猫カフェは探偵事務所ではありません。〜女子高生店長の奮闘記〜えっと、私、彼氏が出来ました。

猫寝 子猫

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それぞれの事情、知らなかった事や知りたくなかった事。

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 『えっと、ソレでも私、お兄さんとは結婚してあげないけど? って言うか意味不なんですけど? 後、自分の洗濯物は自分で畳んでくれます? キモいから。』

 『え?駄目なの!』

 『うん、お兄さんって、私の好みじゃないし、全く全然これっぽっちも可能性0.001%も無いです。
 デスので、この度はご期待に添えず申し訳有りません、貴方様の今後に明るい日差しが差します様、お祈りしてご返事に返させて頂きます。アラアラかしこ。』

 何故か、学校で目撃したあるがよくやっている「勘違い男の振り方」をアレンジして真似してみた。

 『そ、そんな?酷く無い⁈』

 実は予想してたんだよね、社長から奥さんの話しは全く聞かないケド、

 事務所の古株さんやマネージャーの古賀さんから、社長の家庭の事。

 ある程度のコトは聴いていたから、もしやと思っていたけど、
 ソレを引っ張り出して私に結婚を迫るのは無いなぁ。(まぁ私もヒトのコト言えないけど。)

 『梨奈に聴かせていい事じゃ無くない?
 を大事に出来ないヒトとはそうゆーの無理だよ、私。うん、無理無理。』


 『ナニナニ、何のお話し? リナも仲間に入れて!』

 あんまり聴かせたく無いな、この子には。

 『ん~ん、何でも無い!お兄さんが「水着のあーちゃん」を見て、「エッチ」な事言い出したから「めっ!」って怒っただけ。』

 『あ~!お兄ちゃん、いけないんだ!「めっ!」 
 エッチな男の子は女子に嫌われるんだよ!
 リナ、モテないお兄ちゃんはイヤだなぁ~。』

 『だってさ、。』

 するとソコに

 「ピンポ~ン」と呼鈴が鳴った。

 ココに梨沙が居る事は秘密である、

 『こんな時間に誰かしら?お兄さん、応対お願いしますね。
 私がいる事、呉々もナイショですよ。』


 『…へいへい。…ハイ、どちら様で?』

 カメラ付きインターホンで来客に応対するが、

 『え?アナタは! あ、ハイ、リサさんならココにいます。ハイ、ハイ、分かりました。』

 「リサさん」って⁈

 『ちょっ⁈ お兄さん、何でバラしてるの⁈』

 『大丈夫、今連れて来るから。』

 言うと早足で玄関に向かうお兄さん?





 そして連れて来たその人は、

 『うわぁ~い、お菓子のオバさんだぁ!』

 その人を見るなり大喜びの梨奈ちゃん。

 『お久しぶりね、元気そうでオバさん安心したわ、梨奈ちゃん。』

 『え、母さん?』

 『そうなんだ、やっぱり。
 この人は以前「梨奈を虐待していた家政婦を叩き出した恩人」なんだ。
 暫しの短い間だったけど、俺たちのメシとか作ってくれたりして、
 梨奈が「母親」の様に慕っている人なんだ。もちろん「オレ」にとってもね。』


 『でも、どうしてココに?
 母さん、今まで何処にいたのよ⁈
コッチはその所為で大変だったのよ!』

 『ごめんなさい、梨沙。
でも、安心していいわ。全て解決したから…。』

 『その通りだ、皆んな。』

 『あ、パパだ!』

 『親父、ナニやってたんだよ?コッチは色々大変だったんだぞ!』

 『いや、お兄さんは大した事して無いから。
 社長、お話しシテもらえますカ?
私、覚悟出来ましたから、お兄さんに告られて、目が覚めたみたいな。』


 『お、お前なんて事を!
 いや、その前に信彦ノブヒコ、お前に謝らなければいけない事が有る。』

 『ん、ああ、知ってるよ?俺が「父さんの子供じゃない」って事だろ。
 別にそんなの気にしてないよ。
 実の父親が誰でも「俺の父さん」は父さんだけだから。』

 『…お前、ナニ言っているんだ?
 当たり前だろ?お前は正真正銘「父さんの子」だぞ?』

 『え?』

 『実の妹とは結婚出来無いから、諦めてくれって言うつもりだったんだが?』

 『まさか、ノブくん、「アナタのお兄さん」の事と勘違いしてないかしら?』

 『へ?「オレのお兄さん」?』

 ソレから社長はこれまでの「事件」について簡単だけど教えてくれた。

 警察でも「母の容疑」は晴れた様で、後日詳しい事情は訊かれるらしいが、今は家族に無事を知らせてあげようとの計らいで何故かココに来たとか?


