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猫ソムリエの憂鬱〜あぁ猫神さま、はじめてのお泊まり♡

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 『うわっ!この「たこ焼き」、すげーウメェー!マジウメェー⁈』

 『おぅ、いい食いぷりだな。
 勘定は気にせずドンドン食え、兄ちゃん!』


 『たこ焼き食べるの、本当「半年ぶり」なんですけど、ソレ抜きでも「鬼」美味いですよ、この「お兄さんのたこ焼き」はっ!』

 場所は鶴亀公園内の「屋台村」!

 実はたこ焼き屋のタッちゃん、某動画サイトで、「マッド松戸のサバイバル生活」をよく見ている。

 芸人として荒れた芸をしていた頃は知らないけどね?

 なので何気に「にわかファン」と言う訳で自慢のたこ焼きを振る舞っている。

 タッちゃんも今でこそ、鶴亀公園で定着して名物屋台になっているが、

 『オレも以前はコイツキッチンカーと一緒にアッチの地方やコッチのイベント会場とかを渡り回って、ホテルや旅館なんて泊まる金がもったいないねぇから、野宿ばかりしていたんだわ。』


 ここまでココ様猫神を案内したまでは良かったが、自分の部屋安アパートが燃えてなくなり、今晩どうしようと悩んでいた時にな人物から声をかけられた。


 『ね!お兄ちゃんの「たこ焼き」は世界一なんだから!』

 喫茶スピカの小さな看板娘「羽柴ハシバ  愛夢アイムちゃん」、ほぼ話の流れから置いてけ堀の松下くんを誘って、美味しいたこ焼きを食べに来たのでした。

 また、このたこ焼き屋さんの事をちょっとカッコイイかなって思っていたり?

 『そうだろう、そうだろう!
 他にも変わり種のタコならぬ「イカ入り焼き」とか「スパム入り焼き」とか有るのだが、やっぱり定番のの「タコ入りたこ焼き」が一番美味ウマい!』

 やっぱ、居たな。

 『灯火ちゃんは無料タダのたこ焼きが一番美味おいしいでしょ?』

 何故だかしっかりちゃっかり「ご相伴?」になってる灯火さん。

 『アイムん、言う様になったな。
 まぁそうなんだが、アイムんや天馬が言ったんじゃ無かったら「殺し」ちゃうかもだから、気を付けてな。』

 二人並ぶと同級生にしか見えないのは「ある意味」お宝映像かも?

 『灯火ちゃん、女の子はそんな「怖いコト」言っちゃダメなんだよ。』


 灯火の事情を知らない愛夢がグイグイ来るが、悪い気はしないのは普段からをされてるからだろう。



 『なぁ、松下のあんちゃんは今日の「寝床」がぇ~って話しだそうだか、やっぱり、この辺りで「野宿」するのか?』

 使い込まれた「千枚通し」で、たこ焼きを取り分けてに振る舞うタッちゃん。

 松下くんの「今晩の宿」の心配をする、なんなら自分の部屋に泊めても…

 『キャンプするの?愛夢もやりたい!』

 『いや、今日のトコロは「ネカフェ」とか探してみますけど、出来れば「布団」で寝たいです。』

 すると、

 『じゃあねぇ~、お父さんたちに聞いてみないとだけど、愛夢んちならお部屋たくさん有るから泊まれると思うよ!』

 大変ありがたい申し出に別の人物が答える?

 『よし、私も泊めてくれ。
 そして新名さまの「特製オムカレー」をご馳走してくれまいか?』

 『灯火ちゃん、食いしん坊さんだね?ねぇ、。』

 『きっと、十六夜嬢は「育ち盛り」、胃袋に魔獣を飼っている。』
 
 




 
 『ほぅ、ここが「北代の屋敷」か!
 古い家と聞いていたが、面白い形をしておるな?』
 

 『ココ様、そこは「ガレージ車庫」です。』



 やっと、客人ココ様を家にお連れ出来た。

 
 羽柴ビルの「屋上庭園」に有る「小さな温室」、スズの隠れ家にもなっている不思議空間で有るのだが?

 『ここで「婿」が生まれるまで世話をしておれ。サボると「ロクデナシ」が生まれるから手を抜くなよ。』

 『心得ましたで御座います。デヘヘ♡』


 『では、やっと「北代の屋敷」にお邪魔出来るな!』

 『邪魔だと思うなら来んなよ、「化け猫姫」。』

 『あら「あなた」♡』

 『おぅ、久しいのう、当主!
 来てやってぞ!』

 『兄さん、御姫様に失礼ですよ。』
 


 地下の「古本屋」を早終いして、様子を見に来た北代パパさん?

