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世の中綺麗事だけじゃ無いけど、だからこそだよ!

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 『いや、本当に助かりました!』

 動物園に連絡したところ、直ぐに駆けつけてくれた。
 彼方も探している最中で大変驚いていたが喜び方はやっとお母さんに会えたハッチかマルコの様だと親父殿が言っているが何の事か俺にはわからない。

 
 『もしかして、北代さんですよね?
 以前、「白手手長猿」の預かり親でお世話になりましたよね?』

 なんと「あめでお」のいる動物園だって!

 逃げたマングースはハブ対決ショーを行なっているイベント会社が不景気から会社をたたむ際に引き取った子で、移動中に逃げてしまって探していたそうだ。

 『この公園、青大将くらいはいるのかなぁ?』

 別に蛇が主食では無いけどね?

 『さぁ、どうですかね?ウチの親父は夜釣りに来て、薮から5メートルの大蛇を見たとか言ってましたけどね?』

 大蛇の方は、ウサギとかニワトリとか無責任に捨てられている公園なんで、エサには困らないのか?

 よく分からない事で会話が盛り上がって楽しそうだけど、

 動物園の人と怪しげな世間話をしている父を見てボランティアな方々が、

 『やっぱり動物関係は北代さんだよな、会話が普通じゃないし?』

 『この公園、そんな大きな蛇がいるのですか⁈』

 『「葛飾(水元)原人移住説」が有るくらいですし?』


 更に謎の単語が出てきたぞ⁈
 
 そんなこんなで公園の清掃は終わった訳だけど、

 『北代さん、次回も参加して下さいね!絶対ですよ!』

 『はぁ~?まあ良いですよ、楽しかったですし。』

 次回の参加も熱望されたよ?

 親孝行のつもりで付き合ってみたけど、なんか面白い事が起こって得した気分だ。

 思いのほか、早く終わって地域猫に晩飯をあげるかって話しになり、

 『優斗、ご苦労様…誰かな、その小ちゃなお嬢さんは?』


 古本屋に顔を出すと初めてみる女の子がいる?

 『あ~、お父さんと兄さん、えっと、何から話そうか?』

 『おじさん、お兄ちゃん、こんにちは、初めまして!
 「カンバラ リナ」です!よろしくお願いします!』


 優斗、お前もか!

 俺と親父が心の中でそう叫んだかは知らんけど。









 『ハイ、翔太ちゃんから何か言いたい事が有るなら今のウチよ!』


 コッチはコッチで怒られた三兄弟…じゃなくて、

 『最近、ウチの連中ロボ達がもっと普段から僕以外ともコミュニケーション取りたいって言うもんだから。』


 その横で、壊した扉を元通りに修復している「北代家カプセルロボ軍団」!

 手には小さな工具がセットされていて、まるで「ヤッター○ン」に出てきた「ビックリでドッキリなゾロゾロ出てくるメカ」がド○ンボーメカを分解して破壊する様子を逆再生で見ている様だ?

 (返って分かりにくいか?)



 『そうよね、そろそろとの仲も進展させたいし、ロボとは言え、「二人っきり」になりたいよね?』
 
 
 『ん?何故、ここで春佳さんの事が?』


 未だご実家と折り合いが付かないと言う「ちゃん」は今も時村邸に住み込みでおさんどんしている?

 地下のロボたちともに仲良くなって、買い物のお供にしている。


 『そもそも皆んなの役に立ちたいから、色々機能を追加したんだし、彼等も皆んなとご町内の皆さんと仲良くしたいんだよ。』

 『分からなくも無いけど、ソレで遊園地で働かせているの?』

 『まぁそんなところかな?』

 『ふ~ん、で、どっちが翔太ちゃんを唆したのかしら?
 ダイちゃん、ゲンちゃん?』


 『大樹デス!姐さん!
 大樹の奴が師匠や舞華ちゃんたちにしたくて、高道叔父に「マリンランド改装」を提案したんですよ!
 ソレに地下に「国際救助隊」みたいな基地を作ろうとしたのだって叔父には言ってないんですから!』

 オイオイ?

 『遊園地に基地って、超魔術ロボじゃ無いんだから?』


 『ち、違います、お母さん!
 そんな大それたモノじゃありません!  って言うか、元徳の言っている事は大袈裟なんですから!

