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再訪問
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レイドがイシス国にやって来た。
ノア女王のいつでも訪問を歓迎する。という書簡を受け取った後、通貨と服を持ちすぐに城を出た。
狼になり寝ずに走り続けて3日、イシスの結界内に難なく入り聖泉で体を清め、首に巻いて持ってきた服に着替えた。
他は小さな袋1つ。換金してもらう予定で滞在費とイシスで使用する額を多めに持ってきた。
王宮の方へ歩いて行くと、来訪を予知していたかのように入口にほっそりとした女性が立ってこちらを見ていた。
金の瞳、顎の辺りで切り揃えた金髪、愛しい番に似た美しい顔立ち。若いが高貴な雰囲気で女王だと気づいた。
「レイド皇太子殿下、ようこそいらっしゃいました」
「初めてお目にかかります女王陛下。書簡をいただき、失礼を承知で早速訪問させていただきました」
「本当に3日で来るなんて、さすがですわ。愛の力ね」
ニコニコと話す気さくな方だ。
女王なら30才は超えいるはずだが、どう見ても20才位でアーシェンの母というより姉のようだ。
「そうそう、入国した男性には出国までの間、こちらの腕輪を付けていただくことになっているの」
細い銀色の腕輪を左腕に装着された。軽量で感覚がないので、気にならない。犯罪防止か不法滞在防止用か何かだろうと思ったが、後になって初日の夜に発情処理をしている時に気がつく。
これは女性国家イシスが開発した、男の子種保存用品であると。
「イシスではお好きな所に行かれてください。どうぞ良い滞在を」
「ありがとうございます」
女王の後方から、ずっと聞きたかった声がした。
「レイド様」
サラサラの黒髪を揺らして、黒曜石のような瞳で見つめながら、こちらに駆けてくる。
世界で一番美しい俺の番。
「アーシェン!」
2人して駆け寄り、抱き合う。
柔らかい体、脳を麻痺させる香りにクラクラして、思わず口づけてしまった。
「アーシェン、会いたかった。おかしくなりそうで会いに来てしまった」
「私もお会いしたかったです。とても」
ノア女王はそんな2人に微笑みながら
「せっかく再会したのだから、夕食まではゆっくり二人でお過ごしください。中庭にお茶と軽食が用意してあります。お部屋はアーシェンに案内してもらってください」
王宮内は人がいないので、ご安心ください。と意味深な言葉を残し去って行った。なんてありがたい配慮だ。
「お疲れでしょう?」
手を繋ぎ、中庭に案内してくれた。
番の姿を久しぶりにじっくり見ることができ、嬉しい反面驚てしまった。
グラーツで離れてから一年も経っていないのに、顔つきも体つきも雰囲気も、大変女性らしくなっている。どうなっている。
これは危険だ。
「お茶をどうぞ」
せっかく淹れてくれたのだが、飲まずにカップを置いた。堪らず抱き寄せ、素早く口づける。
舌を少し入れると、もう止まらなくなってしまい舌を絡ませ吸いつき、口内を舐めまわし、こんな少女にするべきではない、激しい深い口づけを長く続けてしまった。
会って早々、発情したのだ。
「ふっ、はあ、ああ」
アーシェンは首筋まで真っ赤にして、されるがままだった。
ノア女王のいつでも訪問を歓迎する。という書簡を受け取った後、通貨と服を持ちすぐに城を出た。
狼になり寝ずに走り続けて3日、イシスの結界内に難なく入り聖泉で体を清め、首に巻いて持ってきた服に着替えた。
他は小さな袋1つ。換金してもらう予定で滞在費とイシスで使用する額を多めに持ってきた。
王宮の方へ歩いて行くと、来訪を予知していたかのように入口にほっそりとした女性が立ってこちらを見ていた。
金の瞳、顎の辺りで切り揃えた金髪、愛しい番に似た美しい顔立ち。若いが高貴な雰囲気で女王だと気づいた。
「レイド皇太子殿下、ようこそいらっしゃいました」
「初めてお目にかかります女王陛下。書簡をいただき、失礼を承知で早速訪問させていただきました」
「本当に3日で来るなんて、さすがですわ。愛の力ね」
ニコニコと話す気さくな方だ。
女王なら30才は超えいるはずだが、どう見ても20才位でアーシェンの母というより姉のようだ。
「そうそう、入国した男性には出国までの間、こちらの腕輪を付けていただくことになっているの」
細い銀色の腕輪を左腕に装着された。軽量で感覚がないので、気にならない。犯罪防止か不法滞在防止用か何かだろうと思ったが、後になって初日の夜に発情処理をしている時に気がつく。
これは女性国家イシスが開発した、男の子種保存用品であると。
「イシスではお好きな所に行かれてください。どうぞ良い滞在を」
「ありがとうございます」
女王の後方から、ずっと聞きたかった声がした。
「レイド様」
サラサラの黒髪を揺らして、黒曜石のような瞳で見つめながら、こちらに駆けてくる。
世界で一番美しい俺の番。
「アーシェン!」
2人して駆け寄り、抱き合う。
柔らかい体、脳を麻痺させる香りにクラクラして、思わず口づけてしまった。
「アーシェン、会いたかった。おかしくなりそうで会いに来てしまった」
「私もお会いしたかったです。とても」
ノア女王はそんな2人に微笑みながら
「せっかく再会したのだから、夕食まではゆっくり二人でお過ごしください。中庭にお茶と軽食が用意してあります。お部屋はアーシェンに案内してもらってください」
王宮内は人がいないので、ご安心ください。と意味深な言葉を残し去って行った。なんてありがたい配慮だ。
「お疲れでしょう?」
手を繋ぎ、中庭に案内してくれた。
番の姿を久しぶりにじっくり見ることができ、嬉しい反面驚てしまった。
グラーツで離れてから一年も経っていないのに、顔つきも体つきも雰囲気も、大変女性らしくなっている。どうなっている。
これは危険だ。
「お茶をどうぞ」
せっかく淹れてくれたのだが、飲まずにカップを置いた。堪らず抱き寄せ、素早く口づける。
舌を少し入れると、もう止まらなくなってしまい舌を絡ませ吸いつき、口内を舐めまわし、こんな少女にするべきではない、激しい深い口づけを長く続けてしまった。
会って早々、発情したのだ。
「ふっ、はあ、ああ」
アーシェンは首筋まで真っ赤にして、されるがままだった。
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