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遠きお山に陽が落ちて、猫神は都会を懐かしむ。

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 東北某所の山村にて、

 『犬飼さん、いつもの取れたんで持ってきましたよ。』

 『おや、いつも悪いね。の山菜は「道の駅」で評判良いんでな、助かるよ。』

 『犬飼さんにはいつも宅配便とかお世話になっているので、このくらいはお安い御用ですよ。それにちゃんと「お代」は貰っていますからね。』

 『その山菜目当てで来てくれたお客が釣られて他の物も買っていくからな。
 なんならまっちゃんマッド松下の名前を出しても良いかい?』

 
 一番近い山村でも人の足で半日かかるとか、かからないとか?

 そんな山奥の奥の「秘境」から今では小一時間くらいで下山してくる松下くん。

 貴重な現金収入は山小屋の奥のお社のになる。

 つまり、猫神さまのオヤツ代なのね。



 『あ、あの、その名前を出すのはやめてもらっていいですか?
 この前、面白半分で入山したYouTuberが遭難しかけて、騒ぎになったの犬飼さんも覚えてますよね?
 アレ、迷惑だとさんが大変ご立腹でして。』

 『ハハハ、冗談だよ。オレも無闇に山に入られるのは嫌だからね。』



 東京観光から帰って来て、しばらくは村の皆さんから色々揶揄われたり、東京土産を感謝されたりと賑やかだったが、山菜取りを収入の一部にしている村民のご老人たちは、先頃「山奥の妖怪を探しに来てみた。」とか「サバイバルキャンプの現場特定しました!」とか無許可で入山した傍迷惑な動画配信者をオレが招いた様な風に思ってか、あまりいい顔をしなくなった。

 なので、皆さんが普段足を入れない山中の超奥で取ってきた山菜を卸しに来ているのだけど。


 『あの事は気にせんでいいよ。皆んなまっちゃんの所為なんて思ってないから。ただ、山を大事に思わないやからが来るのがこの辺りに来るのが気に食わんだけなんだよ。』


 自分も今はその気持ちが分かる様になった。少し前までは自分もあっち側のバカ者だった訳だし。




 『そうだ、孫が今度、東京に「修学旅行」に行くらしくてな、まっちゃんに話しを聞きたいらしいぞ?』

 『そうですか?ならの場所を教えないと!』


 そのおススメの場所にある「猫カフェ」や「某遊園地」が有ったかはナイショだ。






 
 『ここが新しい「我が家」だ!』

 そこは、鶴亀町の住宅街の可もなく不可もない広さの中古の一軒家。

 庭が有り、犬も飼えると豪語する社長…父の言葉に、

 『今は「室内飼い」が常識なんだけど?』

 と、わかった様な事を言う兄。

 

 何故かナシ崩しに社長と母が正式に「結婚」した?

 別にいいけど。

 早くも梨奈は母を「ママ」と呼んでいるし、お兄さんは兄貴気取りで私を「梨沙」と呼び捨てだ!


 以前住んでいたマンションは元奥さんの実家の名義らしくて、ケジメだからと出る事にしたらしい。

 なので、梨奈も私が通う「山代学園」の小等部に転校して来た。

 早くも友達が出来た様で新しい学校はかなり楽しいらしい。

 児童会の会長が何かと梨奈の事を気にかけてくれている様だとか。


 別に前の学校がどうこうした訳では無いけど。



 『なぁ、誰か友達紹介してくれないか?可愛い子希望で!』

 『柔道部でとても可愛い友達がいますけど?』

 投げ飛ばされればいい。

 まぁこの家族はこれから色々難しい事にぶち当たる事になるけど、行き当たりばったりで良い気がしてきた?