 だって、この件にはだってカンでますから!』

 必死に弁明する様子は子供のソレと変わらないぞ!

 『コラ、君のお母さんになった覚えはないよ、大樹くん。
 あと、「サナエさん」でしょ?あの人って。
 そのくらい私でも想像出来ます!』


 『えっ?翔太聞いてないよ、「サナエ」から?』


 多分、いたずらに増えてきたロボの活用方として、の「国際救助隊何でも屋」を作ろうとしているな、あのロリババァは?
 

 どこまで本気なんだろう、これだから山王院の坊ちゃんたちは⁈

 でも、ここまで移動するのに「カノン」に乗って来た自分も偉い事言えないけどね。

 『マスター久美ちゃん、私もココで働きたい。平和な時は何にも出来ないとは寂しい!ココなら皆んな子供達と遊べるのが仕事になるよね?』

 『カノン、その場合は「武装」はパージ全外しだよ?不恰好にならないかな?』

 『なら危なくない外装を博士翔太に作ってもらうのはダメ?』


 過去に火災現場から無事にケガ人を救助出来たのは超高温に耐えられるボディーと酸素供給を遮断する「ケミカルショット」と言う薬品弾のお陰なんだけど?

 『これ、アンタ達だけで進めていい話しじゃないよね?

 元「チームFinal」のメンバー全員召集しないと?




 巻き込んでしまったみたいで、ごめんなさい、士くん。』


 『すいません、展開に無理が有りすぎて話しが理解出来ません。』

 
 『舞華、お嫁にあげるからこの事は内密にね!』

 『頑張って理解します!お母さん‼︎』

 『あら、もう~気が早いわね♡』


 『俺と扱い違いませんか⁈』






 『すいません、空気清浄機の保守点検です!失礼しますね。』

 『そう?ご苦労様。』


 そこは「病室」と言うより、高級な寝室の様?

 
 『あの、すいません、元アイドルの「水野 陽子(芸名)」さんですね?』

 思わず疑問形で尋ねてしまう。

 
 『あ、アンタ、まさか「鮎川 梨沙」じゃない⁈
 何しにこんな所にまで来たのよ!』

 そこに居たのは、私の母と同じくらいの年齢なのに、私の祖母だと説明しても余り違和感が無い印象の初老の女性がいた?

 実際にはそう見えただけで、声の感じは若々しくも取れる、なんとなく違和感がする。

 確かになのは分かるのだけど、急に年老いてしまった様な、髪には白髪が目立ち、肌はハリがなくて社長の家で見た写真の彼女より痩せて見える。

 ただ身を隠したのでは無く、本当に治療が必要な状態なんだと分かった。

 ベッドに横たわっていたが彼女は介護ベッドをスマホで操作して背もたれを立ち上げ、身体を私たちに向き直した。
 (最新式らしい?)

 『一体何があったんですか?この状態は何かのご病気ですか?』
 

 『知らないでココに来たの?』

 『そんなところです、私はリナの為にも貴女と話しがしたかったモノですから。』

 『おやまぁ、すっかり「お姉ちゃん気取り」ね?』

 皮肉を言われるとは思っていたので、別段構わないけど少し諦めた表情が気になる?

 『不治の病とかなら神様を恨むけど、コレは自業自得って事かしらね。』

 『違法薬物の副作用ですか?』

 佐竹が手下や事務所の女性タレントに使用して逃げられない様にしていた「悪魔の薬」、元のこの人に使用したとしても不思議では無いけど?

 『佐竹のアジトから救出された時に、何故姿を消したのですか?
 リナも心配してますよ!』

 『あの子梨奈が?私を?
 まさか、そんな事無いでしょ?』

 『母親を恋しがらない子供はいません!例えばそれが「下手な強がり」でも⁈』
 
 『しー!アユちゃん、声が大きいよ!』

 つい大きな声が出るも、一応「防音」だそうだ?

 多分大丈夫みたい?

