージ増加、クールタイムなし。
【移動】消費なし。
【複製】複製体強化。
【茨の篭】ダメージ増加、クールタイムなし。
【毒の霧】ダメージ増加、クールタイムなし。
【樹液】粘着力増加、クールタイムなし。
【マンドレイク】ダメージ増加、クールタイムなし。
【樹木落とし】3連射可能。
【収縮】通常。
【蔓ネット】効果範囲増加、クールタイムなし。
『特殊スキル』
【月華乱舞】使用制限解除。
【月華防壁】ダメージ系スキルの防御。
【聖属浄化】浄化スキル。指定の属性スキルを無効化。(変更可能ただしクールターム有)
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