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人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~

男と女

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 あれから三日が過ぎました。すると、二人の人間がやってきました。久しぶりのごちそうなので、【ヒトバサミ】を仕掛けておこうと思います。

「《マリー》! いるのー! 《カルロス》! おじいさーん!」

「おーい! 《マリー》! おーいー!」

 一人は、金髪の簡素な衣装を着た女、もう一人は茶髪のチャラそうな貴族かぶれな服装をしている男でした。

 二人は、獣道をゆっくりと歩いています。そして、おどおどしながら周囲を見回していました。

「やっぱり、もう死んだんじゃないか?」

「生きてたらどうするのよ、それに、《マリー》はあなたの子なのよ」

「また作ればいいさ」

「何よそれ……でも、そんなあなたが好きよ、《ジェイク》」

「ああ、俺も好きだ! 《マリアンヌ》! 《カルロス》なんかにはもったいない」

「そんなこといって、あのおじいさんの財産が目当てなんでしょ」

「違うよ、それはお前の次に大事なものだ」

「ありがとう……もう、死んじゃったことにしていいかな」

「死体が見つからないのが気になるけど……ビッグベアーでも食べられたか」

「そうだと……いいわね……」

 森の中で、獲物の二人は抱き合いました。なんて幸せそうな二人なのでしょう……。

 幸せを見せつけてくれた褒美に、ちょっとしたサプライズをしてあげる事にしました。【複製】スキルを使って《マリー》を出現させます。

 ヒョコッと二人の目の前に姿を晒させます。二人はマリーに気がつきました。

「はっ、マ、《マリー》! い、いたのね……ぶ、無事でよかったわ」

「おかあさん!」

「おじいさんは? おとうさんは?」

「おじいさんはね、食べられちゃった」

「おとうさんは?」

「そこにいるよ」

《マリー》は、男に指を向けました。

「え、やっぱり……聞いていたのか?」

 男は慌てています。女は動揺しています。

「そ、そうね……本当の……おとうさんよ……じゃあ、《カルロス》は?」

「食べられちゃった」

「何に食べられたの」

「私に食べられちゃった」

「私って?」

「わ・た・し」

《マリー》の複製体は私の体の一部です。私が操っています。なので、数倍の力を出すことができます。複製体の《マリー》に女の腕をつかませ、グイグイと引っ張ります。

「え……ちょっ……放してよ《マリー》」

「助けて! 《ジェイク》!」

「あ、ああ……《マリー》! やめないか!」

「ああ、だめ! 腕が……引きちぎられそう……」

 男が、《マリー》に近寄ってきます。ついでに男の腕もつかみます。

「《マリー》! 何をするんだ!」

《マリー》は、男の腕と女の腕をつかみ、その手の平を合わせてあげました。

「仲良し夫婦」

 そう言って《マリー》は、二人に満面の笑みをプレゼントします。

「マ、《マリー》。知った上で、私を許してくれるの……」

「俺を……父と認めてくれるのか!?」

 …………しばらく沈黙が続きました……そろそろいいでしょう……。

 ────クワシャッ!

【ヒトバサミ】を作動させました。今回はダブルヒットです! 一つの仕掛けに二人かかりました!

 二人はもがきます。ですが、その程度では罠からは脱出できません。

【パッシブスキル・エナジークリスタル】の効果で体力がスムーズに減っていきます。

「な、なんだこれは! ち、力が抜ける!」

「ジェ、《ジェイク》……助けて……」

「頼む、助けてくれ! なんでもする! だから、だれか! 俺だけは助けてくれ!」

「《ジェイク》!?」

 体力ゲージが黄色になりました。頃合いです。

 い・た・だ・き・ま・す!

 ────パクッ。


 花の中に二人を放り込みました。男と女のミックスです。かめばかむほどに二人の愛が混ざり合い、すてきな味をかもしだします。

 クズのような人間二人が、クズ以下になる前に私の中で一つになる。それは、とても素晴らしい奇跡です。

 そうです、人間だからいけないのです。人間でなくなってしまえば……。

【エナジークルスタル数 x 2】
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