猫カフェは探偵事務所ではありません。〜女子高生店長の奮闘記〜えっと、私、彼氏が出来ました。

猫寝 子猫

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エンディングみたいですよ!いいのかな?

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 『お腹すいた、お腹すいた、お腹すいたよー!』


 『ハイハイ、ソレでも食べてて。
 あともう少しだから、ってアンタが引き受けたんでしょ!』



 このところ、仕事場に泊まり込んで注文されたコスプレ衣装を仕上げている「わるぷるKiss」の店長?

 『こんなレトルトの「お粥」なんて返ってよう~⁈』


 副店長の来間さんも今手掛けている衣装が終わるまでやり遂げるつもりなのだけど、


 『この仕事が終わったら、スピカの「特製オムライス」大盛りが食べられるわよ!
 だから、頑張って終わらせなさい!』

 

 出来れば、今日ので着てみたいと言う常連客の急な要望に、



 『大丈夫、大丈夫!超余裕ですよ!』

 なんて安請け合いした店長、後から納期が重なってしまった事に気づいて大慌てしている。


 何とか両方ともに仕上がり、朝一番で受け取りにきた女性客に渡すと、向かいの喫茶店スピカに「モーニングセット」を食らいに駆け込んだ。


 『忙しそうだね、徹夜かい?
 コーヒーサービスしょうか?』

 『ありがと、マスター!愛してる!』


 『馬鹿、マスターに迷惑よ、超美人の奥さんがいるのに!』



 ちょいハイになってる店長?


 サービスのコーヒーをゴクっと飲み干し、落ち着くと、


 『最近朝早くから営業してますけど、まさか私たちの為ですか?』

 スピカは午前11時の開店だったが、最近では朝8時からの営業になり、「モーニングセット」でトーストorサンドイッチを提供している。

 『いや、ほら、そこの公園で「屋台村」が出来たじゃないか?その準備で朝早くからくる屋台の店主さん向け始めたんだ。』


 『へー、そうなんですか、私たちは助かるけど大変でしょ?』


 『いや、どのみちの仕込みで朝早くから準備してるからね。
 開けるか開けないかで、それほど変わらないんだ。
 実際、出勤前のサラリーマンさんが利用してくれてるしね。』


 『商魂逞しいな!』

 『君たちもね。』 



 そこに、

 『蒼!電話貸してくれ‼︎
 スマホ忘れた?
 大至急だ⁈医者を呼べ、チョっぱやで!!』



 『お、落ち着いてよ!
 どうしたの、義兄さん? 
 って、その子どうしたの⁈』


 突如、店のドアを乱暴に開けて、北代家のパパが飛び込んできた。

 この時間だと公園に散歩に来ていたのだろう?


 しかし、今は背中に女の子を担いでいる⁈

 『ビルの裏路地で倒れていた⁈
 行き倒れだ、体温も低そうだし、脈も弱い!』


 『すぐ救急車を呼びます!』


 ひとまず店のソファに寝かせて、

 『新名!毛布を!』

 『ハイ、持ってきたわ。』

 店の様子を察して毛布を持ってくる新名さん。

 『救急車、直ぐ来るそうです!』

 来間さんが自分のスマホで119に連絡してくれたが、

 『この子、もしかしたら隣り町の女子校の生徒かも?』

 と呟いた。

 『顔見知り、店のお客とかかい?』

 『いえ、彼女のローファー、あの学校の子がよく履いているんです。
 学校指定って訳じゃないんですけど、結構なお値段でデザインも人気だし、あの学校の制服を扱っている店舗で販売しているので、制服と一緒に購入する事が多くて…って、聞いた事が有るんです。』

 さすが服屋だ、見ている所が違うな?

 学校帰りに制服では目立つからと、遊び着に何処で着替えても、靴まで履きかえる子は少ない様だ?

 そこを見逃さない補導員もいるけど。

 『ねぇ聞こえるかな?名前言える?もしもーし!』

 少女に大声で必死に呼びかける新名さん!

 口はパクパク動いているが、言葉は聞き取れないくらいに小さい。

 かろうじて意識はある様だが、このままでは不味い⁈

 『ん? この症状は…』

 その時オモテからサイレンの音が近づいてきた!

 『救急車、来たみたいですね! 私、誘導してきます!

 あっ!こちらでーす!』

 来間さん、よく出来た娘さんだ!


 そして、足立くんの姉、恵理子さんも少女の手を、ずっと握っていてくれた!