 『さて、「キミ達」の事だが、どこから説明したらいいかな?』











 

 ヘル–ダッシャーのメディカルルームの扉が開く!

 『ぶいっ!もう大丈夫よ、呼吸、血圧、心拍数安定したから!』

 『士くんのお姉さん、素敵デス!
ワラシちゃんもね♡』

 『イタミいります。』

 ぶいサインと満面の笑顔で現れた名医とその後ろにちょこんと控えた助手の幼女。あっちょんぷ?


 『ワラシちゃん、このまま私の「専属ナース」にならない?アナタ1人で十三人力よ!』

 ワラシのサポート能力にすっかり惚れ込んだ士の姉さま、しかし、

 『ワラシは「北代家」の専属介護士なのデスよ。浮気はしません!』

 舞華が阻止し、見せ付ける様にピノ…ワラシをハグする。

 『だ、駄目か~⁈』

 本当に悔しそうに肩を落とす士くんのお姉さん。

 『とにかく、一通り事件解決なのかな?』

 舞華の表情が曇る?
 
 『いや、まだ「ライブ」が終わってない。アイツら、コレを邪魔したかったんだろ?未だ安心出来ないさ!』

 灯火の表情は既に「戦闘モード」に移行している?

 いい目をしている!

 『さあ、一狩り行こうゼ‼︎』

 そこに見覚えのあるメイドさんに付き添われ現れたのは?

 『ん?どした?お前たち?』

 『お、お父さん!』
 『オジさん!』
 『叔父様!』
 『師匠!』
 『パパ様。』
 『だ、誰?』
 『あ、アノ叔父様はワラシちゃんの「パパ様義理の父」です(棒読みの灯火)。  じゃなくて、丁度良いゼ!師匠、居たのなら、「ふざけた奴ら」を狩に行こうぜ!』


 『あ~ぁ、それな?うん、もう終わったよ。風切って飛び出した「カプロボ軍団」が連携して捕縛済みだ。
 何せ呼べば答える、飛んでくる小さな友達だぞ。』

 『ち、チクショー!私の見せ場が!ストレス溜まる~⁈』

 『並行して「レッドタビー」も捕縛に協力してます。既に駆け付けた「警察車輌」に鮨詰めにしました。』

 『パティ、やっぱりいたんだね。』

 『申し訳ありません、舞華さま。
 ワタクシ、お二人の「初デート」を影から「サポート」するつもりでしたが、想定外のハプニングの連続で、この様なコトに!』

 「サポート」?「ストーキング」の間違いでは?

 『そ、そういうのはいいのよ、パティ!
 お、お父さん、後で何が有ったのかちゃんとおしえてね!』

 『すまん、お父さんもちゃんとは把握して無い。
 なのでヒナちゃんのパパ一文字 影丸良平さん風間警視正から情報擦り合わせてからで良いかな?』

 『うん、いいよ。皆んなお疲れみたいだし?』

 
 すると、


 『あ、あの~、もしかして「北代さん」?』

 『『『ハイ?』』』

 『あ、いえ?私がお呼びしたのはワラシちゃん幼女ロボでも舞華ちゃん弟の彼女でも無くて⁈』


 『アレレ?何だ、「ヒメ先生」じゃないですか?何でココに?』

 『えっ?オジサンと姉さんは「顔見知り」なんですか⁈』

 『『うん、だって「主治医」だし。』』

 おやまぁ?



 『みんな~!大丈夫だった~⁈』

 『あれ、華ちゃん?』

 『生徒会長まで?』

 『お嬢様、ネコちゃん達ココに居ました!  …灯火?…可愛い…何、その服♡』

 メイド同期の悠佳里さんに普段絶対に着ない様なホットパンツ姿を見られて、

 『うるさい、だまれ。
 …お前こそ、こんな恥ずかしい格好見せられる男でも速く見つけろ。

 ほれ、報告が遅くなったな、コレ悠夜からもらったぞ。』

 おもむろに左手を見せる灯火、その薬指には、
 
 『え、ま、まさか? 』

 『コレは悠夜のお母様が「嫁」になる「」に渡しなさいと、ご自分も同じ様に義母様から頂いた物だそうだ。』

 婚約指輪を送る習慣は日本では戦後に「ダイヤモンド」の販売に業者が広めたとか諸説有るが、灯火の手に光るソレはデザインは古いが確かに「金剛石」!