 『いやぁ、お久しぶりですな?』

 『おや、お巡りさん!
 いらっしゃいませ?お一人ですか?』


 今日は西河と一緒に羽柴ビルの前でチラシ配りをしている「ゆたか」。

 時折、ご家族とご来店する鶴亀署の刑事さんに声をかけられた。

 『いや、ココで待ち合わせなんですよ。』


 ゆたか相手でも丁寧な言葉で話してくれるこの刑事さんをゆたかは心良く思っている。

 こんなお巡りさん(刑事さん)ばかりが町中の交番にいたら、町は平和だろうなぁ。

 『そうそうゆたか君、最近この界隈で「のぞき」や「盗撮」の被害の報告が有りまして、君たちは可愛いから気をつける様に!何か不審なモノを見たら、近くの交番やパトロール中の警官にすぐにご連絡を。』

 『わかりました。
 でも、西河さんは分かるけど、僕は「男の子」だから盗撮とかの心配は…』


 『ゆたか君、ソレは違うから!

 ゆたか君だからこそ、狙われてる可能性が高いの!』

 『そう、その通りですよ!』

 『そ、そうなの?』

 『そうです!』×2

 何故か西河とお巡りさんに力説されてビックリしてしまう美少年のゆたか?


 気を付けてね。



 

 

 『ふあぁ~ぁ。退屈なのじぁ~?』

 コチラに戻ればルル赤子の世話で少しは忙しくなると思いきや、


 『ルルちゃま、可愛いですね!』

 『僕が遊んであげますよ!』

 『子守りなら私たちが!』

 『いや、狗神が慈しんで世話をしようぞ!が!』


 「狗神」の兄上や「びぃすたぁ」の者たちが挙ってルルの世話を焼きたがる?

 楽で良いが何か寂しい。


 寂しいと言えば、都会での生活が時折り懐かしく感じるようになった。


 特に夜だ。

 それまでは夜が暗いのは当然で、月明かりすら眩しく思う事有ったはず、

 ソレがしばらく都会で暮らしただけで、忘れられないあの光景。

 商店街の夕方からの喧騒や夜中にやってくるラーメンやおでんの屋台車!
 夜中に頼むからこそ美味い宅配ピザなどなど。


 『あ~、妾は都会で汚れてしもうたー。』

 棒読みなセリフが「おふざけ」で言っているのはバレバレ。

 『せめて、村に「こんびに」が出来んかのぅ?』

 
 麓の山村を出て、県道まで行くと観光地に向かう国道と交差する辺り「道の駅」が有り、そのお隣が東北圏で有名なローカルな「こんびにコンビニ」が有るけど、ココ様猫神さまが好きな「ピリ辛シャキシャキポテトLサイズ」は無い!


 『あの辛みは「かんずり」とはまた違う「すぱいしぃ」で魅惑な衝撃なのじゃ!』

 田舎娘に余計な事、覚えさせましたか?どうでーすかね?


 そう言えば鶴亀町で時折、夜中の散歩で面白いモノを見た。


 久美や華からもらった「お小遣い」で「ガリガリバー」(氷菓)や「ピリ辛シャキシャキポテト」を買いに公園側のコンビニに出掛けた時、

 「彼奴あやつ」を見かけた?

 我とは違う、あやかしとも違う?

 強いて言えば、「びぃすたぁ」達に近い気配のソレは、

 幼い女子おなごの姿で、歳はリリや二葉ぐらいだろうか?

 白い衣と、白い髪?

 町の子供なら「くつ」を履いているものだろうが、素足で歩いている?

 公園をあても無く彷徨っている様な、何かに引き寄せられている様な、ふらふらと、歩いていた。

 最初は街に住まうモノノケかと思い、揶揄うつもりで挨拶してやろうと近づいたら、


 四散した?

 間違いなくそこにいたハズ。

 崩れる砂の城のように、姿を消した?

 その事を、久美に話したら、

 『夜中に黙って出掛けて、不良になったらお嫁にいけませんよ!』っと、叱られてしまった。


 鈴にも聞いたが、

 『多分、そいつは人の手で作られた奴では有りませんかね?

 北代の知り合いに「サナエ」と言う人の手で造られた「あやかしの娘」がおりめす。其奴なら何か知っているかも?』


 その「サナエ」に聞こうにもしばらく留守にしている様で義理の孫しかおらなんだ。

 聞くところによると「サナエ」こそが「ビースター」の生みの親だとか?