 
 『こんな事頼んで無いけど、大丈夫なのかい? その「寿命』とか?』

 『ん? その辺はお前の家系本家の「守護神狗神」に補填して貰うから覚悟しておけ。』

 『オレ、本家の「嫌われ者」なんだけどなぁ?』

 『狗神はお主を気に入っておるのになぁ?』

 

 『迎えに来てくれたんでしょ?アナタ♡』
 
 『ソレやめなさい、新名の視線が痛いから。』

 『あら、私は兄さんと姉さんの「仲良し」なのが嬉しいと言うか、懐かしい感じがして楽しいだけよ。』

 『だって。へへへぇ。』

 『へいへい、じゃ行こか、「俺んち」に。』



 その道中も何か目に付いた「はいから」な食べ物を物色しつつ、家に帰る。


 『多分、二葉たちが「歓迎会」の準備をしていたから楽しみにしとけよ、ココ様?』


 『おぉ!楽しみなのじゃ!』



 
 『お越しになられた様ですわ。』

 『「鰹節」、「猫缶」、「鯵の開き」、猫神さまも、まっしぐらなのだ。』

 『リリちゃん、ソレ駄目ですわん!』

 『「くさや」も用意したぞ?』

 『誰だ!リリに余計なモノ、渡したのは⁈』


 『あ、ごめん。それ、綾乃のだ?「晩酌用」に隠してあったやつ。』









 『ハイ、診察おわり!お疲れ様でした。』


 愛葉医院には新顔の若い獣医師さんがいた。

 『どう?ウチの新人、中々の腕前でしょ?』

 『お立てても何も無いよ、。』

 の愛葉先生、別れた旦那さんと暮らしていた息子さんが最近、仕事を手伝ってくれ始めた。

 『息子の「尾野 智」です。就職先が「閉院」してしまったので、仕方なくココを手伝ってます。』

 爽やかな笑顔が眩しい細マッチョさんだ、女子がときめく⁈

 『先生、息子さん「イケメン」ですね!』

 悠佳里さんの「ド直球ストライクゾーン」だったみたいね。

 『ですってよ、「サトシ」。彼女ゲット出来るかもよ?』

 『やめてよ、母さん。恥ずかしいし、お嬢さんに失礼だよ。』
 
 『お、お嬢さんだなんて、ぽっ。』


 『オレ、「舞斗」って言います。智さん、お幾つですか?』

 『もう直ぐ三十になるよ。結構オジサンなんだよ。』

 『お、おじさんだなんて!私だって「27歳」ですよ!そんなに大差無いです。』

 『そうね、お似合いかも?
 そうよ、悠佳里さん、智さんさえ宜しければ「お付き合い」なされては?
 ねぇ愛葉先生!』

 『悠佳里ちゃん、智のお嫁さんに来てくれる?私は大歓迎よ。』

 『やめなさい、皆んな。悠佳里さんが困った顔してるだろ?』

 『いえ、あの、私は…ぽっ。』

 
 心配していた猫たちの具合も、この様子なら問題無さそうだ。

 一安心して飛び交うくらいだし?

 アレ、悠佳里さんは「本気」?



 まぁ新しい出会いに祝福してあげますか。




 出会いと言えば、


 
 『ほう、成る程なぁ、つい「イイ格好」してしまい、結果が失敗におわったと?』

 『ハイ、まさかこんな事になるなんて?』


 その日有ったばかりの老人に色々打ち明けてしまう自分が不用心だと思いつつも、
 少しでも心の負担をなくしたい、
 もしかしたらこの人が何か助力してくれるかも知れない。

 そう思うのは、この気さくな雰囲気と亡き祖父を思い出す様な風貌だからだろうか?