 『じ、じゃあもう二人は⁈』

 『正式に「婚約」したぞ!』


 『いやーーー!灯火に負けたーー⁈』


 『ソコ、うるさいよ?』

 気持ちは分かるけどな?

 『つ、士!君も舞華ちゃんに!』

 『姉さん、落ち着いてくれ。まだ早いよ、いずれはの話しだから。』

 『お金なら、「父さんの口座」に腐る程有るハズだから!』

 『自分で稼いだ金で買うよ、そうゆー物は。』


 『そーゆー事なら、「いいバイト」紹介するぞ、青年?』

 『ちぃちゃん、五道くんに「違法な事」させないよね?』
 

 『何か収拾がつかないな? ん、メイ、ミユ?お前たちも居たの…か? 

 虎、お前…。』

 
 『ん?どうしたの、お父さん?』

 珍しくお父さんが虎丸ちゃんを抱っこしている?メイや美雪ちゃんじゃなく?

 『虎丸、息してない。』

 『え、ウソ?』






 



 件の達は信頼できる良平さん警察官に預けた。

 既にの報道組織から濡れ衣を着せられ掛けた被害者たちの美談めいた体験談がされる予定だ!

 違法ドラックを使って悪事の限りを尽くした佐竹らの事も「再現ドラマ」で近日放送されるらしい?

 

 
 『さて、何から話そうか。』

 七神 悠夜や「水神探偵事務所」の非常勤スタッフに警護され自宅に戻れた神原社長と梨沙の母。
 
 息子達に話さないといけない事が有ると、無理を言って戻って来たのだ。


 『父さん、俺、古株のヒトから聴いてるんだ。父さんとあの女が結婚したのは事務所の為だって!
 それで、産まれて来る俺を「父親のいない子供」にしたくない祖父さん母の父親に頼まれて「援助」を条件に結婚したって!

 社長には本当に申し訳無い事したってさ。』


 『ソレは「お前」の事では無く、「お前たちの兄」の話しさ。お前はソコにいる「信子」さんとオレの子なんだよ。』


 『え?何だよそら!』

 『母さん、本当?』

 『ええ、ノブ君は私が産んだ、梨沙、貴女の「本当のお兄さん」なの。

 でもね、母さんは産後の経過が悪くてノブ君を育てられなくて…』


 『私が引き取った、償いのつもりで。知らなかっんだ、信子さんのお腹にお前がいた事を知らずに別れてしまったから…   それから、「彼女梨奈の母」の不注意で幼いあの子が亡くなったんだ。お前が覚えて無いのも無理も無い、でも二人は双子の様に仲が良かったんだ。』
 
 『その子が「兄さん」か?でもそんな話し、今まで知らなかったぞ!兄がいたとか?』

 『その子が亡くなったのは二人が二歳になるか、ならないかくらいよ。その日は家政婦さんがお休みで奥様が二人を見ていたの。
 最初の頃は奥様も「罪悪感」から家庭的に振る舞っていたし、アナタの事も実の子の様に接していたのよ。』

 涙ぐむ母さんにハンカチを渡す社長が話しを続ける。

 『今でこそ「シングルマザー」なんて言葉が有るが、知っての通り、彼女の父親は古い考えの持ち主だろ。
 お前と亡くなった子を入れ替えたのさ、将来的に自分の「跡継ぎ」が必要だからね。

 ソレでもね、二人とも可愛いかったんだよ。どちらも俺の「息子」だと思って分け隔て無く育てていたんだ!オレは⁈』

 『社長、声が大きいデス!リナが起きちゃう?』

 『何だ?スッカリお姉さんだな。』

 『そりゃ、半分は血が繋がってますし。』
 
 即席ながら「理想の母」を演じたつもりだけども、

 『いや、梨奈の父親は私では無い。
 亡くなった子の父親と同じらしい。』

 何故か「イラっ」とした、なので

 『誰なんですか?「その無責任な男」は?』

 と、つい聞いてしまった。

 目の前にいたら、蹴り殴りたい!
 
 『「佐竹芸能」の社長、佐竹だよ。
 アイツはグスだ!
 彼女を騙して捨てたのに、又利用出来そうだから近づいて、あんな奴が可愛い梨奈の父親であっていいはずない!

