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猫ソムリエの憂鬱〜こんなに可愛いアメリカンって、
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『母が大変失礼しました!
本当に申し訳有りません!
なんとお詫びしたらよろしいのか!』
若狭さんの奥さんが深々と頭を下げる。
我が家の愛猫、
「アメリカンショートヘアー」のミコを以前に若狭さんのお宅で飼っていた猫の子孫だから返して欲しいと言ったニュアンスのお話しを若狭さんの大奥様から伺った?
念の為にミコの血統書からミコの曾祖父さんまでの血統を確認して、若狭さん宅の「アルジャーノ」とは「無関係」である事を「再確認」した。
『娘や嫁が「アルジャーノ」は大変珍しい「アメリカンショートヘアー」と言う品種だから間違いないの。』とおっしゃるのでご事情を伺う為に若狭さんのお宅に連絡した。
十数分後、御長男のお嫁さんが血相変えて現れた。
『すいません、義母は所謂「箱入り」な方なんで、世の中に同じ種類の猫がどのくらいいるとか、「ブリーダー」とか「ペット市場」とか、全く知らないんです!』
分かりやすく納得してもらう為にお二人にミコの血統書を確認してもらうと、
『猫にも「家系図」って有るのね?』とキョトンとする大奥様と、
『そこまでして頂き恐縮です。 そもそも「アルジャーノ」は雑種だそうですから。
こちらの猫ちゃんの様に「良い血統」なんかじゃないんですから。』と奥様。
どうやら「アルジャーノ君」は、ウチの「ヒメ」と同じらしく、当時は猫の放し飼いは当たり前で、飼い猫のアメショのオスが野良のメスに種蒔きした際に産まれた「比較的、アメリカンショートヘアーの特長を受け継いだ子」らしい。
ご主人の妹さんが子供の頃に拾ってきたらしく、子供の頃のご主人が、
『この猫、「アメリカンショートヘアー」って、外国の珍しい猫なんだ!迷子だったら交番に届けないと「泥棒」になるぞ!』
と大騒ぎしたらしい。
ソレからどうやら野良猫が産み捨てたらしいと判断し、若狭家の飼い猫として育てはじめたそうだが…
『主人の話しでは、野良の子なので「病気しがち」で二年程で亡くなったそうです。』
2年、短いかな?
見てないので、何とも言えないけど?
『お義母さま!ご迷惑を掛けたのですからお義母様からも、お詫びを…』
『まぁ、いけない!そうね、
舞斗くん、皆さん ごめんなさい。「モノ」を知らないお婆ちゃんで、皆さんに不快な思いをさせてしまって。』
『いえ、分かって頂ければそれでよろしいのでご心配なさらずに。』
確かにオレも皆んなも驚いたけれども、それだけミコの事を気に入ってくれたと思えば腹も立つ事もない…ハズだった。
『いえ、これ程ご迷惑をお掛けしているのですから、
お義母様、もうコチラのお店をご利用に成るのは止めてくださいな! ここだけではありません、必要な物は私がご用意しますから家でのんびりとなさってくださいな。
何なら、同じ品種の「猫」も購入しますから!』
もう我慢出来ないと言う感じで、ソレでも出来るだけ落ち着いた様に話す長男のお嫁さん。
いや、コチラはそこまで望んでないけど?
あと、ミコと同じ猫なんてこの世にいませんからね!
ミコはミコだけ!
オンリーミコなんだ!
って、言わないけど。
でも、他所のお宅の事情に口は挟めないし。
『ニャ~?』
『ミャー!』
当然と言うか、突然と言うか、息苦しい雰囲気を掻き消すかの様に現れては、若狭の奥さんの足にスリスリ擦り寄ってきた「メイとミコ」。
『え? この子がミコちゃんですか? こちらの「もふもふ」してる子は?』
あ!
奥さんの目に間違いなく光が宿った。
『はい、コチラが「アメショ」のミコで、妹分のメイです。メイは「マンチカン」と言う品種ですが、本当の姉妹の様に「仲良し」なんです。』
『「マンチカン」? あの足の短い猫ですか? でもこの子は?』
『ハイ、「足長マンチカン」なんです。毛の長い「長毛種」と言う種類の子です。』
『あら、この子も可愛いわね。』
物怖じしないで、老若男女に癒しを届ける我が家のアイドル!
鼻ツン、甘噛み、鼻キス等々で数多くの「常連客」を増産しているコミュニケーション達猫さんなのだ!