 『この子、妹と同じくらいなんで…。』


 『お待たせしました!病人は何処ですか⁈』

 『コチラです!』
 救護員数名が店に入り、直ぐさま呼吸を確認したり、脈を測ったりしている、それを見守るオレ達。
 

 『直ぐに病院に搬送します、何方か一緒に来ていただけますか?』

 『じゃ俺が!
 彼女を発見したのは俺ですから!』

 『新名も行きます、女性もいた方がいいでしょ?』

 『では、同乗お願いします!』






 ~それから、

 病院から連絡を受けた地元警察署の刑事が来て、彼女の所持品から身元を確認すると色々調べている?

 俺たちも別の刑事から少女を保護した状況などを聞かれた。


 『そうですか?他に気が付いた事は有りませんか?
 倒れていた側で何か落ちていたとか、誰か不審な人影を目撃したとか?』

 『特には、
 何しろ自分の娘と同じくらいのお嬢さんが真っ青な顔で倒れていたんです!
 一刻も速く助けないと、って気持ちで他の事はわかりませんでした!』

 『そ、そうですか。』

 俺の勢いに押された刑事が、怯んだ隙を見て来間さんから聞いた事を説明する。

 『あの子、近隣の女子校の生徒かも、実は…  』


 『ソレは、有力な情報ですね!早速、問い合わせてみます!』

 走り去る刑事の背中を

「院内は走らずに!」と思いながら見送る。

 『兄さん、私が残ります。兄さんは一度帰ってみんなに状況を説明して来て。』

 散歩をしようと朝の商店街まで出掛けたが、スマホを忘れて陽気なオジサンだもんな?

 家を出てソレなりに時間が経過している。

 おそらく義弟蒼介ウチ北代家に連絡してくれているだろうけど?

 『そだな、悪いけど頼むわ、新名。』

 『ええ、任して下さいな。何か有れば連絡するので。』




 俺は刑事に一度家に戻りたいと説明すると、なんとパトカーで家まで送ってくれた。

 『あ、あの、風間警視正のご友人とは露知らず、大変失礼致しました‼︎』

 若い刑事が緊張しながら話しかけてきた?

 あ、な~るほど。

 『お気になさらず、ガキの頃から一緒に馬鹿をやって来ただけの仲です。いつの間にか、アッチは大出世しましたけどね。』

 お偉いさんの知人に失礼があってはならない、分かるけど緊張し過ぎて事故らないでな!

 『あ、そ、その、自分、子供の頃に「一文字の道場」でお二人にご指導いただいた事があります!』

 あらあら、そうなんだ?

 『立派になられて、嬉しいですよ。』

 『安全運転でお宅までお送りします!』




 実は刑事には悪いが、少女が倒れている側であるモノを拾った。

 
 小さなガラスの小瓶だ。

 よくお弁当に付いていた醤油やソースが入っていた小さな容器ぐらいの大きさで、見ようによっては可愛くも感じる?

 中身はほんのちょっとだけ、蒼い液体が

 その事をにしたのは訳が有る。

 それは、マリンランドで舞華たちが助けた女性と少女の症状が似ている気がするのだ?

 中身は覚醒剤の類いだろうが、普通に警察に提出しても良かったのだが、少し気になる事が有るのだ。


 そう、何か「呪術」的な気配を感じた。

 そんな感じがしただけで真相はわからない?

 ははぁ~ん、なるほどな?

 何か事件性を疑って、病院は刑事たちを呼んだ訳だな?


 後で風間警視正には事情話すとして、コイツ小瓶の中身を調べてくれるか、頼んでみるか?

 オモテには出ないカタチでね。




 少女の家族が病院に来たのは、翌日だったと聞く。

 家族の希望での病院に転院すると言う。

 警察を通して家族から、是非お礼が言いたいと希望されてるので、会う事に。


 ソレにしても、良平さん警視正の名前が出たりと何か有るのか?

 それに、何故少女は羽柴ビルの側で倒れていた?

 何か作為的なモノを意識せずにはいられんぞ?







 『お帰りなさい、お父さん!』
 
 
 『ハイ、ただいま。』



 おと…父が何やら難しい顔して帰ってきた。

 そして、帰って早々に「お風呂」だって⁈

 お疲れなのかな?

 お店古本屋は今日、ちぃちゃんサンに任せるって?

 大丈夫?乗っ取られないかい?




 夏休みは始まって、朝の散歩にお付き合いしてあげようとお誘いすると、

 『ソレこそ、五道君とか誘いなさいな。
 公園でシグマとボール遊びとかしてるんだろ?
 灯火から聞いて知ってるぞ、健全なお付き合いしてるってつまらなそうに話してたぞ?』

 ですって!