 ハァハァ…   その件に関しては君達の祖父と考えが一緒でね。

 でも、さすがにこの事が応えたのか、心労で昨年会長職を引退したがね。』

 『確かに祖父さん、梨奈には甘いよな。 ソコは安心だけど?』


 「佐竹芸能」、あまり良い噂を聞かない事務所だから親しいタレントは居ないけど、そんな奴が社長なんて所属しているタレントに同情する。

 『ソレにしても会長って?
 一体何処のだよ?あの祖父さんは?
金持ちって事は何となく知ってるけど?』

 お兄さんは不信がっている、「お祖父さん」に聞いた事ないの?
 ソレもどうかと思うよ、お兄さん?

 『梨沙をCMに起用した飲料水メーカーを子会社に持つ、大手食品会社「大活」の会長だよ。
 もっとも梨沙のCMの件とは全くの偶然だけどな。』

 あ、私よく食べてるスナック菓子とかの会社だ。
 あと社長、最後のは返って怪しく聞こえるから要らないデス。

 『良かったじゃない、お兄さん?
 おっきな会社の社長になれるんじゃない?』

 いやみを兼ねて言ったつもりなのに、

 『そ、そうなのか?』

 ちょい嬉しそう、何か誤解させたかも?

 『お前がその気ならお祖父さんと話し合え。
 お前の人生だからな、乗るか剃るかはお前次第だ。
 「お祖父さん」は喜ぶだろうけどな?』


 『神原社長、私たち七神らはそろそろ撤退します。最低限の護衛は残して行きますので。』

 『ありがとう、一文字所長や「あの猫カフェの方」によろしく言って下さい。』

 猫カフェ? 社長が?

 『なぁ父さん、「母さんあの女」は今どうしてるんだ?
 あの祖父さんの事だから知っているんじゃないか?』

 お兄さんの問いに辛そうに答える社長、

 『ああ、その事だが…、』


 『もう、その辺にしません。』


 私の感情はもう限界だ、絶対良い話しじゃないし。


 『私、リナが可愛いんです。
 だから、あの子が不幸になる様なら汚い「現実」より、この「おママごと」みたいな生活を続いて良いですよ。

 たまに「芸能人」してお金稼いで、なんなら私があの子を育てますけど?

 今、の母親が経営してる安いアパートにがあるの。
 ちょい今の所、私には落ち着かないから移ろうかなって思っていたんだけど、リナも連れて行こうかな?』
 

 『り、梨沙⁈  アナタ、何言っているの?
 社長に失礼でしょ!アナタの実の「お父さん」なのに!』
 
 『私に取って社長は「社長」だから。ソレに私の「理想の父親像」はあるのお父さんなの。
 コレは譲れないし、コレからも変わらないから。

 だから、そっち二人はそっちで好きにして下さい。』


 『梨沙、君は…。』

 力無く、寂しく笑う神原社長。

 親たちの「事情」はわかったけど、ソレでコッチが振り回されるのはもう

 すると、

 『う、う~ん、お話し終わった?』

 隣りの部屋で寝ていた梨奈が起きてきた。

 『ごめんね、梨奈ちゃん。うるさくして。』

 『あ!おばちゃん、まだ居てくれたんだ!ネェ、また一緒にクッキー作ろうよ!お姉ちゃんもネ!』

 随分と母に懐いているけど、お兄さんに聞いた「梨奈を虐待した家政婦」から助けた話しと、その後に社長から聞いた話しでは内容が全く別物だった。

 『クッキーって?そんななモノ、母さんが?』

 スナックのメニューが全て「業務用スーパー」で購入したモノなのはと思っている母が⁈


 『そのくらいは作れるわよ!』

 『でも、たまに「コゲコゲ」だよ。ね、お兄ちゃん!』

 『シッ!それナイショだって!』

 顔を紅くして黙る母とフォローするお兄さん。

 何だ、コッチは上手くいきそうじゃない?

 なら、私だけ…一人で生きていくか!

 『お姉ちゃん、どうしたの?
 どこかイタいの?』

 『えっ?』

 私、泣いていたみたいだ?





 
 

 『え~と、私「ネコ」は専門外なんだけど? ウー、何とかしてみせるよ!』

 『姉さん、無理して余計な事しないでくれよ!』


 ひとまずダッシャーのメディカルルームに虎丸を運んだ!

 『大丈夫です。呼吸が弱くなっていますが、していない訳では有りませんし、心臓は動いてます。
 何か急激に体力を使ったのでは?

