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小ちゃいマーヤは冴えている?

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 その頃、僕らの天使マーヤは…

 おねむだった。


 大人たちの難しい話しを聞かせる訳にもいかず、町長宅の別室で寝かさせてもらっていた。


 すでにうとうと、間も無く夢の中に…


 「ヒヒーン」

 「エイジくん、あとよろ!」


 (( _  _ ))..zzzZZ?

 いま、カンナママの声と、ガーくんの「いってきます!」がきこえたよ?


 途端に目が醒めて、辺りを見渡すマーヤ?

 最初のウチはのメイドさんが寝かし付けてくれていたが、マーヤが寝息をたてだしたのでちょっと退室しているらしい?


 「ガーくん、ママ…?」

 お寝ぼけながら、部屋を抜け出し外へ出て見ると、カンナママはガーくんに乗って、何処かに行ってしまった後だった。

 「あ、マーヤ!」

 「エイジにぃに、ママどこいったの?」

 ちょっと涙ぐんでる妹分、泣かない様に気をつけないと?

 「カンナ姐さんは兄貴たちを迎えに行ったのさ。

 すぐ、帰ってくるから中で待ってようゼ?」

 「…おむかえ?

 あっ!

 ソレ、カンナママのうでわ!」


 「ああ、なんかあったら使えって姐さんが…でも、使い方がわかんね?

 優しい魔神がどうとか?」


 「優しいマジン…さん?」


 …はぁい、呼んだぁ…


 「…ん、だれ?」

 「ん、どうした、マーヤ?」


 今、誰かの声がした?

 たしかにマーヤには聞こえた?

 時々、聞いていた気もする?


 「あのね、いまね、こえがきこえたの!

 だれだか、わからないの?

 でも、おへんじしたの!」

 

 「声かぁ?

 まさか、コレか?」

 ついブレスレットを見てしまったエイジ⁈


 「!

 エイジにぃに、ソレかして!」


 ヤバ!

 マーヤがブレスレットに興味を持ってしまった⁈

 下手に渡して壊したりしたらマズい!

 …でも、実際ナニも起こらないしなぁ?

 ココはマーヤにブレスレットを渡し、機嫌を取って寝かし付けよう。


 「ほら、姐さんのブレスレット。

 持っててイイから、ベッドに入ってな?」

 「うん、あがとう、にぃに!」

 マーヤに渡すとぬいぐるみでも抱くかの様にぎゅーと抱きしめてる。

 同じ歳の幼児に比べたら、しっかりとしている様だけど、やっぱりこういうところは年相応だな?


 ん…なんか、喋ってるな?

 アレか、ぬいぐるみとお話しするみたいな?




 「うん、そう!できる、マジンちゃん?」

 はぁ、魔神ちゃん?


 「マーヤ、ナニ言ってんだ?」

 「にぃに、いってきま~す!」


 ぱっ!


 マーヤが消えた?

 「…えっ?

 えぇーーっ!」

 

 




 ぱっ!


 「わぁ、ほんとだ!

 ほんとにもりにこれたね!」


 
 なんとマーヤは、魔の森に瞬間移動していた!


 「マジンちゃん、ママやメイメイちゃんたちはどこにいるかな?」
 

 …コッチに誰かたくさん居るよ、ソコに行ってみようよ?


 「じゃあ、いってみよ?

 タケルおにいちゃんかも?」


 …その前に、落とすといけないから、ブレスレットをちゃんと腕に通してね。


 「でも、マーヤにはコレ、おおきいよ?」


 …大丈夫、ちゃんとサイズは直すから。


 「わぁすごい!

 マーヤのてに、ぴったりになったよ?」


 …コレで、失くさないね?

 じゃあ、もう一回するよ!


 次にマーヤが姿を現したのは地下遺跡の巨人ゴーレムの前だった。


 「ん?

 あっ!メイメイちゃんだ!」

 「えっ、マーヤ⁈」



 …ココには、不思議なチカラに溢れているよ?

 魔力とは違うなチカラ…

 …でも、優しい感じがするよ。


「ほんと、マジンちゃん?

 おっきな

 こんにちは、はじめまして!

 マーヤです!」


 「…開発No.0013 対災害サポート機人 ファイタス・アンカー データ復旧中…」


 「ふぁい…?アンカー?

 …じゃあ、アーくんだね?

 よろしくね、アーくん!」


 メイメイに続いて、マーヤも最強のカードを手に入れたかも?


 「…マーヤもメイメイも…

 挨拶って、本当に大切だよな?」


 俺も誰かに話しかけようかな、そんな事を考えているタケルなのでした。


 「あの小さなお嬢さんは君たちのお仲間かい?

 彼女はなのかな?」


 「いや、ただ話しかけてるだけだ。

 そもそも、そんな当たり前で簡単な事、誰でもやってるだろ?

 挨拶は人付き合いの基本だからな!」


 「普通に考えて、朽ち果てたゴーレムに話しかけるのは、多分君らだけだよ?」


 「多分なんだけど剛田さん、コイツらロボットだぜ?

 分かってる?」

 日本の男の子がロボを見て興奮しない訳がない!

 「…いや、万博のハリボテかと思っていたから?

 本当にロボットなんだね?

 だとすると…

 戦力として、各国が放っておかないだろう?」
 

 「戦力かぁ?

 彼ら、戦闘用じゃないぜ。

 災害救助や復興作業をサポートする目的で作られたみたいだぜ?」


 「その能力、武力に転用出来るだろ?」


 剛田さん、割と冷めてるな?

 「人に危害を加える様な命令は聞かないかもよ?」


 知らんけど、そうだと思う。

 最初に話したロボット、メイメイが「ナックル」と呼び始めた機体。

 彼は両腕の拳がボクシングのグラブを連想させる様な形状で、救助活動の妨げになる瓦礫や巨石を瞬時に取り除く為、その拳は触れた物質の分子構造を分解する「共鳴振動」を発生し、ボクサーの様に障害物を連打、破壊する。

 武器に転用は可能だろうけど、戦争のとして命令を聴くか?


 「もうアーくんはおともだちね!」


 「…オトモダチ…マーヤと 

 了解。」


 幼女と友達になる重機ロボット


 「こりゃ、無理そうだぜ?」


 「その様だね。

 一つ、確信した事が有るよ。


 彼らは地球、しかも日本製だ。

 デザインも、だけど、

 地震や台風、多種多様な災害に対応したなんて、日本の発想だよ。

 ココは古代遺跡とは、違う様だね。」


 「剛田さん、トラ〇スフォー…、いや剛田さんの時代だと、やっとアニメになって、日本に里帰りしたくらいか?」

 日本のアニメや特撮が海外で大当たりした。

 日本の特撮ヒーロー番組を見た海外の映画監督が触発されて、よく似たデザインのヒーロー映画を作り大ヒットしたとか、知らないだろうなぁ?


 「メイメイは知ってますよ。

 でも、彼らは変形や合体はしないようですけど?」


 残念!



 「ソレにしても、マーヤはどうやってココに来たんだ?」




 
 

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