 『スパイごっこなら怒られる前に帰りなさい、でもフィルター交換とかは、ちゃんとして行きなさいよ。』

 『ハイ、既に終わりました。』

 トシさんが爽やかな笑顔で答える、やる事はちゃんとやってますよ。


 『何で!どうして「違法薬物」なんか使ったんですか? こんな状態になるなんて思わなかったんですか⁈』

 団長ヒナちゃんさんが目に涙を浮かべながら質問すると、

 『そうね、私が貴女達くらいの頃は、
「合法ドラック」とか「脱法ドラック」と呼ばれていてね、特に問われなかったのよ。
 普通に市販されてる「医療薬」を複数の組み合わせで「効果」が現れるとか、ジャングルの奥地で採取された珍しいキノコやコケから原住民が作った「秘薬」とか、後先考えずに試してみたわ。』

 当時はまだが追いついていないだけで、別に違法で無い訳では無かった。

 『信じられません、死んだらどうするんですか⁈』

 『いるわよ、実際に死んじゃった顔見知りの子も。』

 か、軽い!

 私たちの前の世代も危機感を持たない人っているんだ⁈

 私が話し合う前に状況に団長さんの質問が相手を油断させてる様で警戒されていない様にも取れる?

  それにしてもアユより、団長ヒナちゃんさんの方が熱くなってるけど、次の質問で別の意味で暑くなってしまった。

 『そもそも何でそんな「薬」なんか使ったんですか!』

 『そうね、気持ちいいからかしら。
 私の時は、水に溶いて炙るの。
 その湯気を吸うと感覚が昂ってね、スゴく感じるのよ。男も女もね。』

 『かんじる?』
 
 私は何の事か分かったが団長さんは分からなかったらしく、

 『あら、わからないかしら?「SEX」の前に使うのよ。一度使ったら「闇付き」よ。』

 『せ、せ、…!
 そうゆーのは、私には分かりません!』

 団長さんの顔が真っ赤になり、湯気でも出そうなくらい暑くなった。

 『あの人、「佐竹」が喜ぶのよ。そうでもしないとあの人を繋ぎ止められないから。』

 少し絶望的になる、でも聞かないと!

 『貴女に取ってが大事なのは分かりました。

 でも大切なモノはそれだけでは無いハズです。』

 この人が梨奈の母親かと思うと居た堪れない、その後の会話が怖くなって来た?

 『「大切」、何の事?
 まさかアンタ、梨奈たちの事を言っているの?

 そんなのでしょ!だってあの子たちは「大事な金蔓」なんだから!』


 えっ?
 
 『真弓、いえ本名は信子だったかしら?アンタの母親とは事務所の同期でね、大して売れてもいないのに何故か私のに気に入られてたのよ。…だから!』

 
 「鮎川 真弓」と言うのが母の芸名だって言うから、お店スナックでも「真弓ママ」とか呼ばれていた。

 ソレが凄く嫌だったけど…

 『そう、だからアンタの兄さんを引き取って育てる事を了承したの、私の子はおそらく長く生きられないから…。』

 『それって、どう言う意味ですか?』

 『薬キメテる時に出来た子よ、まともに育つハズが無いわよ!
 私の父親はね、「子供好き」なの、私には厳しいけど?
 だから、いずれ会社を手に入れる為にも「後取り」が必要だったのよ、父のがね!』

 母や社長実父に聞いていた事と色々食い違っているけど、結果的には合っている様?

 だけど?

 『それでも「好きな人の子供」が欲しかったんじゃなかったんですか?
 お腹を痛めて産んだのだから愛せないなんて事無いですよね!』

 『彼、ナカに出すのが好きなの。
 「俺は子供好きだから!」って言うのよ、ゴムを付けない言い訳にしてはでしょ?

 でも、子供が出来たら出来たで、別れさせられたわ、父にね!』

 おそらく間違いない、自分の後継者にはふさわしく無いと判断したのだろう。

 『それに確かに傷は多少残ったけど、それほど目立たないのよ、産んだ実感なんてほとんど無いわ、だって出産なんかしたら緩んじゃうじゃない?
 「産みの苦しみ」なんて知らないわよ。』

 『帝王切開ですね。』

 トシさんがそう言うと、ヒナちゃん団長が

 『あ、あ、あ、あんまりデスー!』と泣き出してしまった。

 団長さんのキャパを超えた回答に、メンタルが耐えられ無かった様、

 私は私で血が冷える様な感覚に襲われた。

 演技だよね、コレ?

 違うの?

 自分と子供達を関わらせない為の?