『あ、あの撫でてもよろしいですか?』
『本人に聞いてみて下さい。』
『え?ネコにですか? …あ、あの、撫でてもいい?』
『ミャァン!』
『良いそうですよ。』
『で、どうなったの?』
その夜、事の顛末を晩御飯の席で
華に話した。
『次回からお嫁さん同伴で来店する事になった。』
一応、メイもウチの猫である事、人間と遊ぶ事の楽しさを他の「元野良」の地域猫たちに知って欲しくてカフェに連れてきている事を説明する。
「森猫」の猫は半数くらいは「地域猫」だった訳で、コチラは良いご縁が有れば、いつでも里親になってもらえます。
『でも、ちょっとギスギスしてない? 他でも何か有ったかもよ?』
そこはコチラでは何も出来ないし、何もしないぞ!
『メイもミコも無敵なのだ!』
『お兄様、その「若狭さん」って同じクラスの男の子のお婆様とお母様だと思いますの? たしか、ご自宅がおっきなマンションで「大家さん」だって話してましたから。』
おそらく間違い無いだろう、余り聞かない名だし。
『仲良いのか?二葉、リリ?』
『いえ。どちらかと言えば避けられてます。
何故か優斗サマを「敵視」している節が有りますノ。』
『なのか、優?』
『ハハハ…どうかな?』
どんな形であれ、クラスメイトを悪く言わないのは優斗の優しい所なのだが、
あまり食卓で話す内容でなくなりそうなので話題をかえた。
後日、
奥様、大奥様、そしてお孫さん二人の四人でご来店!
優斗たちくらいの男の子ともう小学生なのか?小さな妹ちゃん。
妹ちゃんは、猫と遊びたくてウズウズした様子だが、
お兄ちゃんの方は、何故付いて来たのかコッチが聞きたいくらい「機嫌の悪い顔」をしている。
『これは若狭さま、いらっしゃるのをお待ちしていました。』
『み~♪』
『あ、ネコちゃんだ!小ちゃいね!』
先日から「小夏」の子、「とうきび」をカフェデビューさせた。この店では一番若い猫になるが、母猫が野良猫とは思えないくらい人に戯れてくるので連れてきた。
毛色は白と言うよりも黄身掛かった「クリーム色」で、
尻尾の先がとうもろこしの髭の様だとリリが言ったので、決まった仮の名前だ。
隣りにはお姉さんぶったメイが、似たような尻尾を振って並んでお客様をお出迎えしている。
『ネコちゃん、お姉ちゃんネコちゃんといっしょだよ!おばあちゃん、お母さん!』
妹ちゃんはもうたまらない様だけど?
『ハイ、お客様!ココでネコちゃんと遊ぶ前にお手手に「シュッシュ」して下さいね!』
舞華店長がすかさず「消毒用アルコール」を妹ちゃんの手にかける。
『ハイ、他の方もご入店の前にお願いします。』
他のご家族に副店長の華が消毒を促す。
おばあちゃんが舞華の顔を見て、
『貴女、舞華ちゃんかしら?』と尋ねてきた。
『ハイ!私、ココの店長で「北代 舞華」ですが、あの何か?』
店長かどうかなど聞いてないけどな。
『まぁやっぱり!すっかり素敵なお嬢さんに成られて。
でも、小さな頃の面影はちゃんと残っているのね。私の事、覚えているかしら?』
『お義母、失礼ですよ! …え、北…代さん?』
『ハイ!覚えてます、ぼんやりですけど。
たしか「こんぺいとう」を頂いて、小ちゃな私が「お星さまモラッたの!」って祖母に見せてた事。
先日、兄と話して想い出したばかりですので。』
『あら、うれしいわ。じゃあ、その後にワンちゃんに「金平糖」を取られちゃって、私も手持ちのがソレだけだったから、舞華ちゃんが泣き出しちゃって困っていると偶々通りかかった方が、「綿菓子」を下さったの。「売れ残りだから。」っておっしゃって。』
し、シグマめ~?
(そして、食い意地張って泣いた幼い私め~⁉︎)
そう言えば、時々「ゼロ」や「アルファー」も私のオヤツを盗み食いしていた様な?
『それは覚えてないです?