 『ほうじゃのう、お前さんが心から悪かったと思い、「誠心誠意」で謝るしかないんじゃないかのう?
 怒るも笑うも気持ちからでな、「心」には「心」で返すしかないからなぁ。』

 全く抽象的な具体案の無い解答なのに、涙が出てくるのは自分でも止められなかった。

 『許してもらえるでしょうか? 仮に許してもらえても、大学は「放校」されるかもしれません。そうなれば、もう「獣医師」になれないかもしれないです。』

 その事が「気持ち」より「頭の中」で自分を苦しめる。

 『僕の人生は獣医師になるのが、絶対条件なんです。』

 『なら諦めずに頑張ればいいじゃないか?
 諦めなければ少し先になるだけで、なれない訳ではないだろう?
 道が塞がれたのなら、退かせる石なら取り除き、持ち上げられない大岩なら回り道でも、よじ登っても前に進むんじゃな。気長に待っておれば岩も雨風に晒され、ひび割れて向こうに進めるかもしれん。』

 『それじゃ遅いんです!父に知られた「絶縁」されます!』

 『お前さん、本当にその「動物の医者」になりたいのかの?

 お前さんの話しからは「父から逃げたいが難しい」と聞き取れるがどうかの?』


 『…そう…かもしれません。』

 『先ずはに謝るべき相手に謝る事だな。』

 『だから、担当者に頭を下げて…』

 『そうではなくてな?』

 『お店の責任者にデすか?』

 『一番迷惑をかけたのは誰にじゃ?』






 その頃、この本編には直接の関わりの無い所で、初々しい「青春ロード」をアクセル踏み込んで爆走さている女子大生と幼馴染の男子高校生が鶴亀神社で参拝していた。



 『チカラくん、何をお願いしたの?』

 『ランさんが来年、大学を無事に卒業出来ます様に、と…』

 『ありがとう、でも大丈夫!もう卒論は八割方終わっているの、残りの一年で資料文献とか現地調査のレポートを纏めれば完成だから。』

 歳下とは思えない落ち着いた性格に「優しさ」と「誠実さ」と「力強さ」を持ち合わせた、心に「星」を持つ高校三年生「門星カドボシ  チカラ」。

 そんな歳下の幼馴染に淡い想いを抱いている「明神ミョウジン  ラン」は、この想いをどう伝えようか思案中ですよ!

 『そんな心配じゃなくて、事故とか事件に巻き込まれない様にと。』

 『そっちなの⁈舞華たちじゃ有るまいし、無い無い!
 それよりキミはどうなの?「卒業」後の進路は?』

 『その事なんですが、実は…』


 『ん!教えて!』

 『獣医師を目指すつもりです。』

 『えっ?あれ? お父さんの仕事を手伝って「整体の先生」とか、お母様の御実家のお仕事を継いで「建設会社」に就職するんじゃないんだ?』

 『父も祖父も「自分の好きな道に進みなさい。」、と言ってくれました。

 なので「山代」を卒業後はそちらの専門の大学に進学します。

 予定では「寮」から通う事になりそうです。』

 
 えっ!

 『そ、それ、他の人は知っているの?舞斗とか、舞華とか?』

 『父と祖父と北代のオジサンや、明神のオジサンランさんのお父さんには相談しました。』


 ええっ!

 『ウチの父に?』

 『担任ですから。』

 そうだった、父は「山代学園」の学年主任で次期教頭先生の噂がある。

 『う、うん!そうなんだね、頑張れ、チカラ君‼︎』

 
 寮生活が始まれば会う機会が減る?

 これは早急に自分の想いを打ち明けないと⁈

 確か獣医師になる為の大学って、普通の大学より長い期間、勉学だ実習だ研究だ!って拘束されるらしいし?
 (個人の見解ですよ!)



 『ランさん、お願いが有るのですが、聞いてもらえるでしょうか。』


 『えっ? うん、何かしら?』

 『オレが「寮」にいる間、「父」と「弟」の事を気にかけてくれませんか?』

 『あぁ、お父さんのお世話とかね?
えぇ、良いわよ。
 お父さん、お一人で色々大変で…?
えっと、「弟」ってどなた?
 舞斗とか優斗くんの事じゃないわよね?』

 『母の実家に預けられていた「オレの本当の弟」ですよ。母が亡くなって赤ん坊の世話をするには俺と父では心許ないと祖父母と叔父夫婦が面倒見てくれていたんですが、』

 チカラ君の「弟」⁈

 『小学生になって、俺たちと暮らしても良いんじゃないかって事になって、ちょくちょく会ってはいたんですけどね。』

 『私、チカラ君に弟さんが居たなんて、たった今知ったんだけど?』

 『…明神先生担任は知ってますよ、あと北代の家の人とか。』

 まぁ、チカラ君はお父さんと「北代荘」に二人で暮らしているし、門星家の内情も知っているのは不思議では無いけど。

 舞斗たちのお祖父さんが「北代荘」の一室で「整体院」を開業していて、引退後はチカラ君のお父さんが引き継いでいたので、てっきり彼も「整体治療師」になるものと思っていた。

 だって、よくお父さんのお仕事を手伝っていたし!

