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無理は禁物です、出来る事でいいからね。
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その日は朝から騒々しい一日だった。
ひなたが事務所のドアを開けるなり頭を下げて謝ってくる?
『お父さん、ごめんなさい!』
事務所で資料の整理をしていたのだが、元々得意では無いので刑部を呼んで手伝いさせていた。
バサッ!
『きゃっ⁈』
書類の束がくずれ、思わず其方に目をやり驚くひなた。
『誰だい、この子?』
廃棄予定の書類の山に埋もれ、ムサいオッさんが突然顔を出したら驚くよな?
しかし、そこは我が娘、「ひなた」は明るい笑顔で挨拶を返す。
『初めまして、娘の「滝井 ひなた」です。父がいつもお世話になってます。』
お世話しているのは、主におれなのだが、
『ああ、君がマナさんの娘さんか!
こちらこそ、「朝霧 刑部」だ。顔を合わすのは初めてだね、君の事は姪御達から伺っているよ。』
『母をご存知なんですね?』
『そりゃ俺たちのマドンナだからね!』
『オレたちって、オジサマと他には何方が?』
普段、「オジサマ」なんて言われた事の無い独身中年はちょっとドギマギしてしまう?
『そ、そうだな、オレや影やんは勿論だし、ケン坊や池の字、良平と久美ちゃんかな!』
『羽柴もだろ?
アイツ今何処だろう?』
『お母さん、「モテモテ」だったんだね。「羽柴」さんって、スピカのマスターさん?』
『いや、その兄貴だよ、それよりオレに話しが有ったんだろ?
「ごめんなさい」って、何か謝る様な事でもしたのか?』
お片付けを中断して、娘にお茶でも淹れてもらうか?
紙媒体を古い順にスキャナーで取り込む作業も飽きて来たし。
『ワルい、そんな事になっているとは全く知らなかった。』
ひなたが淹れてくれた珈琲を一口飲んで、一息ついて答える。
本当は俺が淹れた方が美味いと思ったが、娘が淹れた珈琲は別格に美味かった。
大凡の事情は予想していた、しかしまさか「七神」がアイツの命令で何かしている以外は把握していなかった。
正直言って、「聞いてない」のだ!
『そ、そうなの? でも、「髪の長いイケメンの男の人」に話したって、あの人は言っていたけど?』
『ふぅ~ん、ひなたには俺の事が「イケメン」に該当するんだな。
嬉しいねぇ、でもソレ俺じゃないぞ。』
『えっ!じゃあ誰なんだろ?』
『たくさんいるだろう?例えばお前の身近にも俺ぐらいの年齢で長髪なら…。』
『えっと…夜市叔父さま?』
俺の弟で現一文字家当主
「一文字 夜市」なら、お互い家訓で腰辺りまで髪を伸ばしている。
ちなみに甥の「仙道 界」は一文字の名を継いでいるわけでは無いが、肩辺りまで伸ばしているらしいが、理由は知らない。
『アイツの腰巾着執事や翔太だって俺たち程でも無いが、長いと言えば長いだろ?』
『アレ?私、何で「お父さんだ!」って思ったんだろ?』
『そうか、ひなたはお父さんの事、想っていてくれたんだな。』
『うん?』
『オレっちは何を見せられている?』
そういえばコイツが居たな?
『うらやましくないぞ!俺も可愛い姪が二人もいるしな!』
『何を張り合っているんだよ、お前は?』
娘がクスクス笑いかけて、
『じゃあ誰なんだろ?』
『お前たちの師匠に聞いてないのか?』
『師匠? 北代の叔父サマの事?実はまだなんだ。』
『お前らしく無いな。』
『そうかな?そうだね。』
そう言って歯に噛む娘、可愛いな?
悪い虫が付かない様、気をつけねば!
『だから、羨ましくないからな!』
『ソレ、九院だな。あの保養所、山王院が援助してるらしいから「顔パス」らしい。』
『す、すいませんでした!勝手な事して‼︎』
『誘ったのはちぃちゃんだろ?団長さん?』
団長?
俺の娘は割とイタい娘なのかもしれない。
『何だ、お前の指示じゃないのか?』
地下の古本屋から、八階の事務所までお茶に誘うと、お茶受けに「カルメラ焼き」を持って来やがる?
