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やっとエンディングです、相変わらずやりっぱなしですけど。

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 某日

 マリンランドにて。


 俺のここでの仕事はロボ達の様子を見て、適材適所に振り分かる「バイトリーダー」的な事だ。


 『お疲れ様です、五道リーダー。』

 『お疲れ、キャロル。』

 はたして、彼女キャロルが疲れるなんて事があるのだろうか?

 ローテーションで各アトラクションで共に作業して、ロボ達の成長具合を身近で確認する。

 ちなみに俺にはサポート要員として、猫耳の「キャロル」と言う可愛い少女型アンドロイドとペアで職務に務めている。

 舞華さんが見たら、卒倒して抱きしめる様な容姿のアンドロイドで、たとえるならば「パトリシアさん」の様な感じだろう。

 もっとも言わなければ誰も彼女が「アンドロイド」とは分からないが。


 その愛らしい容姿の為か、キャロルは園内でよく声をかけられている。

 『お姉さん、ココのアトラクションにはどう行けばいいの?』

 とか、

 『ねぇ君、仕事が終わったら食事でもどうかな?』

 など?

 (余り酷いナンパには「フェイスオープン」で脅かすそうだ?)



 同型のアンドロイドスタッフが、従業員やお客に混ざって接客したり、警備の一環としてアトラクションを楽しんだりしている?

 
 経験し蓄えた「データー」はそれぞれのアンドロイドスタッフに「リンク共有」されてるのだけど、翔太さん時村博士の様なモノが各アンドロイドに「設定された行動パターン」以外の「個性」を与えているみたいだ。


 『えっとキャロル、「ふれあいアニマル広場」に何故「鋼鉄爆進 タンクロー」が居るのかな?』

 『ハイ、それは…』

 『それは?』

 『本人タンクローの強い希望だからです。』

 
 タンクローは時村邸に居た時に、迷い込んだ子猫を車内お腹の中でしばらく保護していた経験が有るのだとか?

 さすが舞斗の知り合いはこんなエピソードばかりだ?


 まぁ彼が人間なら「気は優しくて、力持ち」の様な見た目なんだろうと思う。

 『本人がソレでいいなら俺は構わないと思うけど、既に子供たちや動物たちがよじ登って「ロボットジャングルジム」化してるんだけど?』

 『ソレが楽しいそうですよ。』

 本当、舞斗みたいなロボットだな?

 下手に動いたら危険だと危惧しているんだが、激流の中でも要救助者数人を無事に運ぶ絶対安定感ビクともしないスゴいヤツなんで暫定的に任せた。

 他に接客スタッフいるしね。



 人と接する事でなる自己学習型AI搭載のロボットやアンドロイドたち。

 

 その内、誰にも知られずに鶴亀町でもアンドロイド店員がいる店とか始めそうだな?

 フードコーナーには今のところ、調理スタッフは人間だけど何れは料理も、あっと言う間に問題無く作れる可愛いコックさんアンドロイドとか…?

 いや、舞華さんの店森の猫さまにいる「たこ焼き屋のシローくん」はアンドロイドらしい?
 
 既に人に紛れてアンドロイド達がしているのか?



 『あ!オーイ‼︎ つーかーさーくーんー!来たよー!』


 『士、妹ちゃんもちゃんと連れてきたぞ。』


 な、なんだあれ?


 舞華さんに五十鈴ちゃんを連れてきてくれると喜んでくれるのでは?

 とは言っていたが、

 何であの馬鹿舞斗が一緒に来ているのか?

 しかも、あのバカ親友は五十鈴ちゃんを肩車とかして「プチ親子」っぽい絵面で来やがりましたよ⁈



 『お、お兄ちゃん、き、来たよ。』

 肩車が楽しかった様に見えなくもないが、高い所が怖そうにも見える?

 
 『うん、いらっしゃい、五十鈴ちゃん。

 舞斗、五十鈴ちゃんが怖そうにしてるから降ろしてくれ。』




 『ん、じゃ俺「ファイタス・ライド・なんとか」に行ってくる!
 後よろしく!』


 気を使ったのか、本気なのか?

 相変わらずはんだんの難しいヤツだな?


 
 『ね!ね⁈ 士くん、お隣にいる女の子は同僚の方ですか?

 ソレとも浮気?』

 『舞華さん、分かってて聞いてるでしょ?

 俺のサポート役のキャロルだよ、青くも黄色くもないけど「猫耳アンドロイド少女」だよ。』


 『うん、知ってたよ!
 でも言ってみたかっただけ、ごめんね、士くん!』

 

 本当、面白がっているな、舞華さんは?
 