綿菓子?「わたあめ」ですよね? 何だろ、何か引っかかる気がする?』
『あ、それ、オレだ?きっと。 てか、入り口が塞がっているからひとまず奥に入らないか?』
『あれ?ゴンパパさん、いらっしゃいませ? ですね。』
奥様とお子様たちは「畳スペース」でメイお姉さんと子猫たちを撫でたり、オモチャで遊んだりしている。
若狭の大奥様は「シニアスペース」で権藤さん達常連の方々と昔話に花を咲かしている。
そっか⁉︎
あの時、わたあめをくれたオジサンは権藤さん(旧姓本田さん)だったんた。
なんでも、その頃「お付き合い」を始めた奥さんの「実家」のお仕事を偶にお手伝いしていたらしく、比較的まともに作れたのが「わたあめ」だとか?
その後、奥さんが正式に演歌歌手になられた様で、「権藤興行」に婿入りしてゴンパパさんが継いだんだって!
なんか「ロマンス」を感じるぞ!
『ねぇ舞華?』
『何かな、華ちゃん?』
怪訝な表情で華ちゃんが小声で聞いて来る?
『あの「奥様」って、「北代」の名を聞いて表情を曇らせたけど、何かあるのかしら?』
『ソレは私も気付いたけど? 例えばお父さん達絡みとか、色々思い当たるけど?
今は「ココ」を楽しんで頂こうよ、ね!』
『ソレはそうなんだけど、「若狭」って、賃貸マンションとかでこの辺りではかなり「裕福」なお宅だから、北代と何か有るのかなって、心配したんだけど。』
『華ちゃん、ソレ「フラグ」になるから折っておいてね?』
『ねぇねぇ、テンチョのお姉ちゃん?』
か、可愛い!
メイに付き添われて若狭の「妹」ちゃんが舞華の側に来た⁉︎
『ハイ、店長のお姉ちゃんデスよ! 何か御用ですか、お客様?』
『あのね、あのね、お姉ちゃんは店長さんだけど、リリお姉ちゃんやユウお兄ちゃんの「お姉ちゃん」なんでしょ?』
オヤオヤ?二人をご存じで?
『そうだよ、優斗は私の弟で、リリちゃんは妹だよ。あとね…』
『ふたばお姉ちゃんは、さっきの「キレイ」なお姉ちゃんの妹でしょう!そっくりだもん、レイちゃん、すぐ分かったよ!』
『うん、そうね。…そっくりだよね、綺麗なお姉さんとね。レイちゃん、すごいな~。「探偵さん」みたい。』
『何当たり前の事でダメージ受けているのだ、舞華?
なぁ、お前と華、二人揃ったなら「俺」は要らないだろ?
父さんの所、手伝いに行っていいか?』
そ、そだね?
今日は「ちぃちゃん」さんが来ない日らしいから「本格的」に片付ける様だけど?
『カプロボに「ル○バ」の代わりをさせるから、通路を塞いでる山積みの本を「仕分け」るって言ってたんだ。』
最近では「古書」を「インテリア」として読まずに置き物として「洋書」や「見栄えする表紙の本」を飾っている「喫茶店」や「輸入雑貨店」などが有ったりする。
ソレ用に安価な本は別に仕分けたいそうだ。
と言っても窓辺にブックスタンドで数冊並べて日差しに置くとか不自然極まりない。
日焼けするし、染みは出るし。
『読めない本を買うとか意味分からんケド、訳が分かると妙に納得するな。』
『でも、ちぃちゃんさんは読めるみたいよ?フランス語とか?』
…まぁ、「大学生」だし。
すっかり堪能した様な若狭の奥様が、
『譲渡会って、次はいつ頃かしら?』
って、お帰りの際に質問された。
『暫くは予定されていませんが、少数ながら店内の猫たちの中には「譲渡のお話し」を進められる猫もいますよ。』
『じゃあ、あの子猫ちゃんは?「とうきびチャン」はレイちゃんチの猫ちゃんになる?』
華ちゃん副店長が身を屈めて、妹ちゃんの目線に合わせて答える。
『レイちゃんのお父さんとお母さんがお姉ちゃん達とお話しして「とうきび」が幸せになれるなら良いよ。レイちゃん、「とうきび」のお姉ちゃんになれるかな?』
妹ちゃんの破顔の笑顔で喜んでいる!
お兄ちゃんは微妙なのは相変わらずだけど?
いや、そうでもないのかな?
後ほど「ご主人」といらっしゃる事を約束され、「とうきび」は里親要相談中のお猫様となった。
子猫のウチに譲渡出来るのは猫にとっても、飼い主にとっても最良と考えているので、譲渡希望が有れば臨機応変に対応している。
もちろん、他の成猫もだけど「個性」が出来あがった大人の猫は人との「相性」が合わないと悲しい結果になる事も有る。
だから「トライアル」と言う予行体験を設けているのだけど。
チョンチョン、 ん?
