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ネコヒメは私! ってか、元々ウチのモンだから⁉︎

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 イベントステージ側の仮設テントでは「来賓席」にて商店街振興組合の組合長をはじめとする「重鎮」たちが、

『鶴亀駅前商店街振興組合、バンザーイ!』っと、
 ビールだ!焼酎割りだ‼︎  枝豆だ! って、騒ぎ盛り上がっている。


 『さぁさぁ、呑んでよ。今回はケンちゃんの娘さん達に頑張ってもらって大成功だったよ。』

 数十分前、
 オレは子供達を労いたく、屋台村に寄り、差し入れにタッちゃんのたこ焼きやカルロスのおつまみケバブ、色々買い回った。
 
 中々、楽しい。隣りに嫁さんがいないのが残念だが。

 なので、嫁さんの土産も買っていこう!

 (まぁ、杖を突いて歩いているので、ほぼ九院と七神が持ってくれたが。)

 そんな時に町会長と商店街組合長に見つかってしまったのだ。

 屋台料理を二人に任せて、

 『華たちスタッフの子らにな。足りなかったら、どっかの屋台買い占めろ!  …冗談だ、任せたぞ!』

 まぁその辺は上手くやるだろ?



 さて、会長ジジィたちに捕まったオレ?

 今回の礼がしたいと「来賓席」に連れ込まれ、酒を勧められていた。

 健康の為、飲まないと断固拒否ると、

 『なら、名古屋地鶏の焼鳥はどうだい!』

 『いや、ケンちゃんは「サカナ」好きだろ!尾頭盛りが有るんだ!』
 何か怪しくない?
 そもそも礼がしたいなら、子供たちにだろ?

 …何か有ったか?

 で、オレを懐柔して何を頼む気だよ?

 『さぁさぁ、食べて、食べて!
 本当、ケンちゃんが羨ましいよ! あんなに有能なお子さん達がいて!
 今回の「祭り」は本当な、ケンちゃんの娘さん達に頑張ってもらって大成功だったよ。』

 『今回?』

 『全くだ!来年もと言わず、毎年お願いしたいぜ。ウチの息子にも見習って欲しいモンだぜ!なぁ?』




『毎年だと?

 ふざけるな! どんだけヒヨってんだよ!』

 『ケ、ケンちゃん?』
 『大将、何怒ってんだよ? 
 呑んでないのに?』

 そりゃそうよね?

 元々「ウチのヒメ」の為の慰霊の意味で始めたんだから!

 あの「森猫の祭り」は!

 『はぁ~、人の家の斎事に横槍入れといて、
 何、寝言、言ってんだ!』

 『け、ケンちゃん!そんなに怒る事かい?
 確かに今回は娘さん達に丸投げしてしまった様な事になってしまったけど。』

 駅前商店街振興組合会長が、只々申し訳無いと謝るも、小言を言うので、俺は腹にしまっていたモンを大解放だ!

 『この前はふうなの件で心配かけたから、「便乗販売」は黙認したんだ!
 実際、突発的に始めたから「風紀」が悪くなったのコッチで対応したんだぜ!
 今回も権藤さんの処の従業員や舞斗の友達に「ボランティア」で場内パトロールや会場外回りの「路駐」の見廻りとか、周辺住民の方々に配慮してるんだから!』

 今回、有って然るべき事を商店街振興組合サイドからはノータッチなのだ。

 まぁ日頃から「昔は良かった。」とか「最近の若者が考える事は理解出来ない。」とか零している癖に!

 跡取りと言うべき商店街の若い店主たちの意見は聞き入れないんだから!

 オレは普段から同世代の商店主や店を継ぐか悩んでいる同級生と時折「古本屋」で話している。
 
 新しい事に対する「デメリット」を立て前に大きな商店街改革を避けている様だ。

 「森猫」も商店街の隅っこだからこそ「開店」出来たと言っても過言では無いだろう!

 『ジジィはさっさと隠居して、跡取りに任せとけば良いんだ!その分、孫と遊べるだろ!』

 『何だと!この若僧が!まだ「悪童」の頃の口の悪さが治らないか!』

 何故か、会長ら二人では無く、和菓子屋の「カスガ屋」のご主人に怒鳴られた!