 ……おそらく舞華さん俺の彼女は俺の事をな「彼氏」に対する感情で見ていない。

 異性の友達、その中で「特別親しい」人物と言ったところではないかと感じている。

 

 つまり、彼女は「恋愛」に対してはまだまだ未熟お子さまな訳で、

 コレは「恋」とかではない。

 今のところはだけど?

 もちろん俺は「本当の恋」に育てていくつもりだけど。

 
 『アレ、怒っちゃったとか?』

 『いや、浮気したら舞華さんがどんな反応するのか考えたら、
 全く思い浮かばないので、つい熟考していただげだよ。

 試しにどうなるか見たいな?』


 『本当、ごめんなさい!

 もう言いませんから許して下さい!』

 『お兄ちゃん、お姉ちゃんをイジメないであげて。』

 『分かったよ、五十鈴ちゃんに免じてもう言いません。』

 『うぅ~!五十鈴チャンはイイ子だぁ~!』


 『五道リーダー、そろそろのお時間ですね。
 後はワタクシキャロルが引き継ぎますのでお休み下さい。』


 『きゃろるお姉ちゃんも一緒がいい?』

 『私もですか?』

 『だとさ、お客様のリクエストには出来る範囲で応えていかないと…?』

 『人造美少女、確保ぉー!』

 俺の言葉が言い切らない間に、舞華さんがキャロルを軽くしていた?


 『か、かしこまりました。』

 彼女キャロルが人間なら、今頃顔が真っ赤になっていただろう?

 いや、気のせいか、少し赤らんで見えるのは俺がキャロルを人間と同じ様に観ているからだろうか?


 後ろから舞華さんに抱きしめられ、右手を五十鈴ちゃんに握られて、もう逃げられないキャロル。

 『わかりました、今待機中の機体同僚に情報を伝達共有しましたので、ご一緒させて頂きます。』


 キャロル以外にも人間スタッフのサポートをしている少女型アンドロイドがいる、その子達とは別に緊急時用に待機している少女機体達がいるのだ。


 『きゃろるお姉ちゃんはイヌさんとニャンコちゃん、どっちが好き?五十鈴、両方とも好き!』

 『あん!こんな事ならパティも連れて来るんだったよ~!』

 すっかり仲良し・ざ・ワールド発動中の二人に正にの様に愛されているキャロル。

 (いい意味でね。)


 あと、パトリシアさんなら少し離れた所で風船を配っているクマの着ぐるみに隠れてコチラを観てるけど?

 また、スポーツ少年風の服装で?

 隠れてないでコチラに来ればいいのに、何か彼女もてるよな?


 あ、今俺と目が合ったけど?
 

 呼んであげるか?

 『あ、もしかしてパトリシアさんですかぁ~?』


 スゲェー驚いた感じでコチラを見ていたが、観念したのか深々と被っていたキャップを浅く被り直しながらコチラに近づいて来た。

 ん?あのキャップは!


 『パトリシアさん、迷路クリアしたんだ!
 凄いね!』

 『こ、これは皆さま偶然ですね⁈

 私、コチラの「木造迷宮」の噂を聞いて挑戦しにきました!

 わ、私にかかればあの程度は無きに等しく、

 逆に、め、迷路マニアとしては、少し大人気無い事をしたと反省しているくらいです。』

 『へぇ~?パティって「迷路マニア」なんだね?』

 中々厳しい言い訳だけど舞華さんはそれで納得したようだ?

 『ぱてぃお姉ちゃんも一緒に遊ぼうよ?』


 『は、はい!五十鈴お嬢様がお望みなら喜んでお供します!』

 
 このメンバーが揃っているなら、灯火さんのいる屋台コーナーに顔を出さないと後でうるさそうなので、忘れずに立ち寄ろう。


 

 
 またココに来てます!

 今度は小ちゃな女の子とオマケのお兄ちゃんと一緒に!


 お母さんから「フリーパス」をもらったよ?

 なんでも「株主優待制度」がどうとか言っていたけど?

 予定が合えば優斗たちも連れて来たいところだけど、ゲンちゃん優斗の友達に誘われて、少年サッカーの試合の助っ人に駆り出され、二葉ちゃんとリリちゃんは優斗たちを応援するからと付いてったよ。

 思いがけずと合流出来た!今度は思いっきり楽しもうっと。


 邪魔が入らない内にね!
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