『あの施設、元山王院のメイド長が余生を送って居るんだよ。まだピンピンしてるのにな。』
『呼べよ、無駄に高スペックな変態執事?』
~数分後。
『叔母上のご機嫌伺で立ち寄っただけですよ、ついでに同室の方の「身の上話し」を伺っただけです。
おそらく懺悔のつもりだったのかもしれないですね?』
結局、探偵事務所とは関係無い所で対象が勘違いしている様?
『叔母上さんも面倒な事は俺に振るのやめてほしいな?』
『舞華さん、明日「オフ」って聞いたんですけど、明日一日俺にくれませんか?「鶴亀公園」で一日遊ぶだけですけど?』
『えっ♡』
古い少女向け小説の主人公みたい?
『士くん、最近「前向き」だね?何か有った?』
舞華はトキメきてるし、真琴は興味津々で、俺は
『公園で遊ぶって子供かっ!』
と、思わず突っ込んでしまった、あまりにも…面白い展開なので!
今俺たちはその「鶴亀公園」で学校帰りの寄り道に興じている。
舞華と真琴はこの後、「森猫」にご出勤だ。
俺も実はこの後、華に付き合ってとあるリサイクルショップに「掘り出し物」を探しに行く事になっている。
「掘り出し物」って言うのは口実で、その店をお手伝いしている可愛い姉妹に会いに行く為だ、何か約束しているらしい。
『う、うん、わかったよ。じゃあ明日は「公園デート」を満喫しようね、士くん!』
『「デート」って呼べる様なロマンチックな物でも無いけど、池でボートに乗ってみたり、屋台村で食べ歩きしたりと、ソレとシグマと遊んだりね。』
犬込みなのかよっ! って、つっこんでやるつもりが、
『うん、楽しそう!ワクワク!』
舞華が何処ぞの落花生好きの幼女の様に喜んでいるので、スルーした。
そう言えば士のヤツ、「バイト」の件はどうなっているか聞いてないな?
あの日、俺は彼女の母親、久美さんから相談とお願いをされた。
『ねぇ士くん、冗談はさて置きにして、ここでバイトしてみない?なんなら「就職」でも良いわよ。』
そ、そんなひどい。
『ここって、「マリンランド」にですか、ソレとも「山王院」に?』
『君が利用したい方でいいわよ。
私達もそのつもりだから。』
舞華さんのお母さんと言うフレーズより、「謎のお姉さん」と言った方がしっくりくる?
本当に三人の子持ちですか?
そんなヒトの提案は背筋が冷える思いがした。
『二択ですか?ソレとも…』
『今、全てを教えちゃうのはズルい気がするし、舞華も知らない事を君に教えてあの子を怒らせたくないのは「母親のエゴ」かな?』
母を亡くした自分には羨ましい言い訳だが、よくわからない内に巻き込まれるのも遠慮したい。
『舞華さんと将来的な事で強制されるのは断固拒否して、フェアな交際がしたいのですが?』
『だから冗談ですって!ゴメンね⁈』
『いえ、その上でここで「バイト」しますよ。…ソレで俺に何をさせたいのですか?』
『…舞華を幸せにしてくれるなら別に強制はしないけど、…そうね、「ママ」って呼んでも良いわよ!』
『断固拒否で! せめて「お母さん」くらいでお願いしますか?』
なんてやり取りが有ったのは先週の事、詳しい事は追々話す事になっている。
なので、バイトの件も上手く誤魔化す為も舞華さんに悪いが前回のリベンジも兼ねて「公園」で「デート」する事を提案したのだが、
無論、拒否権は彼女に有るし、今時の女子高生が「公園で」とかどうかと思っていたが、
『えっとね!お昼はBBQとかしない?「バーベキュー広場」で薪とか炭とか買えるらしいから!食材はね、日曜なら屋台村に「新鮮野菜」を売りにくる農家のお婆ちゃんがいるの!』
予想以上に食い付いてきたので安心した。
彼女だからこその反応だけどね。
『肉はまさかの「現地調達」?』
『タッちゃんに頼んでおけば、用意してくれると思うよ、多分ね?』
無ければ近くのスーパーか、ソレこそ商店街の精肉店で購入するだけだが。
『ケバブ用のお肉とか分けてもらえるかもよ。』
いや、あの人なら舞華さんの為にステーキ用の高級なのを用意しそうだけど?