 『あ、春日さん、ご無沙汰です。生きてたんっスね!』

 『そう言うところだ!お前も!順坊も!』
 
 『子供の頃、思い出しますね。良く順也と怒られてましたっけ? アレ?あの時、何で怒られてたのか覚えてます?』

 『お前らが道端で「兄弟ゲンカ」していただからだろうが! この「馬鹿垂れ」がっ! ゴホゴホ!』

 『大丈夫っスか!オッチャン!』
 咳き込む春日さんに駆け寄るも、
 『だ、大丈夫だ! ハァハァ。』



 『こら!お年寄りを困らすな! この馬鹿亭主が!』コツン?

 気がつくと後ろに嫁さんが居た。
 
 『アレ?久美、お前…?』

 『お父さんと母さんが舞華たちの晴れ舞台を見たいって言うから美咲ちゃんたちに手伝ってもらって見に来たのよ。君は「携帯」出ないし?』

 『悪い、はて?「携帯」は…寝てる?』

 
 『皆さん、せがれが酷い事申してすいません。』

 美咲に車椅子を押され、親父が会長らに頭を下げた。

 『コイツも悪気は無いんです。全ては地元の商店街の事を思っての「暴言」なんです。ゴホゴホ!』

 『いや、「整体の先生」もそのお身体で良くいらしてくれました。』

 『キタさん、久しぶりに呑まんかな?』


 『さ、早くこの場を逃げるわよ!』

 嫁さんに促され、後は良く出来た義母と介護士に任せる事にした。





 『では、発表します!今回のコスプレ人気投票の一位と二位の発表デスの!

 審査委員長の三条先生、お願いデスの!』


 審査委員長の三条先生が何やら微笑みが引き吊ってる?

 何か有ったか?

 他の審査委員は

 このイベントの開催実行委員長の「山王院 華」、この町が舞台となったドラマでヒロインの母親役が絶賛の人気女優「古清水 亜由美」、何故か芸能事務所社長「山王院 元徳」と曲者ばかり?


 『え~、投票数751票に4人の審査員による厳選な審査票がプラスされ、決まりました!』

 会場が息を呑む瞬間である!

 
 ちなみに審査員は一人で10票分持っており、参加者一人に10票入れたり、二人に5票つづ分けて投票できる。


 『先ず二位の発表です。』

 ゴクリ!

 『合計208票!素晴らしい演出でした!
 「北代 舞華さん」です!おめでとう!』

 
 …あ?2位?ま、まさか!

 あー、やり過ぎて皆んな来れなかったのね?


 『そして、栄えある第一位は、この数日、商店街を明るく楽しませてくれ、ステージも湧かせてくれた彼女こそふさわしい!』
 
 あ~、そっか?思ったより商店街でコミュニケーション取ってたのね?

 で無ければ、決勝進出出来る筈無いのだ!

 確かに彼女は自分に投票する為に、商店街でしていたが、その行動が周りから目を引き、思いも寄らない「好感度」が上がってしまったのだろう!

 一応は「爆買いお嬢様の噂」は聞いていたが、それほどとは!

 負けた!わたしまけましたわ!



 三条先生がその名を告げる!

 『投票数251票! 黒いコスチュームに目を奪われたました! おめでとう、君が一位だ!』

 三条先生が一位のレイヤーの前に立つ!

 瞬間、会場のボルテージは最高潮 …なんだけど、中には

 『え?信じられない?こんな事あるの?』

 って、観客も多い様。

 でも皆んな納得!


 つぅ~か!

 最初に言ったよね!

 コレは「森猫」で「我が家の愛猫ヒメの追悼」として始めた「猫のヒメ」の コスプレ祭。

 奇しくもヒメの命日にイベントが行われているのも偶然とは思えない!


 そして、愛くるしい妹に私が夢で出会った「人間の女の子だったヒメ」の姿を再現した衣装を着せた事、皆んな覚えてましたか?





 『山王院 二葉ちゃん!
 これからもその笑顔でこの町を明るくして下さい!本当におめでとう!』


 その瞬間、花火が打ち上がる!

 ちなみに、打ち上げたのは「ニャン-バロン」だ!

 緊急信号弾を新潟産の三尺玉に変えて、二葉を祝福している!



 『え~、今回、審査員も大変悩みました!しかし、これを無効票とするのは余りにも忍び無い!
 しかも二葉ちゃんの投票数に審査員票無しで「第一位」なのです!
 それこそがこの会場の総意ではないでしょうか!』

 その瞬間、会場から拍手喝采だ!



 『むふぅ~!「二葉サマファンクラブ」を舐めないでもらおう!総勢251人なのさ!』

 と語る「足立 まみ」!

お前も投票しとるのか~い!

 それじゃ私の審査員票は?