 私が聞きたいのはこんな事じゃない、せめてあの子梨奈の事だけでも
母親として気にかけて欲しかったから。


 『もういいかしら、同じ事をにも話したの。
 …あとはその人から聞きなさい。

 さぁ、仕事が済んだらとっととおウチに帰りなさいよ!』

 『待って、ある人って?』

 『髪の長い男よ、イケメンのね!』

 『あっ⁈』


 団長さんは何か心当たりがあるみたい。

 『二人とも、作業は全部終わったから失礼しようか。』






 『団長ヒナちゃん、おつかれ!アユちゃんも!』

 受け持ち分を終えて、外で待っていたちぃちゃん達、何か紙袋を持っている?

 『ソレ何?何かもらったの?』

 『お婆ちゃんに「カルメラ焼き」もらった!昨日作ったから皆んなで食べなさいって、あとお菓子とかお蜜柑とか色々くれたよ。』

 私たちとは対照的で羨ましい。


 『ナナガミさん、既に「父」が来ていたのですか?は既に誰かに事情を話したと言ってました、長髪の美形だそうですけど?』


 団長さんがもう一人の男性に詰め寄る?

 『ソレは自分、聞いていません。自分の任務は対象者から「証拠品」を受け取る事だけですから。』


 あまりこの場所に長居は出来ない、猫カフェに梨奈を預けてある訳だし、


 『帰ろ、アユちゃん!カルメラ焼き、妹ちゃんにも分けてあげるからね。』

 相棒ちぃちゃんさんが満足そうに笑いかけて、お菓子を小分けした小袋を渡してくれた。

 『うん、帰りましょう。』


 




 『アレで良かったのかい?』

 同室のご婦人がをかじりながら話しかけて来た。

 『大きなお世話よ!もう会う事も無いんだからどう思われたっていいのよ!』


 
 『そうかい、そうそう、又あのおチビちゃん達が「慰問」に来るそうだ。
 私はお土産用にコイツカルメラ焼きを作ろうと思うんだけど、アンタもやらないかい?』

 『気が向いたらね。』




 『団長さん、ありがとうございました。 …ソレと嫌な思いをさせて…』

 『ちょっと待って!お家妹ちゃん着く帰す所までがデス!
 後は羽柴ビルまで直行しますよ!』

 『ヒナちゃん、お願い!帰りもSAで何か食べたい!寄り道して!』

 『却下デス!日がある内に付かないとになっちゃうモン!』


 『あう~!帰りに鯵唐揚げカレー味を買おうと思っていたのに!』


 ブレないちぃちゃんであった。







 『梨奈ちゃんのお姉ちゃん、まだかなぁデスの?』

 『リナちゃんのお兄ちゃんはダメダメなのだ!』

 『アハハハ、お姉ちゃんたち面白~い! お兄ちゃんしっかりしてよー!』

 『この子が強すぎるんだよ!
 君、「露西亜少女」のは無いのか!そんなパワフルな露西亜っ子が居てたまるか‼︎』

 『リリの強さは万国共通なのだ!』

 深い意味は無い。



 ココは羽柴ビルの屋上の「空中庭園」、皆んなでリナちゃんのお姉ちゃん鮎川 梨沙を待っている。

 優斗一人では大変かもと、舞華が二人リリ二葉を呼び出したのだ。

 今はに来てくれたと楽しく遊んでいる訳なんだけど、

 リバーシやトランプでは二葉の圧勝、腕相撲ではリリが瞬殺などお兄ちゃんは全く良いとこ無しなのだ。

 その間に優斗は温室のハーブで生ミント茶とか作っている、ちなみに愛夢ちゃんは二人が来たのでしてお店の手伝いに戻って行った。


 『ハァハァ、もう降参だよ!』

 『情け無いのだよ、そんな事では可愛い妹は守れないのだよ、せいねんよ!』

 の真似らしいが語尾にリリ語が混ざってが悪い?

 まぁ、細かい事は気にしない子なので指摘しないけど。

 『情け無いお兄ちゃんなのだ、そんなこんなでは女の子にモテないのだ!』

 『余計なお世話だよ!』

 『大丈夫だよ、お兄ちゃんにはリナがいるもん、ね!お兄ちゃん‼︎』

 『あら、良かったですわね。』

 『何言ってんだよ?全く…。』

 何気に嬉しそうなお兄ちゃん、しかし?

 『本当、何言ってんだかね?⁈』
 
 『あ!お姉ちゃん、おかえりなさい!』

 『リナ、ただいま。お兄さん、迎えに来てくれたのは嬉しいけど…この変態っ!』
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