 私、彼の事、まだわかってなかった!

 私が思っている以上に高みを目指して、悩んでたんだ?

 それなのに私の卒業を神社でお願いしてくれる、幼い弟さんやお父さんの事を気にかける優しい人!

 私には勿体無い人かも!

 でも、でもでも⁈


 『ランさん、どうかしましたか?』

 『あ、あのねチカラ君、私、あ、あの、あのね!』

 『ランさん、俺のコト、どう思いますか?』

 『えっ?』

 舞華や舞斗の前では頼れる姉を懸命に演じている嵐、今日も歳上らしく振る舞って彼をドキッとさせるつもりが、自分が驚かされてるし?

 
 『俺が無事「獣医師」になったら、「門星  ラン」になってもらえませんか?』

 『……ハイ?』

 え?







 え⁈






 
 『よく来たな!「琥珀姫」!三十年振りか!』

 駄菓子屋狛田商店の居候猫が何やら吠えている?

 『トビ助永飛丸、なんでお前が偉そーにしている?』

 猫神ココちゃんがソレに答えている様に見える。

 『アレ、トビちゃん?狛田のおばあちゃんが探してたわよ?
 御姫様琥珀姫に会わせたかったみたいよ?』

 うしろから狛田さんちのドラ猫を抱き上げて、アゴ下をコチョコチョくすぐるママさん。

 『ぐるぐるにゃ~ん♪』

 そこに、

 『ココ様琥珀姫、お懐かしゅう御座います。どうか我が子を抱いて下さいませ。』

 現在、北代家の猫の「女ボス」に収まったフウナ登場、後ろにの子供たちが付いてきている。

 『おう、フウナ!息災か!この子らがソナタと「福殿」のお子が!可愛いのぅ!』

 各仕事が終わり、北代家に集まった「ビースター」たち。

 『猫神さま、仲間たちは元気ですか?』

 『おぅ、そなた達が「びぃすたぁ」達か。うむ、皆「山守」の仕事に励んでくれて助かっておるぞ!』


 北代家には猫神に挨拶したい猫やケモノ達が次々と集まっていた。

 『あの辺が落ち着いたら「歓迎会」始めような?』

 『ハイ、お父さん。
 えっと、後であんずお姉さんたちも来るって連絡有ったよ。』

 『そっか。』

 舞斗たちも程なく戻って来るそうだ。

 『ほら、ココ様よ。歓迎会してやるから、そろそろコッチ来いや!』

 北代パパさん、猫神さまを敬う気が無いのか、有るのか?


 

 『子供たちと会うのは初めてだよな、そっちから「舞華」「華」「リリ」「優斗」「二葉」「舞斗」「ゆたか」「ワラシ」だ。』

 『初めまして!』×ワラワラ!

 『此奴は違うのかえ?』

 と、言って見つめる先に、

 『私はこの家の「食客」なので。モグ。』

 『「灯火」は単なる「穀潰し」だから。勘定に入れません。』

 『パパん、冷たいぞ!』

 『誰がパパだ?』

 
 オチがついたところで大笑いしている家族と来客

 『ご無沙汰ですな、ご亭主、奥方殿、お子たちも。これ、土産でガス。』
 

 『タツマキおじさん、毎回すいません!』
 
 富山の薬売り並みの周期で訪れる老人から丁寧に土産を受け取る母と娘達!

 中身は珍しい山菜、超珍味なのだ!

 しかも美容効果有り!