 

 『皆さんありがとうナノ!』

 こうして「猫ヒメコスプレコンテスト」は幕を閉じた!

 元徳お兄さんが参加者皆んなに連絡先を交換しようとして、華ちゃんに〆られてた。

 ただ、来場者二千人を超えていたのに、コスプレコンテストの投票数が三分の一程とは?

 実は屋台村では、
 突発的に「フードファイト」が始まってしまったり、

 フリマで値段交渉が「アームレスリング」で行われたり、

 地下アイドルがで「ゲリラライブ」を始めたり、
 「来賓席」で「酒盛り」始めて潰れちゃったりと、イベント全てを堪能しきれなかった方々が多かった様だ。




 さて、


 『悔しいけど、約束は守りますわ!』

 錦織さんがコスプレ衣装のままで、私を追って来た!

 『あら?立派なワンちゃんね?貴女の犬?』


 『うん!へへへ、まだ生まれて間も無いんだよ。だから私がお母さんなんだ!』

 『そ、そう?そんなに大きいのに?大型種なのね。

 ちょと!ソレ処じゃないわ!』

 『雅ちゃん、3位だって!205票って接戦だったね!』

 ちなみにそうなる様、華ちゃんが最後に10票ぐらい入れたらしいの。

 これナイショね!

 『何よ!その「雅ちゃん」って!馴れ馴れしいわ! ……でも仕方無いわね、「約束」だから。』

 『約束?なんだっけ?』

 『誤魔化さないで!負けた方が土下座して「召使い」になるって事よ!』
 
 誤魔化すつもりも無いので、

 『土下座する事になってるのは私だけでは?  
 ソレに殆ど引き分けみたい票数だよ、二葉ちゃんの「圧勝」で。』

 

 元々、打ったのは謝るつもりだったから。

 まぁ、それなら「約束」を行使する?

 『なら私が「命令」する立場でいいの?』

 『い、いやらしい事は無しよ!』

 おいおい、フラグですね?

 『え!駄目なの?』

 私は残念そうに脱力して見せたら、

 『な!何よ、その反応は?
 ハッ! 貴女、やっぱり女の子が⁉︎』

 『ごめん、冗談だから。ソレに「二葉ちゃんのヒーローインタビュー」が始まって、ステージ降りたから、今更面倒臭いし、土下座は無しでいいよね!』

 何かマミマミが二葉ちゃんに「第一位おめでとうございまス! 今のお気持ちをぅっ‼︎」って始めちゃったのね。

 邪魔するといけないから、他の皆んなはステージからハケた。

 ここは私とマミマミ、二葉ちゃんが使っていた更衣室。

 キグルミを「実装解除」する前に雅ちゃんが来たって?

 雅ちゃん、その衣装、重くない?羽根とか?
 土下座したら立ち上がれなさそうだし?

 『分かった、じゃあ最初の「お願い」ね。


 えっと、私の友達になりなさい!          
 

   ダメ?  かな?』

 は~ぁ、ダメなら次の手が有るんだっけ、華ちゃん?



 『ハ~ァ、もう何だか馬鹿らしくなりましたわ。

 良いわ、その「お友達」とやらになりましょう。
 「約束」通り、卒業までですが…。』

 ダダダダダっ抱き!

 『え!何しますの⁉︎』
 毎度のハグです!

 『ヒャッポー!雅ちゃん、ボッこってゴメンね!これからよろしくね~‼︎』

 『ちょ、ちょっと離しなさーい!舞華さん! 
 あっ!どこ触っているの!貴女は⁉︎ 』
 
 産まれたばかりの「ヘビーシグマ」が、キョトンとして見ている?

 
 「ヘビーシグマ」

 見た目はシェパードに似た大型犬、その中身は生前の「シグマ」のデータを元に調整した機械と有機生体部品パーツの複合体!
 翔太さんとサナエさんの合同開発なの⁉︎

 一部、「シグマの髭」から採取したDNAから生体部品パーツも作って使ってるって?

 何の為?

 「緊急災害救助犬」の試験体プロトタイプなんだけど、「咲耶姫サクヤヒメ」とリンクして、この子も「実装」するみたい?

 あとね!私専用の「カプロボ」も7体支給されたよ!

 

 ?  あれ?

 私、何させられるのかな?


 まぁ今は新しい友達との抱擁を楽しもうっと!

