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ショートストーリー 〜懸案事項、「虎丸の履歴書」

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 イヌとかネコとかハツカネズミにハムスター、モルモットにセキセイインコ、文鳥、ウズラ、ニワトリ、ミドリガメ、ゼニガメ、金魚にメダカに錦鯉、色々飼育してました父の言葉です。



 「生き物を相手にしてあるのだ、いつかは悲しい別れを体験する。」


 それを承知で始めた「猫カフェ」なんだけどね、



 『猫って、長生きすると尻尾が二つになって「猫又」と言う妖怪になるんだって!』

 そんな事を信じて、我が家の猫たちの尻尾を丁寧にブラッシングしながら確認する子供の頃。


 そんな事を思い出しながら私は聞き取り調査を始めた?

 『お父さん、過去に居なかった?「尻尾が二本の猫」って。』

 『さてな、でもウチに住み着く「猫たち」は皆んな「綺麗」で「長い」尻尾だったな。』

 20歳を超える「飼い猫」の話しを聴くけど、我が家では17歳の「福ちゃん」が一番長生きになるのかな?


 フウナちゃんはどっちになるのかな?


 

 『私の尻尾がどうしたって?』

 その美しい「尻尾」を優雅に揺らしながら私たちに近づいてくる、現在我が家で一番最年長猫?のフウナ。

 未亡人の貫禄もついて、今や我が家の「女ボス」猫だね。

 『ねぇ、フウナちゃんの「年齢おとし」って、人間ヒトとして、それとも「猫」として数えるの?』

 『さぁ?どっちでもイイぞ。』

 下の子供達が姉の「ノワール」と兄貴分の「ショットガン」と遊ぶ様になり、子育てから解放されて少し「手持ち豚さん」なフウナちゃん?

 私より上だと言う事は確からしいけど、

 『長生きしてね、フウナ姉さん。』

 『ん、何だ、急に?』

 『実はな、「森猫」の猫たちの「履歴書」ってのを作ってな、壁に貼るんだと。』

 ちょいお疲れ顔のパパ様?
 
 『では私の職歴は「森猫」でメイド長をしていたぞ。』

 『だね。』


 などと申してみたり。

 実はそうなのだ!

 「森猫」にいる猫や犬たちは「里親」を探している「譲渡待ち」の子達がいる。

 全ての猫たちでは無いけど、新しい家族を求めて来店しているお客様が少なくない。

 「森猫」では各猫たちについて「プロフィール」の質問が頻繁になってきた。

 
 そこでホームページ上や店内に各猫たちの「履歴書」を閲覧出来るようにしてみてはと父の意見をくれたのだ。

 もっとも発案者の父も、冗談半分で言った事をが実行するとは思わなかったみたい。

 『だが、「ほうむぺぃじ」にメイたちの「ぷろふぃぃる」を載せていたのでは無かったか? 以前、足立に「ぱそこん」を覗かせてもらった時に見たが?』


 『「履歴書」だから面白いのよ!何か「冗談味」が有って、洒落てるでしょ?』

 『就職先に四苦八苦している学生客に不評を買いそうだそ?』

 『えっ?そ、そうかな?そんなお客様いるの?』

 『私が「メイド長」をしていた頃に「面接巡り」を繰り返し、気疲れしてやって来た卒業を控えた大学生のお客様だ。

 人生相談にも乗った事も有るぞ?

 今も来ているのではないか?
確か「不動産関係」の会社に就職出来たと伺っているが。』


 さ、さすがだね、ふうなメイド長!


 ここからはフウナちゃんも参加して、「履歴書」の内容をまとめていくよ。


 『ちなみに今「問い合わせ」が多いのは「メイ」なのか?』

 『最近はなんと「トラちゃん虎丸」なんだ、「譲渡会」には出さないのかみたいな内容だね。』

 『ああ、「彼奴」か。然もアリなん。』

 何か意味深な事言ってますが何か知ってるんだろうなぁ。

 『どうする、個人情報ならぬ個猫情報だし?お父さんの事は気にせず止めてもいいぞ?』

 『またまたぁ、お父さんらしからぬ事を言って。
 いいじゃないの、猫もSNSヤル時代ですよ。
 そのくらいの「ブラック感」もご愛嬌ですから!』

 『なら、虎丸は「金毛妖琥」の家系らしいから付け加えてやると良いぞ。』


 『あ!フウナ!ソレ言っちゃアカン奴だから?』

 『えっ?何、「きんもうようこ」って?
 中国産の品種?』

 『いや、まだ「品種認定」されてない「こじ付け名」だから。』

 『名前パクリのコピー商品みたいなモノですかね?』

 『そんな感じだ。
 そこは載せないであけてな。』

 『分かったよ、何かカッコ良さげだから良いかなって思ったけどね。

 あっ!そうだ、フウナちゃん、皆んな猫たちから自分のアピールポイントとか趣味とか聞いて!』


 『そうか、そうだな。
 間違いなく本人本猫から聞いた事を載せるのだから「真実」な訳だ。』


 『リリちゃんにお願いしても良いけどね、
 たまに「リリ語」がはさまれると可愛いけど「おふざけ感」が出ちゃうかもしれないから。』

 リリちゃんは動物の気持ちが分かるので、たまに「通訳」をお願いする事も有るけど、あくまで「リリちゃん翻訳」な訳でニュアンス的に私たちには分かるけど、他の人には「はてな?」の嵐だったりする。

 ソレがイイって言うゴンパパさんや士くんのお父さん五道先生もいるけどね!



 『よーし、それじゃ、そんな感じで皆んなの「履歴書」作っていくね。』


 
 


 『フウナ、虎丸の件はまだ舞華にナイショにしておけよ。』

 『そう言う事はもっと早く言っておくれよ、オヤジ様。』




 

 猫の履歴書は概ね好評の様だけど、面白そうなんで、トラちゃんの履歴書に「金毛野良猫種」って記入して公開してるよ。

 

 









 『虎丸、お前さんと俺、子供の頃四十数年前に会った事あるだろ?』

 『にゃにゃにゃ~ん!』

 『ふ~ん、お前がそのつもりなら、ソレもいいさ。

 でもな、メイはやらんぞ!』


 『にゃっ!ソレは無いぞ! 

 あっ⁈』

 
 やはりな?
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