猫カフェは探偵事務所ではありません〜女子高生店長の奮闘記〜仕方ないなぁ、今回だけですよ。

猫寝 子猫

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お待たせ!コスプレ投票決勝戦! 〜屋台村はテラ盛り大騒ぎ!

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 ついに、ついに!

鶴亀商店街コスプレコンテスト!

 決勝戦開催!

 そして、ついに今日は最終日!

 ついに頂点が決まる!


 『そう、泣いても笑っても、今日が最終日!悔いを残すな‼︎ 思い出を残せ⁉︎ 恥を翔け? 恥ずかしいのは今日までだ!』

 開場前にスタッフ全員の前で、激を飛ばすのは

 『お前たちの骨は、
 この「九院クイン  ミサキ」が拾ってヤルから安心して燃え尽きて恋⁉︎』

 『『ウォーーー!』』

 怒号を挙げるのは今回イベントに協力してくれた山王院の「メイドさん」や「執事さん」、権藤興業の「若い衆お兄さん」やタッちゃんを慕う山代学園の「舞華親衛隊」や舞斗の友人たち「ネコ部」、商店街で燻った「露天商」など

 50人以上の協力者が会場裏で、今か今かと待ち焦がれている⁉︎

 『さぁ舞斗くん!開場前の号令を!』

 え? またアレをやれと?

 『お兄ちゃん、しっかりー!』

 『舞斗、お願い!ここは真面目にね!』

 妹と幼馴染に応援されたらヤルしかないよな。

 誇り高き、鋼の魂!

 よし!

 『この街の明日の為の街おこしスクランブルだ!
 守れ、商店街!
 倒せ、不景気!
 出陣! 「猫姫ネコヒメコスプレコンテスト 最終日」だー!』

 ウオーー!

 激に呼応し、怒号で会場が揺れた!

 鶴亀公園をイベント会場にし、屋台村では普段の倍の出店数。
 会場の一部では「フリーマーケット」や「新商品の試食会や体験会」なども行っており、防犯や清掃を受け持つ「見守り隊パトロール隊」も会場内をマメに巡回する。


 フリーマーケットでは「山代」の生徒たちが多く参加している!
 ゲーセンのクレーンゲームでゲットしたプライス品や、
 自分がデザインしたTシャツに古着をリメイクしたモノ等を並べて逞しく商売している。

 
 文化祭の予行練習だろうか?

 屋台村でも焼きそばやフランクフルトを作っている「山岳部」やお好み焼きやたこ焼きを「料理研」が担当している屋台が好評の様。

 「相撲同好会」が野菜たっぷりのちゃんこ鍋にうどんを入れてる「ちゃんこうどん」がバエるとスマホ撮影してる女性客も、隣りの屋台では「土木研」が手作りの「ピザ窯」で「本格ピザ」を焼いているのを見て更にバエると興奮していた!

 実は生徒会から今回のイベントに協力してくれる部や同好会、はたまた個人にも「売り上げの一部を「保護猫活動」や「養護施設」に寄附してくれれば生徒会協力の元、「活動費の補填」の名目で稼ぎまくってもいい!」と内々に内示が有ったらしい?

 本当かよ!


 『宛ら「B級グルメ祭り」だな?毎年やるのかい、嬢ちゃん?』

 『商店街のおじさん達は頭が追いつかないみたい?今後の「相続問題息子が継ぐか?の流れで「ヤるヤラない」が決まると思うよ、ゴンパパさん!』

 舞華と権藤氏が、まるで親子の様に会場内を観て回る。

 大きなトラブルは起きていない様。


 『さて、私も着替えて準備しなきゃ!』


 『あぁ、そうだった。
 あのな舞華ちゃん。
 更衣室を盗撮しようとした「馬鹿」を〆ておいたからよ。
 安心して着替えてくれ!』


 『そ、そうなんですか。』

 その情報、もっと後でよかったのに?

 『鉄に娘が産まれたじゃないか。もう「孫」同然に可愛いんだよ! わかるかい?
 「姫乃ヒメノ」ってウチの女房が名付け親なんだけどね。
 その子がリリちゃんや舞華ちゃんくらいの歳になった時の事とか考えると、もう切なくて切なくて…。
 だから舞華ちゃん達にも、もしフザけた真似する奴が居たらとか、オッチャンは大心配ダイシンパイたんだよ。』

 既に立派は「お爺ちゃん」だね!
 うっすら涙目のゴンパパさん、内容は「ほっこり」だけど、色々怖くて聞けない部分はお父さんに聞いてもらおう!