 『あんっ!もうー止めて!舞華!私も謝るから!』


 





 『ヒーローならぬ「ヒロインインタビュー」っス!
 コスプレ「kidsの部」「大人の部」二冠制覇、おめでとうっス!』

 『ありがとうございますの!』

 『聞く処によると、屋台村の「射的屋」で一発必中の全発命中、景品総取りされたとか?』

 『JS乙女の嗜みですの。』

 『景品はそのまま、施設に寄附されたとか?』

 『一人で運べないから困っていたので。』

 『相変わらずの「無双振り」っスね!』

 『そんな、二葉は「普通の女の子」デスの!』

 『普通の定義はこの際聞かないっス! では「二冠制覇」の快挙は誰に伝えたいっスか?』

 『お兄様、二葉やりましたの~!』

 『お姉様じゃないんですね?』

 『お姉様2人とも目の前で見てましたから。』



 二人のやり取りを250人がステージ前に齧り付いて見ている?

 早よ帰れ。片付け始まるよ?
 

 『ソレでは、屋台村で行われている「フードファイト」の現場と中継が繋がってるっス! 現場のゆたかク~ン!』

 何だと!

 よく見ると「ケーブル鶴亀」のクルーがカメラ構えてた⁉︎

 
 『ハーイ、こちら現場の「ゆたか」でーす!』

 コイツもコスプレ衣装のままだ!

 『こちらでは屋台村の有志が突如として「フードファイト」を始めてしまいましたが、現在は二人の少女が独走中です!

 がんばれー!リリちゃ~ん、灯火ちゃ~ん!』

 なるほど、「二人の少女」ね?


 『さすがなのだ!凪兄ぃの料理ならいくらでも食べれるのだ! お代わりなのだぁー!』

 『オラオラ!コッチの皿、空だぞ!早く盛ってこいや!』

 『ハーハハハッ!オラ、食材が足りねーぞ!疾くしろー!
 もっとだ! もっとオレ様にもっと料理を作らせろ!』


 『あ、あはは。こちらは見事に敗れた挑戦者の屍の山を横眼に、二人は幸せそうに食事を続けちゃってま~す。宛ら「KHAOS」ってまーす! 現場からは異常で~す!』

 何のこっちゃ?

 『続いて、フリマ会場から西河ちゃん!』


 『は、は、ハァ~ィ、サイカで~す。こちらでは「謎の柔道幼女」が腕相撲で20人抜きしてます~!
 今、次々と彼女に挑戦しようと行列が出来ていま~す!



 って、こんな感じで、いいかな、優君?』

 『え!優くん?』

 華さんが食いつく!

 『西河お姉ちゃん、まだカンペの続き、有るから、読んでね。』

 『えっと、優君ごめんね!んっん! 
 ハイ!こちら現場で~す。長い列は本当に挑戦者でしょうか? 幼女と握手したいから挑戦者に混ざって並んでいる様にも見えます。明らかに「」の自信ある様に見えない方も並んでます。 異常、現場からでした!  
 コレでおしまいかな、優君?』


 そんなこんなでイベントは概ね好評で間も無く終了を迎え様としている。


 着替え終わった舞華たちも「来賓席」の有るテントで打ち上げに参加する為、集まっていた。

 既に食材を使い果した屋台の店主やアトラクションの機材を片付け終わって今度は「営業」の為に打ち上げに参加する企業の人たちでテント内は賑わっていた。

 『あら、すっかり「仲良し」ね?貴女たちは。』

 『正直言って、「ウザい」ですわ。どうにか成りませんか、山王院会長?』

 『え~!ひど~い!いいじゃん、険悪だった分、チョー消しにしないといけないんだから、このぐらいしないと! ね!ミヤムー‼︎ 』

 『あらあら、ウフフ。』

 錦織さんに後ろからベッタリ抱き付いている舞華はまるで、「子泣きジジィ」の様?
 なんて思っちゃう華ちゃんなのでした。

 あれ、良いなぁ、って眺めてる「舞華親衛隊」はタッちゃんの指示で残っているお客やスタッフに「イベント終了の声かけ」に行って帰ってを繰り返してる。

 防犯の為、「パトロールはまだしてます。」アピールらしい?

 迷子や落とし物の報告も全て解決している様なので、懸念事項はない筈だけど「念には念を!」と言うことなのかな?

 最後までお世話をかけます。


 『舞斗殿、ちょっとよろしいか!』
 
 『いま、カルロスの作った「唐揚げ」食べてるから駄目!お前さんも食べるか?絶品だぞ!』

 
 悩んだ末に、やっと声をかけたのに「唐揚げ」に負けた!

