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人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~
青装束の男
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私は、【複製】で《マリー》を複製し、青装束の男に話しかけました。
「止まるのです! あなたは一体、何者ですか!」
青装束の男は立ち止まり、礼儀正しい素振りで答えました。
「これはこれは、お美しい……《人食い花》様。私は怪しい者ではございませぇん。ある方の使いであなたの者へ参りましたぁ。本業は、闇商人をしておりまぁす。名を《アズール》と申しまぁす」
すでに怪しさたっぷりなのですが……。複製体の《マリー》には目もくれず、私を直接みている時点で、私の正体を知っていることになります。
「ある方の使い? 闇商人? それが、何の用ですか?」
「そんなに警戒なさらずとも結構でぇす。マドモワゼル。ある方とは、あなたもよく知っている方でぇす」
「よく知っている……?」
その時、天の声が聞こえてきました。
「調子はどうだい、物凄い成果を出しているようだね。すでに『エナジークリスタル』を77個も集めているなんて、とても素晴らしい仕事ぶりじゃないか」
「いえいえ……私はただ、本能の赴くままに行動しているだけです」
「もし、不都合なことがある場合はそこにいる男に話をしてくれ。私の使いだ……何も心配はいらない。では、健闘を祈る」
そういうと、声は消えてしまいました。青装束の男は、天の声の使いだったのですね……安心しました。
「どうやら、わかっていただけたようですねぇ。それでは、この私《アズール》のお話を聞いてくださぁい」
私は、《マリー》を花の上に座らせ、話を聞く態度を取らせました。この方が、《アズール》さんも、話しやすいでしょう。
「あなたが今、集めている『エナジークリスタル』ですがぁ、いつく集めたらいいかわかりませんよねぇ。ズバリ、666個でぇす! 先はまだ長いですがぁ、あなたなら十分たどり着けるでしょう」
「666個ですか……確かに先は長そうですね。でも、きっと大丈夫です。私、長く生きれると思いますから」
「そうですねぇ。実にいい心がけでぇす。そういえば、最近、自分に変わったことはありませんでしたか? 変なものを食べてお腹を壊したとか」
《アズール》は、青い半透明の小さなガラス板を懐から取り出し、それをなぞって見ていました。
「変わったことですか……いえ、特には……。そういえば、食べられない妖精がいました」
「そうですかぁ。たまに、そういうのもありますねぇ……なければいいんですよぉ、なければ」
もしかして、《マナの実》のことを言っているのでしょうか…………まあ、あまり大したことじゃなかったので言わないことにしました。
「では、ここからは私の本業の話なのですがぁ、666個集めるのは、大変長い道のりでぇす。長い道のりには保険って必要ですよねぇ。あなたぐらいの力があれば、そんなものは必要ない。と思うかもしれませぇん。でも、あったら便利というアイテムが存在するんですよぉ。もっと効率的に、かつ、安心を得るためのアイテムでぇす」
「そうですか、そんなものが」
「興味でましたかぁ、じゃあ、ちょっとだけお見せしましょう」
《アズール》は、指をパチッと鳴らしました。すると、何もない空間から風呂敷のようなものがでてきました。そして、それを私の目の前で広げます。すると、3つの商品が出てきました。
《アズール》は、その風呂敷の中のアーモンドのような種を手に取り、説明を始めます。
「ここにありまするは、『ダミーの種』! あなたのダミーを作りまぁす。もしもあなたがピンチな時に、これをつかえば、相手の目を引くことができるでしょう!」
次に、青い玉を手に取りました。
「ここにありまするは、『複製玉』! あなたの使用しているスキルの【複製】と同じ効果がある代物でぇす。TPを消費しませんし、クールタイムも関係ありませぇん! 複製体に持たせることも可能でぇす!」
そして、のこりの灰色の玉を手に取ります。
「最後に……これは、『煙玉』! …………ただの煙玉ですが……。しかーし! 必需品には間違いない! 使い方はこうでぇす! 追いかけられる私! ピンチ! しょうがない、ここで『煙玉』! そして、煙に紛れて『ダミーの種』! さらに足止め用に、食べたことのある屈強な獲物を『複製玉』で生成! 私! 見事に逃亡でぇす!」
《アズール》は、ジェスチャー混じりで熱く語っていました。
「どうですか? マドモアゼル」
「なんとなく、わかりました。命は大事ですからね。でも……その対価は安くはないんでしょう……?」
「いいえ! 安心してください! 『危ないときの必需品セット』今なら『エナジークリスタル』5個のところを、な、なんと! 3個! このチャンスに試してみてはどうですかぁ? マドモアゼル」
「そうですね……。じゃあ、2セットほどよろしいでしょうか」
「ありがとうございまぁす! どうぞ、これからも、この闇商人《アズール》をよろしくお願いいたしまぁす!」
「いえいえ、こちらこそ」
なんとなく、勢いに負けて買ってしまいましたが……悪いものではないのでよしとしましょう。
「では、またお会いする日を楽しみにしておりまぁす。マドモアゼル」
「あの、ちょっと……」
「なんでしょう」
「いえ、なんでもありません」
「それでは、ごきげんよう!」
青装束の男は、元気よく去ってしまいました。
《アズール》さんを味見してみたかったんですけど、天の声の使いの方を味見なんてしたら、怒られますよね……。
