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番の介抱
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夢うつつの中、目を開けると全身が筋肉痛のようで動かなかった。残念なことに痛み止めの効力は既に切れてしまっていた。
水が飲みたくなりベッド脇のテーブルに手を伸ばそうとするも、手が上がらない。
これは夢なのかもしれないと思い、ウトウトと眠りに落ちた。
次に目を覚ました時には、やはり身体が重く動かせなかったので、不安が走った。
身体がおかしい・・・痛い。
レイド様はどこにいるんだろう。会いたい。
今、何時なんだろう・・・。
アーシェンが一人で泣きそうになっている時、ノックがあった。
「アーシェン様、起きていらっしゃいますか?」
ユニスの声だ。
「昼食をお持ちしたのですが、開けていただけますか?」
昼食ということは、もう昼なの?
寝過ごしてしまったので、視察において行かれてしまったのね・・・。
「ありがとう・・・そこに置いて・・・」
全身の痛みとだるさで上手く発声ができない。
聞こえないのか、ユニスは同じことを繰り返した後、去って行ってしまった。
結界を張ってしまったので、誰も入れないのだ。
どの位時間が経ったのか、次に起きた時には毛布にグルグル巻きにされ、レイドの腕の中で馬車に揺られていた。アーシェンがぼんやりと見上げていると、気がついたレイドがほっとした顔で、溜め息をつくように言った。
「目が覚めてよかった。医者を呼ぼうかと思っていた。身体は辛いか?」
「・・・いいえ」
「もうすぐ次の宿に到着するから、もう少しの辛抱だ。今日は一緒にいられなくて悪かった。許してくれ」
アーシェンの額に唇をつけると、大事そうに抱え込んで、宿の部屋まで運んでくれた。
寝室で水を飲ませて貰いカラカラだった喉が潤う。
今でも全身と特に下腹部がズキズキと痛むので、浴槽に熱めの湯を張ってもらい、一人でゆっくり浸かった。
「温かい・・・」
今日は1日寝てしまい、そのせいで朝の出発予定が夕方に変更された。視察に出てまた夕方にアーシェンを迎えに同じ道を戻って来たのだ。
大勢の人に手間と時間を取らせてしまった。
血行が良くなったのか少し動けるようになった。
今朝は風呂に入れなかったので、一日に二回沐浴する清潔好きなアーシェンは自分の匂いが出てないかを気にしていた。歯を磨いたり、足の指から耳の中まで全身くまなく洗っていると、股の間から何やら白い液体が流れ出てくるのを見つけて青くなる。
「何、これ・・・うそ。レイド様、レイド様」
悲しみのあまりレイドを呼ぶと、すぐにドアが開いた。
「アーシェンどうした、やはり具合が」
「ごめんなさい。子種が出てしまったの。せっかく昨日入れていただいたのに、あんなに苦労したのに、ごめんなさい」
いきなり裸のまま、はうはうと泣き出した少女に、レイドは慌てた。見るとアーシェンの白い足の間から、昨夜自分が注いだ精液が垂れてきている。
「アーシェン。これはここに入りきらなかった分だ。毎回出てくる余分な物だから安心していい」
レイドはアーシェンの下腹部に手をあて説明をした。
「・・・全部入らないのですか?」
「ああ、その、強い種だけが入る。残りのは不要物と言うか、残骸と言うか、しばらくしたら身体から出さないといけない」
「そうでしたか・・・私、何も知らなくてご迷惑ばかりおかけして・・・」
「いや、初めてなら知らなくて当然だ。とりあえずここをきれいにしよう。昨日から入れっぱなしは健康に良くない。きちんと掻き出すから、足を開いて」
「はい」
純粋無垢な番に性教育を教える変態狼。
レイドはアーシェンの両足を長椅子の上で割り開かせると、己の精液がそこから垂れ出てくる様子を眺めている。
「これは最高にいやら、いい光景だ」
「・・・あまり見ないで・・・」
「ちゃんと出るところを確認しないと心配だ」
蜜口に顔を近づけ指で中の物を掻き出していくと、昨日の今日で痛いのか、アーシェンは声を上げて眉間に皺を寄せた。大変いい眺めだが痛そうなので、これ以上の行為は断念する。
湯で洗った後は夕食時までベッドでくっついて、いちゃいちゃしていた。
「君は言うことやることが可愛すぎて、俺の下半身がもたない」
「はい。申し訳ございません・・・」
自分の忍耐力のなさを番のせいにする狼と、よく理解していない番。
ベッドの上でちゅっちゅっとしていたら、アーシェンのお腹がきゅるきゅると鳴った。
恥ずかしそうに俯く番を、レイドはひょいっと腕に抱いた。
「そろそろ夕食部屋に行こう」
「自分で歩けます」
「ダメだ。まだ体調が悪い」
変態狼のせいで、昨日の昼から何も食べていなかったアーシェンは夕食時に珍しく完食をした。
水が飲みたくなりベッド脇のテーブルに手を伸ばそうとするも、手が上がらない。
これは夢なのかもしれないと思い、ウトウトと眠りに落ちた。
次に目を覚ました時には、やはり身体が重く動かせなかったので、不安が走った。
身体がおかしい・・・痛い。
レイド様はどこにいるんだろう。会いたい。
今、何時なんだろう・・・。
アーシェンが一人で泣きそうになっている時、ノックがあった。
「アーシェン様、起きていらっしゃいますか?」
ユニスの声だ。
「昼食をお持ちしたのですが、開けていただけますか?」
昼食ということは、もう昼なの?