 雅ちゃんの「護衛」、一ノ瀬さん。

 『舞斗!意地悪しないで、お話しを聞いて上げなさい!』

 華ちゃんに叱られて、唐揚げから手を放す兄?
 手掴みで食べてたの?


 華ちゃんからウェットティッシュを貰い、手を拭き拭きしてる、口も拭いてね、お兄ちゃん!

 『何かな?「唐揚げ」と「売れ残りの具材全部乗せピザ」が俺を待っているのだ!急がないと「腹に猛獣を飼っている」幼女二人がやって来てしまうのだよ!』

 『そ、そうか?それは済まない。では手早く済まそう。
 舞斗殿、再戦を所望する!』

 『いいぜ!やるからに「殺す」つもりで逝くぜ!』

 『ああ、ありがとう!そう来なくて…ガク。』

 開始とともに、舞斗の左ストレートが顔面を襲った!

 一応、彼女も両腕でガードしたが無意味だった。

 『な!なんて事を!』

 会場の片付けを手伝いに来ていた「嵐姉」こと「明神 嵐」が弟分の行動を見て、殺到しそうになった!

 舞斗の一撃を食らった女性が軽く2メートルは吹き飛んだのだ!

 その先には嵐と同じく幼馴染の舞斗達を手伝う為、空いた紙皿や紙コップを回収していた「力兄リキにぃ」こと「門星カドボシ  チカラ」がいたからだ!

 身長198センチの大男ながら、純朴で優しい顔立ちの青年に抱き止められた一ノ瀬さんが、

 『大丈夫ですか、お嬢さん?』の「優しい言葉」に「鉄のハート(自称)」がコロっとやられてしまった!

 『舞斗の奴!なんて事を!コレで悪い蟲が増えるじゃない!』

 力兄が歳下でも愛の為、果敢にアピールしている嵐姉さん、
 一ノ瀬さんは悪く無いからね?

 
 『一ノ瀬も「免許皆伝」の割に情け無いけど、のお兄さんも大概よね?
 本当に「何者」なの?』


 『へへへ~、「舞華」って言ってくれた♡』

 『や、やめなさいよ!鳥肌が立つから!貴女、まさか本当に「そっちの性癖しゅみ」のかたなの?』

 『…なのかな?』

 『そこは否定するところでしょ⁉︎』

 『錦織さん、舞華の相手は大変なの分かってくれたかしら?』

 『会長? えぇ、ご苦労偲ばれますわ!忍んでませんけども⁉︎』


 『「華」って呼んで、私も「雅」って呼ぶから。』

 『よ、よろしいのかしら?本当に?』

 『舞華と友達になったのなら、私とも友達って事よ。お得でしょ?』
 
 
 『会長、じゃない、「華さん」がソレでよろしければ、
 よ、よろしくお願いします!』


 『えぇ、これからよろしくね「ミヤビ」、ところでコレからの事なのだけれども?』

 『これから?』

 『貴女の「マルコ」に、この「メモリ」をプレゼントするわ。私達の「カプロボ」と「キティネットワーク」で情報共有出来る様になるわ。』

 『え?キティ?何の事?』

 『詳しくはマルコ君自身に聞いて。私、これから振興組合の皆さんにご挨拶して来るから。』


 『はぁ?いってらっしゃい。』
 

 『ミヤビちゃ~ん!華ちゃんと「小難しい話」終わった~?』

 『貴女、楽しそうね?あの「ワンちゃん」はどうしたの?』

 
 『ん?シグマのこと?ココにいるよ。』

 と言うと、左手のスマートウォッチを見せた。

 『この中に私が呼ぶまで眠ってるの。』

 
『また私の事、揶揄っているのね!もぅ騙されてないから!』

 ヘソを曲げたかな?
 怒ったのか、他の決勝に参加したレイヤーの処に話しかけに行った雅ちゃん。

 『本当なんだけどな、まぁ私も信じ難いけど? ね、ヘビーシグマ?』

 『ワフ!』

 『あ!ワンコなのだ?
舞華姉、腕輪でワンコ育てるゲームか?』

 『リリちゃん、お疲れ!お腹パンパカパンだね?』

 『大丈夫!明日の朝には元通りな「だいなまいとぼでぃ」なのだ?』

 『ワフワフン!』

 『声がアルファに似ているのだ?』

 『ナイショね、この子はアルファの「お爺ちゃんの生まれ変わり」なの。』

 自分で言って恥ずかしいけど?

 『「でーたあにまる」なのだな?』

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