 『そうだ、ソレを口実にまた遊びに行くか!今度は土地勘もあるし一人旅じゃ!』
 

 『そんな事は許さん。』

 『う、兄上狗神か!そんな所に隠れて、「乙女の独り言」を盗み聞きしておったな!このエッチ!』

 『何が「乙女」だ! 俗世にかぶれおって…そんなに下界が恋しいか?』

 『下界が恋しいのでは無い、あの家が恋しいのじゃよ、あの家では妾はでは無く、「町娘」なんだよ、!』


 

 『ふぅ…    わかった、だがしばらくは勘弁してくれ。せめて次に「贄」が集まるまでは…。』


 『タツマキが充分集めたのでは無いのか?』

 『…その…るるちゃまの成長に使つこうた、我の分が足らぬ…のだ。』
 

 ず、随分と可愛がっておるな?


 『のう、琥珀よ?』

 『何じゃ?ロリコン兄上!』

 『夕に事欠いて「ろりこん少女愛好家」とは何だ!


 んん、その、何だ、

 るるが自分で歩いて、飯を食べられる様に成れば…それまでは我慢しろ。』

 『な、何だ!そんな事か⁈

 てっきり二度と行くなと言われると思っておったぞ!』

 
 『我ら何方かは、聖域ここに居ないとマズいのでな。

 我が留守の時は琥珀があるじで護り神だからな。』


 『うむ!任せろ‼︎
 兄上が留守、妾がしかりと護…って…ん、留守じゃと?』


 『近々、我も下界に「預け物神器」を受け取りに行くので、数日留守にする。

 ついでだ、北代の所にも顔を出すかな。』


 『ず、ズルイぞ!お兄ちゃん‼︎ 』


 『ソレは誰ぞの真似か?』

 『舞華の口調が憑ったのじゃ?』










 『失礼します、悠佳里姉様。』

 『あら、珍しい?
 どうしたの、ツバキがこんな所に?』

 ココは猫カフェ「森の猫さま」のスタッフルームの奥、店長用のパソコンや金庫が有るとよばれているパーティションで区切られているスペース。

 華の秘書で有る「七神 悠佳里」さんはバイトと派遣社員のシフト調整に悩んでいる最中での事、

 『特命でお調べしていた件が完了しましたのでそのご報告です。』

 後輩メイドで今はをしている要員のツバキが何故か「森猫」のスタッフの制服を着用して現れた。


 『ご苦労様です、ソレでどっちかしら?』

 実は人物の捜索を華から、そしてからもされていた件の二つの案件で彼女に調べさせていた。

 『二つともです。』

 『さすが優秀ね!お嬢様もパパ様もお喜びになるわ!』


 『恐縮です。』

 ツバキは悠佳里が特に目をかけている後輩メイドの一人、七神の家と懇意にしていた武道家ので、悠佳里の父が里親となり、今では山王院のメイドとして頭角を表してきた?


 『お嬢様は今フロアーで接客中だから、しばらく待っててくれるかしら?』

 『ならばお手伝いをしてまいります。丁度「制服」を着ていますので。』

 『他のスタッフが混乱するからやめてね。ソレにお嬢様の楽しみと取らないであげてね?』

 『成る程、がお嬢様の「お楽しみ」なのですね?』

 『そうだわ、ツバキも「猫カフェ」を堪能してみては?』

 『あの、ソレはどういう…?』




 数分後、普通の服装に着替えた「ツバキ」が猫カフェで子猫をモフって感動のあまりになっている?

 「私、ここで働けないかな?」

 なんて思っていたら、

 『どう、ツバキ? 
 少しはリラックス出来たかしら?』


 『えっ? は、華お嬢様!』

 『私、そろそろ休憩時間だから、下の喫茶店でお茶でもしながら、調査結果を教えてもらえるかしら?

 あ、猫は置いていってね?
 名残惜しいのは分かったから。』

 ツバキさん、にニャンコを抱いたまま退店しようとして、お嬢様に注意されちゃったよ?