 『まぁ、揉め事は「お爺ちゃん」に任せておくれよ、舞ちゃんや。』

 『ハイ!「お爺ちゃん」!行って来るネ!』


 会場入り口で「パンフレット」を一人一部渡していている
 中に「屋台グルメ人気投票券」とか「SAN -O新機種体験会参加券」とか、
 そして「ネコヒメコスプレコンテスト決勝戦投票券」が添付されている。

 そう、今日の投票で全て決まるのだ!



 投票は午後3時まで、ステージ前の投票箱に投函するのみ!

 投票結果は午後五時に発表!

 投票した人には記念品を差し上げてるよ!

 午前中に一度特設ステージ上で決勝戦進出メンバーの紹介イベントを行い、その後は会場内で様々なアトラクションに参加して、このイベント全体を盛り上げるのだ!

 私は主に「捨て猫野良猫の保護猫活動」や「待機児童」や「養護施設」の支援の啓蒙活動をする事にした。

 他の子もそれぞれの場所でアピールを兼ねてアトラクションに参加している。

 『その前に「お披露目ステージ」だよね!よし、がんばるぞ!』

 聴くところによると、既に、

 ロリーなご当地アイドル四人娘たちが、会場内で大活躍らしい?

 え、四人?



 三人は大体分かってるけど、もう一人誰よ?

 
 『わ~い!柔道のお姉ちゃんだ!』

 『あの子じゃない?ほら「煽り運転」したチンピラを退治した女の子って!』

 『何だ!師匠‼︎  まだ「隠し球」が有ったなんて! どんだけ「幼女ストック」が有るのですカ?
 さすが「お父さんリョク」ですか?』

 『ウルセーぞ、ゲン助!私は幼女じゃねー!』


 『君たち、新型重機と綱引きして勝っちゃうなんで無茶苦茶だよ!』

 SAN-O重機の人がに焦る、そんな段取り聞いて無い!

 『まぁ「新型の瓦礫破砕車」さんはとっても「紳士」さんデスのよ?「ジェントル」とお呼びしますわ!』

 『それ、ナイショだけど「ファイタス」や「ニャン-バロン」と合体出来るからね。』

 係の人に混ざっていた翔太博士が現れた!

 『あ!翔ちゃんなのだ!美人のお姉さんも一緒なのだ!』

 『あ、あ、貴女がリリちゃん?まるで「白銀の妖精」みたいに愛らしいのに「ワイルド感」が滲み出ているのは何故?』

 美人と言われ、照れ照れな春佳さん変装済み。

 今回、春佳さんが変装してまでイベント会場に来たのにはわけが有る!

 思い込みが激しく、周りから浮いてしまう「親戚の子」と、

 一途なのに自分を表現するのが苦手な「幼馴染」が心配になったので、その様子を見守りたかったから!

 『マヤもミヤビちゃんもアレから成長してるといいけど?』

 一之瀬の家とは「同じ様な分家」なので、他の「十八家」の同年代の子供達よりは付き合いやすかった。

 「十末」は武具加工に秀でた「十鐘」の分家、そして

 「一之瀬」は主君を護る事に重点を置いた近接格闘術を継承する「一文字」の分家なのだ。

 長年、度々起こる「山王院の後継者闘争」で離れていく本家やそれに取り変わっていく分家など、古い家系の煩わしさから逃げ出した自分だけど、

 『やっぱり、なんか心配なのよね?あの「凸凹コンビ」は!』

 今時、「凸凹コンビ」って、聞かないよ?





 屋台は食べ物ばかりでは無い。

 「狛田商店」はアニメキャラクターの「お面」や「ハッカパイプ」。光るヨーヨーやアクセサリーを販売している。
 
 隣りでは「一回100円」のくじ引きの屋台で権藤興行の若い衆、通称「ブンちゃん」が店番している。

 何でも若い衆たちで数時間置きに交代しているらしいが開始から今まで誰とも交代していない?