【エナジークリスタル × 71】
所持品追加
『煙玉』×2
『ダミーの種』×2
『複製玉』×2
「止まるのです! あなたは一体、何者ですか!」
青装束の男は立ち止まり、礼儀正しい素振りで答えました。
「これはこれは、お美しい……《人食い花》様。私は怪しい者ではございませぇん。ある方の使いであなたの者へ参りましたぁ。本業は、闇商人をしておりまぁす。名を《アズール》と申しまぁす」
すでに怪しさたっぷりなのですが……。複製体の《マリー》には目もくれず、私を直接みている時点で、私の正体を知っていることになります。
「ある方の使い? 闇商人? それが、何の用ですか?」
「そんなに警戒なさらずとも結構でぇす。マドモワゼル。ある方とは、あなたもよく知っている方でぇす」
「よく知っている……?」
その時、天の声が聞こえてきました。
「調子はどうだい、物凄い成果を出しているようだね。すでに『エナジークリスタル』を77個も集めているなんて、とても素晴らしい仕事ぶりじゃないか」
「いえいえ……私はただ、本能の赴くままに行動しているだけです」
「もし、不都合なことがある場合はそこにいる男に話をしてくれ。私の使いだ……何も心配はいらない。では、健闘を祈る」
そういうと、声は消えてしまいました。青装束の男は、天の声の使いだったのですね……安心しました。
「どうやら、わかっていただけたようですねぇ。それでは、この私《アズール》のお話を聞いてくださぁい」
私は、《マリー》を花の上に座らせ、話を聞く態度を取らせました。この方が、《アズール》さんも、話しやすいでしょう。
「あなたが今、集めている『エナジークリスタル』ですがぁ、いつく集めたらいいかわかりませんよねぇ。ズバリ、666個でぇす! 先はまだ長いですがぁ、あなたなら十分たどり着けるでしょう」
「666個ですか……確かに先は長そうですね。でも、きっと大丈夫です。私、長く生きれると思いますから」
「そうですねぇ。実にいい心がけでぇす。そういえば、最近、自分に変わったことはありませんでしたか? 変なものを食べてお腹を壊したとか」
《アズール》は、青い半透明の小さなガラス板を懐から取り出し、それをなぞって見ていました。
「変わったことですか……いえ、特には……。そういえば、食べられない妖精がいました」
「そうですかぁ。たまに、そういうのもありますねぇ……なければいいんですよぉ、なければ」
もしかして、《マナの実》のことを言っているのでしょうか…………まあ、あまり大したことじゃなかったので言わないことにしました。
「では、ここからは私の本業の話なのですがぁ、666個集めるのは、大変長い道のりでぇす。長い道のりには保険って必要ですよねぇ。あなたぐらいの力があれば、そんなものは必要ない。と思うかもしれませぇん。でも、あったら便利というアイテムが存在するんですよぉ。もっと効率的に、かつ、安心を得るためのアイテムでぇす」
「そうですか、そんなものが」
「興味でましたかぁ、じゃあ、ちょっとだけお見せしましょう」
《アズール》は、指をパチッと鳴らしました。すると、何もない空間から風呂敷のようなものがでてきました。そして、それを私の目の前で広げます。すると、3つの商品が出てきました。
《アズール》は、その風呂敷の中のアーモンドのような種を手に取り、説明を始めます。
「ここにありまするは、『ダミーの種』! あなたのダミーを作りまぁす。もしもあなたがピンチな時に、これをつかえば、相手の目を引くことができるでしょう!」
次に、青い玉を手に取りました。
「ここにありまするは、『複製玉』! あなたの使用しているスキルの【複製】と同じ効果がある代物でぇす。TPを消費しませんし、クールタイムも関係ありませぇん! 複製体に持たせることも可能でぇす!」
そして、のこりの灰色の玉を手に取ります。
「最後に……これは、『煙玉』! …………ただの煙玉ですが……。しかーし! 必需品には間違いない! 使い方はこうでぇす! 追いかけられる私! ピンチ! しょうがない、ここで『煙玉』! そして、煙に紛れて『ダミーの種』! さらに足止め用に、食べたことのある屈強な獲物を『複製玉』で生成! 私! 見事に逃亡でぇす!」
《アズール》は、ジェスチャー混じりで熱く語っていました。
「どうですか? マドモアゼル」
「なんとなく、わかりました。命は大事ですからね。でも……その対価は安くはないんでしょう……?」
「いいえ! 安心してください! 『危ないときの必需品セット』今なら『エナジークリスタル』5個のところを、な、なんと! 3個! このチャンスに試してみてはどうですかぁ? マドモアゼル」
「そうですね……。じゃあ、2セットほどよろしいでしょうか」
「ありがとうございまぁす! どうぞ、これからも、この闇商人《アズール》をよろしくお願いいたしまぁす!」
「いえいえ、こちらこそ」
なんとなく、勢いに負けて買ってしまいましたが……悪いものではないのでよしとしましょう。
「では、またお会いする日を楽しみにしておりまぁす。マドモアゼル」
「あの、ちょっと……」
「なんでしょう」
「いえ、なんでもありません」
「それでは、ごきげんよう!」
青装束の男は、元気よく去ってしまいました。
《アズール》さんを味見してみたかったんですけど、天の声の使いの方を味見なんてしたら、怒られますよね……。
【エナジークリスタル × 71】
所持品追加
『煙玉』×2
『ダミーの種』×2
『複製玉』×2
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