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は〜い、お説教の時間で〜す!でも怒って無いよ! 俺はね。

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 ここは病院 じゃなく、

 山王院系列のホテルの一室。

 最高級のスィートルーム。



『いや~、休めた休めた。』

 『骨休みに成りましたか、亜由美さん。』

 『なった、なったよ。華!
メイドさんのエステやカイロプラクティックで、めっちゃデトックスしたよ!
 身体が軽い気がする! 

 産まれ変わったみたいに!

 具体的には五キロは痩せたね! まぁ希望だけど、あとではかる。』

 『少し痩せたくらいに見えないと、「入院した感」ありませんから。
 何なら「ダイエットコース」も追加しますか?』

 成る程、血色良くて、お肌艶々だね!やったー!

 
 「やったー」じゃないよ!



 ダダ、はぁ

 ダダダダ、はぁはぁ

 ダダダダダダ!

 『あれ?まさか!』


 ハァハァハァァ~、せーの!

 ババァーン!

 扉を壊すかの如く開け放つ!

 『あ、亜由美!』

 『あ、お兄さん、「ほっちゃん」の事、診てくれてるそうで、ありがとね。 あの子、動物好きだから喜んで… 』


 『心配したんだ!』

 『『は、はい!』』

 突然現れたオッさんが大声を出しながら…泣いてる⁉︎

 『スゲー、スンゲー心配したんだ!お前の事!
 亜由美はほぼ妹みたいなモンだから!』

 杖を忘れて早歩きして来たが、脚が、膝が軋むくらい痛い。

 『あ、あの、お、お父さん?』

 『お兄さん、その~?』

 焦るも、息切れしているオッさんの身を心配する二人。

 『パパ殿、仕込み杖を忘れているのだ!』

 『お父さん、落ち着いて!ほっちゃんが見てるから!』

 俺の後ろを穂華を抱っこして久美や舞華とリリが歩いてきた。

 『はい、二人とも!お父さんに謝って!

 あと 華、説明してね。』

『ご、ごめんなさ~い!』✖︎弐。
 


 





 『えっと ね、打ち上げの席の給仕は初めから全員「私のメイド達」だったの。お酒が飲めない亜由美さんに、ほっちゃんの為にも危ない事はさせない様、独自の判断で対処する様に指示してあったの。ぐすん。』

 目に涙を浮かべ、説明する華。

 二人とも、絨毯の上に正座させている。

 しゅんっとしてる様子が可愛い…けども!

 『お兄さん、華を責めないで!
私も最近忙しいから、ちょっとだけリフレッシュしたいなぁって、この子に零したから!』

 
 なんだろ、異世界から来たチート持ちの少女に振り回される里親の気分だよ。


 『んじゃ、亜由美が口にしたのは、「お酒アルコール」で無く「お水ウォーター」だったと?』
 
 『うん、組合長エロジジィ達のは、いも焼酎にウオッカを混ぜたの、悪酔いする様に。』

 『ソレでジいさんがアル中になったらどうするさ?』

 『元からお年寄りには薄めに作った「水割り」なの。「山王院メイド隊」の特殊なブレンド方法だから。』

 つまりは、打ち上げの「飲食物」はメイド達によってコントロールされていたと?

 気づかれない様に亜由美のグラスの中身もすり替えられていた様だ。


 『な~んで、こんな事したのか、話してくれ。』

 『…こんなちいさな商店街でも老人が「権力」を手に入れると「醜悪」この上無いから、正に「老害」なのよ。』


 成る程、トラウマだな、コレは?


 『お前の気持ちは理解している、自分のジジィと一緒にするな。』

 『私のおじいちゃんは、おウチでルルちゃんや二葉を愛でているあの人だけデス!』
 
 『亜由美ちゃんも仕事サボっていいのか?ダメだろ!』

 この歳になって、「ちゃん付け」で呼ぶのは事務所の前社長と、共演した大物俳優と、
この「北代家家族」だけ。
 
 『そこは調整して、「復活した最初のお仕事」をどの局かでヤルかで競わせてるの、「出演料ギャラ」をね!』

 『お、俺の「妹の心配」した時間を返せ。その「ギャラ」で!』

 『あ、ハイ。心配かけてすいませ…あれ?華、みんなに本当の事、話して無かったの?』

 『我が家北代家には「隠し事」が出来ない人が多いから、マスコミにバレない様にナイショにしてました。』

 『まぁ、誰の事でしょう?モグモグ。』

 『まったくなのだ!モグモグら!』

 念の為、亜由美の「見舞い」に買った「かすがや」の「ふるぅつ銅鑼焼き」を勝手に食べてる娘たち?

 『お前たちの事だぞ!舞華⁉︎リリ助⁉︎』




 『ざっばーんっ  なのだ!』

 スィートルームのふかふかベッドにダイブする元気な銀髪っ子!

 『リリちゃん、お行儀良くね。ごくごくり。』

 ワインならぬ、「ポルフェノールたっぷりの高級葡萄ジュース」を勝手に飲んでる愛娘。


 俺の怒りの「飽和剤」として、嫁さんが押し付けてきた爆裂娘コンビだ。

 穂華だと今の俺では、泣きだすかもと、抱かせてくれない。

 『華、ココの支払いは?』

 財布を忘れてここまで出掛けたが、子猫に笑われそうだな?