 私の酸素吸飲機で対処出来ます。後で虎ちゃんの大好きな「お魚のフレーク」をあげましょう。』


 『さすがワラシね!「動物の介護」も出来るなんて!』

 メイと美雪を抱いている華がワラシを讃えると、

 『先日、「ダウンロード」しました。』

 照れ笑いするワラシ。

 酸素吸引機の管がワラシの「おへそ」辺りから伸びてるけど、ソコは気にしてはいけない。


 『でも、虎ちゃんは何をしたらソコまで体力消耗しちゃうの?』

 舞華の疑問に歯切れ悪く華が答える?

 『あ~、それはね…。ゴニョゴニョ?』


 『ん、何だって?』

 『あのね!トラちゃんは「トト○」なんだよー!』

 『えっ?誰?この可愛い子は?』

 『あ、洋子ちゃん。』
 
 どうやら華について来たようだ。
 

 『ナニ?幼女ちゃん?』

 ボケる舞華に、

 『言ってねーよ。』

 と、ツッコむ父。


 『ネェお嬢ちゃん、「ト○ロ」って、どういうコトかな?
 舞華おねいさんに詳しく教えて欲しいな?』

 『あ、あのね舞華⁈』

 『華ちゃんはお静かに!』

 『あのね、あのね!』

 興奮気味に話す洋子ちゃんに事情を聞く舞華、ソレを阻止しようとする華?


 『あー、大体わかった!アレだな?』

 誤魔化し情報操作出来ないか、試みる父⁈


 すると、


 『皆さん、虎ちゃんが目を覚しました!』


 『あのね、虎ちゃんね、おっきくなって女の人を抱っこして、ピョンっと飛んだんだよ!』

 あ~あ、言っちゃったね、洋子ちゃん。

 『は、華!他に見られて無いか⁈』

 『大丈夫だと思うけど、「偽装用」に動物型の「アドバルーン」を飛ばしてるの!丁度イベントだし、誤魔せるかな?』

 『もうソレで推して参りましょう!
 元徳サマもは役に立つ事をなさいますね。』

 慌てるパパ殿、華、悠佳里さんが、半ば強引ingにまとめた、ここが「遊園地」で良かったね。

 『あ、アレ、元徳兄さんの「イベント」なの?』
 
 『ハイ、なんでも「瑠璃ちゃん」のお披露目イベントらしいですよ。』

 『『瑠璃⁈』ちゃん⁈』
 華とパパ殿が一部ハモる?

 『ルリちゃん?誰、それ?美少女だな!』
 舞華が名前から推測する?当たりだけど。

 『あと、これだけ集まって「舞斗アイツ」が居ないのも返って心配だが?
 何だっけ、イベントの手伝いとかに駆り出されたようだが?』

 『あら、そうなの?悠佳里サン、何か聞いてる?』

 『ハイ、翔太サマからのお願いで、「キグルミ」を着て「エアギター」をするとか?』

 『え?お兄ちゃんって、まさかの「ステージ上」にいるの?』

 『舞斗、芸達者だね?』

 士くん、笑えないよ、ソレ?

 『ミャミャーーン!』
 
 本当だね、とでも言う様にメイが鳴く、笑っているのは洋子ちゃんだけだった。




 
 その頃、ダッシャー内の「作戦司令室」では、ボロボロい元徳氏とノリノリで各舞台装置を操作している翔太氏とネットなど各情報発信源に探りをいれてる秘書の香炉木コオロギさんがその瞬間を万感の想いで見守っていた。

 『さぁ瑠璃!お前の歌を聴かせてやれ!    …あれ、アイツ、何であんなカッコしてるんだ?』

 『あれ?アレ、瑠璃ちゃんの私服ですよね? この日の為に作った「ステージ衣装」、どうしたのかしら?』


 『ああ、ソレね!「重い」って普段着に着替えてたよ、歌い辛いからって。

 あ、着替えとかは見てないよ!マイクとかはちゃんとセッティングしたから大丈夫だし!』
 

 『あ、あの服、渋谷で初めて俺が瑠璃と買った服だ。』

 『そういう事ですか。良い妹サンですね!社長‼︎』

 『いや、しかし今日のステージ衣装はあの有名なデザイナーが!  …トホホ。』

 
 刹那にステージからハケたアゲハと入れ替わる瑠璃!


 『ブチかましたれー!瑠璃ちゃん!』

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