『えっと、「シグマ」も一緒だと玉ねぎは気をつけてね!』
拒否される心配は無い様でひとまず安心する。
『楽しそうだね、僕らも一緒に…』
『真琴!邪魔しては駄目だ!俺達は俺達で別な事して遊ぶぞ!』
『……舞斗お兄さん、今回はお誘い出来ませんが、いずれそう言った機会は作りますので、邪魔する様な事無き様に‼︎』
『な!何だ!止めろ!「お兄さん」とか士に言われると半月板がこそばゆいだろ!』
『そんな膝関節の中の骨が、ピンポイントでくすぐったいて、どんな拒絶の仕方だよ?』
『何を言う!ウチの親父殿は半月板が人工骨でちょいちょい痛痒いらしいぞ?』
『お前、ソレ結構大変な事だから冗談のネタにするのはどうかと思うぞ?』
『手術したの士の親父さんだって聞いたぞ?』
『尚更だ!』
『お母さん!明日ね、士くんとデートになったの!』
帰って早々に親に報告する辺りは彼女の隠し事の出来ない性格に問題あるかも?
『まぁ素敵ね!』
『あら、お姉様!おめでとうございますの!』
二葉も一緒に聞いていて、ウットリしている?
『へへへー!で、今日のおかずは何かな?』
母は妹的二葉と夕食の準備中なり、何かアドバイスをくれないかしら?
『でね、BBQとかしようって考えてるの?
それでね、何か母上にお知恵をお借りしたくて…。』
やれやれ、この子と来たら?
色気より食い気とは、女子力無さ過ぎでは?
まぁ私も高校生の頃は、流行のファッションよりも料理の腕を上げて、胃袋を掴む方を選んだけどね。
あと士くんに、
『変に気を使わず、二人で楽しく過ごせるなら近くの公園でも構わないんじゃない?』
とか言ってしまったら、本当に公園デートするらしいし!
彼も彼よね⁈
ちょっと責任を感じて手を貸すのも致し方なく無い?
『外の冷蔵庫に次回BBQで使うつもりのブロック肉と冷凍焼けした猪肉が有るから持って行きなさい!』
『えっ!マジですか⁈』
『今日の内に一口サイズにカットして、醤油とか塩麹とか味噌に一晩浸けて置けば、それぞれ下味付いて美味しいわよ。』
『ん!ありがとう、お母さん!着替えてすぐやるよ!』
『舞華姉さま、二葉もお手伝いしますの!』
『よく出来た妹だよ、君は!』
おや?もう一人の妹、リリは何処なの?
ひなたが事務所のドアを開けるなり頭を下げて謝ってくる?
『お父さん、ごめんなさい!』
事務所で資料の整理をしていたのだが、元々得意では無いので刑部を呼んで手伝いさせていた。
バサッ!
『きゃっ⁈』
書類の束がくずれ、思わず其方に目をやり驚くひなた。
『誰だい、この子?』
廃棄予定の書類の山に埋もれ、ムサいオッさんが突然顔を出したら驚くよな?
しかし、そこは我が娘、「ひなた」は明るい笑顔で挨拶を返す。
『初めまして、娘の「滝井 ひなた」です。父がいつもお世話になってます。』
お世話しているのは、主におれなのだが、
『ああ、君がマナさんの娘さんか!
こちらこそ、「朝霧 刑部」だ。顔を合わすのは初めてだね、君の事は姪御達から伺っているよ。』
『母をご存知なんですね?』
『そりゃ俺たちのマドンナだからね!』
『オレたちって、オジサマと他には何方が?』
普段、「オジサマ」なんて言われた事の無い独身中年はちょっとドギマギしてしまう?
『そ、そうだな、オレや影やんは勿論だし、ケン坊や池の字、良平と久美ちゃんかな!』
『羽柴もだろ?
アイツ今何処だろう?』
『お母さん、「モテモテ」だったんだね。「羽柴」さんって、スピカのマスターさん?』
『いや、その兄貴だよ、それよりオレに話しが有ったんだろ?
「ごめんなさい」って、何か謝る様な事でもしたのか?』
お片付けを中断して、娘にお茶でも淹れてもらうか?
紙媒体を古い順にスキャナーで取り込む作業も飽きて来たし。
『ワルい、そんな事になっているとは全く知らなかった。』
ひなたが淹れてくれた珈琲を一口飲んで、一息ついて答える。
本当は俺が淹れた方が美味いと思ったが、娘が淹れた珈琲は別格に美味かった。
大凡の事情は予想していた、しかしまさか「七神」がアイツの命令で何かしている以外は把握していなかった。
正直言って、「聞いてない」のだ!
