それでも振られた沖田クンが、ついに結婚する話し。

猫寝 子猫

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はじまりは…

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 母方の祖母が園長を務める私立幼稚園に通っていた【ボク】。


 ソコであの子とは出逢ったのは、運命だったんだ。



 まぁその頃から既に【候補】の子達もその幼稚園に通っていたなんて思わなかったし、【あの子】はその中には含まれていなかったんだけどね。


 あの子は最初、隣りの席に座っていて、ボクによく笑いかけてくれたんだ。


 ボクはいつしかあの子の事をいつも目で追いかけていた様だ。

 ませたお子さんだな⁈


 「、この【ご連絡帳】はおウチの人に見てもらってね。」


 「うん、わかったよ、!」



 その翌日から、【ボク】と【あの子】の座席は変えられていた様な気がした。

 ボクはの目が届く前の方に、あの子は後ろの方の席に変えられていたんだ?

 「タクちゃん、先生がお話ししている時はちゃんと前を見るのよ!」


 度々注意されていたのを、なんとなく覚えている…


 今ではその先生の顔も思い出せないが、幼い頃のボクはどうやら落ち着きの無いお子様だった様だ。


 でも、その先生とはよくみんなで、【鬼ごっこ】や【かくれんぼ】などをして遊んだ記憶はあるのだけど。

 しかし…


 久しぶりに祖母の家に行った時の事だ。

 最近、体調が良くないとかで、お見舞い的な意味で顔を見せに来てくれないかとに頼まれたのだ。

 母には一回り年下の妹さんがいて、ボクが通っていた幼稚園で先生をしていたんだ。

 ボクが通っていた時も新人として、張り切っていたよ?

 但し園長の娘ということは内緒にしていた。

 ボクも孫だという事も同じく内緒だった。

 だから、

 「私がタクちゃんのなのは幼稚園ではナイショね!」

 と言われて、

 「うん、分かったよ、おねえちゃん先生!」

 「だから~お姉ちゃんはナイショだってばぁ~!」

 こんな感じ、

 でもちゃんとは約束を守っていたさ。

 ボクはね!


 今はそのが園長をしているのだけど、


 「実はね、あの頃こんな事があったのよ。」


 今は引退して、猫なんか飼っている祖母はその時の事をとして、ボクに教えてくれた。


 当時ボクらの担当だった【先生】は神経質なトコロがあって、幼児たちの様子を見ては色々と心配してくれていた様だ。


 あの子はお食事の時にはしゃいでしまうとか、

 この子は怖がりサンでおトイレに一人でいけないとか、

 よく【ご連絡帳】に気がついた事を書いては、親御さんにお知らせしていたんだとか。


 「タクちゃん、その頃から【あの子】の事が好きだったのよね?」


 「えっ⁈ 

 お、おばあちゃん、何でその事を⁇」

 「ふふ、その事もご連絡帳に書かれていたみたいよ。

 子供たちの事を心配して、あの人なりに一生懸命だったのかしら、少しお体を壊してね、途中で退職されてしまったのよ。

 タクちゃんやみんなはにあの先生の事を慕っていたのに残念だったわ。」

 

 そう懐かしそうに話す祖母…


 それからしばらくして、叔母が話してくれた。


 「ね、本当は違うの。」


 叔母の話しでは先生はかなり病んでいたらしい…

 精神的に、


 初めから…


 「この歳で女の子に色目を使っている、将来が心配だ。」


 「食事の仕方が汚い、まるで家畜の様だ。」


 「自分でお尻もふけない、下着はいつも茶色く汚れている!」



 など、ご連絡帳に記入していたらしい?

 それ以外にも行き過ぎた行動が、有ったとか?

 父兄から苦情が有り、本人も納得し、残念ながら退職してもらったらしい?


 「あの人はね、母さんのお友達の娘さんだったのよ。

 何でも良い大学を卒業したのに、希望した所に就職出来なかったとかで…


 「よく私や他の先生が、何処の大学を卒業したのかを聞いて、自分は某有名大学を卒業したのよって、自慢していたわ?」

 「ひとみ、お茶〇〇女子大学卒業だよね?

 そこより上なの、その大学は?」


 「あ~、身バレしない様に無名の短大卒にしたのが不味かったのよね、実際はそれほど…

 数年前に【裏口入学】の件が明るみになって有名にはなったけど?



 翌年に希望する会社に再度挑戦するからって、園はあくまで【仮採用】と言う事で働いてもらっていたんだけど…」


 縁故採用だったのか、しかも仮の?


 「よく遊んでもらっていた様に覚えてるんだけど?

 そんなに変な先生だったかな?」


 「…やっぱり覚えてないのね?

 アレはタクちゃんの事、目の敵にしていたのかも知れないわね。」


 「…どういうこと?」



 「語学が堪能だって事をアピールしたかったのか、よく【フランス語】を使っていた様なんだけど、それをタクちゃんや他の子達が、

 『センセイ、英語上手だねー!』

 『魔法の呪文みたいだね?』

 って言ったんだけど、それを


 『英語とフランス語の区別も出来ないなんて!

 しかも魔法の呪文とかテレビの見過ぎよ、なんて教養が低いのかしら?』

 だなんて言っていたのよ。」


 「幼稚園児に英語とフランス語の区別を求めないで欲しいのですが?」


 「…でもねタクちゃんがあの人の真似して、出鱈目な【フランス語】で魔法戦士に変身するんだって揶揄うものだから、あの人ってば怒ってタクちゃんを追いかけていたのよ。

 それを【鬼ごっこ】とか【かくれんぼ】と勘違いしていたのね?」

 「…って、他にも?」


 「主にお義兄さんの親しい人のお子さんよ、

 タクちゃんと今も仲良しでしょ?」


 …あ~ぁ、の事か?


 つまりは、その頃から【婚約者候補】たちが側に居た訳だね⁈




 政治家の娘や、大きな会社のご令嬢、良心的反社の跡取り娘に大女優の娘?


 濃いよ!

 
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