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 ぼくは町へ出た。

 そして、さっきの不良がいた所に行った。

「なんだおまえ、またお金もってきてくれたのか」
「ちがう、お金返して!」

 さっきの声の言うことが本当なら、こいつらは滅びるはずだ。

「おまえ、なめてんじゃねーぞ」

 不良のパンチはぼくの顔を殴った。

「痛っ!」

 ……というのは、ぼくのはずだった。
 けれど、叫び声を上げたのは、ぼくを殴ったはずの不良だった。

「てめえ、何をした!」

 何をしたと言われても、ぼくの両手は服のポケットの中だ。
 何もできるはずがない。

 そして、殴られたぼくは、痛くもかゆくもなかった。
 かわりに不良が苦しがっていた。
 もしかして、これがぼくの能力なのだろうか。

 次に不良は、ナイフを出した。
 そして、そのナイフで僕の腹を刺しにきた。

 ──よけられない!

 ナイフはぼくの腹にに突き刺さった。

「グアアア!」

 でも、ぼくのお腹は痛くなかった。
 代わりに不良のがお腹を抱えて苦しんでいた。
 しかも、血が噴き出している。

 ぼくは、この能力がなんなのかを知った。
 ぼくにされた事が、相手に反射する。

 ぼくは、この能力の名前を考えた。

「ダメージ反射」

 なんだか、かっこいい。
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