 『まず、お嬢様のご依頼の件ですが、

 ゆたか様のは里親さんの元、お元気に過ごされています。』


 喫茶店スピカの二階、ボックス席でツバキの報告を聞く華お嬢様。

 『ゆたかがお世話になった養護施設の先生が居場所を知らなかったのはやはり…?』

 『はい、里親さんの強い希望の様です。
 妹さんが成人した際にはの事を伝える事を条件に、それまでお互いに距離を置く約束だそうです。

 ですが、あの様子ですとを教える約束は違えられてしまいそうです。
 その為に転居先を教えていないのかも知れません。』


 北代家の同居人居候「高城 ゆたか」の義理の妹、その後の行方を調べていたが?

 『とても愛されてるのね、実の子の様に?』


 『里親のご夫婦は長年「不妊治療」に気持ちが疲れ、知人の勧めで養子を迎える事にした様です。

 それが、その事が良い結果を招いた様で奥さんの体調が好転し、ご懐妊なされて、男の子をご出産されました。
 今親子で本当にお幸せにお暮らしです。』


 養子を迎えてからの暮らしはきっとお互いに幸せだっだのだろう、奥さんの身体に本当に良い影響をもたらす位に。



 『なら、私たちは余計なことしないのが一番ね、 でも、そのを邪魔するモノが現れぬ様に見守る事は続ける様にしないと?』

 悠佳里さんに適任者を任命してもらうか?


 『それと妹さんのですが、DNA鑑定の結果も調べが付きました、戸籍上の父とはDNAが一致しないとの事でした。

 一致したのはやはり…。』

 『ソレがゆたかと距離を置く本当の理由ね?』

 『勾留中に余罪が判明し、「終身刑」又は「死刑」ではと、未だ刑が確定していません。』

 『どうでもいいわ、そんな奴の事なんて。
 ゆたかや妹さんに害を成さなければね。』



 『では、もう一つの件ですが?』

 『お父さんがお願いしていた件ね?私が聞いていいのかしら?

 実は詳しい内容は知らないのよ?人を探している事ぐらいしかね。』

 『二葉さまの血縁者が見つかりました。』


 『…え、のって?』

 『二葉さまのお母様、その弟さんにあたる方です。』



 の母は、私を産んでしばらくしてで亡くなった。

 妻をなくし、母をなくした私たちを必死になって支えてくれたのが母の友人で山王院のメイドだったの母でなので有る。

 父が再婚してすぐに二葉が

 私にとっては二人目の母であるけど、私の記憶にある「母親の思い出」は二人分、この人と北代のだけなのだ。


 でも、育ての母は天涯孤独で山王院のメイド長に拾われて、生みの母の専属メイドになったと聞いていたけど?


 『現在、意外な所でご活躍の様です。ちなみにご結婚されていて、もうすぐ赤ちゃんが産まれる様です。』




 『ソレ、直接お父さんに伝えてね。』

 今更ながら山王院の情報収集能力は恐ろしい?

 ネットでは情報量は多いが、不確かな情報も少なくない、実際に現場に行き、その土地の人に見聞きしないと、もっともらしく作られた「創作デマ」と見分けが付かない場合もあるのだ。

 『コレじゃ休憩にならないわ!脳に癒し糖分が必要だから、パフェ追加しましょ!ツバキも食べるわよね?ね!ね!』


 『お、お付き合いします。』

 






 『士くん、五十鈴ちゃんとは上手くやれてる? 一緒にお風呂とかは入ったりした?』


 『何故、その質問? …入らないよ、弟ならともかく小さいとはいえ、

 レディだよ、五十鈴ちゃんは。』


 『私、この間五十鈴ちゃんと入ったよ!羨ましい?』


 俺の彼女はどうやら「妹萌え属性」らしい?本人が妹なのに面白い人だ?


 『俺には気が付いてあげられない事とか、舞華さんが気付いてくれると助かるよ。将来、君みたいな素敵な人になれる様にね。』
 

 『えっ、えっと、うん、任せて!


 あと、不意打ちはほどほどにお願いします。』



 『実は、姉さんが舞華さんを是非夕食に招待したいって言っているんだけど、どうかな?』

 そう来たか!