 『タツマキ?お主、いつの間に合流したのじゃ?』

 『先程から御身の側に控えておりましたぞ。』

 
 『こうもん様とやしちの会話みたいなのだ!』

 リリの素直な感想に大人達だけ受けていた。


 『奥方殿、大家長殿にご挨拶したいが、今お加減は如何か?』

 舞斗たちの祖父は元は「山育ち」、時折訪れる謎の老人とは「山あるある」話しで毎回盛り上がっている。



 『最近は「新しい孫」が増えて、また「生き甲斐」が増えたみたいで機嫌が良いですよ。』

 『タツマキ、お主はそんなにこの家に訪れているのか?ズルいぞ!』

 『その度に「モダンな菓子」を土産にしているで有りますが。』

 

 『キタさん、久しぶりだな?元気かい?』

 『おぅ、タツさん。まだ生きてるよ。』

 二人の挨拶は毎回こんな感じだ。

 『また、孫が増えたのかい?可愛いの抱っこしてよぅ?』

 介護ベッドに腰掛けている祖父の膝にはやっと首が座って、布団の上で「ハイハイ」にチャレンジしている「猫耳」な赤ちゃんがいた、お祖父ちゃんに「抱っこ」されてご機嫌の様。

 『オッチャン、可愛いだろ!リリの妹「ルルちゃん」なのだ!』
 
 『ほう、リリ坊の「妹」かい、そいつは格別可愛いはずだなぁ。』
  
 『そう言うタツさんも「愛らしいお嬢さん」をお連れじゃないか?』

 いつの間にかココ様がタツマキおじさんの後ろにいて、祖父に優しく微笑んでいた。

 『ああ、この方は…』

 『祖父が日頃より良くして頂きまして、ありがとうございます。「」の「コハク」と申します。久美伯母さまの計らいで暫く祖父共々、滞在させて頂く事になりました。良しなにお願いします。』

 『へぇ?御姫様?』

 『おや、コレは丁寧なご挨拶を。どうぞ、ごゆっくりお過ごし下さい。

 なんでぃ、タツさんにもこんなしっかりした可愛い「お孫さん」がいるんじゃないか!

 久美ちゃん、よろしく頼むな。』

 『ハイ、お父さん!任せて下さいな!』

 ん~?御姫様、その「設定」で行くんだ?
 
 ん?そう言えば、誰が忘れてない?



 『お母さーん、新名伯母さまから電話! 松下さん、羽柴の家にお泊めするって!』
 

 案外、そっち羽柴家の方が「当たり」かもしれないよ。

 この後の大騒ぎを考えるとね。







 『デカい湯殿だな?』

 『皆んなで入れは、「丁度良い」のだ!』

 女の子全員で「お風呂タイム」。
 
 舞華の希望で!

 『尻尾ってどの辺から生えてるの?』

 『こ、こら! 妙なところを撫でるな!』

 『舞姉はヘンタイさんなのだ?』

 『ぶれませんわね?舞華姉さま。』

 『ココ様、シャンプーしませう?耳は
四つ有ったりするの?』

 『此奴、何を言っているのだ?』

 『ソコは「見なかったコトに!」って言ってくれないと!』

 『知らんわ!』

 『静かに入りなさい!』




 『風呂場、うるさいな?何やってるんだ、アイツら?』
 
 『舞斗!覗きに行っちゃ駄目だからね!見たいなら僕が見せて…。』

 『行くか‼︎』

 


 
 『本当に賑やかだな、俺んちは?』

 猫神が我が家に来るきっかけを作ったのは実は俺なんだが、

 『あの様にはしゃいでいる御姫様を見たのは初めてで御座るよ、北代殿。』

 タツマキさんに礼を言われ恐縮する。

 『まさか貴方まで来るとは思いませんでしたよ。てっきり「オロチ」辺りが文句を言いながら、喜んで付いて来るものかと?』

 『彼奴なら、「謹慎中」です。』
 

 『今度は何を仕出かしました?』

 『山菜摘みに来た娘を口説きまして、「嫁」にしたいと。』


 『べつにいいではないです?』

 『村長の孫娘なんです。』

 『ソレはマズいんですかね?』

 『小学生なんですわ、孫娘さんは?』

 
 『…殴りにいきますわ、近々。』








 『ニャ、ニャニャン。』

 『ふむふむ、そうか!お主はこの家の子になって毎日楽しいのじゃな!』

 『ネココ様、凄いのだ!メイの言っている事、分かってるのだ⁈』

 湯上がりサッパリの娘たちが、猫神サマを囲んで「女子会」らしき事をしている。

 ちなみにココ様がお召しになっているのは、リリのお古の「蓄光で輝くパジャマ」。

 一階リビングは翌朝まで「男子立入禁止」になってしまった。

 猫は別らしい。

 『締め出されちゃったね?舞斗、僕らも「男子会」する?』
 
 『いや、今日は流石に疲れたから、もう寝る。
 
 おやすみ。』

 
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