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人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~

白百合

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《少女》の後ろに【ヒトバサミ】を設置します。そして【蔓ネット】を射出し、《少女》を【ヒトバサミ】の所へ弾き飛ばします。

 ────シュバッ!

《少女》は【蔓ネット】に絡まり【ヒトバサミ】の方へとよろけます。

「キャッ、なにこれ……絡まってる……」

【ヒトバサミ】を作動させます。

 ────クワシャッ!

「あ……なにこれ……こわい……やだ」

《少女》を挟み込みました。私は、彼女にゆっくりと、蔓を振り回しながら近づきます。

「え、ええええ! これ、さっきの食虫植物? 親玉? なによこれ……噓でしょ!」

 彼女は恐怖しています。強がっていた表情は、恐怖におびえる顔に変化します。

「わ、私をどうするつもりなの? まさか……食べる気? お願いだから、やめて!」

 食べるに、決まっています。あなたは私の大事な食事なのですから……。

【捕獲】で《少女》を縛り付け、花の口へ持っていきます。

「助けて! プロミス! いやああぁぁぁぁ!」

 い・た・だ・き・ま・す!

 ────パクッ。


 小さくて食べやすいのですが、すこし薬臭いです。それがなければおいしいと思うのですが……。それでも食事には変わりありません。かむほどに不愉快な気分が和らいでいきます。何か薬の効果があるのかもしれませんね。


 次の日、また《少年》がやってきました。

「これで、最後かな」

《少年》は、いつもの謎の液体をかけてくれます。もう、私の体も全快したといっていいでしょう。だからといって大きくなったら、《少年》はびっくりして、逃げてしまうことぐらいはわかっているつもりです。これまでもそうでしたから……。

「あとは、こっちか」

《少年》は白百合の咲いている場所へいきました。白百合は、へなへなになって倒れていました。

「やっぱり、体だけが大きくなって、栄養が回らないんだね」

 彼は、バッグから、ハサミとスコップを取り出しました。ダメになった茎を切断し、穴を掘って球根を取り出します。

「僕が、ちゃんと育つところに植え替えておくから安心してね」

 そういうと《少年》は、球根を紙で包み、バッグにしまいました。

「亡命……か……今の僕には何もできない……せめて、兄さんが生きていてくれたら……。しかし、メアリーはいったいどこへいったのだろう……」

 そして、また私の所に、ゆっくりと近付いてきます。

「もう、ここにはこれなくなるけど、君はもう大丈夫そうだね。最後まで、何の植物かはわからなかったけど…………僕もまだまだ知らないことだらけだ。もっと勉強しておくことにするよ」

 そう言って《少年》は、ゆっくりとこの場を離れて行きました。

 最後なら、食べてしまおうと考えましたが、なぜだか食べてはいけない……そんな気がしました。むやみに食べてはいけない、ということなのでしょうか……。また、食あたりするのは嫌ですからね。


LVUP!LV65《シュカ》(HP6500/6500:TP3250/3250)範囲 4500メートル

《スキル》
【種類】TP:使用ポイント

LVUP!【食事】TP:0(LV7)食事速度上昇。
【甘い香り】TP:0(LV4)効果範囲上昇。
【捕獲】TP:10(LV5)蔓の捕縛力、ダメージ上昇。
【ヒトバサミ】TP:100(LV5)設置型のトラップ。捕縛力、ダメージ上昇。
【移動】TP:(LV4(4メートル:1))移動距離上昇。
【複製】TP:50(LV5)複製物が強い場合、70%の力を再現できる。武器複製可。
【茨の篭】TP:200(LV4)捕縛力、ダメージ上昇。
【毒の霧】TP:50(LV4)%ダメージ。1秒につき0.4%。幻覚作用有。
【樹液】TP:100(LV2)驚異の粘着力。【甘い香り】付。
【マンドレイク】TP:100(LV2)TP:100(LV2)大きな悲鳴を上げる。近くにいる敵の体力を少し減らす。
【樹木落とし】TP:500(LV1)空から樹木が落ちてきます。(設置1分弱。個数最大1・クールタイム10分)
【収縮】TP:200(固定)TP:200(固定)クールタイムは解除後から半日。
【蔓ネット】TP:100(LV2)蔓でできたネットの射出。威力、範囲上昇。

【エナジークリスタル x 170】
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