 『大丈夫だから、心配せずに下さい。』

 ウチのより当たり前だけど、スゲーふかふかなソファに腰掛け、改めて仔細を聞く。

 『どこからお前の企みなんだ?華。』

 予感は、していた。

 『何処からも何も「最初」からよ。この「イベントそのモノ」が「老害」を排除する「舞台」だもの。』

 ふうなの「産休騒ぎ」で猫カフェにお客が押し寄せ、ケーブルとは言え「テレビ局」が生放送で取り上げたり、自作自演だが「ご当地アイドル」が場を賑やかせる。

 それだけで商店街に人が呼べた⁉︎

 無論、偶然では無い。

 予め、テレビ局には話を付けていたし、前日にグッズや配布物フリーペーパーも大量に用意していた。

 懇意にしている商店には伝えてあったし、あの騒ぎも全て想定内の出来事なのだから。


 今回もと商店街振興組合長の「面目」が無いと無理矢理ねじ込んで来た「老害」。

 『この機会に退頂こうと。』

 『なんで、そんなに「香坂のジイさん」を「親の仇」の様に?』

 ジイさんって言うより、「ジイさん達」だな?

 『ソレはあの人たちが私たちが薦めている「元工業地区の再開発」の障害だからよ。』

 華や大樹らが乗り出した再開発は、今は警察の再調査で中断しているが?

 『私?』

 『他の企業も再開発に名乗りを上げてるの。それも見た目だけ豪華で中身の無い施設の建設、近い将来、必ず破綻する企画。』
 

 何でも、豪華で大きな総合施設をドーンと一つ作れば、後はマンションなど作り賃貸収入で町が潤うと提案しているらしい。

 『介護施設は1区に二、三ヶ所は必要なの!
 しっかりした設備とスタッフ、

 それに介護の必要なお年寄りにごちゃごちゃ複雑な作りの複合施設なんで負担に成るだけよ!

 一ヶ所にまとめたら、近くに住んでいる人はまだしも、離れた場所の介護利用者はどうするの!
 
 循環バスなんて気休めよ!

 介護バスに乗る事に「家族に迷惑をかけている」って、思っている人の気持ちにもなってよ!

 家の近くに有るから安心して気兼ねなく利用出来るの!
 それなのに!

 あのジィさんは!

 「年寄り扱いするな!」って? アンタの事じゃないわ!

 アンタ達以外のお年寄りや介護必要者の為よ!』

 あ~ぁ、の状態でキレッキレで泣き激おこで、

 可愛いったら有りゃしない。

 どうやら、新参者は華や大樹よりで再開発を行うと強気らしい。

 それだけでは無いらしい。

 『バラ撒きでもシテるってか? コッチに付く様にって?』

 『ばらまき?何を?…お金?』

 舞華でも思いつく様な単純な展開だ。


 『今は権藤さんや大樹さんが牽制しているから、受け取ってはいないみたいだけど、
 でもあの調子じゃあ、近いウチに…「山吹色の菓子」とか受け取ったら、それこそ「終わり」よ!

 なのに、「年寄り扱いするな!」とか、「お前らの案は地味だ!」とか、自分たちは目先の事しか考えてないじゃない!』

 この不況で倒産など稼働していない、また廃墟化している工場が集まっている「工場地帯」、犯罪の温床になっていたので、既に「売買契約」が済んでいる土地に合わせて、介護や養護施設など建設予定している再開発計画。

 思いの外、開発が進んで無いのはこの所為か?


 『香坂酒店も土地を転売する為に倒産した小さい工場を数件買い叩いたの。
 最初は私から「其方の言い値で買います!」って言ったら、チヤホヤしてたのに、
 
 「他の企業に売るか、迷ってる?」なんて言いだすし、
 大樹さんにも同じ様な事を言ってきたらしいの!

 さすがは「元藤ノ宮理事会員」ね!』

 
 ハァハァ、部屋の温度が上昇したぞ?きっと。

 その新参者、どっかの場所を狙ってる?
 
 『なら、目的は達成したな?

 撤収しろ、亜由美ちゃんはウチに来い!
 呼んであるから、新名に謝って下さる?』

 『え! 実はこれから「ダイエットコース」が…いえ、何でも有りません!』


 『ドラ焼き、ご馳走様なのでしたのだー!』

 『え!アレ一人で食べちゃったの?』

 
 『キュウイが絶品なの~だ!』

 キラリ‼︎


 華の目が輝く!

 『そう!絶品なの!コレこそ、今の「鶴亀町」の進むべき未来なの!』

 『何なん? ホラ帰るよ。帰りに「フルどら」買ってあげるから。』


 『昔は良かったとか「過去の栄光」にしがみ付いて何も建設的な事はしない「あの人達」と違い、
 
 和菓子の「かすがや」さんはね、一度は引退した和菓子職人のご隠居さんとパティシエのお孫さんの合作「ふるぅつ銅鑼焼き」を完成させたの!