 それは、

 『ミハルさん!お疲れになりませんか!さっき、後輩が飲み物差し入れてくれたんで、良かったら一本飲みませんか?』

 日曜朝に放送しているアニメキャラクターのお面を横ちょに被り、同じくアニメキャラクターのハッカパイプを「ピーピー」吹いて鳴らしている「狛田 ミハル」。

 『あ、ありがとう!
 でも、私は大丈夫です!
 お気遣いありがとうございますね、「ブンちゃん」さん。』

 『いや~、へへへ~♪』

 『オイ、何ニヤニヤしてるんだ
?ブン!』

 『あ!あ、あ、兄貴!お疲れさまっス!』

 『タツさん、こんにちは!』

 『ミハルさん、この馬鹿がサボってたら言って下さいね。直ぐに別な奴と交代させますから。』

 『いえ、「ブンちゃん」さんはとても親切ですよ。先程も…』

 『コレ、オレが焼いた「たこ焼き」と「焼きそば」、ソレと冷えた「烏龍茶」です。良ければ食べて下さい。
 ソレとステージの時間はウチの若いのが交代しますから、ご安心下さい。』

 『本当にありがとうございます!タツさんって、本当に頼りになる方なんですね!』

 

 …頑張れ、ブンちゃん!




 フリマでは、

 何故か、「十鐘 千鶴」が地下の古本屋から「微妙な」在庫を並べていた。

 『あの名作を布教しなければ!』

 扱っているのは昭和・平成と「映画化やドラマ化」した小説の文庫本やハードカバー、日焼けした表紙のコミックス等、ソレに混じって同人誌なんかも有る?

 「立ち読み歓迎!値段要相談!」と立て看板も設置していた。

 『十鐘女史、お疲れ様!』

 『野中氏、首尾は?』

 『よ、四人の愛天使を目撃した!丹沢氏の足が止まって撮影を始めた!』

 『み、みたい!天使ちゃん!』

 何気に仲間意識が芽生えた様?

 『小鳥遊女史は、何方に?』

 『日和ヒヨリちゃんなら「君の見つけた逸材」ちゃんを探しに行ったよ?』

 『ん?彼女のいる場所なら舞斗君に聞いているが?』

 『あ!逃げたな! …まぁあの子がいるとお客が引くから「布教」出来ないし。』

 『売れてるのかい?「「エンジェルタウンの名医さん」の謎」は?』

 古本屋の在庫に混ぜている同人誌の中には彼女の作った有る漫画の評論解説本が有った。

 『三冊売れたの、ところがヒヨリちゃんが「その本、この子が作ったンデスよ!」って、場違いなテンションで接客始めたら、皆んな遠退いてしまったの。』

 『想像に易いな。
 話してみ和解して「いい奴」だと理解したが、あの「明るさ」は諸刃の剣だな?』

 『こちらは心配しないで。間も無く膝肩さんが交代に来るから。
 君は君の成すべき事をして来て。   後、丹沢氏は「任務」に復帰させてね。』

 『あぁ、了解した。ありがとう、十鐘くん!』


 

 『舞斗く~ん、どこ~?』

 おやおや。





 「出張!いざと言う時の護身術教室!」なるコーナーを発見?

 
 『うむ!君は中々スジが良い! 良ければウチの道場にも来てみないか!』

 猫耳に黒い道着の「華月先生」は小中学の女子に大人気⁉︎

 痴漢にあった時の対処法など、体験希望者が集まっている?

 華月お姉様と過度な接触有りでドキドキなのだ!

 『お姉さん、コスプレ大会に出てる人?カッコイイね!』

 小学生男子が誉めてくれた。

 『ん?そうか、ありがとう。』

 ご満悦の華月さんなのです        

 が!

 『華月、時間だ。ステージに集合するが、準備出来てるか?』
 
 様子を見に来た従兄妹の界。

 『?……あ、衣装! 本戦用コスプレ衣装、家に置いたままだ!』

 今着ているのは家から着用して来たガチな黒い道着⁉︎

 黒猫を模した黒い袴道着と髪を束ねていた赤いサラシの手拭い風リボンは「カゲ丸」の首輪の色。

 それをそっくり家に?

 『う、裏切らないな?
 お前のそう言うところ、治した方がイイと思うぞ!』


 『ど、ど、どうしよう!界⁉︎』

 『今から間に合うか?』
 きーーーーーん、んちゃ!

 『大ッ丈~夫‼︎ ま~かせって!私の衣装と一緒に華月ちゃんの衣装も持ってきましたっ!』

 『ひ、ひなた~!』

 『お姉ちゃん、急にカッコ悪くなっちゃったね?』

 本当だね。


 メインステージ会場では、午前の部で朝から「前座」のご当地ヒーローショーや地下アイドル達のライブなどなどで場を温めていたが、

「コスプレ大会決勝出場者ご挨拶で~す!」
 
 本日目玉ステージの前半が行われた。
 
 さて、ステージ上には投票にて?選ばれた11人が集められ、一人一人自己紹介せよと指示が出ている!


 『さて、お待たせ致しましたーの!』

 なんと、MCは!