 おか…母に聞いたら、

 『お父さんが助けた女の子ね、一度は意識を取り戻したけど、親御さんの顔を見たら泣き出して、又眠ってしまったんですって?

 ご心配してる親御さんや助けた女の子の様子を見て、貴女たちの事に置き換えて考えちゃったのかしらね?』

 もうー!

 お父さんってば!

 ふふふ、よ~し!




 
 『ぷはぁー!しみるぜ~!』

 先日、義弟の順也がどっかの名泉から汲んできた「温泉水」を張った一番風呂に昼間から入る。

 結構贅沢な事だが、そこはと言う事で思う存分堪能する。

 古傷だらけの俺や、風呂好きなのに自分一人では自由に入浴出来ないジィちゃんの為に運んでくる順也には只々感謝だ。


 ウチの風呂場は二つ有る、一つは一般家庭に普及している極々普通の家庭用風呂。

 もう一つが数年前に庭の一角にした「大家族風呂」だ!

 見た目は小ちゃな銭湯みたいな、後々の事を考えた「バリアフリー」の設備も取り付けた。

 余裕で大人4、5人は同時に浸かれる作りの所に、一人で入る寂しさ、子供たちも誘えば良かったかな?

 それにしても、

 ムカつく話しだ、どうやら少女は「客」を取らされていた様だ。

 子供の頃から、タレントになりたくて芸能事務所でバイトをしていたらしい?

 いずれ、大物俳優やプロデューサーの目に止まるからとに近い金額で付人や雑用をしていたらしい?

 偶然なのか、良平さんが有る事件で内偵を進めていた芸能事務所だった様で、これでが出来たと殺気立っていた?

 親御さんにはこき使われて、疲労が重なったと伝えているそうだが、本当は何をさせられていたのかは、何となく察しているのではと、言っていた。


 俺も良平さんも娘を持つ親父として、胸糞悪い気分だ。

 楽には死なせねぇぞ!

 なんてな?


 
 「ガラガラ~」っと脱衣所の引き戸の開いた音がした?

 舞斗か優斗かな?

 よし、こいこい。
 
 いや、待て待て?リリ助かも?


 『お父さん!背中流してあげるよ!』
 
 舞華だった⁈

 スカイブルーのビキニだよ、しかも!



 『へっへへー、どう?
 ちょっと頑張ってみました!』

 『娘の水着姿見て、なんか感想言ったらアブないだろ?』

 『な~んだ、つまんない。』

 『ソレ、この間のデートに着るつもりだったヤツかな?
 五道くんに見せられず、お父さんで反応みるのはどうなの?』


 『いえいえ、そんなんじゃないから!純粋に親孝行でお背中をゴシゴシしようと思っただけだよー!』


 『せめて、バスタオル巻いて「実は下に水着を着てました!」ってドッキリ仕掛けるくらいしないと、だぞ?』


 『そんな「孫の話しがつまらないお爺ちゃん」みたいなダメ出しいらないよ!』

 「娘の水着姿にドッキリ」作戦は見事にスベったみたいで、私が思ってたのと違っちゃったけど、心配いらなかったみたいね?


 『せっかく水着まで着て来たんだ、お前舞華も浸かっていきな。美肌効果も有るそうだぞ?』

 『うんうん、お邪魔しまーす!』


 ふむふむ、良い湯だなぁ~⁈

 お父さんと一緒にお風呂なんて何年振り…ってほどでもないか?

 おっと、目的を忘れるところでしたよ?


 『ね、お父さん?』

 『ん?何だ?華の方が少し大きいか?』

 『何がよ⁈』

 『野望が?』

 『意味わかんないよ⁈』

 心配して損してる自分が既にイジられ始めている事に安堵感?


 『あのねお父さん、何があったかわからないけど、私はお父さんの娘で大ファンだから、お父さんが元気でないと心配なのですよ?』

 『生意気な事言う余裕が有るなら、五道君との仲を進展させなさいよ。お父さん、舞華たちくらいの時には…いや、やめておくか?』


 『えっ?ナニナニ?』

 『お母さんに聞くと怒られるかもだからな?
 その、なんだ、もしかしたら、お前たちにお兄さんかお姉さんがいたかかもしれませんって…事では無いから安心したまえ。』



 『…余計に気になるんですけど?』



 

 『お父さんが助けた女の子って、私と同じくらい歳の子だって聞いたよ?