『そ、そうなの? でも、「髪の長いイケメンの男の人」に話したって、あの人は言っていたけど?』
『ふぅ~ん、ひなたには俺の事が「イケメン」に該当するんだな。
嬉しいねぇ、でもソレ俺じゃないぞ。』
『えっ!じゃあ誰なんだろ?』
『たくさんいるだろう?例えばお前の身近にも俺ぐらいの年齢で長髪なら…。』
『えっと…夜市叔父さま?』
俺の弟で現一文字家当主
「一文字 夜市」なら、お互い家訓で腰辺りまで髪を伸ばしている。
ちなみに甥の「仙道 界」は一文字の名を継いでいるわけでは無いが、肩辺りまで伸ばしているらしいが、理由は知らない。
『アイツの腰巾着執事や翔太だって俺たち程でも無いが、長いと言えば長いだろ?』
『アレ?私、何で「お父さんだ!」って思ったんだろ?』
『そうか、ひなたはお父さんの事、想っていてくれたんだな。』
『うん?』
『オレっちは何を見せられている?』
そういえばコイツが居たな?
『うらやましくないぞ!俺も可愛い姪が二人もいるしな!』
『何を張り合っているんだよ、お前は?』
娘がクスクス笑いかけて、
『じゃあ誰なんだろ?』
『お前たちの師匠に聞いてないのか?』
『師匠? 北代の叔父サマの事?実はまだなんだ。』
『お前らしく無いな。』
『そうかな?そうだね。』
そう言って歯に噛む娘、可愛いな?
悪い虫が付かない様、気をつけねば!
『だから、羨ましくないからな!』
『ソレ、九院だな。あの保養所、山王院が援助してるらしいから「顔パス」らしい。』
『す、すいませんでした!勝手な事して‼︎』
『誘ったのはちぃちゃんだろ?団長さん?』
団長?
俺の娘は割とイタい娘なのかもしれない。
『何だ、お前の指示じゃないのか?』
地下の古本屋から、八階の事務所までお茶に誘うと、お茶受けに「カルメラ焼き」を持って来やがる?
『あの施設、元山王院のメイド長が余生を送って居るんだよ。まだピンピンしてるのにな。』
『呼べよ、無駄に高スペックな変態執事?』
~数分後。
『叔母上のご機嫌伺で立ち寄っただけですよ、ついでに同室の方の「身の上話し」を伺っただけです。
おそらく懺悔のつもりだったのかもしれないですね?』
結局、探偵事務所とは関係無い所で対象が勘違いしている様?
『叔母上さんも面倒な事は俺に振るのやめてほしいな?』
『舞華さん、明日「オフ」って聞いたんですけど、明日一日俺にくれませんか?「鶴亀公園」で一日遊ぶだけですけど?』
『えっ♡』
古い少女向け小説の主人公みたい?
『士くん、最近「前向き」だね?何か有った?』
舞華はトキメきてるし、真琴は興味津々で、俺は
『公園で遊ぶって子供かっ!』
と、思わず突っ込んでしまった、あまりにも…面白い展開なので!
今俺たちはその「鶴亀公園」で学校帰りの寄り道に興じている。
舞華と真琴はこの後、「森猫」にご出勤だ。
俺も実はこの後、華に付き合ってとあるリサイクルショップに「掘り出し物」を探しに行く事になっている。
「掘り出し物」って言うのは口実で、その店をお手伝いしている可愛い姉妹に会いに行く為だ、何か約束しているらしい。
『う、うん、わかったよ。じゃあ明日は「公園デート」を満喫しようね、士くん!』
『「デート」って呼べる様なロマンチックな物でも無いけど、池でボートに乗ってみたり、屋台村で食べ歩きしたりと、ソレとシグマと遊んだりね。』
犬込みなのかよっ! って、つっこんでやるつもりが、
『うん、楽しそう!ワクワク!』
舞華が何処ぞの落花生好きの幼女の様に喜んでいるので、スルーした。
そう言えば士のヤツ、「バイト」の件はどうなっているか聞いてないな?
あの日、俺は彼女の母親、久美さんから相談とお願いをされた。
『ねぇ士くん、冗談はさて置きにして、ここでバイトしてみない?なんなら「就職」でも良いわよ。』
そ、そんなひどい。
『ここって、「マリンランド」にですか、ソレとも「山王院」に?』
『君が利用したい方でいいわよ。
私達もそのつもりだから。』
舞華さんのお母さんと言うフレーズより、「謎のお姉さん」と言った方がしっくりくる?