 『本日MCは、黒猫担当の二葉デスの~!』

 なのです。

 『本日はコチラにおられるコスプレイヤーの方々の頂点を決める運命の日なのですの~!
 分かってますの~?
 お兄ちゃんたち~♡ お姉ちゃまたち~☆』

 ヴォーー萌たー!

 キャ~~可愛いー!


 「子供の部」のダントツ一位の人気女子小学生は来場者のハートを
「へる&へぶんをShake!」だ!


 『さぁ、トップに紹介するのは「月下に見参!」、鶴亀町の剣客乙女!
 黒猫コスは愛するイケメン仔猫
 「カゲ丸君」をモデルにデザインした袴道着!
 
 「一文字 華月」お姉様ですの!』


 『推して参る!』
 
 何処かで聞いた事の有りそうな芝居染みた台詞を囀る割には動きが硬い?

 華月お姉様、緊張してます?

 
 『さらにご紹介しますの!
 鶴亀町kidsの社交の場、駄菓子屋「狛田商店」の看板娘!
 大正ロマンが香る乙女桜は
「狛田 ミハル」!
 実は猫寄りの「オオカミ少女」デスの!』

 『『ミハル姉ちゃん、カッコイイ‼︎』』
 お子様の声援に応える様、
 
 『この手に「必勝」有るのみ!』

 と模造刀を握った腕を掲げる!

 奇しくも「処女武者」が並ぶと何かのゲームイベントみたいだ?

 二葉の紹介で次々に会場に歓声が上がる!

 途中、「ゆたか」と「真琴」が二人合わせて紹介した時は女子の声援が会場を「耽美」な空気にした?

 残すところ、紹介するのは三名!


 『続きまして「森猫猫カフェ」の期待新人!もふもふコスプレは、今や鶴亀町の守り神!白い神獣犬、「ビックフット」を見事に具現化しました!「森の猫さま」第三の刺客、「尾北 蒼李」さんデース!』

 『わ、私の夢は「声優」になる事デス!』




 数分前までの不安が嘘の様に消えていた!

 今は力強い瞳が凛々しい!

 おそらくは

 あの人のお陰。



 

 ちなみに、「ひなた」は「水神探偵事務所」からのトレード参加、マミマミは「わるぷるKiss」からのトレード参加にした。

 特に大きな意味は無いけど、一つのお店から大勢決勝に残ったのは勘繰られたくないから。
 
 『さぁ、ご紹介するメンバーもわずかになりましたの!
 
 次にご紹介しますのは、この短い間に商店街で人気急上昇の「爆買いお嬢様!」向かう所、敵味方混ぜこぜのニューヒロイン!
 「錦織 雅」愛馬「ランスロット」の擬人化コスプレですの!
 ヒヒーンなの!』

 
 白馬なのか?
白いレースを何層にもあしらった衣装はウェディングドレスかと思いきや、スカートの裾を摘みひらりと一回転!

 すると、

 『何、アレ!』

 『ママ、あのお姉ちゃん、変身したよ!』

 一回転し、再び彼女が正面を向いた時、

 まさかの早着替え?

 白いレースは吹き飛び、右の羽は紅く、左は黒羽根!

 黒いドレスに身を包み、ポニーテールを束ねるのは「蹄鉄」、瞳は妖しく笑みを浮かべる!

 堕天使の降臨かと思える演出は会場をヒートアップさせた!

 何と錦織さん、鶴亀公園内の乗馬倶楽部からの出場なのだ!

 『さぁ、私の前に跪きなさい!』


 あちゃ~!これはやっちゃったかな、私?

 相手は服飾メーカーのお嬢様、こんなショー形式の演出なんて、アッチが上なのは分かってたのに!

 
 『私、詰んだな!』






 な~んてね!

 『二葉ちゃん、プランΣシグマ発動要請よ!』

いや~?焦った焦った!

 だって「システム完成」したの今日の朝だから!

 ソレ聞いたの、お披露目ステージ始まる1時間前だから⁉︎

 『了解デスの! 舞華お姉様は二葉のマイクパフォーマンスの後に「バミ」の所で待機して下さい! あと、出来れば30秒程お時間を稼いで頂けると完璧デスの! …何か歌ってくれます?』

 『ハードル上げたな⁉︎』



 ステージ裏では、「機動メイド部隊 黒猫」専用の「マンチカン機動作戦指揮車Σシグマ」が待機していた!

 『九院隊長岬お姉様! 白猫リーダー二葉お嬢様より「ヘビーシグマ起動要請」です!』
 
 『うむ!よくもこの日に間に合った!
 起動要請承認! 「キティ」との「リンク確認完了」!』

『「実装ポイント」の座標確認!