背中を突かれた様な?振り向くと優斗のクラスメイトらしい「お兄ちゃん」がいた?
『お、お姉さん、猫をもらったら、もうココには来ちゃ駄目なのかな?』
ん、どう言う意味かな?
『優斗くんのお姉さんですよね、「運動会」の時にお見かけしました、その、あの…』
『優斗の友達なのね。いつも仲良くしてくれてありがとうね。』
『ち、違います!アイツと友達なんかじゃない!僕はお姉さんと友達になりたいだっ!』
『アレ?』
『まぁ。』
『ば、馬鹿!敦ってば、何言ってるの!』
『お兄ちゃん、すご~い。お姉ちゃんに「プロポーズ」だ!』
『舞華、モテ期到来かも?』
コラコラ!茶化すな、華ちゃんや!
『ん?今、舞華がドキドキしてるかも?』
『お⁉︎ アレか?双子有る有る的な「テレパシー」か?』
古本屋で仕分けを手伝っていた俺は何か突然、気持ちが「ほっこり」した。
手にしてる本は全く読めない「洋書」なのに?
なんだ、こりゃ?
『小ちゃな子に懐かれたんじゃ無いか?舞華の事だから。』
親父殿の推理は当たらずとも遠からず?
まさか優斗の同級生から告られてるとは思いもしない。
『は、は、ふわぁっくしょん!』
『どうした優斗?猫アレルギーか?』
『まさかね?』
翌週の日曜日には、
仮の名前「とうきび」と言う子猫の譲渡に関する説明、本当に猫を飼育する意思があるか確認の話し合いとなりました。
お越し頂いたのは、家長のお父さん、お母さん、そしてお兄ちゃん三人で、おばあちゃんと妹ちゃんはお留守番だそう。
先ずは一週間のトライアル期間を体験してもらい、
様子を見て問題無ければ、更に一週間、猫と共に暮らしてもらうの。
猫と人の双方が問題無ければ、「仮譲渡」となるけど、
最初の二、三か月はサポートがてらコチラとマメに猫の様子を連絡し合うのね。
ここまでやって、本当に大丈夫なら「本譲渡」になるんだけど、その間に子猫は結構な速さで成長をするぞ!
乱暴な物言いだけど、子猫からそこまで育てると「情が湧いて」多少の問題点は解決してたり、またその猫の「個性」として受け入れてくれる、もうその子と離れて暮らせないよ!
つまりは「家族」って事さ!
既に立派な「猫好き」が出来上がっている訳だ!
実際、ここまでやっても「無理でした」と返しにくる家族もいるのがいたりする。
まぁ、隠れて捨てたりされるよりは万倍マシなんだけど、
何故か「保健所」に連れていったケースがあったと、以前に提携している「アニマルシェルター」の方に伺ったよ。
何故そうなったのかは、想像出来ないけど、ソレ相当の理由があったんだって、お父さん言ってた。
一応、この話しも若狭さんにしたよ。
『小ちゃな命に無責任な事はしない様に頑張ります。』
と答えてくださったご主人。
譲渡関係担当スタッフと副店長の華ちゃん、そして私で若狭さんご家族と話し合った結果、
この後、「とうきび」を連れて帰られたの。
きっと妹ちゃん、大喜びだよね!
お互い幸せになれる様、「猫の神様」に祈るばかりだよ。
…ん?「猫の神様」?
「猫神さま」か?
アレ、なんか忘れてる気がする?
その所為かな?
来たよ、その「猫の神様」が!
あの「松戸さん」と一緒に?
「猫神さま」が⁉︎
『いや~、数年ぶりじゃぞ!ココにくるのは⁉︎』
『ココ様、余り離れないでください。「迷子」になりますよ?
あと、鶴亀神社はコッチですし、「北代家」の場所は猫カフェで聞けば分かると思いますから。』
日焼けして、逞しく整った筋肉質な体付きで登山服の青年と、
小柄で和服の似合う若くて可愛らしい容姿の女性。
何かチグハグな組み合わせだけど、
肝心な私たちは会って直ぐにはこの人たちが誰なのか全く分からなかったの!
『さぁ、もうすぐ逢えますよ!灯火さん、待っていて下さいね!』
『さて、「北代の悪童」に飯を馳走になりにいくぞー!』
てな訳でこの章はもちっと続くよ。
忘れてる人は「~一応うかがいます。」の「松下くん、大いに~」を読み直してください。
本当に申し訳有りません!