本当に三人の子持ちですか?
そんなヒトの提案は背筋が冷える思いがした。
『二択ですか?ソレとも…』
『今、全てを教えちゃうのはズルい気がするし、舞華も知らない事を君に教えてあの子を怒らせたくないのは「母親のエゴ」かな?』
母を亡くした自分には羨ましい言い訳だが、よくわからない内に巻き込まれるのも遠慮したい。
『舞華さんと将来的な事で強制されるのは断固拒否して、フェアな交際がしたいのですが?』
『だから冗談ですって!ゴメンね⁈』
『いえ、その上でここで「バイト」しますよ。…ソレで俺に何をさせたいのですか?』
『…舞華を幸せにしてくれるなら別に強制はしないけど、…そうね、「ママ」って呼んでも良いわよ!』
『断固拒否で! せめて「お母さん」くらいでお願いしますか?』
なんてやり取りが有ったのは先週の事、詳しい事は追々話す事になっている。
なので、バイトの件も上手く誤魔化す為も舞華さんに悪いが前回のリベンジも兼ねて「公園」で「デート」する事を提案したのだが、
無論、拒否権は彼女に有るし、今時の女子高生が「公園で」とかどうかと思っていたが、
『えっとね!お昼はBBQとかしない?「バーベキュー広場」で薪とか炭とか買えるらしいから!食材はね、日曜なら屋台村に「新鮮野菜」を売りにくる農家のお婆ちゃんがいるの!』
予想以上に食い付いてきたので安心した。
彼女だからこその反応だけどね。
『肉はまさかの「現地調達」?』
『タッちゃんに頼んでおけば、用意してくれると思うよ、多分ね?』
無ければ近くのスーパーか、ソレこそ商店街の精肉店で購入するだけだが。
『ケバブ用のお肉とか分けてもらえるかもよ。』
いや、あの人なら舞華さんの為にステーキ用の高級なのを用意しそうだけど?
『えっと、「シグマ」も一緒だと玉ねぎは気をつけてね!』
拒否される心配は無い様でひとまず安心する。
『楽しそうだね、僕らも一緒に…』
『真琴!邪魔しては駄目だ!俺達は俺達で別な事して遊ぶぞ!』
『……舞斗お兄さん、今回はお誘い出来ませんが、いずれそう言った機会は作りますので、邪魔する様な事無き様に‼︎』
『な!何だ!止めろ!「お兄さん」とか士に言われると半月板がこそばゆいだろ!』
『そんな膝関節の中の骨が、ピンポイントでくすぐったいて、どんな拒絶の仕方だよ?』
『何を言う!ウチの親父殿は半月板が人工骨でちょいちょい痛痒いらしいぞ?』
『お前、ソレ結構大変な事だから冗談のネタにするのはどうかと思うぞ?』
『手術したの士の親父さんだって聞いたぞ?』
『尚更だ!』
『お母さん!明日ね、士くんとデートになったの!』
帰って早々に親に報告する辺りは彼女の隠し事の出来ない性格に問題あるかも?
『まぁ素敵ね!』
『あら、お姉様!おめでとうございますの!』
二葉も一緒に聞いていて、ウットリしている?
『へへへー!で、今日のおかずは何かな?』
母は妹的二葉と夕食の準備中なり、何かアドバイスをくれないかしら?
『でね、BBQとかしようって考えてるの?
それでね、何か母上にお知恵をお借りしたくて…。』
やれやれ、この子と来たら?
色気より食い気とは、女子力無さ過ぎでは?
まぁ私も高校生の頃は、流行のファッションよりも料理の腕を上げて、胃袋を掴む方を選んだけどね。
あと士くんに、
『変に気を使わず、二人で楽しく過ごせるなら近くの公園でも構わないんじゃない?』
とか言ってしまったら、本当に公園デートするらしいし!
彼も彼よね⁈
ちょっと責任を感じて手を貸すのも致し方なく無い?
『外の冷蔵庫に次回BBQで使うつもりのブロック肉と冷凍焼けした猪肉が有るから持って行きなさい!』
『えっ!マジですか⁈』
『今日の内に一口サイズにカットして、醤油とか塩麹とか味噌に一晩浸けて置けば、それぞれ下味付いて美味しいわよ。』
『ん!ありがとう、お母さん!着替えてすぐやるよ!』
『舞華姉さま、二葉もお手伝いしますの!』
『よく出来た妹だよ、君は!』
おや?もう一人の妹、リリは何処なの?
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