 北代 舞華専用キグルミ

 「咲耶姫サクヤヒメ

 転送準備完了です!』



 
 


 『さぁ、最後のご紹介になりますの!
 突発シード枠からの参戦は、「山代学園に咲き誇る二つの華!」の一対!
 全校生徒の半数以上が彼女のファンクラブ!
 最近は猫カフェの店長もやってますの!

 二葉のもう一人の「お姉様!」』キラ!

 いま、彼女舞華は「森猫」で着用している「イベント宣伝用」の「猫耳メイドさん」のコスプレ衣装!

 『皆んな~!「森猫」で待っているにょ!』

 二葉がタイミングを合わせ、

 『「北代 舞華」!出番ですの!』


 舞華、「約束の地バミ」に立つ!

 『さぁ、行こうよ!ついて来て!』

 

 『…4…3…2…1… 零!転送開始!』



 『♪~uhh~Hu~♪   
  「実装」!』

 突然、頭上から光が舞華を襲う⁉︎

 あれ?何か重さを感じる?

 そう言えば「光」って、質量有るんだっけ?

 刹那にステージ上に「狼」にも引けを取らない「愛犬 シグマ」の尾の様に、鈍く輝く銀髪の少女が現れる!

 メイド服は鋼色のラバースーツに変わり、肘や肩など要所に特殊合金製の鉄甲、頭部のヘッドドレス風バイザーが僅かに「メイド」の名残り?
 猫耳ならぬ
 「狼犬の耳」は威風堂々!

顔は隠さず、武器は持たず、己が拳が牙なのだ!

 正に特撮ヒーローばりの装いだ!

 母のお下がりを仕立て直した「緋華」では無い、

 正真正銘、舞華専用の

 「対特殊犯罪用強化装甲服他所行きのキグルミ

 
 『転送及び「実装」完了しました! 「成功」です!』


 『よし!悪ノリ終了!マスター北代舞斗くんのお父さまに見つかる前に撤収よ!ナルハヤで!』

 『み~つけた!』


 

 さて!観客はステージに釘付け!

 ステージ上で、まさかの

 「絶唱演出!」並みの変身シーンが行われた!


 付いて行けない「夢を忘れた大人達」は置いといて、ちびっ子たちと「夢を持ち続けてるおっきなお友達」は大興奮!

 『ねぇ、アレってどうやってるのよ?』

 『マジ変身してるとか?』

 『無いナイnay!CGだろ?』

 『何かのゲームキャラナンジャね?』


 
 『ねぇ、舞華お姉ちゃん「変身」したよ!カッコイイー!』

 『あのね!今、お姉ちゃんの後ろにおっきなワンワンが居たよ!』

 見える人には見えるんだね!

『さすが「俺たちの舞華チャン」だぜ!限界がネーぜ!』

 お前らのじゃねえよ!
あと盗撮魔捕まったの君たちだって? それは誉めてやろ!

 
 『さあ!投票は午後三時まで!結果発表と最終審査は午後五時ナノですの!』

 再び二葉の愛くるしい声が会場に染みる。

 『皆さ~ん!忘れずに投票してデスわ!』

 次回の議員選挙で二葉がお願いしたら投票率爆上がるんじゃね?


 大盛り上がりのステージ前半は終了、次のステージは午後五時。

 それまで、休憩やらアトラクションに参加やら忙しい!


 舞台裏に移動した二葉と11人、皆んな聞いていいものか、モヤモヤしていると相変わらず空気を読めない子が、

 『北代さん、アレは一体どの様な仕組みなの!
 まさか本当に変身したの⁉︎』

 皆んなが「あ~ぁ言っちゃったよ!」って顔していると、

 『私の所だと「実装じっそう」って言ってるけど?変身なのかな?』

 すると我慢出来なかった一人が、

 『舞華さん!それって「緋華ヒバナ」ですよね!』

 『ソレ、お母さんが着てたのかな。コレはソレを参考にして私用に新造したんだ!凄いでしょ!  …アレ?ミハルさん、緋華見た事あるの?』


 『お姉様!お外で「シグちゃん」が待ってますの!行ってあげてくださいな。』

 『ん!』

 『あ!待ちなさい!北代 舞華!
まだ聞きたい事が!』
 

 ステージ裏に駐車している「マンチカンΣ」の側に、

 「ヘビーシグマ」と呼ばれる、

 大型犬がいた。


 『初めまして、シグマくん!』
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