なんとお詫びしたらよろしいのか!』
若狭さんの奥さんが深々と頭を下げる。
我が家の愛猫、
「アメリカンショートヘアー」のミコを以前に若狭さんのお宅で飼っていた猫の子孫だから返して欲しいと言ったニュアンスのお話しを若狭さんの大奥様から伺った?
念の為にミコの血統書からミコの曾祖父さんまでの血統を確認して、若狭さん宅の「アルジャーノ」とは「無関係」である事を「再確認」した。
『娘や嫁が「アルジャーノ」は大変珍しい「アメリカンショートヘアー」と言う品種だから間違いないの。』とおっしゃるのでご事情を伺う為に若狭さんのお宅に連絡した。
十数分後、御長男のお嫁さんが血相変えて現れた。
『すいません、義母は所謂「箱入り」な方なんで、世の中に同じ種類の猫がどのくらいいるとか、「ブリーダー」とか「ペット市場」とか、全く知らないんです!』
分かりやすく納得してもらう為にお二人にミコの血統書を確認してもらうと、
『猫にも「家系図」って有るのね?』とキョトンとする大奥様と、
『そこまでして頂き恐縮です。 そもそも「アルジャーノ」は雑種だそうですから。
こちらの猫ちゃんの様に「良い血統」なんかじゃないんですから。』と奥様。
どうやら「アルジャーノ君」は、ウチの「ヒメ」と同じらしく、当時は猫の放し飼いは当たり前で、飼い猫のアメショのオスが野良のメスに種蒔きした際に産まれた「比較的、アメリカンショートヘアーの特長を受け継いだ子」らしい。
ご主人の妹さんが子供の頃に拾ってきたらしく、子供の頃のご主人が、
『この猫、「アメリカンショートヘアー」って、外国の珍しい猫なんだ!迷子だったら交番に届けないと「泥棒」になるぞ!』
と大騒ぎしたらしい。
ソレからどうやら野良猫が産み捨てたらしいと判断し、若狭家の飼い猫として育てはじめたそうだが…
『主人の話しでは、野良の子なので「病気しがち」で二年程で亡くなったそうです。』
2年、短いかな?
見てないので、何とも言えないけど?
『お義母さま!ご迷惑を掛けたのですからお義母様からも、お詫びを…』
『まぁ、いけない!そうね、
舞斗くん、皆さん ごめんなさい。「モノ」を知らないお婆ちゃんで、皆さんに不快な思いをさせてしまって。』
『いえ、分かって頂ければそれでよろしいのでご心配なさらずに。』
確かにオレも皆んなも驚いたけれども、それだけミコの事を気に入ってくれたと思えば腹も立つ事もない…ハズだった。
『いえ、これ程ご迷惑をお掛けしているのですから、
お義母様、もうコチラのお店をご利用に成るのは止めてくださいな! ここだけではありません、必要な物は私がご用意しますから家でのんびりとなさってくださいな。
何なら、同じ品種の「猫」も購入しますから!』
もう我慢出来ないと言う感じで、ソレでも出来るだけ落ち着いた様に話す長男のお嫁さん。
いや、コチラはそこまで望んでないけど?
あと、ミコと同じ猫なんてこの世にいませんからね!
ミコはミコだけ!
オンリーミコなんだ!
って、言わないけど。
でも、他所のお宅の事情に口は挟めないし。
『ニャ~?』
『ミャー!』
当然と言うか、突然と言うか、息苦しい雰囲気を掻き消すかの様に現れては、若狭の奥さんの足にスリスリ擦り寄ってきた「メイとミコ」。
『え? この子がミコちゃんですか? こちらの「もふもふ」してる子は?』
あ!
奥さんの目に間違いなく光が宿った。
『はい、コチラが「アメショ」のミコで、妹分のメイです。メイは「マンチカン」と言う品種ですが、本当の姉妹の様に「仲良し」なんです。』
『「マンチカン」? あの足の短い猫ですか? でもこの子は?』
『ハイ、「足長マンチカン」なんです。毛の長い「長毛種」と言う種類の子です。』
『あら、この子も可愛いわね。』
物怖じしないで、老若男女に癒しを届ける我が家のアイドル!
鼻ツン、甘噛み、鼻キス等々で数多くの「常連客」を増産しているコミュニケーション達猫さんなのだ!
