上 下
45 / 63
人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~

惨劇の森 前編

しおりを挟む
『ファイナルアップデート・コンプリート』

《シュカ》(HP∞/∞:TP∞/∞)

 謎の声と共に、視界の下方にある緑のバーが青に変わりました。それと、パラメーターの数値が何か変です。これは一体…………気にしなくてもよいということなのでしょうか……。体は、【月華乱舞】を使用していた時のままです。

 とにかく私は、もう一度目の前の敵を確認しました。そこには、勝ち誇った顔で喜んでいる三人の帝国魔導師がいます。そして、その三人を称賛するかのように、兵たちが騒いでいました。

 しばらくして、彼らは復活した私の姿に気が付きます。

「ちょっと……倒したんじゃなかったの……」

「ええ、ちゃんと倒したはずです。しかも、赤い体をしていません。肌色に近い黄緑色をしています」

「何度きたって同じことだ。ハッハッハ!」

 彼らは余裕の表情を見せています……本当にムカつきます。

 …………ふと、裸の姿を晒しているのが恥ずかしく感じました。心が戻った影響でしょうか……。
 私は、無意識のうちに体から葉を出し、それを重ね合わせて融合し、ワンピースのような服を作り上げていました。

 服を着たおかげで、恥ずかしい気分が落ち着きました。

「さっきと、様子がへんね。服まで着飾って……しょうがないわね! 【ホーリーアロー】!」

 女の帝国魔導師は、首飾りの宝石を引きちぎり、光の矢を飛ばしてきました。

 それと同時に、私の視界に【月華防壁】という文字が現れ、勝手にスキルが発動されました。三日月の赤い花びらが私の肩から飛んでいき、光の矢を弾き飛ばします。

 その後花びらは、私の体に戻り、肩部の鎧を形成しました。

「は、弾かれちゃった……もう一度動きを封じないとダメみたいね……」

「うまくいけばよいのですが……何か嫌な感じがします」

「ハッハッハ! 大丈夫! 返り討ちだ!」

 三人は私を取り囲みます。そして、十字架を地面に突き刺します。

「「「【クロスバインド】!」」」

 三つの十字架が光輝き、先程と同じくトライアングルを形成します。そして、魔法陣が浮き上がり、激しい光が私を包みます。ですが…………。

 私の体から光り輝く緑のマナが放出されます。さらに、【聖属浄化】というスキルが発動していました。

 聖なる光を一瞬で消し去ります。どうやら、魔法効果を消失させたようです。

「な、なによこれ……話が違うじゃない」

 私は、右手を帝国魔導師に向けました。その瞬間、指が蔓と化し、一気に伸びて帝国魔導師を縛り上げます。

「な、なにするのよ、放して!」

 女の帝国魔導師は、もがいています。

 次の瞬間、私は【捕獲】した獲物を引き寄せていました。手の平が、花に変化し、大きな口が現れます。そして、蔓となった指は獲物をその口に押し込むように引き入れます。

「いやああああぁぁぁぁ!」

 ────グシャアッ!

 腕は大きく膨らみ、獲物をスッポリと飲み込みました。

「まずいですね……」

「この人食い花……ヤバすぎるぞ!」

 ────あと二人。 

 左手も同じく指が蔓に変化します。そして、後ずさりする残りの帝国魔導師二人を、瞬時に【捕獲】し、縛り上げました。

「わ……私たちは、とんだ勘違いを……していたようです……これは化け物なんかじゃありません……」

「く、苦しい……じゃあ、なんだってんだ?」

「神に等しい者……ですよ」

「神……ばかな? そんなこと……あるわけ」

「早く……詠唱を……」

 二人を引き寄せます。そして、両腕に咲く花は、大きく口を開けて二人を飲み込みます。

 ────グシャアッ!

 …………。

 …………ゴックン。

 あっという間でした────帝国魔導師……完食です……。


【エナジークリスタル x 452】
しおりを挟む
感想 42

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...