 「伝統の餡」に拘り過ぎて、フルーツと餡子がケンカしない様、素材ごとに「こし餡」「粒あん」「白あん」など甘さ加減も変えて、試作を繰り返し、孫と二人で完成させた「鶴亀新名物」なの!』


 『落ち着け、華。』

 なので、俺はカタチのいい「華のお尻」にビンタした。

 軽くな。

 悪霊退散的な意味で、軽くだから、触った程度だし?


 『きゃん!』


 『あ、お父さんのエッチ!

 私とどっちが良いお尻?』

 『リリは⁉︎
  リリのお尻はカッコイイ?』


 『あーもー!撤収だー!』

クスクス笑う嫁と亜由美。



 『あ~、この感じ、懐かしいですね、久美サン!』

 『そ? ハイ、ほっちゃん、ママですよー。』

 『…まんま、ばいばい。ジィジィとこ、かえるの、ミィちゃ、まってるの、リリちゃといくの、』

 ほっちゃんはママに抱っこされるのをスルーして、リリの元へトコトコ駆け寄った。

 

 振られたな?

 『リリ、ほっちゃんのママになるのか?』

 『ほっちゃん‼︎ ママを捨てないで⁉︎』

 グズらないのは、

 てっきり亜由美と隠れて会っていると思ったのだが?

 早くも反抗期?

 いや、当然の結果かもな。


 部屋を出ると悠佳里は分かるが、


 『チッキショー!間に合わなかったか?』

 灯火がいた?

 『何してる?』

 『美味いモン食べてると聞いて。』

 『見た目は幼女、中身は食いしん坊か?帰るよ。』

 

 



 山王院の力なのか分からないが、亜由美の入院と鶴亀町のイベントを結び付ける様な報道はされていない。

 偶然か、他県の村おこしイベントで来賓の県議員がイベント中に女性スタッフに「不適切な要求」をして、泣かせてしまった事が大きくニュースになった。

 ネットは議員を叩いて叩いて大炎上、さらにマスコミが煽る。

 コレを見て、組合長らが怯えてた様で、揉めると思っていた新しい組合員の役職の引き継ぎがに行われた。


 あ~もう知らん!勝手にやれ!

 『店長、何をカリカリしてるのデス?』

 『ちぃちゃん、だから「店長」じゃないって。』

 『おぉ、間違えた!  では、
 「店長代理」、何をカリカリなされていらっしゃいマスの? フフフフフ。』

 『…。 そだ、休憩は上で好きなモン頼んで良いよ。スピカのマスター蒼介には言って有るから。』

 『かしこ、こまりました?
何を注文しませう?』

 『ハハハ、ちょっと「警備室」に顔出してくるよ。』



 前日から、「  千鶴ちづる」に店番の「助手」としてバイトに来てもらっている。

 今まで「トウガネ」と読んでいたが、「トガネ」が正式な読み方らしい。

 じゃあ、俺の知ってる「十鐘」では無いかも知れないな。

 バイト料は俺から「気持ち程度」と考えていたが、この店の「謎の店長」に連絡したら、二つ返事よろこんで「時給千円」で雇う事になった。

 「今度帰るよ!」と、豪語して?


 フリマで不良在庫をかなりの量、利益にしたのが気に入っての採用らしいが、
 決して可愛い女子大生だからではない!

 と思う?


 警備室には小町とがいた。

 『お疲れ様、コマちゃん。それと「」くん。』

 『ハイ、お疲れ様です!』

 『お、お疲れ様です。オジサン。』


 『ん!しっかりな!』

 「サノスケ」は「ミハル」の弟だ!

 つまり、そうゆう事。



 アレから、華はやや塞ぎ込んだ様子だ。

 あの「イベント」はを排除する為だけの「イベント」では無かった様で、「新しい可能性タネ」を蒔く事が第二の目的だった様だ。

 第一は「ヒメの供養」なんだと。

 ちなみに邪魔モン排除は第八くらいらしい。

 イベントはその後、各学校でも話題になって、次回が期待されてる、

 もうやらないけどな?


 やるなら、今度こそ「駅前商店街振興組合」の主催でお願いしたい。

 もっとも、同レベルの規模で開催はかなり難しいだろうけど。


 『ウチの「新人」の事も気にかけてくれ。大丈夫だとは思うけど?』

 『分かりました。 あと、ウチのお姉ちゃん灯火知りませんか?
 母の「呼び出し」を知らんぷりシテルみたいで。』

 『言っとくよ。』

 あの幼女も大活躍だったな。

 何故かが彼女の保護者として幾つかの芸能事務所から接触が有った。

 全く、あの逆「魔法の幼女 マジかよトウカちゃん」は!


 まぁ芸能事務所から声が掛かっているのはリリや二葉もなんだが。

 何なら亜由美の事務所で…。


 とりあえず保留する。



 『店長代理~!宅配便、大量に来ました!開けて良いですか?』


 『今もどるよ、何なら開封作業の前に「休憩」にするか?
 結構な体力使うから。』

 『ハイ!喜んで‼︎』

 特製オムライスも付けてあげよう。

  次手に舞華達も誘うか?
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