『あ、あの撫でてもよろしいですか?』
『本人に聞いてみて下さい。』
『え?ネコにですか? …あ、あの、撫でてもいい?』
『ミャァン!』
『良いそうですよ。』
『で、どうなったの?』
その夜、事の顛末を晩御飯の席で
華に話した。
『次回からお嫁さん同伴で来店する事になった。』
一応、メイもウチの猫である事、人間と遊ぶ事の楽しさを他の「元野良」の地域猫たちに知って欲しくてカフェに連れてきている事を説明する。
「森猫」の猫は半数くらいは「地域猫」だった訳で、コチラは良いご縁が有れば、いつでも里親になってもらえます。
『でも、ちょっとギスギスしてない? 他でも何か有ったかもよ?』
そこはコチラでは何も出来ないし、何もしないぞ!
『メイもミコも無敵なのだ!』
『お兄様、その「若狭さん」って同じクラスの男の子のお婆様とお母様だと思いますの? たしか、ご自宅がおっきなマンションで「大家さん」だって話してましたから。』
おそらく間違い無いだろう、余り聞かない名だし。
『仲良いのか?二葉、リリ?』
『いえ。どちらかと言えば避けられてます。
何故か優斗サマを「敵視」している節が有りますノ。』
『なのか、優?』
『ハハハ…どうかな?』
どんな形であれ、クラスメイトを悪く言わないのは優斗の優しい所なのだが、
あまり食卓で話す内容でなくなりそうなので話題をかえた。
後日、
奥様、大奥様、そしてお孫さん二人の四人でご来店!
優斗たちくらいの男の子ともう小学生なのか?小さな妹ちゃん。
妹ちゃんは、猫と遊びたくてウズウズした様子だが、
お兄ちゃんの方は、何故付いて来たのかコッチが聞きたいくらい「機嫌の悪い顔」をしている。
『これは若狭さま、いらっしゃるのをお待ちしていました。』
『み~♪』
『あ、ネコちゃんだ!小ちゃいね!』
先日から「小夏」の子、「とうきび」をカフェデビューさせた。この店では一番若い猫になるが、母猫が野良猫とは思えないくらい人に戯れてくるので連れてきた。
毛色は白と言うよりも黄身掛かった「クリーム色」で、
尻尾の先がとうもろこしの髭の様だとリリが言ったので、決まった仮の名前だ。
隣りにはお姉さんぶったメイが、似たような尻尾を振って並んでお客様をお出迎えしている。
『ネコちゃん、お姉ちゃんネコちゃんといっしょだよ!おばあちゃん、お母さん!』
妹ちゃんはもうたまらない様だけど?
『ハイ、お客様!ココでネコちゃんと遊ぶ前にお手手に「シュッシュ」して下さいね!』
舞華店長がすかさず「消毒用アルコール」を妹ちゃんの手にかける。
『ハイ、他の方もご入店の前にお願いします。』
他のご家族に副店長の華が消毒を促す。
おばあちゃんが舞華の顔を見て、
『貴女、舞華ちゃんかしら?』と尋ねてきた。
『ハイ!私、ココの店長で「北代 舞華」ですが、あの何か?』
店長かどうかなど聞いてないけどな。
『まぁやっぱり!すっかり素敵なお嬢さんに成られて。
でも、小さな頃の面影はちゃんと残っているのね。私の事、覚えているかしら?』
『お義母、失礼ですよ! …え、北…代さん?』
『ハイ!覚えてます、ぼんやりですけど。
たしか「こんぺいとう」を頂いて、小ちゃな私が「お星さまモラッたの!」って祖母に見せてた事。
先日、兄と話して想い出したばかりですので。』
『あら、うれしいわ。じゃあ、その後にワンちゃんに「金平糖」を取られちゃって、私も手持ちのがソレだけだったから、舞華ちゃんが泣き出しちゃって困っていると偶々通りかかった方が、「綿菓子」を下さったの。「売れ残りだから。」っておっしゃって。』
し、シグマめ~?
(そして、食い意地張って泣いた幼い私め~⁉︎)
そう言えば、時々「ゼロ」や「アルファー」も私のオヤツを盗み食いしていた様な?
『それは覚えてないです?