 何があったんだろうね?』

 『君はその子が元気になる事だけ願ってくれ。それだけでいい。

 お父さんは先に出るから、舞華はもちっとゆっくり入ってな。湯冷めしないようにな。』


 『ハイハイ、…そだ!冷蔵庫に「コーヒー牛乳」有ったよ!』

 『それはお父さんが買ってきたんだよ、舞華にもやるよ、


 ん~、肝心な事は聞けなかったよ?
 
 『うん、ありがと…うっ⁈』

 『ん?どした?』

 『な、な、何でもないよ?』

 『ん?』

 私は水着着用だけど、お父さんはでしたね、当たり前か!

 湯船から出る時、見ちゃったよ、娘の前なんだし、タオル持ってんなら隠しなさいよ!


 う~ん、やっぱり優斗子供のとは違う!

 あ、でも優くんも、成長期だから…   いや、そうじゃなくてね?



 ダダダー!

 『パパ殿、舞姉、リリも入るのだーぁ…、パパ殿、もう出たのか?』

 『ん、姉ちゃんと浸かってろな。』


 

 『なー、なー、舞姉ちゃんは何でお風呂で水着を着てるのだ?』

 『むしろ、リリちゃんは着た方が良くね? 
 発育良すぎて、そろそろちゃんとしたブラ着けなさいね!』

 リリさん、そろそろお父さんと一緒にお風呂は卒業かな?




 


 
 『この度は娘を助けて頂き誠にありがとうございます。
 この御礼は…』

 『どうかお気遣いなく、自分にも娘がいまして。
 他人事とは思えませんでしたので。』


 一応の社交辞令は済まして、「父親」として共感する事あるあるネタを幾つか話すとすっかり警戒を解き、本音を漏らし始めてた。


 『あんなインチキなプロダクション芸能事務所のバイトなんて許すんじゃなかったんです!』


 …そう言った父親の顔に、この後の展開が予想された。

 なので、病院からの帰り道で灯火を見つけて、一つ頼み事をした。

 『凸するその前に掃除しとくか、もう良さん達警察も動いているだろうけど?』

 あの少女の父親が事務所に怒鳴り込む前に、然るべきを済ましておかないと。




 『私、父親の顔知らないんだけど(私ら姉妹父親皆んなちがうからな)、師匠みたいな人だったら良かったゼ。』

 『ん?俺はお前さんの事、娘みたいなモンだとあきらめてるぞ?』

 『よ、喜んで良いのか、解んない返し、やめてくるかな!』




 そんなやり取りをして、を頼んだ。

 全て終わった頃に、お巡りさんが駆け付けるだろう。


 ソレにしても、舞華に気を使われて一緒に「お風呂」とか、俺はどんだけ落ち込んだ顔をしていたのだろう?

 思いもせず、娘のを確認してしまった、色々な意味で。

 『舞華のヤツ、久美に似過ぎだろう、色んな意味で?』


 五道君とはどんなお付き合いをしているのかな?

 まぁ彼、その辺疎そうだし?

 でも、がうるさそうだな?

 特に辺りが何か怪しい?

 ソレに偶に「タツマキ」のとっさんが単騎で「アヤカシ」を狩りに態々コッチに来ているとは⁈

 最近じゃ山奥より、都会の裏路地に肥えた邪鬼がいるらしい。

 良い狩場なんだろうな?





 

 『あ~、イイお湯だったのだ!』

 『もう一つのコーヒー牛乳はリリちゃんの分だったのね。』

 『ん?リリが好きなのは「抹茶ミルク」なのだ、ホラこれなのだぁ?』

 お姉ちゃん、何言ってんだって顔してリリちゃんが見てる?

 てっか、抹茶好きなの、リリちゃん?

 
 『舞姉さま、多分それ「ゆたかサン」と「優斗さま」の為にお父様がご用意したモノですわ。』

 いちご牛乳が似合いそうな二葉ちゃんが教えてくれたよ。

 『お父さん、二人と入るつもりだったのかな?』


 『最近よくご一緒に入浴されてますわ、三人でお帰りになられると必ず。』

 そうなの?

 知らなかったよ、きっとゆたかはお父さん達が古本屋を閉める時間に合わせたシフトで帰宅してたのね。

 『そっか、ゆたかも男の子だったね!』

 『当たり前ですわ?』

 『リリ、ゆたかともお風呂入りたいぞ!』

 絵的に違和感なさそうだけどね?

 『ダメです!』

 『あ、私も?』

 あの小さな背中を流してあげたいの。

 『お姉さまー!』

 怒られちった、てへへ。



 『お姉様、先日お姉様がお助けした女性がお礼が言いたいと病院から連絡が有りましたの。』

 『え、本当!』

 良かった、元気になった?


 『それじゃお見舞いに行かないとネ!』

 
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