 『招待って、つまりお姉さんの手料理をご馳走になれるのね!
 うん、行く、行くよ!是非に‼︎』


 『…違うんだ。』

 『ん?』

 『ウチの姉さんは、料理とか全く出来なかった…五十鈴の為に最近は何とか頑張っているけど、今の所は努力に成果が追いついていない…そんな感じかな。』

 『へ、へぇ~?そうなんだね?』


 そりじゃ、ケータリングですか?

 いや、士くんのおウチは結構お金持ちだから一流レストランから出前とか?
 まさかの三つ星シェフに出張してもらうとかかな?


 『料理はが作ります。 

 得意なんだ、俺も最近知ったんだけど?』


 『うん、素敵?』

 士くん、顔真っ赤?(カワユすぎ!)

 父親がお料理をするのって、恥ずかしいのかしら?

 あ⁈

 お姉さんが料理が不得意なのが恥ずかしいのね?


 なら!


 『私、叔父様に「」を教わりたい!』
 

 『えっ? た、多分は喜ぶと思うけど、いいのかな?』


 『折角だから五十鈴ちゃんや士くんも一緒に作ろうよ! ね!』


 叔父様、若い頃に色んな国を旅して、その都度旅費を稼ぐ為にその場所の飲食店で飛び込みのバイトとかして、料理を教わったんだって⁈

 ちょい和風アレンジされてるけど、ピロシキにパエリア、クロケットにアップルタルト!


 『叔父様、お医者じゃなくて、コックさんになられては?』


 『ん?お嬢さん舞華ちゃん、ワタシの料理なんて所詮素人レベルだよ。』

 『五十鈴はおじさまの作るご飯、大好きです!』


 『うぅ、お姉ちゃん負けない!』


 『あ、あの、お姉さん、「ゴハンは笑顔!」ですよ?』

 『舞華さん、アレ姉さんはほっといてパスタマシーン、使ってみないか?
 麺に君のから頂いた「カレー粉」を加えて有るんだ。』

 『五十鈴、カレーも大好き!』

 『五十鈴ちゃん、「五十鈴、ピーナッツが好き!」って言ってみて!』

 『ピーナッツバターは命お姉ちゃんが好きだよ?』



 何やら賑やかな五道家のキッチン?

 ゲストの舞華ちゃんももう家族かも?


 
 『舞華の父も偶にですけど、料理しますよ。

 たこ焼きや焼きそば、炒飯ですけど。』


 『アハハ、お父さんにはお身体の為に控える様に注意してあげてね、舞華ちゃん!』

 アレ、命お姉さんに釘を刺されたかな?

 まぁお父さんの主治医だし、当たり前か?

 『あっ!でもオレイン酸たっぷりのオリーブ油を使ってますよ!』

 『カロリーオフ表示の食品を食べまくって、「痩せない」って嘆いている人の理屈ね?』

 『アレ、何か間違えたかな?』




 私のまわりが幸せチャージ中なんで、つい見逃していた。


 実は割とトラブルの種があっちこっちで芽を出していたみたい?


 コレまた、私の知らないウチに刈り取っていた人の存在も気が付かなかったの?







 
 深夜の繁華街、「売人」と呼ばれる男から怪しげな「小瓶」を買う少女?

 渡した代金はまぁまぁの金額だが、週に複数回だと安い軽自動車くらいは買えそうだ?


 『どうよ、俺のもしてくれればにしてもいいぜ?』


 男は少女がどうやって代金を稼いでいるか、見当がついている様で、タダにしない所が小狡い下衆野郎だ。


 『ほ、本当に!わかったよ、いいよ。でも、今日は駄目、太客が待ってるから。』

 実は少女に客をしているのもこの「売人の男」なのだが、
 その太客が誰なのか、お気に入りの少女をしたなんてバレたらヤバいので、

 『ああ、わかった、次の時に頼むわ。』

 今無理にヤル事は諦めた。




 「小瓶」を手に入れ、少女は太客に指定した場所に急ぐ。

 「小瓶」の中身は直前に飲むのが一番気持ち良くなれる。

 自分がヤっている愚かな行為を忘れさせてくれるぐらいに…


 ふと、涙が溢れた?

 『あ、あれ、何で…?』


 『そんなに辛いなら辞めさせてやるでな、嬢ちゃん。』


 『えっ?』



 
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