綿菓子?「わたあめ」ですよね? 何だろ、何か引っかかる気がする?』
『あ、それ、オレだ?きっと。 てか、入り口が塞がっているからひとまず奥に入らないか?』
『あれ?ゴンパパさん、いらっしゃいませ? ですね。』
奥様とお子様たちは「畳スペース」でメイお姉さんと子猫たちを撫でたり、オモチャで遊んだりしている。
若狭の大奥様は「シニアスペース」で権藤さん達常連の方々と昔話に花を咲かしている。
そっか⁉︎
あの時、わたあめをくれたオジサンは権藤さん(旧姓本田さん)だったんた。
なんでも、その頃「お付き合い」を始めた奥さんの「実家」のお仕事を偶にお手伝いしていたらしく、比較的まともに作れたのが「わたあめ」だとか?
その後、奥さんが正式に演歌歌手になられた様で、「権藤興行」に婿入りしてゴンパパさんが継いだんだって!
なんか「ロマンス」を感じるぞ!
『ねぇ舞華?』
『何かな、華ちゃん?』
怪訝な表情で華ちゃんが小声で聞いて来る?
『あの「奥様」って、「北代」の名を聞いて表情を曇らせたけど、何かあるのかしら?』
『ソレは私も気付いたけど? 例えばお父さん達絡みとか、色々思い当たるけど?
今は「ココ」を楽しんで頂こうよ、ね!』
『ソレはそうなんだけど、「若狭」って、賃貸マンションとかでこの辺りではかなり「裕福」なお宅だから、北代と何か有るのかなって、心配したんだけど。』
『華ちゃん、ソレ「フラグ」になるから折っておいてね?』
『ねぇねぇ、テンチョのお姉ちゃん?』
か、可愛い!
メイに付き添われて若狭の「妹」ちゃんが舞華の側に来た⁉︎
『ハイ、店長のお姉ちゃんデスよ! 何か御用ですか、お客様?』
『あのね、あのね、お姉ちゃんは店長さんだけど、リリお姉ちゃんやユウお兄ちゃんの「お姉ちゃん」なんでしょ?』
オヤオヤ?二人をご存じで?
『そうだよ、優斗は私の弟で、リリちゃんは妹だよ。あとね…』
『ふたばお姉ちゃんは、さっきの「キレイ」なお姉ちゃんの妹でしょう!そっくりだもん、レイちゃん、すぐ分かったよ!』
『うん、そうね。…そっくりだよね、綺麗なお姉さんとね。レイちゃん、すごいな~。「探偵さん」みたい。』
『何当たり前の事でダメージ受けているのだ、舞華?
なぁ、お前と華、二人揃ったなら「俺」は要らないだろ?
父さんの所、手伝いに行っていいか?』
そ、そだね?
今日は「ちぃちゃん」さんが来ない日らしいから「本格的」に片付ける様だけど?
『カプロボに「ル○バ」の代わりをさせるから、通路を塞いでる山積みの本を「仕分け」るって言ってたんだ。』
最近では「古書」を「インテリア」として読まずに置き物として「洋書」や「見栄えする表紙の本」を飾っている「喫茶店」や「輸入雑貨店」などが有ったりする。
ソレ用に安価な本は別に仕分けたいそうだ。
と言っても窓辺にブックスタンドで数冊並べて日差しに置くとか不自然極まりない。
日焼けするし、染みは出るし。
『読めない本を買うとか意味分からんケド、訳が分かると妙に納得するな。』
『でも、ちぃちゃんさんは読めるみたいよ?フランス語とか?』
…まぁ、「大学生」だし。
すっかり堪能した様な若狭の奥様が、
『譲渡会って、次はいつ頃かしら?』
って、お帰りの際に質問された。
『暫くは予定されていませんが、少数ながら店内の猫たちの中には「譲渡のお話し」を進められる猫もいますよ。』
『じゃあ、あの子猫ちゃんは?「とうきびチャン」はレイちゃんチの猫ちゃんになる?』
華ちゃん副店長が身を屈めて、妹ちゃんの目線に合わせて答える。
『レイちゃんのお父さんとお母さんがお姉ちゃん達とお話しして「とうきび」が幸せになれるなら良いよ。レイちゃん、「とうきび」のお姉ちゃんになれるかな?』
妹ちゃんの破顔の笑顔で喜んでいる!
お兄ちゃんは微妙なのは相変わらずだけど?
いや、そうでもないのかな?
後ほど「ご主人」といらっしゃる事を約束され、「とうきび」は里親要相談中のお猫様となった。
子猫のウチに譲渡出来るのは猫にとっても、飼い主にとっても最良と考えているので、譲渡希望が有れば臨機応変に対応している。
もちろん、他の成猫もだけど「個性」が出来あがった大人の猫は人との「相性」が合わないと悲しい結果になる事も有る。
だから「トライアル」と言う予行体験を設けているのだけど。
チョンチョン、 ん?