寝過ごしてしまったので、視察において行かれてしまったのね・・・。
「ありがとう・・・そこに置いて・・・」
全身の痛みとだるさで上手く発声ができない。
聞こえないのか、ユニスは同じことを繰り返した後、去って行ってしまった。
結界を張ってしまったので、誰も入れないのだ。
どの位時間が経ったのか、次に起きた時には毛布にグルグル巻きにされ、レイドの腕の中で馬車に揺られていた。アーシェンがぼんやりと見上げていると、気がついたレイドがほっとした顔で、溜め息をつくように言った。
「目が覚めてよかった。医者を呼ぼうかと思っていた。身体は辛いか?」
「・・・いいえ」
「もうすぐ次の宿に到着するから、もう少しの辛抱だ。今日は一緒にいられなくて悪かった。許してくれ」
アーシェンの額に唇をつけると、大事そうに抱え込んで、宿の部屋まで運んでくれた。
寝室で水を飲ませて貰いカラカラだった喉が潤う。
今でも全身と特に下腹部がズキズキと痛むので、浴槽に熱めの湯を張ってもらい、一人でゆっくり浸かった。
「温かい・・・」
今日は1日寝てしまい、そのせいで朝の出発予定が夕方に変更された。視察に出てまた夕方にアーシェンを迎えに同じ道を戻って来たのだ。
大勢の人に手間と時間を取らせてしまった。
血行が良くなったのか少し動けるようになった。
今朝は風呂に入れなかったので、一日に二回沐浴する清潔好きなアーシェンは自分の匂いが出てないかを気にしていた。歯を磨いたり、足の指から耳の中まで全身くまなく洗っていると、股の間から何やら白い液体が流れ出てくるのを見つけて青くなる。
「何、これ・・・うそ。レイド様、レイド様」
悲しみのあまりレイドを呼ぶと、すぐにドアが開いた。
「アーシェンどうした、やはり具合が」
「ごめんなさい。子種が出てしまったの。せっかく昨日入れていただいたのに、あんなに苦労したのに、ごめんなさい」
いきなり裸のまま、はうはうと泣き出した少女に、レイドは慌てた。見るとアーシェンの白い足の間から、昨夜自分が注いだ精液が垂れてきている。
「アーシェン。これはここに入りきらなかった分だ。毎回出てくる余分な物だから安心していい」
レイドはアーシェンの下腹部に手をあて説明をした。
「・・・全部入らないのですか?」
「ああ、その、強い種だけが入る。残りのは不要物と言うか、残骸と言うか、しばらくしたら身体から出さないといけない」
「そうでしたか・・・私、何も知らなくてご迷惑ばかりおかけして・・・」
「いや、初めてなら知らなくて当然だ。とりあえずここをきれいにしよう。昨日から入れっぱなしは健康に良くない。きちんと掻き出すから、足を開いて」
「はい」
純粋無垢な番に性教育を教える変態狼。
レイドはアーシェンの両足を長椅子の上で割り開かせると、己の精液がそこから垂れ出てくる様子を眺めている。
「これは最高にいやら、いい光景だ」
「・・・あまり見ないで・・・」
「ちゃんと出るところを確認しないと心配だ」
蜜口に顔を近づけ指で中の物を掻き出していくと、昨日の今日で痛いのか、アーシェンは声を上げて眉間に皺を寄せた。大変いい眺めだが痛そうなので、これ以上の行為は断念する。
湯で洗った後は夕食時までベッドでくっついて、いちゃいちゃしていた。
「君は言うことやることが可愛すぎて、俺の下半身がもたない」
「はい。申し訳ございません・・・」
自分の忍耐力のなさを番のせいにする狼と、よく理解していない番。
ベッドの上でちゅっちゅっとしていたら、アーシェンのお腹がきゅるきゅると鳴った。
恥ずかしそうに俯く番を、レイドはひょいっと腕に抱いた。
「そろそろ夕食部屋に行こう」
「自分で歩けます」
「ダメだ。まだ体調が悪い」
変態狼のせいで、昨日の昼から何も食べていなかったアーシェンは夕食時に珍しく完食をした。
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