背中を突かれた様な?振り向くと優斗のクラスメイトらしい「お兄ちゃん」がいた?
『お、お姉さん、猫をもらったら、もうココには来ちゃ駄目なのかな?』
ん、どう言う意味かな?
『優斗くんのお姉さんですよね、「運動会」の時にお見かけしました、その、あの…』
『優斗の友達なのね。いつも仲良くしてくれてありがとうね。』
『ち、違います!アイツと友達なんかじゃない!僕はお姉さんと友達になりたいだっ!』
『アレ?』
『まぁ。』
『ば、馬鹿!敦ってば、何言ってるの!』
『お兄ちゃん、すご~い。お姉ちゃんに「プロポーズ」だ!』
『舞華、モテ期到来かも?』
コラコラ!茶化すな、華ちゃんや!
『ん?今、舞華がドキドキしてるかも?』
『お⁉︎ アレか?双子有る有る的な「テレパシー」か?』
古本屋で仕分けを手伝っていた俺は何か突然、気持ちが「ほっこり」した。
手にしてる本は全く読めない「洋書」なのに?
なんだ、こりゃ?
『小ちゃな子に懐かれたんじゃ無いか?舞華の事だから。』
親父殿の推理は当たらずとも遠からず?
まさか優斗の同級生から告られてるとは思いもしない。
『は、は、ふわぁっくしょん!』
『どうした優斗?猫アレルギーか?』
『まさかね?』
翌週の日曜日には、
仮の名前「とうきび」と言う子猫の譲渡に関する説明、本当に猫を飼育する意思があるか確認の話し合いとなりました。
お越し頂いたのは、家長のお父さん、お母さん、そしてお兄ちゃん三人で、おばあちゃんと妹ちゃんはお留守番だそう。
先ずは一週間のトライアル期間を体験してもらい、
様子を見て問題無ければ、更に一週間、猫と共に暮らしてもらうの。
猫と人の双方が問題無ければ、「仮譲渡」となるけど、
最初の二、三か月はサポートがてらコチラとマメに猫の様子を連絡し合うのね。
ここまでやって、本当に大丈夫なら「本譲渡」になるんだけど、その間に子猫は結構な速さで成長をするぞ!
乱暴な物言いだけど、子猫からそこまで育てると「情が湧いて」多少の問題点は解決してたり、またその猫の「個性」として受け入れてくれる、もうその子と離れて暮らせないよ!
つまりは「家族」って事さ!
既に立派な「猫好き」が出来上がっている訳だ!
実際、ここまでやっても「無理でした」と返しにくる家族もいるのがいたりする。
まぁ、隠れて捨てたりされるよりは万倍マシなんだけど、
何故か「保健所」に連れていったケースがあったと、以前に提携している「アニマルシェルター」の方に伺ったよ。
何故そうなったのかは、想像出来ないけど、ソレ相当の理由があったんだって、お父さん言ってた。
一応、この話しも若狭さんにしたよ。
『小ちゃな命に無責任な事はしない様に頑張ります。』
と答えてくださったご主人。
譲渡関係担当スタッフと副店長の華ちゃん、そして私で若狭さんご家族と話し合った結果、
この後、「とうきび」を連れて帰られたの。
きっと妹ちゃん、大喜びだよね!
お互い幸せになれる様、「猫の神様」に祈るばかりだよ。
…ん?「猫の神様」?
「猫神さま」か?
アレ、なんか忘れてる気がする?
その所為かな?
来たよ、その「猫の神様」が!
あの「松戸さん」と一緒に?
「猫神さま」が⁉︎
『いや~、数年ぶりじゃぞ!ココにくるのは⁉︎』
『ココ様、余り離れないでください。「迷子」になりますよ?
あと、鶴亀神社はコッチですし、「北代家」の場所は猫カフェで聞けば分かると思いますから。』
日焼けして、逞しく整った筋肉質な体付きで登山服の青年と、
小柄で和服の似合う若くて可愛らしい容姿の女性。
何かチグハグな組み合わせだけど、
肝心な私たちは会って直ぐにはこの人たちが誰なのか全く分からなかったの!
『さぁ、もうすぐ逢えますよ!灯火さん、待っていて下さいね!』
『さて、「北代の悪童」に飯を馳走になりにいくぞー!』
てな訳でこの章はもちっと続くよ。
忘れてる人は「~一応うかがいます。」の「松下くん、大いに~」を読み直してください。
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